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問題一覧
1
信教の自由(憲法20条1項)の保障内容3つ
信仰の自由、宗教的行為の自由、宗教的結社の自由
2
信仰の自由から派生する3つの自由
①「信仰告白の自由」 ②「信仰または不信仰によって特別の利益または不利益を受けない自由」 ③「両親が子どもに自己の好む宗教を教育し自己の好む宗教学校に進学させる自由、および宗教的教育を受けまたは受けない自由」
3
信仰の自由とは?
宗教を信仰し、または信仰しないこと、信仰する宗教を選択し、または変更することについて、個人が任意に決定する自由
4
宗教的行為の自由とは?
信仰に関して、個人が単独で、または他の者と共同して、宗教上の祭典、儀式、行事その他布教等を任意に行う自由
5
宗教的結社の自由とは?
特定の宗教を宣伝し、または共同で宗教的行為を行うことを目的とする団体を結成する自由。
6
信仰の自由はどういう限りで絶対不可侵か?
内心にとどまる限りにおいて絶対不可侵。
7
信仰の自由が内心にとどまる限りで絶対不可侵なのはなぜか?
内心の無害性
8
信仰の自由の具体的いないよう3つ
【1】信仰を理由とする不利益処遇からの自由 【2】信仰の強制からの自由 【3】信仰告白の自由(沈黙の自由)
9
宗教の積極的定義は?
超自然的、超人間的本質(すなわち絶対者、造物主、至高の存在等、なか んずく神、仏、霊等)の存在を確信し、畏敬崇拝する心情と行為
10
宗教法人に対する解散命令が、信教の自由への直接的制約ではない理由2つ
1解散命令が、信者の宗教上の行為を禁止、制限する法的効果を一切伴わないこと 2宗教的側面に容喙する目的が存在しないこと
11
政教関係の形態3つ
① イギリス型:国教制度を建前としつつ国教以外の宗教に広汎な宗教的寛容を認める。 ② イタリア・ドイツ型:国家と宗教団体とを分離させながら、国家と教会とは各々その固有の領域において独立であることを認め、競合する事項については政教条約コ ン コ ル ダ ー トを締結し、それに基づいて処理する。 ③ アメリカ型:国家と宗教とを厳格に分離し、相互に干渉しないことを主義とする。アメリカのほか、フランスなど。日本もここに属する
12
①国教型、②公認宗教型、③政教分離型の違い
③では宗教は「私事」であるのに対し、①②では「公事」としての側面をもつ点で、①②と③の間に大きな差異がある
13
政教分離型の複合的な目的・意義3つ
❶信教の自由の間接的保障 ❷「政府を破壊から救い、宗教を堕落から免れしめること」 ❸少数者宗教の信者に「政治社会において望ましくないメンバーであるとのメッセージ」が送られることの回避
14
政教分離の原則の位置付け
政治と宗教とを分離し、国家生活から宗教を追放する(国家の非宗教性)といった含みを持つわけではなく、宗教的中立性として位置付けられる
15
国家の宗教的中立性の実現の仕方2つ
1国家が宗教に全く介入しないという態度を貫くことにより中立性を確保しようという考え方 2介入すること自体はありうるが、その場合にはすべての宗教・非宗教を公平・対等・平等に扱うという考え方
16
日本が採用する政教関係の形態
政教分離型
17
憲法20条1項後段、及び89条は何にかかわるか?
宗教団体への利益供与の禁止
18
憲法20条3項は何にかかわるか?
国家自身の活動の禁止
19
憲法20条1項の特権の意味とは?
の宗教団体に比べて、あるいは一般の国民・団体に比べて、〔認められる〕特別な利益
20
明治憲法下における信教の自由
「法律の留保」を伴わず立法権も拘束するとされた
21
宗教法人オウム真理教解散命令事件 (1) 「〔㋐〕解散命令は、信者の宗教上の行為を禁止したり制限したりする法的効果を一切伴わない。もっとも、宗教法人の解散命令が確定すると清算手続が行われ、宗教法人に帰属する財産で礼拝施設その他の宗教上の行為の用に供していたものも処分されることになるから、〔㋑〕これらの財産を用いて信者らが行っていた宗教上の行為を継続するのに何らかの支障を生ずることがあり得る。このように、宗教法人に関する法的規制が、信者の宗教上の行為を法的に制約する効果を伴わないとしても、これに何らかの支障を生じさせることがあるとするならば、憲法の保障する精神的自由の一つとしての信教の自由の重要性に思いを致し、憲法がそのような規制を許容するものであるかどうかを慎重に吟味しなければならない」。 (2) 「本件解散命令は〔①〕法 81 条に規定する宗教法人の解散命令の制度は、専ら宗教法人の世俗的側面を対象とし、かつ、専ら世俗的目的によるものであって、宗教団体や信者の精神的・宗教的側面に容かいする意図によるものではなく、その制度の目的も合理的であるということができる。そして、〔②〕Y の代表役員であった松本智津夫及びその指示を受けた Y の多数の幹部は、大量殺人を目的として毒ガスであるサリンを大量に生成することを計画した上、多数の信者を動員し、Y の物的施設を利用し、Y の資金を投入して、計画的、組織的にサリンを生成したというのであるから、Y が、法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められ、宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたことが明らか。〔③〕Y の右のような行為に対処するには、Y を解散し、その法人格を失わせることが必要かつ適切であり、他方、解散命令によって宗教団体であるオウム真理教やその信者らが行う宗教上の行為に何らかの支障を生ずることが避けられないとしても、その支障は、解散命令に伴う間接的で事実上のものであるにとどまる。〔④〕したがって、本件解散命令は、Y の行為に対処するのに必要でやむを得ない法的規制であるということができる。 〔⑤〕また、本件解散命令は、法 81 条の規定に基づき、裁判所の司法審査によって発せられたものであるから、その手続の適正も担保されている」。 (3) 「本件解散命令及びこれに対する即時抗告を棄却した原決定は、憲法 20 条 1項に違背するものではないというべきであり、このように解すべきことは、当裁判所の判例(最高裁昭和36 年(あ)第 485 号同 38 年 5 月 15 日大法廷判決・刑集 17 巻 4 号 302 頁)の趣旨に徴して明らかである。」 1〜3の要点をまとめよ
合憲 (1)㋐:解散命令は、宗教的行為を禁止・制限する「法的効果」を伴わない。 ←(1)㋑:解散命令後の清算手続の結果、法人の財産を用いた宗教的行為を継続することに「何らかの支障」は生じる。ここから「信条の自由の重要性に思いを致し」、当該規制措置の合憲性を「慎重に吟味」することが要求される((1)㋒)➢ 「何らかの支障」は、その後「間接的で事実上のもの」と特徴付けられている。この点を捉えて、本件では、「最高裁が信教の自由に対する間接的ないし事実上の制約の存在を認めた」と読む見解がある。 (2):〈慎重な吟味〉――①解散命令制度の目的の合理性、②Y の行為の違法性の程度、③法人格剥奪の必要性・適切性と解散によって制約される利益の性質・程度、④必要やむを得ないか否か、⑤手続の適正性、に鑑みて、解散命令は憲 20 条 1 項に違反しないと結論 ① 目的の合理性は、解散命令制度の「対象」と「目的」の「世俗」性、 「宗教団体や信者の精神的・宗教的側面に容かい」する「意図」の不存在から認定。 ② Y がサリンの生成という「著しく公共の福祉を害すると明らかに」認められ「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為」を行ったことの明白性。 ③ 法人格剥奪という手段の必要性・適切性と、解散命令による宗教団体・信者の「支障」が間接的・事実的なものに留まること。 ④ 必要最小限度性(「必要やむを得ない法的規制」である) ⑤ 司法審査(裁判所)を通じた適正手続の担保←→行政機関による解散決定。 (3)決定への補足・コメント 宗教法人に対する解散命令(法人格の剥奪)が、信教の自由への直接的制約ではない理由としては、❶解散命令が、信者の宗教上の行為を禁止・制限する法的効果を一切伴わないことが挙げられるが、加えて、❷宗教的側面に容喙する目的が存在しないことも挙げられるだろう(判決では、間接的制約を認定した後の審査で考慮されている)。 本決定では、信教の自由に対する間接的ないし事実上の制約の場合であっても、制約される権利の重要性を理由に〈慎重な吟味〉を行い、目的審査の合理性と、手段の最小限度性の審査を行った、と整理できる。この枠組みは、他の類似の事案にも応用可能
22
エホバの証人剣道受講拒否事件 ➢ X:退学学生(原告・控訴人・被上告人) ➢ Y:神戸高専学校長(被告・被控訴人・上告人) 〈判旨〉 (1) 「高等専門学校の校長が学生に対し原級留置処分又は退学処分を行うかどうかの判断は、校長の合理的な教育的裁量にゆだねられべきものであり、校長の裁量権の行使としての処分が、全く事実の基礎を欠くか又は社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を超え又は裁量権を濫用してされたと認められる場合に限り、違法であると判断すべきものである〔判例参照〕」。 「しかし、退学処分は学生の身分をはく奪する重大な措置であり、〔Y は〕当該学生を学外に排除することが教育上やむを得ないと認められる場合に限って退学処分を選択すべきであり、その要件の認定につき他の処分の選択に比較して特に慎重な配慮を要するものである〔判例参照〕」。 (2) 1「高等専門学校においては、剣道実技の履修が必須のものとまではいい難く、体育科目による教育目的の達成は、他の体育種目の履修などの代替的方法によってこれを行うことも性質上可能というべきである」。 (3) 2「他方、前記事実関係によれば、X が剣道実技への参加を拒否する理由は、〔㋐〕X の信仰の核心部分と密接に関連する真しなものであった。〔㋑〕したがって、X は、信仰上の理由による剣道実技の履修拒否の結果として、、原級留置、退学という事態に追い込まれたものというべきであり、その不利益が極めて大きい。〔㋒〕また、X がそれらによる重大な不利益を避けるためには剣道実技の履修という自己の信仰上の教義に反する行動を採ることを余儀なくさせられるという性質を有するものであったことは明白である」。 (4) 「Y の採った措置が、信仰の自由や宗教的行為に対する制約を特に目的とするものではなく、教育内容の設定及びその履修に関する評価方法についての一般的な定めに従ったものであるとしても、本件各処分が右のとおりの性質を有するものであった以上、Y は、前記裁量権の行使に当たり、当然そのことに相応の考慮を払う必要があったというべきである。 (5) 3「本件各処分の前示の性質にかんがみれば、本件各処分に至るまでに何らかの代替措置を採ることの是非、その方法、態様等について十分に考慮するべきであったということができるが、本件においてそれがされていたとは到底いうことができない」。 (6) 神戸高専は、「他の学生に不公平感を生じさせないような適切な方法、態様による代替措置を採ることは可能。信仰上の理由に仮託して履修拒否をしようという者が多数に上るとも考え難いところである。」 (7) 「、およそ代替措置を採ることが、その方法、態様のいかんを問わず、憲法 20 条 3 項に違反するということができないことは明らかである。」 (8) 「以上によれば、信仰上の理由による剣道実技の履修拒否により退学処分をしたという Y の措置は、考慮すべき事項を考慮しておらず、又は考慮された事実に対する評価が明白に合理性を欠き、その結果、社会観念上著しく妥当を欠く処分をしたものと評するほかはなく、本件各処分は、裁量権の範囲を超える違法なものといわざるを得ない。 1〜8の要点は?
