家賃が供託された場合、貸主は、いつでも供託金を受領することができる。

供託の目的物として供託をすることができる金銭は、我が国の通貨に限られる。

家賃などの継続的給付に係る金銭の供託をするために供託書を提出する者は、供託カードの交付の申出をしなければならない。

賃貸借契約における賃料債務について、賃貸人があらかじめ賃料の受領を拒否する旨を明らかにしている場合でも、その履行期が到来するまでは賃料の弁済供託をすることはできない。

借家人が家主から明渡請求を受け、目下係争中であるため、当該家主において家賃を受領しないことが明らかであるときで、「毎月末日までに当月分の家賃を支払う」という契約だった場合は、賃借人は末日前であってもその月分の家賃につき弁済供託をすることができる。

建物の賃貸人が死亡した場合において、賃借人が持参債務である 賃料につき債権者不確知を原因として弁済供託をしようとするときは、当該建物の所在地の最寄りの供託所に供託をすることができる。

家賃の減額請求権を行使した賃借人が相当と認める額に減じた家賃を賃貸人に提供し、その受領を拒否された場合には、受領拒否を供託原因とする供託をすることはできない。

供託受諾の意思表示は、口頭で行うことができる。

供託受諾の意思表示は、撤回できない。

弁済供託をすることにより質権又は抵当権が消滅した場合、原則として供託者は供託物の取戻請求をすることができない。

供託者は、被供託者が供託金還付請求権を第三者に譲渡し、その旨を供託所に通知した場合は、供託金の取戻請求をすることができなくなる。

供託者は、供託物の還付請求権が差し押さえられた後は、供託物の取戻しを請求することができない。

金額に争いがある売買代金債権の全額について弁済供託がされたが、当該供託金が債権者の主張する金額に及ばない場合、債権者 (被供託者)は、その債権額の一部に充当する旨の留保を付して、 供託金の還付請求をすることができる。

供託を受諾する旨を記載した書面には、印鑑証明書を添付することを要する。

供託受諾の意思表示は、撤回することはできない。

供託通知書は、供託者自ら被供託者に発送するか、供託所に発送請求をするかの選択ができる。

登記された法人が供託する場合には、代表者の資格を証する登記事項証明書を「提示」すれば足りる。

法人が供託をする場合には、代表者の印鑑証明書の添付は要求されない。

代理人によって供託する場合には、代理人の権限を証する書面を提示すれば足りる。

営業保証のため供託した国債証券の償還期限が到来したときは、 供託者は、供託所が国債の償還金を受け取り、これを国債証券に代わる供託物として保管することを求めることはできない。

供託金の利息は、元本と同時に払い渡すものとされている。

差押えに係る債権について供託がされた後、差押命令の申立てが取り下げられた場合には、第三債務者は供託原因消滅を原因として供託金の取戻請求をすることができる。

民事保全法の、保全命令に係る担保供託につき、供託者が取戻請求をするときは、 供託物払渡請求書に、供託原因の消滅を証する書面又は錯誤を証する書面などを「取戻しをする権利を有することを証する書面」 として添付しなければならない。

供託金の払渡しを受けようとする場合においては、請求者本人の預金口座だけでなく、当該代理人の預金口座に振り込む方法により供託金の払渡しを受けることができる。

営業保証供託として金銭を供託した場合には、毎年、供託した月に応当する月の末日後において、 同日までの利息を払い渡すことができる。

登記された法人が供託物の取戻しを請求する場合において、官庁又は公署から交付を受けた供託の原因が消滅したことを証する書面を供託物払渡請求書に添付したときは、印鑑証明書を添付することを要しない。

供託金の利息は、供託受入れの月及び払渡しの月については、付さない。

配当原資に繰り入れられる供託金利息は供託後配当実施時点までの間に生じた利息であって、配当実施によって債権額が確定した後に生じた利息については、配当債権者の財産であり、別に支払委託を要することなく、配当債権者の請求により、配当期日以後支払の前月までの利息が配当金の割合に応じて支払われる。

