Aが死亡し、その唯一の相続人である子Bが相続を放棄した結果、Aの兄のCが相続の承認をしたところ、Bが相続財産を消費した。この場合Bは単純承認をしたものとみなされることはない。

限定承認者は、限定承認に関する民法の規定に従って各相続債権者に弁済をした後でなければ、受遺者に弁済することができない。

相続を承認または放棄をする間の熟慮期間中は、相続人は相続財産について善管注意義務を負う。

Aの子Bが相続財産を独り占めするために同順位の半血の兄弟Cを殺害しようとして刑に処された後、BはDを養子とした。その後Aが死亡した場合、Dは代襲相続することはできない。

未成年Aの親権者Bが死亡し、遺言により未成年CがAの未成年後見人に指定されていた場合、Cは未成年後見人にはなれない。

配偶者居住権は建物全体に効力が発生する権利のため、２世帯住宅のように被相続人以外の者と共有となっている建物については、配偶者居住権は取得することができない。

相続人による遺言書の破棄又は隠匿は、相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったときは、 相続人の欠格事由に当たらない。

Aが死亡し、相続人として、妻Bと嫡出子 C・D・E がいる。Eの遺留分は、被相続人Aの財産の1/12である。

遺産分割後に遺産である建物に合意と異なる部分があったことが判明した場合であっても、その建物を遺産分割によ り取得した相続人は、他の相続人に対し、 担保責任を追及す ることができない。

包括受遺者の遺贈の放棄は、家庭裁判所にその申述をし、受理されなければ効力を生じない。

相続財産の一部の割合について包括遺贈を受けた者は、相続財産に属する債務を承継しない。

停止条件のついた遺言の内容について、条件が生前に成就してしまった場合、その遺言の内容は無効となる。

検察官は相続放棄の期間延長請求ができる。

成年後見人は遺言の証人になれないが、保佐人、補助人はなれる。

相続の放棄は相手方のない単独行為であるから、成年後見人が成年被後見人に代わってこれを行っても、利益相反行為となることはない。

相続による権利の承継は、遺産分割による場合に限り、法定相続分により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。

配偶者居住権の目的となる建物の所有者は、配偶者居住権を取得した配偶者に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負う。

配偶者居住権を持つ者は、その存続期間内であれば、居住している建物の所有者の承諾を得ることなく、第三者に当該建物を賃貸することができる。

死亡危急時遺言は、遺言をした日付の記載は要件とされておらず、また自筆証書遺言と異なり、パソコンやワープロ等の機器を使用することも可能で、遺言者の署名押印も不要である。

特定の不動産を共同相続人以外の第三者に遺贈する旨の遺言がされた場合には、共同相続人は、遺言執行者を被告として、遺言の無効を理由に、その不動産について共有持分権を有することの確認を求めることができる。

遺言者がその所有する土地を遺贈するとともに、遺言執行者を指定したが、指定された者が就職を承諾する前に、当該遺言者の相続人が当該土地を悪意の第三者に売却した場合には、受遺者は土地について所有権移転登記を経ていない限り、その所有権を土地の買主に対抗することができない。

封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人 の立会いがなければ開封することができず、これに反して開封された場合には、遺言は無効となる。

Aが死亡した場合、Aの祖父BがAの相続人となることはない。

特別受益の算定につき、遺贈された財産の価格が減少している場合、それが受贈者の行為によるかよらないかに関わらず現存価額で評価すれば足りる。

遺言者が前の遺言で甲土地をAに遺贈して、その遺言書の中で「これが最終の遺言であり、撤回することはない。」旨を明記した場合には、後の遺言で甲土地をBに遺贈しても、Bは甲土地の所有権を取得しない。

