衆議院の解散は高度の政治性を伴う国家行為であって、その有効無効の判断は法的に不可能であるから、そもそも法律上の争訟の解決という司法権の埒外にあり、裁判所の審査は及ばない。

憲法第78条は、裁判官の懲戒処分は行政機関が行うことはできないと規定しているところ、これは、裁判官の懲戒処分は裁判所が行うべきことを定めているものと解されており、その手続については、法律上、裁判により行うことが規定されている。

内閣の責任について、学問上一般に、この「責任」は政治責任であり、 また「連帯責任」であるものの、特定の国務大臣が、個人的理由に基づき、またはその所管事項に関して、単独の責任 (個別責任)を負うことが憲法上否定されているわけではなく、現に個別の国務大臣に対する不信任決議は、直接辞職を強制する法的効力はもたないものの、衆議院にのみ認められている。

国の収入支出の決算は、 次の年度に国会に提出され、審査がなされるが、 既になされた支出が適正であったかどうかの事後審査であるから、国会が修正を加えることはできず、また、不承認の議決がなされても、既になされた収入支出に何ら影響を及ぼさない。

国会の議事手続については両議院の自主性を尊重すべきであるから、裁判所としては、法律制定の議事手続に関する事実を審理して当該法律の有効無効を判断すべきではないというのが判例の立場である。

判例によれば、憲法第82 条にいう「公開」は、国民一般に裁判の傍聴が許されるということを意味するから、何人も、裁判所に対して裁判を傍聴することを権利として要求することができる。

内閣による衆議院の解散は、高度の政治性を有する国家行為であるから、 解散が憲法の明文規定に反して行われるなど、一見極めて明白に違憲無効と認められる場合を除き、司法審査は及ばないとするのが判例である。

内閣は、総辞職の後、新たに内閣総理大臣が任命されるまで引き続き職務を行う。

判例によれば、憲法第82 条にいう「公開」は、国民一般に裁判の傍聴が許されるということを意味するから、何人も、裁判所に対して裁判を傍聴することを権利として要求することができる。

議員の資格争訟の裁判は、国権の最高機関である国会に認められた権能であるから、両院から選出された国会議員による裁判の結果、いずれかの議院の議員が議席を失った場合には、議席喪失の当否について司法審査は及ばない。

比例代表選挙により選出された国会議員に除名・離党による党籍の変動があった場合において、当該国会議員がその議員資格を喪失するかどうかについては、これを肯定する説(資格喪失説)と否定する説(資格保有説)があるが「第43条第1項の『全国民を代表する』の意味について、議員は選挙区民が求める個々の具体的な指示に法的に拘束されることなく、自らの良心に基づいて自由に意見を表明し表決を行う権利を有することを意味するとする考え方と整合しない」との批判があてはまるのは資格喪失説である。

両議院は、それぞれその総議員の3分の1以上の出席がなければ、議決をすることができないだけでなく、議事を開くこともできない。

特別会は、衆議院の解散に伴う衆議院議員の総選挙後に召集されるものであり、その会期中は参議院は閉会となる。

条例が法律に違反するかどうかは、両者の対象事項と規定文言を対比するのみではなく、それぞれの趣旨、目的、内容、及び効果を比較し、両者の間に矛盾抵触があるかどうかによってこれを決しなければならない。

憲法第43条第1項の「全国民の代表」については、国会が民意を反映すべき機関であると同時に、国民代表機関であることも意味する。

憲法第94条は、法律の範囲内で条例制定権を認めているが、ある事項について国の法令中にこれを規制する明文の規定がない場合であれば、当該事項について規制を設ける条例の規定は、国の法令に違反しない。

条例によって地方公共の安寧と秩序を維持する規制を行うことは許されるが、国の法令による規制とその目的が同一であったり、部分的に共通するような規制を行うことは許されない。

裁判所が裁判官の全員一致で公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると決することにより、 傍聴人を退廷させて審理をすることができる場合であっても、判決の言渡しは、傍聴人を入廷させてしなければならない。

参議院と比べて衆議院の方が議員の任期が短いこと、衆議院に解散の制度があることは、衆議院の優越の根拠とはならない。

両院協議会は、衆議院と参議院から選ばれた10名ずつの協議委員で組織され、各議院の協議委員の3分の2以上の出席のもと開かれ、出席協議委員の3分の2以上の多数で議決されたとき、両院協議会の成案となる。

