少額訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、最初にすべき口頭弁論の期日までにしなければならない。

裁判所が、期日を続行して少額訴訟による審理及び裁判を行うためには、当事者の同意を得ることが必要である。

少額訴訟において、証拠調べの申出があった場合には在廷している証人の尋問をすることができる。

当事者双方が、連続して2回、口頭弁論の期日に出頭せず、かつ、その後1月以内に期日指定の申立てがされなかった場合には、当該期間の経過時に訴えの取下げがあったものとみなされる。

請求の放棄は、和解の期日においてはすることができない。

原告が被告に対し所有権に基づいて土地の引渡しを請求する訴えを提起した場合において、被告が口頭弁論の期日で「原告から100万円の支払を受けることを条件として、原告の請求を認める。」旨の陳述したときは、請求の認諾がされたものとなる。

損害が生じたことが認められる場合において、損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときは、裁判所は、 口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、 相当な損害額を認定することができる。

公示送達は、申立てにより、裁判長の許可の裁判を得て、 裁判所書記官が行う。

鑑定の申出をするときは、同時に、 鑑定を求める事項を記載した書面を提出しなければならないが、特定の鑑定人を指定する必要はなく、たとえ指定しても裁判所はこれに拘束されない。

裁判所外で証拠調べをするときも、直接主義の要請から、 受訴裁判所の構成員全員がこれに関与しなければならない。

金銭消費貸借契約の債務者が、債権者に対し、その債務を弁済した事実自体の確認を求める訴えは、確認の利益を欠く。

賃貸人Xが賃借人Yに対して、賃貸借契約の終了に基づく建物明渡請求を提起し、認容判決が出た場合には、同居人であるYの妻A、子Bにも既判力が及ぶ。

書面によらない贈与による権利の移転を認める判決が確定した後は、既判力の効果として民法第550条による取消権を行使して右贈与による権利の存否を争うことは許されない。

借地借家法の賃料増減請求により増減された賃料額の確認を求める訴訟の確定判決の既判力は、原告が特定の期間の賃料額について確認を求めていると認められる特段の事情のない限り、前提である賃料増減請求の効果が生じた時点の賃料額に係る判断について生ずる。

裁判所は、訴訟がいかなる程度にあるかを問わず、和解を試み、又は受命裁判官若しくは受託裁判官に和解を試みさせることができる。

少額訴訟の終局判決に対する異議を取下げるには、相手方の同意を要する。

少額訴訟と手形小切手訴訟は、いずれも原則一期日審理である。

訴額が140万円以上の事件についても、合意があれば簡易裁判所に管轄を認めることができるが、その簡易裁判所で合意した場合でも、地方裁判所への訴え提起された場合は原則受理される。

AがBに対し、債権者代位権に基づきCに代位して提起した貸金返還請求訴訟の係属中に、CがBに対し、同一の貸金債権に関して貸 金返還請求の別訴を提起することは、重複起訴の禁止に反する。

AがBに対して提起した貸金返還請求訴訟の係属中に、別訴にお いて、Aが同一の貸金返還請求権を自働債権として相殺の抗弁を 主張する場合にも、重複起訴の禁止の趣旨は妥当し、当該抗弁を主張することはできない。

X及びYは、通謀してX所有の不動産につき仮装の売買契約を締 結し、XからYへの所有権の移転の登記をした。その後、Yは、善意のZに当該不動産を売却し、YからZへの所有権の移転の登記をした。この場合、XがYに対して提起した所有権の移転の登記の抹消手続を求める訴えは却下される。

当事者間で、特定の権利関係について不起訴の合意をすることも処分権主義のもとで認められるものと解され、合意に反 して提起された場合には、被告がその合意の存在を主張・立証す れば、訴えの利益を欠くものとして、原告の訴えは却下される。

Xは、Yとの間で、Yに対して有する特定の貸金債権について訴えを提起しない旨の合意をした。この場合、XがYに対して当該貸金債権に係る貸金の返還を求める訴えを提起しても、Yが当該合意の存在を主張したときは、Xの訴えは、却下される。