共同相続人の一人であるAが相続放棄をした後、 被相続人がAの相続分を指定する内容の遺言をしていたことが判明 した場合にはAは、その遺言に従って相続をする。

公正証書遺言において、 遺言者が署名することができない 場合には、公証人がその事由を付記して、署名に代えること ができる。

遺産分割前に遺産に属する財産が処分された場合であっても、 共同相続人は「その全員の同意により」当該処分された財産が遺産の分割時に遺産として 存在するものとみなすことができる、とされているが、共同相続人のうちの一人が勝手に相続財産を処分した場合は、当該共同相続人についてはその同意を得ることを要しない。

特別受益に当たる贈与は、地震により目的物が滅失した場合であっても、相続開始の時においてなお原状のままである ものとみなしてその価額を定める。

共同相続人であるAとBの間で遺産分割協議が成立した場合において、Aがその協議において負担した債務を履行し ないときであっても、BはAの債務不履行を理由に遺産分割協議を解除することはできない。

共同相続人間において遺産分割の協議が成立した場合に、相続人の一人が他の相続人に対してその協議において負担した債務を履行しないときは、当該他の相続人は、債務不履行を理由としてその協議を解除することができる。

遺産分割前に共同相続人の一人から遺産を構成する特定不動産についての共有持分権を譲り受けた第三者は、共有関係を解消するためには、遺産分割ではなく、共有物分割によるべきである。

自筆証書遺言は自署することが必要であるから、カーボン複写の方法によって遺言書が作成された場合は、遺言は無効である。

Aが死亡し子B、C、Dが相続する場合で、AがBに遺言で全財産を贈与して、Cが遺留分侵害額請求をする場合、①Dが遺留分を放棄したとき②Dが相続放棄した場合では、①②いずれもCの遺留分はDが放棄しなかった場合と変わらない。

封印のある遺言書は、 家庭裁判所において相続人またはその代理人の立会いをもってしなければ開封することができない。

判例の趣旨に照らすと、 相続人があることは明らかでないが、相続財産全部の包括受遺者があることは明らかである場合には、相続財産法人は成立しない。

判例の趣旨に照らすと、署名はあるが押印を欠く英文の自筆遺言証書であっても、遺言者が押印の習慣を持たない帰化者である等の事情の下では有効である。

判例の趣旨に照らすと、遺言書の本文の自署名下には押印がなかったが、これを入れた封筒の封じ目にされた押印があれば、押印の要件に欠けるところはない。

遺言の訂正が方式に違背があっても、記載自体からみて明らかな誤記の訂正については遺言の効力に影響を及ぼさない。

遺留分侵害額請求権の請求先は受遺者に限る。

特別寄与料は、特別寄与者が相続開始を知った時から3ヶ月以内または相続開始の時から1年以内に申し出る必要がある。

負担付遺贈を受けた者がそ の負担した義務を履行しないときは催告権があるが、負担付贈与にはない。

遺言執行者がいる場合、遺贈は遺言執行者しか行うことができない。

相続人の債権者は、法定相続分と異なる割合で指定された相続分にかかわらず、法定相続分に応じて、各共同相続 人に対し、債務の履行を請求をすることが出来る。

被相続人Aには父Bと子Cがおり、BがAを殺害し、Cはそのことを知りながら、祖父であるBを庇い告訴・告発しなかった。この場合、Cは相続人になれない。

配偶者は、相続開始の時に被相続人所有の建物（居住建物）に無償で居住していた場合において、遺贈により配偶者以外の第三者が当該建物の所有権を取得し、又は配偶者が相続放棄をしたときは、当該建物の所有権を取得した者から配偶者短期居住権の消滅の申入れがあったときであっても、当該申入れを受けた日から6か月を経過するまでの間、引き続き無償で当該建物を使用することができる。

相続持分の譲渡をした場合、対外的には負の相続財産の債権者から免れることは無いが、その債務を支払った場合、譲受人に求償できる一方、相続分の放棄では求償は出来ないと解されている。

第三者に対し、相続分の譲渡した場合、その第三者は遺産分割協議に参加することになる。

相続前に家裁の許可を得て遺留分侵害額請求を放棄していた者が、その放棄の代償として贈与を受けていた場合、それが別の相続人の遺留分を害する場合は遺留分侵害額請求の対象となる。