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第１１回

Aiko Kobayashi

問題数 19 • 7/25/2024

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問題一覧

申請と届出の違い

申請には行政庁が諾否の応答をする義務がある

審査基準とは？

申請に対して、いかなる場合にどのような処分を行うかということを定めた、法令よりも具体的な行政の内部的な基準

審査基準・処分基準、裁量基準・解釈基準の違い

審査基準と処分基準は、行政手続法で用いられている概念であるが、裁量基準と解釈基準は、理論上の概念であること

審査基準と処分基準の違い

審査基準：行政手続法上の申請に対する処分に関する基準個人タクシー事業などの一般乗用旅客自動車運送事業の許可申請に関する審査基準処分基準：不利益処分に関する基準風営法 26条1 項に基づく営業停止命令等の量定

解釈基準とは？

行政機関が法令の解釈に関して内部で定めた基準

裁判所は行政の解釈基準に拘束されるか？

解釈基準は裁量の認められない行政処分に関するものであるから、裁判所は解釈基準に拘束されることなく、自らが正しいと考える法令の解釈に照らして行政処分が適法か否かを判断

解釈基準と裁量基準の違い

解釈基準は当該行政処分について裁量が認められないが、裁量基準は認められる

審査基準の役割２つ

行政活動の統一性・一体性の確保、国民の予測可能性の確保

審査基準の具体性はどれほど必要か？

① 論理的技術的に具体的でなければならず、裁量的判断の余地を意識的に残すことは許されない。 ② 処分の性質によっては完全に具体的である必要はなく、裁量的判断の余地を残すことも許される。

標準処理期間とは？

申請を受けてから処分をするまでに通常要すべき標準的な期間

標準処理期間の役割３つ

申請の恣意的な放置の防止申請の迅速な処理の促進申請処理に関する国民の予測可能性の確保

標準処理期間の設定は義務か？

努力義務にとどまる

７条に審査・応答義務が定められた趣旨は

従来の行政実務で行われていた、行政指導への不服従を理由とする申請の不受理や店晒し、申請書の返戻などの抑止

申請権の内容３つ

申請をしようとする者が自己の欲する申請を行うことのできる権利申請を行政庁にきちんと審査してもらう権利申請に対する審査の結果を示してもらう権利

理由の提示が義務付けられているのはどのような場合か？

申請拒否処分の場合のみ

申請拒否処分の際の理由の提示の役割４つ

① 行政庁の判断の慎重・合理性を担保してその恣意を抑制すること ② 処分の理由を名あて人に知らせて不服の申立てに便宜を与えること ③ 行政庁の判断の根拠を開示すること ④ 国民に対する説得

理由の提示の程度

処分の原因事実と根拠規定の記載は最低限必要

旅券発給拒否事件 X が外務大臣（Y）に対して渡航先をサウジアラビアとする一般旅券の発給を申請したところ、Y は X に対し「旅券法 13 条 1 項 5 号〔現在は 7 号〕に該当する。」との理由を付して旅券発給拒否処分を下した。そこで X が拒否処分の取消訴訟を提起した事例理由の提示として十分か？

不十分処分の根拠規定に加えて、処分の原因事実も相手方が認識できる程度に示されていなければならない。一般旅券発給拒否通知書に付記すべき理由としては、いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用して一般旅券の発給が拒否されたかを、申請者においてその記載自体から了知しうるものでなければならず、単に発給拒否の根拠規定を示すだけでは、それによって当該規定の適用の基礎となった事実関係をも当然知りうるような場合を別として、旅券法の要求する理由付記として十分でないといわなければならない。「〔旅券法 13 条 1 項 5 号は〕『前各号に掲げる者を除く外、外務大臣において、著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞があると認めるに足りる相当の理由がある者』という概括的、抽象的な規定であるため、一般旅券発給拒否通知書に同号に該当する旨付記されただけでは、申請者において発給拒否の基因となった事実関係をその記載自体から知ることはできない。いかなる事実関係を認定して申請者が同号に該当すると判断したかを具体的に記載することを要する本件一般旅券発給拒否処分の通知書は、同法 14 条の定める理由付記の要件を欠くものというほかはなく、本件一般旅券発給拒否処分に右違法があることを理由としてその取消しを求める上告人〔X〕の本訴請求は、正当

一級建築士免許取消事件 Y（国土交通大臣）は、一級建築士である X に対して、建築士法 10 条1 項2 号・3 号（現在は 1号・2 号）に基づき一級建築士免許取消処分を行った。それに対して X が、免許取消処分には処分基準（行政手続法 2 条 8 号ハ・12 条参照）の適用関係が理由として示されていない等と主張して、免許取消処分に対する取消訴訟を提起した事例。理由の提示は不十分か？

不十分行政手続法 14 条 1 項本文が、不利益処分をする場合に同時にその理由を名宛人に示さなければならないとしているのは、名宛人に直接に義務を課し又はその権利を制限するという不利益処分の性質に鑑み、行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに、処分の理由を名宛人に知らせて不服の申立てに便宜を与える趣旨どの程度の理由を提示すべきかは当該処分の根拠法令の規定内容、当該処分に係る処分基準の存否及び内容並びに公表の有無、当該処分の性質及び内容、当該処分の原因となる事実関係の内容等を総合考慮で判断当該処分の根拠規定は、抽象的な上、複雑示されるべき理由処分の原因となる事実及び処分の根拠法条に加えて、本件処分基準の適用関係上記事実及び根拠法条の提示によって処分要件の該当性に係る理由は相応に知り得るとしても、いかなる理由に基づいてどのような処分基準の適用によって免許取消処分が選択されたのかを知ることはできない。理由提示としては十分でないといわなければならず、本件免許取消処分は、同項本文の定める理由提示の要件を欠いた違法な処分であるというべきであって、取消しを免れない