Xは、Yに対して有する貸金債権について執行証書を有している。 この場合、XがYに対して提起した当該貸金債権に係る貸金の返還を求める訴えは、却下される。

Aが動産の上に甲債権を担保するための留置権を有しており、Bからの当該動産の引渡請求訴訟においてAが留置権の抗弁を主張した場合でも、その後に甲債権の消滅時効期間が経過すれば、Bは、当該訴訟において、同債権の時効消滅を主張することができる。

XのYに対する貸金300万円の債務不存在確認請求訴訟の係属中に、YがXに対し当該貸金の返還を求める別訴を提起することは、許されない。

被相続人の貸金債務につき相続人が貸主から提起された貸金返還請求訴訟において、被告である相続人の限定承認の事実が認められ、相続財産の限度での債務の支払を命じる留保付判決が確定した場合には、貸主は、口頭弁論の終結の前に法定単純承認の事実があったとして、限定承認の効力を争い、無留保の判決を得るため、改めて貸金返還請求訴訟を提起することは、許されない。

当事者が故意により時機に後れて提出した攻撃防御方法については、これにより訴訟の完結を遅延させることとならない場合でも、裁判所はこれを却下することができる。

訴訟代理人のない法人が追行する訴訟の係属中にその代表者の代表権が消滅した場合において、その代表権の消滅が公知の事実であるときは、相手方にその旨の通知がなくとも、代表権の消滅があった時点で訴訟手続は中断する。

当事者が法人である場合において、訴状にその代表者の記載があるかどうかは、訴状審査の対象となる。

裁判所は、数個の独立した攻撃又は防御の方法が提出されている場合において、特定の攻撃又は防御の方法に審理を集中したいときは、弁論の制限をすることができる

終局判決後にされた当事者双方が共に上告する権利を留保する不控訴の合意は、書面又はその内容を記録した電磁的記録によってされなければならない。

不控訴の合意、控訴の取下げ、いずれも第一審判決を確定させる効果がある。

簡易裁判所が和解に代わる決定をした場合に、当事者は、その決定に対して異議を申し立てることができない。

当事者は、第三者に対してされた文書提出命令に対して、即時抗告をすることができない。

郵便に付した信書で過去の事実を報告するものが偽造であることの確認を求める訴えについて、確認の利益が認められることはない。

職分管轄については、当事者双方の合意によって異なる管轄裁判所を定める余地はない。

訴えの変更が書面によらないでされ、又は訴えの変更の書面が被告に送達されなかった場合、その違反は、被告の責問権の喪失によって治癒されるものではない。

訴訟代理人が故意又は重大な過失により真実に反して文書の成立の真正を争ったときであっても、 訴訟代理人が過料に処せられることはない。

訴訟記録の謄写の請求は、裁判所の執務に支障があるときは、することができない。

A名義の文書をBが無断で作成した場合であっても、当該文書がBを作成者とするものとして提出されたときは、その成立の真正が認められる。

請求の客観的予備的併合がされている場合において、主位的請求を認容し、予備的請求に対する判断をしなかった第一審判決に対し、被告が控訴したときは、控訴裁判所は、主位的請求を棄却するとの判断をした上、予備的請求について判断をすることができる。

裁判所は、訴訟関係を明瞭にするため、当事者本人に対し、口頭弁論の期日に出頭することを命ずることができる。

当事者の一方が控訴審の第1回口頭弁論期日に欠席した場合に、その期日に出頭した当事者は、当事者双方に係る第一審口頭弁論の結果を陳述することができる。

第一審で補助参加をした参加人が引き続き控訴審で訴訟行為をするためには、控訴審における補助参加の申出をしなければならない。

訴えの提起による時効の完成猶予の効力発生の時期は、被告に対する訴状の送達の時である。

裁判所書記官は、その所属する裁判所の事件について出頭した者に対しては、自ら送達をすることができる。

訴状の審査は、受訴裁判所が行う。

株式会社の代表者の記載は訴状の必要的記載事項であり。 これを欠く場合には、補正されない限り、訴状が却下される。