供託金の全額が1万円未満であるとき、又は供託金に1万円未満の端数があるときは、その全額又は端数金額に対しては利息を付さない。

営業保証のため有価証券を供託している事業者は、その主たる事務所の移転により最寄りの供託所が変更したとき、移転後の主たる事務所の最寄りの供託所への供託物の保管替えを請求することはできない。

毎月継続的に家賃の弁済供託がされており、被供託者が数か月分の供託金について同時に還付請求をしようとする場合において、払渡請求事由が同一であるときでも、被供託者は、一括してその請求をすることはできない。

取戻講求権についての時効が更新された場合、還付請求権についての時効も更新される。

家賃の数か月分につき一括してされた弁済供託の供託金の一部について取戻請求があり、これが払い渡されたとき、供託金の残額の取戻請求権については、時効が更新されない。

供託官が弁済供託の被供託者に対して供託されていることの証明書を交付したときは、供託金還付請求権の時効は、更新される。

金銭債権の額に相当する金銭を供託したときは、仮差押えの債務者は、供託金のうち仮差押解放金の額を超える部分について、 還付請求することはできない。

金銭債権の一部について滞納処分による差押えがされ、さらに強制執行による差押えがされて差押えが競合した場合、第三債務者は、差押えに係る金銭債権の全額に相当する金銭を供託する義務は無い。

第三債務者は、金銭債権に対して滞納処分による差押えのみがされたときは、その債権の全額に相当する金銭を供託することはできない。

金銭債権に対する仮差押えの執行と滞納処分による差押えが競合した場合において、第三債務者が当該金銭債権の全額に相当する金銭を供託したときは、第三債務者は、徴収職員等と執行裁判所に事情届をしなければならない。

滞納処分による差押えがされた金銭債権に対して、その後、強制執行による差押えがされた場合であっても、第三債務者は、供託をしないで徴収職員の取立てに応じて弁済することができる。

供託につき利害の関係がある者は、供託に関する事項につき証明を請求することができるが、そして、供託官が弁済供託の被供託者に対して、供託されていることの証明書を交付したときは、供託金還付請求権の時効は、更新される。

供託につき利害の関係がある者は、供託に関する書類の閲覧を請求することができ、弁済供託の供託者の請求により当該弁済供託に関する書類の全部が閲覧に供された場合、時効の猶予の効果が発生する。

被供託者が書面でなく口頭だけで供託を受諾する旨を申し出ているときに、供託者が供託を取り消し、取戻しの請求があった場合には、認可することができる。

被供託者を「A又はB」とする債権者不確知供託については、第三者Cが、A及びBを被告とする訴訟の確定判決の謄本を添付して、Cが当該供託に係る債権の実体上の権利者であることを証明すれば、Cは、供託物の還付を受けることができる。

民事訴訟の訴訟費用の担保のために行う担保供託は、担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。

管轄外の供託所にされた弁済供託が誤って受理された場合には、当該弁済供託は無効であり、たとえ被供託者が当該弁済供託を受諾したとしても、当該弁済供託を有効なものとして取り扱うことはできない。

将来発生する地代又は家賃については、借主が期限の利益を放棄することが可能であるから、支払日未到来の将来の数か月分をまとめて提供し、その受領を拒否された場合には、これを供託することができる。

供託者が債務者本人の代理人としてする意思で、しかし、本人のためにすることを表示せずに弁済供託をした場合には、被供託者がその供託が本人のためにされた供託であることを知っていたとしても、本人から被供託者に対する供託としての効力は生じない。

金銭又は振替国債の供託は電子情報処理組織を使用してすることができるが、供託金や供託金利息又は供託振替国債の払渡しの請求は電子情報処理組織を使用してすることはできない。

電子情報処理組織による供託をしようとする者は、法令の規定により供託書に添付し、又は提示すべき書面があるときは、当該書面に代わるべき情報にその作成者が電子署名を行ったものを送信しなければならず、この送信に代えて、供託所に当該書面を提出し、又は提示することはできない。