違憲 (1):退学処分に関する Y の「合理的な教育的裁量」(教育的裁量)を認め、社会観念審査(社会観念上、行政庁の判断が著しく妥当性を欠くことが明らかな場合にのみ、当該行為が取り消される)を示唆。 ←→しかし退学処分が「重大な措置」であり、学校教育法施行規則における退学事由の限定列挙からすれば、退学は「教育上やむを得ないと認められる場合」にのみ行うべきであり、学校長には「特に慎重な配慮」が要請される(原級留置処分も同様)。 *裁量の限定 ➢ 「宗教的理由に基づく世俗的義務の履行拒否であるという事情が、裁量の広狭を左右する判断要素とされていない」点に注意。 (8):結論として、本件各処分は、「考慮すべき事項を考慮しておらず、又は考慮された事実に対する評価が明白に合理性を欠き、その結果、社会観念上著しく妥当を欠く処分をした」として裁量を逸脱濫用した違法なものとされた。 *判断過程審査の採用 ➢ ここでの違法事由の骨子は、〈X の履修拒否が信仰上の理由であったのに代替措置を検討せず、さらに単位不認定の理由や成績全体を勘案せず、本件各処分を行ったこと〉 裁量権行使に際して、信仰上の理由に「相応の考慮」を払うべき理由として、本件各処分の「性質」((4))に言及する ➢ (3)㋐拒否理由が X の信仰の核心部分と密接に関連する真しなものであったこと、㋑信仰上の理由による履修拒否の結果として退学処分に至っており、X の不利益が極めて大きいこと、㋒X が重大な不利益を避止するためには教義に反する行動をとらなければならないこと。 ➢ 履修拒否が信仰上の理由によることから直ちに「相応の考慮」の要請が導き出されているわけではない点に注意。 代替措置の検討義務は、(3)(4)の事情に由来する信教の自由への「相応の考慮」の必要性と、剣道実技が教育目標達成に必須ではないこと(→(2))により導かれる。 本件では、代替措置を採ることが実際上(→(6))、また憲法上(→(7))可能であったにもかかわらず、それが検討されなかった(→(5))。
23
エホバの証人剣道受講拒否事件 本件では、直接には、Y の各処分が裁量権の逸脱濫用に当たるか否かという観点からの審査が行われている。ここで信教の自由は、Y が裁量を行使する際に考慮すべき一つの事情として登場しており、《剣道受講の履修を義務づけや代替措置をとらなかったことが信教の自由違反か》という審査は、少なくとも直接には行われていない。理由2つは?
① 履修拒否と処分が直結しておらず、処分には教育的裁量が認められる。 剣道実技に参加しなかったという事態を学業成績の一つとして評価して、校長の裁量判断の結果採られた措置であって、法令上剣道実技の履修拒否から当然導かれる直接の効果ではない。信仰上の理由で履修しない場合に限り一般の履修拒否の場合よりも低く評価されたものでもない ➔ 剣道受講拒否それ自体を理由として処分がなされた場合や、剣道受講の義務づけが特定の宗教ないし信仰の自由の否定を狙いとしていた場合には、《裁量権の逸脱濫用》の枠組みではなく、信教の自由に対する制約が正当化されるか、という枠組みがとられる余地がある。 ② 義務づけ自体の合憲性判断が、処分の違法性を認定するのに必須ではなかったから(神戸高専は、本件各処分を決定するに当たり、原告に対する代替措置を検討すらしていなかった。そのため、本件各処分が違法であるという結論を下すには、その代替措置の不考慮が裁量権の逸脱・濫用に当たると判断すれば足り、原告に対する剣道実技履修の強制を違憲ないし違法と判断する必要はなかった) ➔ 被告が、代替措置を検討した上で拒否し、剣道実技の義務づけを行った場合には、義務づけ自体の合憲性を直接問う必要が出てくる可能性がある。
24
宗教法人に対する「優遇税制」の可否
合憲説が多数 宗教法人は公益法人や社会福祉法人とともに免税されているので「特権」には該当しない
25
20条1項の政治上の権力とは?
「国および地方公共団体に独占されている統治的権力 立法権・課税権・裁判権・公務員任免権など
26
客観訴訟とは?
行政活動の客観的な適法性維持を目的とした訴訟
27
主観訴訟とは?
国民の権利利益の保護を目的とした訴訟
28
民衆訴訟とは?
