未成年後見人が選任されている未成年者については、後見開始の審判をして成年後見人を付することはできない。

嫡出の推定に関する民法の規定により夫と子との間の父子関係が推定される場合であっても、当該夫以外の男性と当該子との間に血縁上の親子関係があるときは、当該男性は当該子を認知することができる。

判例によると、内縁関係にあるA男とB女に関し、Aが日常の家事に関して第三者と取引をした場合、B は、その取引によって生じた債務について責任を負わない。

婚姻が複数回の場合、女性が子を懐胎した時から子の出生の時までの間に二以上の婚姻をしていたときは、その子はその出生の直近の婚姻における夫の子と推定されるが、それが嫡出否認の訴えにより否定された場合には、否認された夫との間の婚姻を除いた上で、子の出生の直近の婚姻における夫の子と推定される。

子が既に死亡していた場合であっても準正の効果は生じる。

子は、その父と継続して同居した期間が3年を下回る場合は、21歳に達するまで嫡出否認の訴えを提起できる。

親権者の記載のない協議離婚届けは受理されないが、誤って受理されてしまえば離婚は有効となるが、この場合、親権者を定める届出がされるまでの間は、未成年の子は、父母の共同親権に服することになる。

未成年者が子を認知した場合、その未成年者の親権者は、認知を取り消すことができない。

AがBと婚姻しない状態で生んだCを認知しない間に、Cが死亡した場合において、Cに未成年の子Dがあったときは、Dの承諾を得なくとも、AはCを認知することができる。

保存された男性の精子を用いてその男性の死亡後に行われた人工生殖によって女性が子を懐胎し出産した場合には、その男性と子の間に法律上の親子関係は認められない。

成年後見人が成年被後見人を代理して預金の払戻しを受けるには、後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。

養子縁組について、一方に真の養子縁組の意思がない場合に、心裡留保のルールが適用されることは一切ない。

夫婦が、離婚意思に基づいて離婚届を作成し、夫婦の一方がいったん保管した後にこれを提出したものの、他方が届出時までに翻意していたことが明確であったときは、離婚は、無効である。

後見人が自由に辞任できるとすると、本人の利益を害するので、家庭裁判所が「正当な事由があるとき」かどうかを判断し、その許可が必要とされているが、一般に「正当事由」には、本人またはその親族との間において不和が生じた場合は含まれないと解されている。

後見人がその任務を辞したことによって新たに後見人を選任する必要が生じたときは、その後見人には、遅滞なく新たな後見人の選任を家庭裁判所に請求する義務がある。

成年後見人は複数でもよいが、追加的選任はできない。

Aが、婚姻後21年が経過した時点で、Aとその配偶者Bが居住するA所有のマンション甲をBに贈与し、その後に死亡した場合、当該贈与については、その財産の価額を相続財産に算入することを要しない旨の意思表示 (持戻し免除の意思表示)がされたものと推定される。

任意後見契約が登記されている場合に後見開始の審判をすることができるのは、本人の利益のために特に必要があると裁判所が認めるときに限られる。

離婚による重婚の解消の場合、取り消せなくなるのに対して、重婚者の死亡により重婚が解消した場合には、依然として取り消すことができる。

不適齢婚は、適齢になった後は取り消せない。ただし、不適齢者自身は、追認しなければ、 適齢後3か月間は取り消せる。

夫の氏を称する婚姻をしている夫婦が共同して養親となった場合において、養子は養父とのみ離縁することができるが、 縁氏の続称を選択した場合を除き、離縁によって縁組前の氏に復する。

Aが、夫Bとその前妻との間の子Cの直系卑属である未成年者Dを養子とするためには、Bとともに養子縁組をすることを要しない。

判例は、民法770条2項について、単に夫婦の一方が不治の精神病にかかった一事をもって直ちに離婚の訴訟を理由ありとするものと解すべきではなく、たとえそのような場合においても、諸般の事情を考慮し、病者の今後の療養、生活等についてできるかぎりの具体的方途を講じ、ある程度において、前途に、その方途の見込のついた上でなければ、ただちに婚姻関係を廃絶することは不相当と認めて、離婚の請求は許さない法意である、としている。

家庭裁判所は、特別の事情があるときは、3親等内の親族間においても、扶養の義務を負わせることができるが、姻族に扶養義務を負わせることはできない。

婚姻適齡の規定に違反した婚姻については、当事者または親族は当事者の一方が死亡した後は、取り消し請求をすることができない。

被保佐人がした保証契約は、保佐人の同意を得てした場合には、取り消すことができない。

養子が15歳未満であるときは、協議上の離縁は、 養子の離縁後にその法定代理人となるべき者と養親との協議によってする。

AがXに殺害された場合、Aの配偶者B及び子Cは、Aから相続したXに対する損害賠償請求権の他に、たとえ財産権の侵害がなくても、Xに対し固有の損害賠償請求権を行使できる。

胎児の側から(胎児のために母が父に対して)認知を請求することは現行法上認められていない。

精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者について保佐開始の申立てがされたときは、家庭裁判所は、保佐開始の審判をすることができる。

Aに介護が必要な場合、家庭裁判所は、特別の事情があるときは、Aの兄Bの娘Cの子D(つまり姪の子)に扶養の義務を負わせることができる。

配偶者の孫を養子とする場合には、その孫が未成年者の場合、家庭裁判所の許可を得ることを要する。

婚姻適齢に達しない者がした婚姻でも、その者が婚姻適齢に達したときは、当該婚姻の取消しを請求することはできない。

補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。

特別養子縁組の養子の年齢は、15歳未満が原則だが、15歳に達する前から養親となる者に監護されていたと認められる場合、特別養子縁組の成立時に18歳に達していなければ、養子にできる。但し、その際、養子が15歳を超えている場合、養子本人の同意が必要である。

親権者の下で監護されている幼児で意思能力のないものを連れ去り、その子を不当に拘束している者に対しては、人身保護法に基づく救済を請求することができる。

妻の連れ子がを養子にした夫が、その子を虐待している場合、親権者を変更することができる。

親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする義務を負うが、監護及び教育する「権利」は民法上規定されていない。

保佐人と被保佐人の間の利益相反行為がある場合、家庭裁判所は必ず臨時保佐人を選任する。

後見人は、成年被後見人本人の行為を目的とする契約についての契約を代理する場合は、必ず本人の同意を得る必要がある。

推定相続人である未成年の子が廃除された場合でも、父はその子に対して扶養の義務がある。

妻は夫の父母に対して、当然に扶養の義務がある。

夫婦の一方は、他方が前婚でもうけた子に対して扶養義務を負うことはない。

自己の配偶者に対する扶養義務者の順位の指定は、遺言によってすることができない。

判例の趣旨に照らすと、建物賃借人Aの内縁の妻Bは、A が死亡した場合、Aの相続人と並んで同建物の共同賃借人となるので、同建物に居住する権利を主張することができる。

協議上の離婚は、離婚について戸籍の届け出時に効力を生じるが、裁判上の離婚はそれを認容する確定判決が出たときに効力を生じる。

婚姻の成立の日から250日後に子が生まれた場合において、当該婚姻がその後に夫の重婚を理由に取り消されたときであっても、夫が父子関係を否定するためには、嫡出否認の訴えによらなければならない。

成年後見人には、後見人に対する居所指定権がある。

養親の死亡により、未成年後見人に就職した実親が、被後見人を代理して締結した売買の効力を、本人が成年に達した後に否定することは、本人の利益が損なわれたわけでもなく、 本人が後見人の管理を事実上承認してきた等の事情がある場合には、信義則上許されない。