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第８～１３回　１　：表現の自由

Aiko Kobayashi

問題数 32 • 7/21/2024

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表現の自由が有する価値2つ

① 自己実現の価値：個人が言論活動を通じて自己の人格を発展させるという個人的価値。 ② 自己統治の価値：言論活動によって国民が政治的意思決定に関与するという、民主政に資する社会的な価値。

優越的地位論とは？

表現の自由は経済的自由権と比べて、違憲審査の場面で特別に強く保護されるべきだという考え

思想の自由市場論とは？

自由な議論によって不適切な見解は淘汰され、適切な見解が残るという考え（知識の伸長と真理の発見）

自己実現の価値において表現主体のみならず、自分自身では表現を行わないものも享受できる利益（受け手の利益）とは？

自由な情報流通によって、多様な見解への接触が可能となり、自らの思想・見解を形成・深化させることが可能になる

優越的地位論の積極的正当化根拠は？

優越的地位論の消極的正当化根拠は？

表現の自由は政治過程を通じた是正の困難性（不当に制限されている場合、国民の知る権利が十分に保障されず、民主政の過程そのものが傷つけられる）、公権力の誘因（他の自由よりも不当な制限を受けやすい自由）、または規制がもつ委縮効果（規制による不利益を恐れて、本来許されるはずの表現をも控えてしまう効果）の危険性をもつから

表現の自由の保護領域における権利３つ

情報提供権：思想・信条・意見・知識・事実・感情など人の精神活動に関わる一切のもの（情報）の提供・伝達に関する諸活動の自由。 ➢ 情報受領権：情報提供（発信）の自由が社会的に意味あるものになる前提として、情報を受け取る権利・自由。 ➢ 情報収集権：情報伝達行為の前提となる情報収集活動の権利・自由。

事実の報道の自由が憲 21条に含まれるか？

含まれる

表現の自由には表現の「方法」・「媒体」に限定はあるか？

「一切の表現の自由」が保障されるため、表現の「方法」・「媒体」に特段の限定は無い。

取材の自由は憲法上認められるか？

憲法２１条との関係で一定の保護を承認

情報収集権の請求権的側面とは？

公権力に対して情報の開示を請求する

定義づけ衡量とは？

禁止が許容される言論について、①表現の自由の価値と政府の規制利益を衡量しながら、②委縮効果を排除するよう明確に定義すること

営利的言論とは？

利益目的または事業目的で製品またはサーヴィスを広告する言論

営利的言論の自由は表現の自由の保障対象か？

保障対象である

営利的言論と政治的表現はどちらのほうが保障の程度が強いか？

政治的表現

表現の自由の制約に関する通説

表現の自由も「公共の福祉」による制約に服するが「優越的地位」であることを理由に強力な保護が要請される。

違憲性の推定とは？

表現の自由の規制について、合憲性推定の原則（通常、法律には合憲性が推定されること）が排除され、違憲性が推定されること

漠然性ゆえに無効の法理とは？

漠然不明確な表現規制立法は原則として文面上違憲無効とされる

必要最小限の規制手段の選択に関する法理とは？

表現の自由の規制、特にその内容規制（後述）は最小限度性が厳格に審査されること

過度広汎性ゆえに無効の法理とは？

違憲的部分が存在し、それを排除する合憲限定解釈が不可能な場合には、文面上無効とすべきこと

より制限的でない他に選びうる手段の法理（LRA の法理）とは？

立法目的を達成するためにLRA が存在する場合には、当該規制手段は許容されないという法理

検閲の定義は？

「行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査したうえ、不適当と認めるものの発表を禁止すること

（狭義の）事前抑制とは？

「検閲」に該当しない事前規制

事前抑制が認められるのはどのような場合か？

「厳格かつ明確な要件のもとにおいてのみ許容される理由：①表現の機会（またはその意義）を失わせる、②予測に基づく規制になるため広汎化・濫用の虞が大きい。

表現内容規制とは？

表現が伝達するメッセージの内容や、その伝達効果に着目して行う規制

表現内容中立規制とは？

表現内容とは関係ない理由に基づく規制

二分論とは？

表現の自由の規制を表現内容規制と表現内容中立規制に分けること

二分論の論拠３つ

① 思想の自由市場論との衝突 ② 恣意的規制である危険性の高さ ③ 全面規制（内容規制）の場合の表現の制約の程度の大きさ以上のことを防ぐために表現内容規制を類型枠組みの一つとしてきちんと明確にしておく必要がある

「低価値表現」ないし「保護されない表現」について、表現内容規制はどのようなアプローチを行うか？

「定義づけ衡量」のアプローチを通じて規制範囲を明確に絞る

高い価値の表現について、表現内容規制はどのような判断基準を用いるか？

厳格審査の基準 ❷-1「明白かつ現在の危険」の基準、または、❷-2「必要不可欠な公共的利益」の基準が適用

表現内容中立規制において用いられる審査基準

中間審査での審査

象徴的言論とは？

特定の意図伝達を目的としてある行為を行うこと憲法２１条で保障される

第８～１３回 １ ：表現の自由

第８～１３回　１　：表現の自由