国又は公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟
29
津地鎮祭判決 (1) 「憲法は、〔20 条 1 項後段、同条 3 項、および 89 条を列挙〕として、いわゆる政教分離の原則に基づく諸規定(以下「政教分離規定」という。)を設けている」。「一般に、政教分離原則とは、・・・・・・世俗的権力である国家(地方公共団体を含む。以下同じ。)は、これを公権力の彼方におき、宗教そのものに干渉すべきではないとする、国家の非宗教性ないし宗教的中立性を意味するものとされている。昭和 21 年 11 月 3 日公布された憲法は、明治維新以降国家と神道とが密接に結びつき前記のような種々の弊害を生じたことにかんがみ、新たに信教の自由を無条件に保障することとし、更にその保障を一層確実なものとするため、政教分離規定を設けるに至つたのである。憲法は、政教分離規定を設けるにあたり、国家と宗教との完全な分離を理想とし、国家の非宗教性ないし宗教的中立性を確保しようとしたもの、と解すべきである」。 (2) 「しかしながら、元来、〔❶〕政教分離規定は、いわゆる制度的保障の規定であつて、信教の自由そのものを直接保障するものではなく、国家と宗教との分離を制度として保障することにより、間接的に信教の自由の保障を確保しようとするものである。ところが、〔❷〕宗教は、信仰という個人の内心的な事象としての側面を有するにとどまらず、同時に極めて多方面にわたる外部的な社会事象としての側面を伴うの が常であつて、国家が、社会生活に規制を加え、あるいは教育、福祉、文化などに関する助成、援助等の諸施策を実施するにあたつて、宗教とのかかわり合いを生ずることを免れえないこととなる。したがつて、現実の国家制度として、国家と宗教との完全な分離を実現することは、実際上不可能に近いものといわなければならない。これらの点にかんがみると、政教分離規定の保障の対象となる国家と宗教との分離にもおのずから一定の限界があることを免れず、政教分離原則が現実の国家制度として具現される場合には、そのかかわり合いが、信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で、いかなる場合にいかなる限度で許されないこととなるかが、問題とならざるをえないのである。右のような見地から考えると、わが憲法の前記政教分離規定の基礎となり、その解釈の指導原理となる政教分離原則は、国家が宗教的に中立であることを要求するものではあるが、国家が宗教とのかかわり合いをもつことを全く許さないとするものではなく、宗教とのかかわり合いをもたらす行為の目的及び効果にかんがみ、そのかかわり合いが右の諸条件に照らし相当とされる限度を超えるものと認められる場合にこれを許さないとするものであると解すべきである。 (3) 「(二) 憲法 20 条 3 項により禁止される宗教的活動/憲法 20 条 3 項・・・・・・にいう宗教的活動とは、前述の政教分離原則の意義に照らしてこれをみれば、およそ国及びその機関の活動で宗教とのかかわり合いをもつすべての行為を指すものではなく、そのかかわり合いが右にいう相当とされる限度を超えるものに限られるというべきであつて、〔❶〕当該行為の目的が宗教的意義をもち、 〔❷〕その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるような行為をいうものと解すべきである。 〔㋐〕当該行為の行われる場所、〔㋑〕当該行為に対する一般人の宗教的評価、㋒〕当該行為者が当該行為を行うについての意図、目的及び宗教的意識の有無、程度、〔㋓〕当該行為の一般人に与える効果、影響等、諸般の事情を考慮し、社会通念に従つて、客観的に判断しなければならない」。 (4) 憲法 20 条 2 項と 3 項は「それぞれ目的、趣旨、保障の対象、範囲を異にするものであるから、2 項の宗教上の行為等と 3 項の宗教的活動とのとらえ方は、その視点を異にするものというべきであり、2 項の宗教上の行為等は、必ずしもすべて 3 項の宗教的活動に含まれるという関係にあるものではなく、たとえ 3項の宗教的活動に含まれないとされる宗教上の祝典、儀式、行事等であつても、宗教的信条に反するとしてこれに参加を拒否する者に対し国家が参加を強制すれば、右の者の信教の自由を侵害し、2 項に違反することとなるのはいうまでもない。」
(1):憲 20 条 1 項後段、同条 3 項、および 89 条の「政教分離規定」は、政教分離原則に基づく規定であり、同原則は「国家の非宗教性ないし宗教的中立性」を意味する。 ➢ 同原則は政教の「完全な分離を理想」とする。*非宗教性に傾斜した理解 (2)①:政教分離規定の性格――この規定は「国家と宗教との分離を制度として保障することにより、間接的に信教の自由の保障を確保しようとする」「制度的保障」 (2)②:分離の程度――宗教は「外部的な社会事象としての側面を伴う」ため、国家と「宗教とのかかわり合い」は不可避。 「現実の国家制度」としては政教の「完全分離」は「実際上不可能に近い」。 政教分離原則の厳格な貫徹は「社会生活の各方面に不合理な事態」を生む。 ➢ 政教の一定の「かかわり合い」が許容されることを前提に、「信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で」分離の限度を考える。 ➢ 各規定の解釈の指導原理としての政教分離原則は、宗教的中立性を意味し、「宗教とのかかわり合いをもたらす行為の目的及び効果にかんがみ、そのかかわり合いが右の諸条件に照らし相当とされる限度を超えるもの」を禁止する。*宗教的中立性への傾斜 (3):上記指導原理に照らせば、憲 20 条 3 項の禁止する国家による「宗教的活動」とは、国家等の活動と宗教との「かかわり合いが右にいう相当とされる限度を超えるものに限られ」、「〔❶〕当該行為の目的が宗教的意義をもち、〔❷〕その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるような行為をいうもの」をいう。 ➢ 目的効果基準――〈国と宗教の相当とされる限度を超えるかかわり合い〉=「宗教的活動」に該当しないかを、❶目的および❷効果の宗教性に着目して判断。 ➢ 判断に当たっては、行為の「外形的側面」にとらわれず、㋐~㋓の「諸般の事情を考慮し、社会通念に従つて、客観的に判断」する。 (4):憲 20 条 3 項が禁止する国家による「宗教的行為」と、同 2 項が国家による国民の強制参加を禁じる「宗教上の行為」とは異なる概念。前者を限定しても、後者が限定されて信教の自由の不当な侵害が生じる心配はない。
30
津地鎮祭判決 (5) 「(三) 本件起工式の性質/・・・・・・本件起工式は、原審の説示するところによつてみれば、建物の建築の着工にあたり、土地の平安堅固、工事の無事安全を祈願する儀式として行われたことが明らかであるが、その儀式の方式は宗教とかかわり合いをもつものであることは、否定することができない」。 (6) しかし「起工式は、土地の神を鎮め祭るという宗教的な起源をもつ儀式であつたが、時代の推移とともに、その宗教的な意義が次第に稀薄化してきている」。「一般人の意識においては、起工式にさしたる宗教的意義を認めず、建築着工に際しての慣習化した社会的儀礼として、世俗的な行事と評価しているものと考えられる。本件起工式は、一般人及びこれを主催した津市の市長以下の関係者の意識においては、これを世俗的行事と評価し、これにさしたる宗教的意識を認めなかつた」。 (7) 「また、現実の一般的な慣行としては、建築着工にあたり本件のような儀式をとり入れた起工式を行うことは、特に工事の無事安全等を願う工事関係者にとつては、欠くことのできない行事とされているのであり、建築主が一般の慣習に従い起工式を行うのは、工事の円滑な進行をはかるため工事関係者の要請に応じ建築着工に際しての慣習化した社会的儀礼を行うという極めて世俗的な目的によるものであると考えられる」。 (8「このような事情と前記のような起工式に対する一般人の意識に徴すれば,神道を援助、助長、促進するような効果をもたらすことになるものとも認められない。」。 (9) 「以上の諸事情を総合的に考慮して判断すれば、本件起工式は、宗教とかかわり合いをもつものであることを否定しえないが、その目的は社会の一般的慣習に従つた儀礼を行うという専ら世俗的なものと認められ、その効果は神道を援助、助長、促進し又は他の宗教に圧迫、干渉を加えるものとは認められないのであるから、憲法 20 条 3 項により禁止される宗教的活動にはあたらないと解するのが、相当である」。
合憲 (4)要点② (5):起工式の「方式」、主宰者(神主)の「意図」から「宗教とのかかわり合い」を認定*「宗教とのかかわり合い」即違憲ではない点に注意(→(3)) (6)(7)(8):(3)で示された「諸般の事情」に即した検討 ➢ (3)㋑「当該行為に対する一般人の宗教的評価」の検討→「宗教的意義」の希薄化((6)(7)) ➢ (3)㋒「当該行為者が当該行為を行うについての意図、目的及び宗教的意識の有無、程度」→主催者(市長等)の宗教的意識の不存在((6)(7)) ➢ (3)㋓「当該行為の一般人に与える効果、影響等」→宗教的意識を高めない、神道の援助・助長・促進にならない、国家と神社神道との密接な関係は生じない、神道の国教的地位の復活や信教の自由への脅威にならない((8)) (9):以上の諸事情を総合考慮すれば、当該行為の目的・効果の観点から、本件行為は、国家による「宗教的行為」に該当しない。
31
制度的保障とは?
個人的権利、特に自由権と異なる一定の制度に対して、立法によってもその核心ないし本質的内容を侵害することができない特別の保護を与え、当該制度それ自体を客観的に保障しているもの
32
政教分離原則は憲法上の権利か?
憲法上の権利ではない
33
憲 20 条 3 項の「宗教的活動」の定義は?
およそ国及びその機関の活動で宗教とのかかわり合いをもつすべての行為を指すものではなく、そのかかわり合いが右にいう相当とされる限度を超えるものに限られる
34
レモン・テストの内容3つ
①問題となった国家行為が、世俗的目的(secular purpose)をもつものかどうか、②その行為の主要な効果(primaryeffect)が、宗教を振興しまたは抑圧するものかどうか、③その行為が、宗教との過度なかかわり合い(excessive entanglement)を促すものかどうか
35
目的効果基準とレモン・テストの違い2つ
差異❶:レモン・テストは①~③の個別的検討の結果一つでもクリアできないと違憲であるのに対して、目的効果基準は目的と効果を明確に分節しておらず(→(4))、またいずれかの要素のみにより違憲となるのかが不明確。 ➢ 差異❷:目的効果基準は、かかわり合いが相当とされる限度を超えるのかを目的と効果に着目して判断する。対して、レモン・テストでは、①目的、②効果の審査とは別に③過度なかかわり合いの審査があり、実際の運用では、③の段階で違憲と判断されることが多い
36
目的効果基準とは?
