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(7)書証 p143~

Aiko Kobayashi

問題数 28 • 6/28/2025

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問題一覧

書証とは？

文書の中に記載された内容として表示されていることを証拠資料とするための証拠調べ

処分証書とは？

法律行為そのものを記載する文書

報告文書とは？

処分証書以外の作成者の見聞、意見、感想等の文書外に存在する事情を記載した文書

準文書とは？

紙と文字によって象徴される文書の概念に含まれない物件音声や映像データ

文書の成立が真正であるとは？

文書の記載内容が、挙証者の主張通りの特定人の意思に基づいてそのものの思想を表現するために作成されたと認められる場合

形式的証拠力とは？

文書の成立が真正と認められ、証拠方法としての取り調べの資格を持つこと

実質的証拠力とは？

処分文書のうち、その成立の真正が確定され、かつそこに記載されたことが実際に行われたことが否定されないもの

相手方が文書の成立の真正を認めた場合、裁判上の自白が成立するが、この自白は裁判所や当事者を拘束するか？

補助事実の自白なので裁判所も当事者も拘束しない

文書が自筆によらず、パソコン等の機器で作成された場合、さらには署名も自筆でなく印字されている場合、押印が重要となるが、この場合、どのように推定されるか？

文書上の印影が本人または代理人の印章により顕出されている場合、反証のない限り、その印影は本人または代理人の意思に基づいて成立したものと推定する

二段の推定とは？

「①署名・押印の存在 → ②本人による署名・押印 → ③文書全体の成立の真正」という2段階の推定を経て、証拠としての要件を満たすことを立証する方法

書証の対象となる各文書はどのようにして入手されるのか？入手方法３つ

①所持文書の提出 ②文書送付の嘱託官公庁が保管する文書のように、裁判所が依頼すればその送付に協力することが見込まれるときは、挙証者は文書の所持者にその送付の嘱託を求めるよう裁判所に申し立てることができる。 ③文書提出命令の申立て挙証者が文書を裁判外で任意に取得することができず、また送付を嘱託できない時は、挙証者は裁判所に文書提出命令を書面で申し立てることができる

文書提出義務が生じる場合は？４つ

①引用文書当事者が文書の所持者であってその当事者が文書を訴訟において引用した場合 ②引渡し・閲覧請求可能文書挙証者が文書の所持者に対しその引渡しを求めること、またはその閲覧を求めることができる時 ③利益文書・法律関係文書文書が挙証者のために作成された時（利益文書；遺言書）、または挙証者と文書の所持者との間の法律関係について作成された時（法律関係文書；契約書） ④除外事由に該当しない場合

文書提出義務の除外事由５つ

①自己負罪拒否特権文書・名誉毀損文書 ②公務秘密文書公務員の職務上の秘密に関する文書でその提出により公共の利益を害し、または公務の遂行に著しい支障を生ずる恐れがあるもの ③専門秘密文書、および技術・職業の秘密文書専門職または職業に関して黙秘の義務が課されていて、証人であれば証言拒絶できる事実または事項が記載されている文書 ④自己利用文書文書の所持者の利用に供するための文書 ⑤刑事・少年事件関係文書刑事事件に係る訴訟に関する書類もしくは少年の保護事件の記録またはこれらの事件において押収されている文書

判例によると公務員の職務上の秘密とは？要素２つ

・関係者が秘密として取り扱っているだけで秘密とする形式秘では足りず、実質秘であることを必要とする ①公務員の職務上の秘密には私人の秘密も含まれ、②その提出により公共の利益を害し、または公務の遂行に著しい支障を生ずる恐れの存在が具体的に認められなければならない

判例による197条1項2号の「職務上知り得た事実で黙秘すべきもの」とは？

依頼者本人が当該事実を秘匿することについて客観的に見て保護に値する利益を有するもの

判例による「技術または職業の秘密」とは？

その事項が公開されると、当該技術の有する社会的価値が下落しこれによる活動が困難になる者または当該職業に深刻な影響を与え以後その遂行が困難になるもの

判例による自己利用文書に該当するための３要件

①内部文書性：作成目的、記載内容、これを所持するに至るまでの経緯、そのほかの事情から判断して専ら内部のものの利用に供する目的で作成され、外部のものに開示することが予定されていない文書であること←外部性の要素（文書作成の法令上の根拠、監督官庁の事後的検査の必要、または第三者への開示の予定という外部の繋がり）が重視 ②開示による看過し難い不利益：開示されると個人のプライバシーが侵害されたり個人ないし団体の自由な意思形成が阻害されたりなど開示によって所持者の側に看過し難い不利益が生ずる恐れがあると認められる場合であること ③特段の事情（文書提出命令の申立人と文書の所持者が文書の利用関係において同一視することができる立場に立つ場合）がないこと

破綻した損害保険会社に関して保険管理人によって設置された調査委員会が作成した調査報告書は内部文書性が認められるか？

認められない法令上の根拠を有する命令に基づく調査の結果を記載した文書であるから

銀行本部の担当部署から各営業店長等に宛てて発出された社内通達文書は自己利用文書の看過し難い不利益の要件を満たすか？

文書所持者、すなわち銀行の内部の意思が形成される過程で作成される文書ではなく、その開示により自由な意思形成が阻害される性質のものではないと判断され、要件が否定された

判例によれば、どのような場合に刑事事件関係の文書が民事訴訟で提出義務を負うのか？

法律関係文書（挙証者と文書の所持者との間の法律関係について作成されたもの）に該当するならば一定の条件のもとで裁判所が当該書類の提出を所持者に命じることができる

イン・カメラ手続とは？

公開の法廷ではなく、裁判官だけが閲覧・判断する形で進められる非公開の審理手続き←当事者公開主義（証拠手続きにおける当事者権）を危うくするとの批判

判例によると抗告審が文書提出義務命令の当否について再審査する際にはどのようなことを留意しなければならないか？

抗告手続としての柔軟性を考慮しつつ、抗告人の相手方の手続上の権利を侵害しないよう留意しなければならない（原決定を取り消す場合は、抗告の係属を相手方に知らせなければならない）

文書提出命令の申立てが、文書提出義務の存否の審査以前で当該文書の証拠調べの必要性を欠くことを理由として却下された場合、即時抗告をすることができるか？

できない

当事者が文書提出命令に従わない場合の効果は？

裁判所は当該文書の記載に関する相手方の主張（文書の性質、内容、成立の真正についての主張）を真実と認めることができる←当該文書による立証を企てた証明すべき事実まで真実擬制されない

第三者が文書提出命令に従わないときの効果は？

裁判所は決定で20万円以下の過料に処する

検証とは？

事実に関する判断の基礎を作るために、係争事実に関係のある物体を裁判所が自ら実体験すること

検証の目的物を所持する目的物を所持する者が負う義務２つ

検証物提示義務と検証物受忍義務

銀行の貸出稟議書は自己利用文書に該当するか？

該当し、文書提出義務がない