両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、 国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、開会後直ちにこれを釈放しなければならない。

国会は予算を修正することができず、一括して承認するか不承認とするかについて議決を行う。

憲法43条1項は、「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」と定めているが、これと同様の定式は近代憲法に広く見られ、大日本帝国憲法でも採用されている。

「裁判官の品位を辱める行状」とは、職務上の行為で、裁判の公正を疑わせるような言動をいうものとされている。

判決も「処分」の一種として、違憲審査の対象となる。

条約が違憲審査の対象とならないとすると、憲法に反する条約が締結された場合に、違憲審査によって当該条約を無効とすることができず、当該条約によって、実質的に憲法が改正されてしまうことになる。

両議院の自律権に属する行為は違憲審査の対象となるものの、国の統治の基本に関する高度に政治性のある国家行為は違憲審査の対象とはならない。

内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負うため、両議院で不信任決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない

憲法第94条は、地方公共団体の権能として条例制定権を定めているが、同条にいう「条例」には、 民主的議決機関である地方公共団体の議会が制定する条例だけでなく、地方公共団体の長が制定する規則も含まれる。

再審を開始するか否かを定める刑事訴訟法の手続は、刑罰権の存否及び範囲を定める手続ではないから、公開の法廷における対審の手続によることを要しない。

条約と憲法の関係について、憲法優位説を採った場合でも、条約は特に裁判所の違憲審査権について定める81条の列挙から除外されていること、条約は国家間の合意という特質を持ち、一国の意思だけで効力を失わせることはできないことなどの理由から、違憲審査の対象とならないと解することも可能である。

議院による国会議員の資格争訟裁判については、各議院における裁判が終審となることから、議院の議決により資格を有しないとされた議員がさらに裁判所に救済を求めることはできない。

予算が成立したにもかかわらず、予算が予定する支出の根拠となる法律が制定されていないような場合、法律が可決されるまでの間、内閣は暫定的に予算を執行することができる。

内閣総理大臣は、国務大臣の任免権を有し、これには国会の承認や閣議決定を必要としない。

閣議の決定は、慣例上全員一致でなければならないとされているから、一部の大臣が閣議の決定に参加せず、あくまでもその決定に反対であった場合には、内閣は総辞職しなければならない。

憲法第72条は、内閣総理大臣が内閣を代表して行政各部の指揮監督を行うと規定しているが、行政各部の指揮監督は、本来、内閣の権限である。したがって、内閣は、行政各部の行為についても、国会に対して連帯して政治責任を負う。

小選挙区制においては、各選挙区の多数派から議員が選出されるから、大政党は得票率に比して多くの議席を獲得でき、その結果、二大政党化を促す。

租税法の定立は立法府の政策的、技術的判断に委ねるほかないから、この分野における取扱いの区別は、立法目的が正当であり、かつ、区別の態様が立法目的との関連で著しく不合理であることが明らかでない限り、憲法第14条第1項に違反するとはいえない。

国政調査権は、各議院を構成する個々の国会議員についても認められている権能であるので、個々の国会議員も行使することができる。

衆議院解散から30日以内に総選挙を行い、選挙から40日以内に国会 (特別会)を召集、内閣は総辞職する。

国会議員の権能は、憲法上規定されていない。

形式的効力において条約は法律に優位する。

予算に関し、法律とは別個の国法上の独自の形式であると解する見解(予算法形式説)がある。この見解によると、後法は前法に優位するという原則に基づき、法律を予算により変更することが可能となり、予算と法律の不一致を合理的に解決できる。

日本では、永久税主義がとられており、一年税主義は憲法上許されない。

国会の両議院の議員で組織される弾劾裁判所は、 国会が閉会中であっても活動することができるが、このことは憲法に記載がある。

憲法優位説によれば、条約締結の機関と手続を定めた憲法の規定は、条約の形式的効力と関わりがないと考えることになる。

条約の締結に際して、国会の承認が事後でも良いとされていることは、国会の承認を受けることが条約の成立要件となるわけではないことを意味する。

両議院の会議は公開が原則であり、本会議については傍聴が認められているほか、その記録は公表され、かつ一般に頒布されなければならない。

内閣総理大臣に事故がある場合や内閣総理大臣が欠けた場合には、内閣総理大臣があらかじめ指定した国務大臣が内閣総理大臣の職務を行うが、この内閣総理大臣臨時代理という地位は、内閣法が定めるものであって、憲法が明文で定めているものではない。