国や自治体に許されない宗教活動を「社会的・文化的条件に照らして相当限度を超えるもの」に限定し、「どの程度のかかわり合いならば憲法上許されるのか」を判断する基準
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箕面忠魂碑(戦死者の慰霊碑)事件 ➢ 「第一行為」:箕面市が旧忠魂碑ないし本件忠魂碑に関して行った諸行為。土地売買、移設・再建・無償貸与(判旨①(2)のⅰ~ⅳ) ➢ 「第二行為」:市長・市教育長による慰霊祭への参列・玉串奉奠等 (1) 〔❶〕旧忠魂碑は、元来、戦没者記念碑的な性格のものであり、本件移設・再建後の本件忠魂碑も同様の性格を有するとみられるものであって、本件忠魂碑と神道等の特定の宗教とのかかわりは、少なくとも戦後においては希薄であり、本件忠魂碑を靖国神社又は護国神社の分身(いわゆる「村の靖国」)とみることはできないこと、・・・〔❷〕本件忠魂碑を所有し、これを維持管理している市遺族会は、戦没者遺族の相互扶助・福祉向上と英霊の顕彰を主たる目的として設立され活動している団体であって、宗教的活動をすることを本来の目的とする団体ではないこと、・・・〔❸〕旧忠魂碑は、公有地上に設置して以来、右公有地上に存続してきたものであって、箕面市がした本件移設・再建等の行為は、右公有地に隣接する箕面小学校の校舎の建替え等を行うことが急務となり、そのために右公有地を学校敷地に編入する必要が生じ、旧忠魂碑を他の場所に移設せざるを得なくなったことから、市遺族会との交渉の結果に基づき、箕面市土地開発公社から本件土地を買い受け、従前と同様、本件敷地を代替地として市遺族会に対し無償貸与し、右敷地上に移設、再建したにすぎないものであることが明らかである」。 (2) 「これらの諸点にかんがみると、箕面市が旧忠魂碑ないし本件忠魂碑に関してした次の各行為、すなわち、〔ⅰ〕旧忠魂碑を本件敷地上に移設、〔ⅱ〕再建するため右公社から本件土地を代替地として買い受けた行為(本件売買)、〔ⅲ〕旧忠魂碑を本件敷地上に移設、再建した行為(本件移設・再建)、〔ⅳ〕市遺族会に対し、本件忠魂碑の敷地として本件敷地を無償貸与した行為(本件貸与)は、いずれも、その目的は、小学校の校舎の建替え等のため、公有地上に存する戦没者記念碑的な性格を有する施設を他の場所に移設し、その敷地を学校用地として利用することを主眼とするものであり、そのための方策として、右施設を維持管理する市遺族会に対し、右施設の移設場所として代替地を取得して、従来どおり、これを右施設の敷地等として無償で提供し、右施設の移設、再建を行ったものであって、専ら世俗的なものと認められ、その効果も、特定の宗教を援助、助長、促進し又は他の宗教に圧迫、干渉を加えるものとは認められない」。
合憲 争点――「第一行為」((2)ⅰ~ⅳ)が「宗教的活動」(20 条 3 項)に該当するか。 「宗教的行為」該当性判断では目的効果基準が採用。下記の諸要素が考慮される。 「〔㋐〕当該行為の行われる場所、〔㋑〕当該行為に対する一般人の宗教的評価、〔㋒〕当該行為者が当該行為を行うについての意図、目的及び宗教的意識の有無、程度、〔㋓〕当該行為の一般人に与える効果、影響等、諸般の事情を考慮」しながら、「当該行為の目的が宗教的意義を持ち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になる」かを、「社会通念に従って、客観的に判断」(本判決割愛部分。参照、津地鎮祭判決) ㋑:❶本件忠魂碑と特定宗教とのかかわりは「希薄」、❷市遺族会≠本来的宗教団体 ➢ ㋒:❸本件敷地を代替地として市遺族会に無償貸与し、忠魂碑を移設、再建した際の経緯小学校の建替えによる旧忠魂碑の撤去) 結論として「宗教的行為」に該当しない
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(3) 「憲法 20 条 1 項後段にいう『宗教団体』、憲法 89 条にいう『宗教上の組織若しくは団体』とは、宗教と何らかのかかわり合いのある行為を行っている組織ないし団体のすべてを意味するものではなく、〔★〕国家が当該組織ないし団体に対し特権を付与したり、また、当該組織ないし団体の使用、便益若しくは維持のため、公金その他の公の財産を支出し又はその利用に供したりすることが、特定の宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になり、憲法上の政教分離原則に反すると解されるものをいうのであり、換言すると、特定の宗教の信仰、礼拝又は普及等の宗教的活動を行うことを本来の目的とする組織ないし団体を指すものと解するのが相当である。」。 (4) 「財団法人日本遺族会及びその支部である市遺族会、地区遺族会は、いずれも、戦没者遺族の相互扶助・福社向上と英霊の顕彰を主たる目的として設立され活動している団体」。 (5) 「これらの諸点を考慮すると、財団法人日本遺族会及びその支部である市遺族会、地区遺族会は、いずれも、特定の宗教の信仰、礼拝又は普及等の宗教的活動を行うことを本来の目的とする組織ないし団体には該当しないものというべきであって、憲法 20 条 1 項後段にいう「宗教団体」、憲法 89 条にいう「宗教上の組織若しくは団体」に該当しないものと解するのが相当である」。
争点――「第一行為」が、国家等による「宗教団体」(憲 20 条 1 項後段)への特権付与、「宗教上の組織若しくは団体」(憲 89 条)への公金支出に該当するか ➢ (3)★「宗教団体」/「宗教上の組織若しくは団体」該当性を、目的効果基準を用いて限定 (4)(5):日本遺族会(とその支部)は、「特定の宗教の信仰、礼拝又は普及等の宗教的活動」の実施を「会の本来の目的」としていないため、「宗教団体」「宗教上の組織若しくは団体」に非該当。
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(6) 〔❶〕旧忠魂碑は、地元の人々が郷土出身の戦没者の慰霊、顕彰のために設けたものであり、元来、戦没者記念碑的な性格のものであって、本件移設・再建後の本件忠魂碑も同様の性格を有するとみられるものであること、〔❷〕本件各慰霊祭を挙行した市遺族会の下部組織である地区 遺族会は、箕面地区に居住する戦没者遺族を会員とする団体であって、特定の宗教の信仰、礼拝又は普及等の宗教的活動を行うことを本来の目的とする団体ではないこと、・・・〔❸〕本件各慰霊祭への被上告人河野の参列は、地元において重要な公職にある者の社会的儀礼として、地方遺族会が主催する地元の戦没者の慰霊、追悼のための宗教的行事に際し、戦没者やその遺族に対して弔意、哀悼の意を表する目的で行われたものであることが明らかである。 (7) これらの諸点にかんがみると、被上告人河野の本件各慰霊祭への参列は、その目的は、地元の戦没者の慰霊、追悼のための宗教的行事に際し、戦没者遺族に対する社会的儀礼を尽くすという、専ら世俗的なものであり、その効果も、特定の宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるような行為とは認められない。したがって、被上告人河野の本件各慰霊祭への参列は、宗教とのかかわり合いの程度が我が国の社会的、文化的諸条件に照らし、信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるものとは認められず、憲法上の政教分離原則及びそれに基づく政教分離規定に違反するものではないと解するのが相当である。
合憲 (6):政教分離原則および各規定に違反するかという問題設定 (7):目的効果基準の適用・あてはめ ➢ 目的が「社会的儀礼」であることを「世俗」性と結びつける(津地鎮祭判決と同様)
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愛媛県玉串料事件 判旨(多数意見) (1) 憲法 89 条が禁止している公金その他の公の財産を宗教上の組織又は団体の使用、便益又は維持のために支出すること又はその利用に供することというのも、前記の政教分離原則の意義に照らして、公金支出行為等における国家と宗教とのかかわり合いが前記の相当とされる限度を超えるものをいうものと解すべきであり、これに該当するかどうかを検討するに当たっては、前記と同様の基準によって判断しなければならない。 (2) 本件各行為の「宗教的活動」(20 条3 項)該当性―― 「(一) 原審の適法に確定した事実関係によれば、被上告人中川らは、〔❶〕いずれも宗教法人であって憲法 20 条 1 項後段にいう宗教団体に当たることが明らかな靖國神社又は護國神社が各神社の境内において挙行した恒例の宗教上の祭祀である例大祭、みたま祭又は慰霊大祭に際して、玉串料、献灯料又は供物料を奉納するため、前記回数にわたり前記金額の金員を県の公金から支出したというのである。〔❷〕神社神道においては、祭祀を行うことがその中心的な宗教上の活動であるとされていることは公知の事実。そして、玉串料及び供物料は、例大祭又は慰霊大祭において右のような宗教上の儀式が執り行われるに際して神前に供えられるもの。〔❸〕いずれも各神社が宗教的意義を有すると考えていることが明らかなもの」。 (3) 「これらのことからすれば、県が特定の宗教団体の挙行する重要な宗教上の祭祀にかかわり合いを持ったということが明らかである。そして、一般に、〔❹〕神社自体がその境内において挙行する恒例の重要な祭祀に際して右のような玉串料等を奉納することは、〔❺〕時代の推移によって既にその宗教的意義が希薄化し、慣習化した社会的儀礼にすぎないものになっているとまでは到底いうことができず、一般人が本件の玉串料等の奉納を社会的儀礼の一つにすぎないと評価しているとは考え難い。そうであれば、〔❻〕玉串料等の奉納者においても、それが宗教的意義を有するものであるという意識を大なり小なり持たざるを得ないら。〔❼〕また、本件においては、県が他の宗教団体の挙行する同種の儀式に対して同様の支出をしたという事実がうかがわれないのであって、県が特定の宗教団体との間にのみ意識的に特別のかかわり合いを持ったことを否定することができない。地方公共団体が特定の宗教団体に対してのみ本件のような形で特別のかかわり合いを持つことは、〔❽〕一般人に対して、県が当該特定の宗教団体を特別に支援しており、それらの宗教団体が他の宗教団体とは異なる特別のものであるとの印象を与え、特定の宗教への関心を呼び起こすものといわざるを得ない」。 (4) 「確かに戦死者遺族の故人をしのぶ信条に応えるという点で「本件の玉串料等の奉納に儀礼的な意味合いがあることも否定できない。しかしながら、明治維新以降国家と神道が密接に結び付き種々の弊害を生じたことにかんがみ政教分離規定を設けるに至ったなど前記の憲法制定の経緯に照らせば、・・・・・・そのことのゆえに、地方公共団体と特定の宗教とのかかわり合いが、相当とされる限度を超えないものとして憲法上許されることになるとはいえない。玉串料等を奉納することが、慣習化した社会的儀礼にすぎないものになっているとも認められない」。/「そうであれば、本件玉串料等の奉納は、たとえそれが戦没者の慰霊及びその遺族の慰謝を直接の目的としてされたものであったとしても、世俗的目的で行われた社会的儀礼にすぎないものとして憲法に違反しないということはできない」。 5) 「以上の事情を総合的に考慮して判断すれば、県が本件玉串料等を靖國神社又は護國神社に前記のとおり奉納したことは、その目的が宗教的意義を持つことを免れず、その効果が特定の宗教に対する援助、助長、促進になると認めるべきであり、これによってもたらされる県と靖國神社等とのかかわり合いが我が国の社会的・文化的諸条件に照らし相当とされる限度を超えるものであって、憲法 20 条 3 項の禁止する宗教的活動に当たると解するのが相当である。そうすると、本件支出は、違法というべきである」。 (6) 本件各行為の 89 条違反の有無:「(二) また、靖國神社及び護國神社は憲法 89 条にいう宗教上の組織又は団体に当たることが明らかであるところ、以上に判示したところからすると、本件玉串料等を靖國神社又は護國神社に前記のとおり奉納したことによってもたらされる県と靖國神社等とのかかわり合いが我が国の社会的・文化的諸条件に照らし相当とされる限度を超えるものと解されるのであるから、本件支出は、同条の禁止する公金の支出に当たり、違法というべきである」。
違憲 (1):89 条違反の判定に際し、20 条 3 項の場合と同一の判断枠組みが用いられると明示。 ➢ もっとも、89 条違反の有無の判断は(6)まで明示されず、(2)~(5)で「宗教的行為」(憲 20 条 3項)該当性の判断が先行する点に注意。 (2):本件行為の対象が特定宗教との「かかわり合い」をもつことは明白 ➢ 本件行為の対象は、❶宗教団体(20 条 1 項)たる「靖國神社又は護國神社」にとって、❷「中心的な宗教上の活動」たる「祭祀」の中でも「重要」かつ「神式」により行われた、❸各神社が「宗教的意義を有すると考えている」「儀式」。 (3):本件行為は、❹「境内において」行われ、❺「一般人の理解」において「慣習化した社会的儀礼」となっておらず(*津地鎮祭判決の事例との区別)、そうであれば、❻「玉串料等の奉納者」も「宗教的意義」を「意識」していた。また、❼他の宗教団体への公金不支出に照らせば「特定の宗 教団体」と「意識的に特別のかかわり合い」をもっている。❹~❼からすれば、❽「県が当該特定の宗教団体を特別に支援しており、それらの宗教団体が他の宗教団体とは異なる特別のものであるとの印象を与え、特定の宗教への関心を呼び起こす」 愛媛県玉串料事件判決へのコメント・補足 (1)憲 20 条 3 項の判断の中心性と目的効果基準の踏襲 津地鎮祭判決、箕面忠魂碑事件判決と同様、国家の「宗教的活動」(憲 20 条 3 項)該当性が判断の中心となっている。 (2)目的効果基準の射程と 89 条の意義 公金支出の 89 条違反の判定への目的効果基準の射程拡大 ➢ 利点:政教分離に関する諸規定を一体的に捉えてその判断を統一化する ➢ 欠点:89 条が宗教上の組織・団体に対する公の財産の提供等という特殊な行為類型について具体的な定めを置いていることの意義を見失わせる。
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エンドースメント・テストとは?
政府が、宗教との象徴的結合を通じて特定宗教に対する是認のお墨付き(エンドースメント)を与えてしまうことを、政教分離違反の判定基準として重視するもの
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愛媛県玉串料事件における多数意見の目的効果基準
津地鎮祭判決と愛媛県玉串料事件判決という「二つの判決では、公権力の行為を『一般人』『社会通念』から見て『慣習化した社会的儀礼』と評価すべきかの判断が先行し、目的・効果の判断はただそれにしたがっているだけ
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空知太事件判決 判旨①――憲 89 条の判断枠組み (1) 憲法 89 条の「趣旨は、〔❶〕国家が宗教的に中立であることを要求するいわゆる政教分離の原則を、公の財産の利用提供等の財政的な側面において徹底させるところにあり、これによって、〔❷〕憲法 20 条 1項後段の規定する宗教団体に対する特権の付与の禁止を財政的側面からも確保し、〔❸〕信教の自由の保障を一層確実なものにしようとしたものである。しかし、国又は地方公共団体が宗教との一切の関係を持つことが許されないというものではなく、憲法 89 条も、公の財産の利用提供等における宗教とのかかわり合いが、我が国の社会的、文化的諸条件に照らし、信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるものと認められる場合に、これを許さないとするものと解される。 (2) 〔Ⓐ〕国又は地方公共団体が〔Ⓑ〕国公有地を〔Ⓒ〕無償で〔Ⓓ〕宗教的施設の敷地としての用に供する行為は、一般的には、当該宗教的施設を設置する〔Ⓔ〕宗教団体等に対する便宜の供与として、憲法 89 条との抵触が問題となる行為であるといわなければならない。国公有地が無償で宗教的施設の敷地として利用されるとしても、文化的あるいは社会的な価値や意義に着目して当該施設が国有地に設定されている場合もあり得る。また、我が国においては、明治初期以来、一定の社寺領を国等に上知(上地)させ、官有地に編入し、又は寄附により受け入れるなどの施策が広く採られたこともあって、国公有地が無償で社寺等の敷地として供される事例が多数生じた。このような事例については、戦後、国有地につき「社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律」(昭和 22 年法律第 53 号)が公布され、公有地についても同法と同様に譲与等の処分をすべきものとする内務文部次官通牒が発出された上、これらによる譲与の申請期間が経過した後も、譲与、売払い、貸付け等の措置が講じられてきたが、それにもかかわらず、現在に至っても、なおそのような措置を講ずることができないまま社寺等の敷地となっている国公有地が相当数残存していることがうかがわれるところである。これらの事情のいかんは、当該利用提供行為が、一般人の目から見て特定の宗教に対する援助等と評価されるか否かに影響するものと考えられるから、政教分離原則との関係を考えるに当たっても、重要な考慮要素とされるべきものといえよう。 3) 〔Ⓕ〕当該宗教的施設の性格、〔Ⓖ〕当該土地が無償で当該施設の敷地としての用に供されるに至った経緯、〔Ⓗ〕当該無償提供の態様、〔Ⓘ〕これらに対する一般人の評価等、諸般の事情を考慮し、社会通念に照らして総合的に判断すべきものと解するのが相当である。 (4) 以上のように解すべきことは、当裁判所の判例〔津地鎮祭判決、愛媛県玉串料事件判決等〕の趣旨とするところからも明らかである。
(1):被告の行為が憲 89 条違反か否かに焦点を合わせる。 *憲 20 条 3 項には触れない。 ➢ 憲 89 条の趣旨:❶政教分離原則(国家の宗教的中立性)の財政的側面から徹底による、❷憲 20 条 1 項の宗教団体への特権付与禁止の財政的側面からの確保、および❸信教の自由の保障の確保 ←→憲 89 条が禁止するのは「公の財産の利用提供等における宗教とのかかわり合い」の全てではなく「我が国の社会的、文化的諸条件に照らし、信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるもの」 ∵国と宗教の「かかわり合い」の形態の多様性 (2):ⒶⒷⒸⒹの内容をもつ事案類型は「一般的」には憲 89 条との抵触が問題となる ←→「当該施設の性格や来歴、無償提供に至る経緯、利用の態様等」次第で違憲ではない ➢ 文化的・社会的価値等に着目した無償提供 *Ⓕの内容 ➢ 明治初期における社寺領国有化とその後処理という経緯(→3(3))*Ⓖの内容 *「重要な考慮要素」 ∵一般人からみた特定宗教への援助等との関連 (3):「一般的」には憲 89 条に抵触する事案類型ⒶⒷⒸⒹが、結論として憲 89 条違反か否かは、Ⓕ~Ⓘの「諸般の事情」の「総合的」「判断」を通じて判定 *目的効果基準の消失 (4):(1)~(3)の解釈は先例の「趣旨」から「明らか」
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空知太事件判決 判旨②――あてはめ (5) 「本件神社において行われている諸行事は、神道の方式にのっとって行われているその態様にかんがみると、宗教的な意義の希薄な、単なる世俗的行事にすぎないということはできない。/このように、本件神社物件は、神社神道のための施設であり、その行事も、このような施設の性格に沿って宗教的行事として行われているものということができる」。 (6) 「この氏子集団は、宗教的行事等を行うことを主たる目的としている宗教団体であって、寄附を集めて本件神社の祭事を行っており、憲法 89 条にいう「宗教上の組織若しくは団体」に当たるものと解される」。 (7) 「しかし、本件氏子集団は、祭事に伴う建物使用の対価を町内会に支払うほかは、本件神社物件の設置に通常必要とされる対価を何ら支払うことなく、その設置に伴う便益を享受している。すなわち、本件利用提供行為は、その直接の効果として、氏子集団が神社を利用した宗教的活動を行うことを容易にしているものということができる」。 (8) 「(3) そうすると、本件利用提供行為は、市が、何らの対価を得ることなく本件各土地上に宗教的施設を設置させ、本件氏子集団においてこれを利用して宗教的活動を行うことを容易にさせているものといわざるを得ず、一般人の目から見て、市が特定の宗教に対して特別の便益を提供し、これを援助していると評価されてもやむを得ない。」。 (9) 「以上のような事情を考慮し、社会通念に照らして総合的に判断すると、本件利用提供行為は、市と本件神社ないし神道とのかかわり合いが、我が国の社会的、文化的諸条件に照らし、信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるものとして、憲法 89 条の禁止する公の財産の利用提供に当たり、ひいては憲法 20 条 1 項後段の禁止する宗教団体に対する特権の付与にも該当すると解するのが相当である」。
違憲 (5):本件神社物件は「神社神道のための施設」であり実施行事も「宗教的行事」(Ⓓ) (6):本件神社物件の管理は、「宗教集団」である「氏子集団」によって行われており、それは「宗教上の組織若しくは団体」(89 条)に該当(Ⓔ) (7):「宗教上の組織若しくは団体」である「氏子集団」は無償で公有地に本件神社物件の設置しており(ⒶⒷⒸ)、「直接の効果」として氏子集団の宗教的活動を「容易」に この段階で「一般的には」89 条に抵触する (8):諸事情のより細かな評価 ➢ 【違憲要素】:(5)~(7)からすると「一般人の目から見て、市が特定の宗教に対して特別の便益を提供し、これを援助していると評価されてもやむを得ない」 ➢ 【合憲要素】:「小学校敷地の拡張に協力した用地提供者に報いる」という当初の「世俗的、公共的な目的」(要素Ⓖ) ←→【違憲要素】しかし、施設の宗教的性格の明白性(Ⓕ)、長期間に渡る継続的な便宜の供用(Ⓗ)からすれば、「当初の動機、目的は上記評価を左右するものではない」 (9):89 条のあてはめの結果を提示→「ひいては」20 条 1 項後段違反でもある
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空知太事件判決において目的効果基準が適用されなかった理由
目的効果基準が機能するのは、問題となる行為等において宗教性と世俗性とが同居しており、その優劣が微妙である時にそのどちらを重視するかの決定に際してであって、明確に宗教性のみを持った行為につき、さらにそれが如何なる目的をもって行われたかが問われる場面においてではないため 本件における神社施設は、これといった文化財や史跡等としての世俗的意義を有するものではなく、一義的に宗教施設(神道施設)であって、そこで行われる行事もまた宗教的な行事であることは明らかであったから
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孔子廟事件 松山公園(都市公園)を設置・管理するY市の市長(Y市長)は、平成 26 年 3 月 28 日付で一般社団法人である久米崇聖会(そうせいかい)(補助参加人。以下Z)に対して、公園の敷地内に久米至聖廟(しせいびょう)(本件施設)の設置を許可し、公園使用料の全額を免除する処分を行った。本件施設は、大成殿(たいせいでん)、啓聖祠(けいせいし)(孔子の父である啓聖公及び四配の祖先が祀られる)、明倫堂・図書館、至聖門、御路、御庭空間等によって構成されている。Zの目的は、本件施設、道教の神等を祀る天尊廟、及び航海安全の守護神を祀る天妃宮(てんぴぐう)の公開、久米三十六姓の歴史研究、論語を中心とする東洋文化の普及等である。Z の正会員の資格は、久米三十六姓の末裔に限定されている。Y市の住民Xは、Y市長の行為(本件施設の設置をZに許可し、その敷地の使用料の全額を免除した行為) は政教分離原則に違反し無効であり、平成 26 年 4 月 1 日から同年 7 月 24 日(Xが住民監査請求をした1045日)までの間の使用料 181 万円 7063 円を請求しないことが違法に財産の管理を怠るものであるとして、地方自治法 242 条の 2 第 1 項 3 号に基づき、その違法の確認を求める訴えを提起した。 (1) 憲法の政教分離原規定は、国家と宗教との関わり合いが「我が国の社会的、文化的諸条件に照らし、信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるものと認められる場合に、これを許さないとするものである」。 (2) 「そして、国又は地方公共団体が、国公有地上にある施設の敷地の使用料の免除をする場合においては、〔㋐〕当該施設の性格や〔㋑〕当該免除をすることとした経緯等には様々なものがあり得ることが容易に想定されるところであり、それらの文化的あるいは 社会的な価値や意義に着目して当該免除がされる場合もあり得る。これらの事情のいかんは、当該免除が、一般人の目から見て特定の宗教に対する援助等と評価されるか否かに影響するものと考えられるから、政教分離原則との関係を考えるに当たっても、重要な考慮要素とされるべきものといえる。そうすると、当該免除が、前記諸条件に照らし、信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えて、政教分離規定に違反するか否かを判断するに当たっては、〔㋐〕当該施設の性格、〔㋑〕当該免除をすることとした経緯、〔㋒〕当該免除に伴う当該国公有地の無償提供の態様、〔㋓〕これらに対する一般人の評価等、諸般の事情を考慮し、社会通念に照らして総合的に判断すべきものと解するのが相当である。〔以上は、津地鎮祭判決、愛媛県玉串料判決、空知太判決等の趣旨とするところから明らかである〕」。
(1):国家と宗教との関わり合いが〈相当限度〉を超えるか否かという視点の確認 (2):「国公有地上にある施設の敷地の使用料の免除」が政教分離規定違反となるか否かについて、㋐~㋓等の「諸般の事情を考慮し、社会通念に照らして総合的に判断」 ➢ ㋐㋑については「重要な考慮要素」と明言
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孔子廟判決 (3) 【㋐本件施設の性格(宗教性) 】「〔❶〕本件施設は、その外観等に照らして、神体又は本尊に対する参拝を受け入れる社寺との類似性があるということができる」。/「本件施設で行われる釋奠祭禮は、思想家である孔子を歴史上の偉大な人物として顕彰するにとどまらず、〔❷〕その霊の存在を前提として、これを崇め奉るという宗教的意義を有する儀式というほかない。また、〔❸〕参加人は釋奠祭禮の観光ショー化等を許容しない姿勢を示しており、釋奠祭禮が主に観光振興等の世俗的な目的に基づいて行われているなどの事情もうかがわれない。〔❹〕本件施設の建物等は上記のような宗教的意義を持つ儀式を実施すると言う目的に従ったもの〔❺〕本件施設は当初の至聖廟等及び旧至聖廟等の宗教性を引き継ぐもの」。/「以上によれば、本件施設については、一体としてその宗教性を肯定することができることはもとより、その程度も軽微とはいえない」。 (4) 【㋑本件免除の経緯】「本件免除がされた経緯は、市が、本件施設の〔❻〕観光資源等としての意義に着目し、〔❻’〕本件施設の歴史的価値が認められるとして、その敷地の使用料(公園使用料)を免除することとしたというものであったことがうかがわれる」。/「しかしながら、 〔❼〕本件委員会等で至聖廟の宗教性を問題視する意見があったこと等を踏まえて、大成殿を建設する予定の敷地につき参加人の所有する土地との換地をするなどして、大成殿を私有地内に配置することが考えられる旨の整理がされていたというのである。また、〔❽〕本件施設は、当初の至聖廟等とは異なる場所に平成25年に新築されたものであって、当初の至聖廟等を復元したものであることはうかがわれず、法令上の文化財としての取扱いを受けているなどの事情もうかがわれない」。/「そうすると、本件施設の観光資源等としての意義や歴史的価値をもって、直ちに、参加人に対して本件免除により新たに本件施設の敷地として国公有地を無償で提供することの必要性及び合理性を裏付けるものとはいえない」。 (5) 【㋒免除に伴う無償提供の態様等】「本件免除によって参加人が享受する利益は、〔❾〕相当に大きい。〔❿〕参加人は継続的に上記と同様の利益を享受することととなる。〔⓫〕宗教性を有する本件施設の公開や宗教的意義を有する釋奠祭禮の挙行を定款上の目的又は事業として掲げており、実際に本件施設において、多くの参拝者を受け入れ、釋奠祭禮を挙行している。本件免除は、参加人に上記利益を享受させることにより、参加人が本件施設を利用した宗教的活動を行うことを容易にするものであるということができ、その効果が間接的、付随的なものにとどまるとはいえない」。 (6) 【㋓一般人の評価等】 「これまで説示したところによれば、本件施設の観光資源等としての意義や 歴史的価値を考慮しても、本件免除は、〔Ⓓ〕一般人の目から見て、市が参加人の上記活動に係る特定の宗教に対して特別の便益を提供し、これを援助していると評価されてもやむを得ないものといえる」。 (7) 「以上のような事情を考慮し、社会通念に照らして総合的に判断すると、本件免除は、市と宗教との関わり合いが、我が国の社会的、文化的諸条件に照らし、信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるものとして、憲法 20 条 3 項の禁止する宗教的活動に該当すると解するのが相当である」。 下級審では、空知太判決と同様、憲 89 条および憲 20 条 1 項の問題として本件を処理していたが、本判決では、「宗教的活動」(20 条 3 項)を適用条文とした
違憲 (3):本件施設は「軽微とはいえない」「宗教性」をもつ。 ➢ ❶施設の「外観」の社寺との「類似性」、❷儀式の「宗教的意義」、❸儀式の非世俗性、❹上記性格をもつ儀式を実施するという目的に基づく施設の配置、❺(宗教性をもつ)旧至聖廟からの承継。 (4):免除の経緯により、免除の必要性・合理性は裏付けられない。 ➢ ❻観光資源としての意義・歴史的価値に着目した免除があった。他方で、❼宗教性についての認識があり、また❽法令上の文化財性はない。 (5):免除による宗教的活動の(間接的・付随的ではない)助長効果。 ➢ ❾「相当に大きい」利益、❿利益の将来に渡る継続性、⓫団体の目的および事業が「宗教性」のあるものを含む (6):(3)~(6)「からすれば」、「一般人の目から見て、市が参加人の上記活動に係る特定の宗教に対して特別の便益を提供し、これを援助していると評価されてもやむを得ない」。 (7):以上の総合考慮から、〈相当限度〉を超える関わり合いが認められるため、「宗教的活動」(20条 3 項)に該当する
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89 条および 20 条 1 項を適用するための条件
利益供与を受けた団体が「宗教上の組織若しくは団体」、「宗教団体」に該当していなければならない
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民法1
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英単語 2
第1講 民法総論
第2講 権利の主体I
13 国際関係論入門
1 国際関係論入門
2 国際関係論入門
3 国際関係論入門
4国際関係論入門
5・6 国際関係論入門
7・8・9 国際関係論入門
10 国際関係論入門
11・12 国際関係論入門
第3講 法律行為総論・意思表示
第 4 講 法律行為の解釈・無効と取消し
第 5 講 法律行為の効力否定原因Ⅰ
第 6 講 法律行為の効力否定原因Ⅱ
第 7 講 法律行為の効力否定原因Ⅲ
第 8 講 法律行為の効力否定原因Ⅳ
第 9 講 条件と期限・代理Ⅰ(代理総論・有権代理)
第 10講 代理Ⅱ(無権代理)
第 11講 代理Ⅲ(表見代理)
第 12講 権利の主体Ⅱ(法人Ⅰ)
第 13講 権利の主体Ⅱ(法人Ⅱ)
第 14講 時効Ⅰ
第 15講 時効Ⅱ
第 16講 物権法序論・物権変動総論
第 17講 法律行為を原因とする物権変動・不動産物権変動Ⅰ(不動産登記)
第 18講 不動産物権変動Ⅱ(177条総論・94 条 2項類推適用)
第 19講 不動産物権変動Ⅲ(177条各論)
第 20講 動産物権変動
第 21講 所有権Ⅰ(総論・添付)
第 1 講 憲法学への招待
第 2 講 法の支配と権力分立
第 3 講 議院内閣制
第 4 講 象徴天皇制
第5講 国民代表・政党・選挙
第 6 講 国会の地位と構造
第 7 講 内閣の地位と構造
第8講 立法作用
第9講 行政作用 第 10 講 戦争の放棄
第 11 講 司法権と違憲審査
第 12 講 司法権の限界
第 13 講 憲法判断の方法と効果
第 22講 所有権Ⅱ(共有)
第 23講 物権的請求権・占有(権)Ⅰ
第 24講 占有(権)Ⅱ
第一回「憲法上の権利」の観念
英単語3
刑法1
英単語4
第1回
第1回
英単語5
第1回
第2回 司法審査制と「憲法訴訟」の基礎
第3回 思想・良心の自由
第2回
第2回
第2回
第3回
第4回 第5回 因果関係
英単語6
教科書の内容
英単語 7
英単語 8
英単語 10
英単語 11
英単語12
英単語13
英単語 14
英単語15
英単語 16
英単語17
英単語18
英単語19
英単語20
英単語21
英単語22
英単語23
第4回
第3回
第6回 不作為犯
第七回 故意(構成要件的故意)
第八回、第九回 事実の錯誤
第十回 過失
第十一回 違法性の本質・正当行為・被害者の承諾(同意)
第十三回、第十四回 正当防衛
第十五回 緊急避難
第十六回 責任の意義・責任能力、原因において自由な行為
第十七回 正当化事情の錯誤(責任故意)、違法性の意識
第3回 同時履行の抗弁・不安の抗弁
第十八回、第十九回 未遂犯の基礎・実行の着手、不能犯
第4回
第二十回 中止犯
第8~13回 1 :表現の自由
第5回
第8~13回:表現の自由 2
第6回
第8~13回:表現の自由 3
第14・15回:集会の自由
第7回 第8回
第16・17回:職業選択の自由
第9回
第二一回 共犯の基礎理論、間接正犯
第18回:財産権
第4回 危険負担/第三者のためにする契約/契約上の地位の移転
第19・20回:生存権
第21回:教育を受ける権利
第5回 解除/解除と危険負担
第6回 約款
第22回:適正手続
第7回 契約の交渉段階の責任/事情変更の法理
第23・24回:参政権
第25・26回:平等原則
第8回 典型契約総論/売買(1)
第27・28回:幸福追求権
第9回 売買(2)
第10回 贈与/消費貸借/賃貸借(1)(当事者間関係)
第10回
第二二回、第二三回 共同正犯
第二四回 狭義の共犯、身分犯と共犯
第二五回 共犯の諸問題1(共犯の錯誤、共謀の射程)
第29回:基本権の享有主体・私人間効力
第二六回、二七回 共犯の諸問題2、3(承継的共同正犯、共犯関係の解消)(教科書26講)
第二八回 共犯の諸問題4(共同正犯と正当防衛、不作為と共犯)(教科書24講、26講)
第二九回 罪数論、刑罰論、刑法の適用範囲
第11回
第12回
第13回
第14回
第11回 賃貸借(2)(第三者との関係)
第12回 賃貸借(3)(借地借家法)/使用貸借
第13回 雇用/請負
第14回 委任(寄託/組合/和解)
第15回 不法行為法総論/一般不法行為の要件(1)(権利侵害)
第16回 一般不法行為の要件(2)故意・過失、権利侵害各論
第17回 一般不法行為の要件(3)(因果関係)/責任阻却事由
第18回 不法行為の効果(賠償範囲の確定・損害の金銭評価)
第19回 賠償額減額事由等 第20回
第21回 損害賠償請求権の消滅時効/特定的救済
第22回 特殊不法行為(1)(責任無能力者の監督義務者の責任/使用者責任/注文者の責任)
第23回 特殊不法行為(2)(工作物責任/製造物責任/運行供用者責任)
第24回 特殊不法行為(3)(共同不法行為) 第25回
第26回 侵害利得・給付利得①
第27回/28回 給付利得②・多数当事者の不当利得・組合・和解
第6回
講義用資料・メモ(4月16日)
講義用資料・メモ(4月23日授業)
講義用資料・メモ(4月30日授業)
講義用資料・メモ(5月7日授業)
第1章
第2章
第3章
第4章
第5章
第6章
第1回
第1回 債権の意義・発生要件(教科書1-32頁)
第1回 行政法1の復習
第2回 債権の種類(教科書33-72頁)
第2回
第3回 株主総会の議決の方法
第2回
第4回 株主総会決議の瑕疵
第3回 債権の種類(教科書33-72頁)
第5回 株式会社の機関と設置義務
第3回 15ページ〜
第4回 債務不履行(1)――損害賠償の要件①(112―153頁)
第6回
第7回
第5回 債務不履行(2)――損害賠償の要件②(154―170頁)
第6回 債務不履行(3)損害賠償の効果
片手取り
交差どり
両手どり
もろ手取り
正面打ち
横面打ち
突き
胸どり
肩持ち
後ろ両手どり
第7回 受領遅滞
第2回 行政行為の意義
第5回 P51から
第8回
第8回 責任財産の保全(1)―債権者代位権(241-279頁)
第9回
第10回、11回
第9回 責任財産の保全(2)――詐害行為取消権の要件(280―309頁)
第3回 行政行為の種類
第7回〜8回 国際機関
第10回 詐害行為取消権の行使方法責任財産の保全(3)―詐害行為取消権の行使・効果(310―331頁)
第10回、11回 p129〜
第12回、13回 取締役(役員)の第三者に対する責任
第4回 行政行為の効力
国際機関 p25〜
第9回 国籍・外国人・難民法
第14回 第8章 監査役・監査役会、株主による監督
第12回 債権の消滅(1)―弁済の方法(346-376頁)
第15回 第3節 株主による取締役の監督
第13回 債権の消滅(2)―弁済の当事者(376-403頁)
第14回 債権の消滅(3)―弁済の効果(403―439頁)
第5回 違法な行政行為
第15回 債権の消滅(4)―相殺・その他の債権消滅原因(439―497頁)
第16回 第10章 株式総論
第6回 行政行為の取消しと撤回とは何か
第16回 多数当事者の債権関係(1)―債権者債務者複数の場合(500-557頁)
第17回 第11章 株式の権利の内容・種類株式、株主平等原則
第7回 行政立法とは何か?
第17回 多数当事者の債権関係(2)―保証(557-596頁)
第18回 多数当事者の債権関係(3)―各種の保証(596―621頁)
第18回 株式の譲渡
第19回 譲渡制限株式の譲渡承認手続
第8回 行政立法とは何か 行政規則
第20回 募集株式の発行等
第19回 債権債務の移転(1)―債権譲渡(622―674頁)
第21回 第16章 募集株式の発行等(続き)
第22回 企業会計法
第20回 債権譲渡つづき-債権譲渡の機能(675―702)
第23回 第5節 計数(計算書類等に現れる各項目としてどのような数字が出てくるのか)
第23回 p280~ 「剰余金の額」「分配可能額」の算定
第24回 第20章 株主への分配(続)
第25回、26回 発起設立の手続
第25回、26回 募集設立
第27回〜29回 組織再編の基礎
第27回〜29回 組織再編の基礎 p333〜
第9回 行政計画
第10回 行政契約
第11回 行政指導
第12回 行政の実効性確保(1)行政罰
第13回 行政の実効性確保(2)行政上の強制執行
第14回 行政の実効性確保(3)その他の手法
物上代位
抵当権に基づく妨害排除請求権
政策決定過程
第1回
第1回
第1回
第1回
第2回 第3回
第2回
第4回
第5回
休業手当から
第3回 不貞行為の相手方に対する損害賠償請求
第3講 離婚
第1章 民事の紛争とその調整手続き
第4回 貿易と国際政治
修学・研修費用の返還制度は?~
労働者災害補償保険〜
第三講 財産分与
第3講 親子交流
第 4講 婚姻外の関係
Ⅲ 就業規則の変更による労働条件の変更〜
1−2 民事の訴訟
解雇権濫用法理②――具体的判断
第 5講 親子①:実親子
雇止め法理〜
イデオロギーと政策対立
コーポラティズム論
第7回 通貨制度
第14 業務命令/人事異動/昇降格
第2回 紛争の要因
Week3 紛争の影響
第4回 紛争の継続
第5回 人間の安全保障
第6回テロ・反乱
第15 休職/懲戒
テクノクラシー論
(2)職務懈怠
第7回
確認クイズ 7
第8回
第05講 親子①(1)第 3 節 父子関係その 2――認知
第06講 親子②
使用者に対する損害賠償請求
第8回 市民への暴力
第9回 環境変化と紛争
国家論(国家とは何か/国家はどのように成立・機能し・支配を行うのか)
第 7講 親権・後見・扶養 多分後見は出ない 扶養も扶養の順位以降は多分出ない
第1回 イントロダクション・ガイダンス
第2回 国際法の歴史と性質
第3回 国家 ① 国家の成否と承認
第4回 国家 ② 政府承認・承継
第5回 国家 ③ 国家の基本的権利義務・管轄権
第8回 空間①陸(1)領土の得喪
国際法1 #08 確認クイズ
2025国際法1_確認クイズ#02
2025阪大国際法1 #03 確認問題
第6回 国家 ④ 国家免除(主権免除)
阪大国際法1 確認問題#04
2025阪大国際法1 第5回 確認クイズ
2025阪大国際法1 確認クイズ #06
(3)間接差別
不利益取扱の禁止/ハラスメントの防止
第1章 訴訟の開始 p26~
第1章 当事者
第1章 3 訴訟能力 p50~
第 8講 相続法総論・相続人
第8回 第 2 章 相続資格の剥奪
歴史的制度論
第1章 3 裁判所 p55~
第1章 4 訴えの提起後の手続き p71~
エリート論
グループ理論・集合行為論
現代紛争論 Week10紛争の終焉
課題設定過程(政府はどのような課題を取り上げるのか)・ゴミ缶モデル
権力
多元主義論
第10回 空間②海洋(1)
2025阪大国際法1 #09 確認クイズ
合理的選択制度論
Ⅳ 高年齢者雇用
第 9講 相続の承認・放棄/相続財産の清算
(2)賞与・退職金 ○ 大阪医科薬科大学事件・最判令和2・10・13
第10回: 国際開発の政治学
第2章 訴訟の審理 p85~
第2章 3 当事者の訴訟行為 p106~
Week11 交渉・仲介
p116~ 口頭弁論の準備
(7)書証 p143~
p155~ 証拠の評価と説明責任
p167~ 訴訟の終了
p176~ 終局判決による訴訟の終了
第11回: 移民・ジェンダー
2025阪大国際法1 #10 確認クイズ
2025阪大国際法1 #11 確認クイズ
第11回 空間③海洋(1)大陸棚、排他的経済水域、公海
第2回: 国際協力の理論的枠組み
第3回: 貿易と国内政治
第5回: 海外直接投資の政治学
第6回: 多国籍企業とグローバリゼーション
第9回
Ⅱ 不当労働行為の救済手続と救済命令
第23 団体交渉/労働協約
現代紛争論 Week12 和平合意
アイディア・アプローチ
第 10講 相続の効力①
p180~ 申立事項=判決事項
p190~ 既判力の時的限界
p198~ 既判力の主観的範囲は?
p207~ 第4章 複雑訴訟
p218~ 多数当事者訴訟
第11回 空間④海洋(3)海洋境界画定・漁業資源管理
2025阪大国際法1 #12 確認クイズ
p231~ 6訴訟参加
p248~ 上訴とは
p260~ 再審
p266~ 第6章 簡易裁判所の手続
産業政策(1)産業政策論争
第24 争議行為/組合活動 Ⅰ 団体行動権の保障
現代紛争論 Week13国連平和維持活動
国際政治経済論第12回: 環境問題と国際政治
第10講 相続の効力① 2
第12回 空間⑤海洋(4)海洋環境の保護・海洋科学調査・深海底
第13回: 経済と安全保障の交錯
2025阪大国際法1 #13 確認クイズ
現代紛争論 Week14紛争後の民主化
第26 職業安定法/労働者派遣/企業変動
第27 労働者性/公務員と労働法
第28 労働紛争処理
産業政策(2)産業金融
産業政策(2)産業金融 2
第 11講 相続の効力②
第 11講 相続の効力② 2
現代紛争論 Week7反政府武装勢力の統治・民兵
第13回 空間⑥南極・宇宙
2025阪大国際法1 #14 確認クイズ
第14回: グローバル化の進退(+ 後半総括)
class 1
Class 2 The State
Class 3 Democracies
class 4 Nondemocratic States
Class 5 The Determinants and Promotion ofDemocracy
Class 6 Legislatures
Class 7 Goverments in Parliamentary and Presidential Systems
Class 8 Constitutions and Judicial Power
Class 9 Electoral systems
Class 10 Federalism
Class 11 Nationalism
Class 12 Case Study: Australia
Class 13 Case Study India until this the range of the midterm exam
Class 2 China Before the Republic
3 The Republic Era(1912–1949)
4 Mao’s Era: Deepening theRevolution
5 Mao’s Era: The Great LeapForward
6 Mao’s Era: The CulturalRevolution
8 The Reform Era: RuralReform
9 The Reform Era: Tiananmenand Its Aftermath
10 The Reform Era: UrbanReform and FDI
Class 16 Political Parties and Partisanship
Class 19 Political Behavior 1 (Voter Turnout)
Class 18 Party Systems
Class 20 Political Behavior 2 (Vote Choice)
Class 21 Social Movements and Revolutions
Class 22 The Welfare State
Class 23 Race, Ethnicity, Gender, and SexualOrientation
Class 24 Political Culture
Class 26 Globalization
Class 27 Case Study: Argentina
Class 28 Case Study: The European Union