暗記メーカー

ログイン

第4回　行政行為の効力

Aiko Kobayashi

問題数 36 • 11/20/2024

記憶度

完璧

5問

覚えた

14問

うろ覚え

0問

苦手

0問

未解答

0問

アカウント登録して、解答結果を保存しよう

問題一覧

公定力の原則は？

【原則】たとえ違法な行政行為でも，権限のある機関により取り消されるまでは有効なものとして取り扱われ，国民も行政機関もこれに従わなければならないもの

行政行為を取り消すことができるのは誰か２つ

(１)行政庁，(２)裁判所

公定力が認められる根拠

・実定法の明文の規定はないが，行政行為の効力否認に関する特別の争訟手続が存在することを挙げる説が有力

違法な行政行為が取り消される前に，損害賠償を請求することは可能か？

可能

義務（行政行為）違反を理由に罰則が科された場合，刑事訴訟で行政行為の違法を主張できるか

主張できる

行政行為の違法性が争点とならない訴訟には排他的管轄（公定力）が及ぶか？

及ばない

原子炉設置につき，抗告訴訟のほか，民事差止訴訟で争うことは可能か

可能

拒否処分に対し，再申請は可能か

できるただし、その後に事情の変更があったことが必要

不可争力とは？不可争力の例外は？

・たとえ違法な行政行為でも，一定期間（不服申立期間，出訴期間）経過後は，行政行為の効力を争えない・例外無効な行政行為は争える（無効確認訴訟）

取消訴訟の提起は，処分の効力，執行等を妨げるか？

妨げられない

取消訴訟の提起は，処分の効力，執行等を妨げない（執行不停止原則）理由２つ

・行政の円滑な運行保障・②濫訴の防止のため

行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為について、民事保全法の仮処分をすることはできるか？

できない

基本的に取消訴訟が提起されても、処分の効力、執行は停止されないが、例外として執行停止がなされる積極要件は？

重大な損害を避けるため緊急の必要があるとき

基本的に取消訴訟が提起されても、処分の効力、執行は停止されないが、例外として執行停止がなされる消極要件は？

公共の福祉に重大な影響を及ぼす恐れがあるとき、または本案について理由がないと見えるとき

自力執行力とは？

行政行為の内容を国民が履行しない場合，債務名義（判決）を得ることなく，行政行為自体を根拠として，法律により，その行政行為の内容を強制し，実現し得る力

自己執行力を行使するためには何が必要か？

行政上の強制執行に関する法律の根拠(行政代執行法，国税徴収法等)

不可変更力とは？

行為の属性上，処分庁であっても，職権による取消し・変更ができなくなる力

不可変更力が認められる行政行為

争訟裁断行為（行政不服申立て）＝異議決定，審査裁決（関連判例4）

実質的確定力とは？

争訟裁断行為には，訴訟法上の既判力と同視すべき確定力が生じるとする考え方

公定力の例外は？

無効な行政行為には公定力はない

茨城県農地委員会は、被上告人が緑岡村農地委員会のした裁定を不服として申立てた訴願（古い言い方）につき、昭和二四年一二月二三日附で訴願棄却の裁決をしながら、さらに被上告人の申出によつて再議の結果、昭和二六年六月二九日附をもつて先に棄却した被上告人の訴願における主張を相当と認め、前記訴願棄却の裁決を取り消した上改めて訴願の趣旨を容認するとの裁決をした。訴願裁決庁が一旦なした訴願裁決を自ら取り消すことは、原則として許されないものであるため、茨城県農地委員会が被上告人の申出により原判示の事情の下に先になした裁決を取消してさらに訴願の趣旨を容認する裁決をしたことは違法か？

違法ではあるが、行政処分は、たとえ違法であつても、その違法が重大かつ明白で当該処分を当然無効ならしめるものと認むべき場合を除いては、適法に取り消されない限り完全にその効力を有する。

違法な行政行為が取り消される前に，損害賠償を請求することは可能か？

可能行政処分が違法であることを理由として国家賠償の請求をするについては、あらかじめ右行政処分につき取消又は無効確認の判決を得なければならないものではない

刑事訴訟に排他的管轄(公定力)は及ぶか？（義務（行政行為）違反を理由に罰則が科された場合，刑事訴訟で行政行為の違法を主張できるか？）

排他的管轄（公定力）は及ばないしたがって、刑事訴訟で行政行為の違法を主張できる。

行政権の濫用に相当する違法な行政処分に公定力があるか？有限会社Ｘは、個室付浴場業（ソープランドや風俗店）を営むために、山形県余目町（あまるめまち）に土地を購入し、個室付浴場業用の建物の建築確認の申請をし、建築確認を得た上で、建物の建築を完成させた。また、個室付浴場業の営業許可についても、Ｘは受けていた。ところが、当該個室付浴場業の建築に反対した地元住民から反対運動が起こったため、余目町と山形県Ｙは、個室付浴場業の開業を阻止するための方策を考えた。その方策は、風俗営業等取締法（風営法）に「児童福祉施設から200ｍ以内では、個室付浴場業の営業を禁止する」といる法律を利用することであった。当該個室付浴場から200ｍ以内にある無認可の児童遊園があり、この児童遊園について、認可を与えた。これにより、上記風営法により、Ｘは、当該個室付浴場業を開業できなくなった。それにも関わらず、Ｘは個室付浴場業の営業を開始した。そのため、Ｘは風営法違反で起訴された。

公定力はないまず、本件児童遊園設置の認可処分は、行政権の著しい濫用によるものとして違法。Ｘの個室付浴場業の営業に先立つ児童遊園設置の認可処分が行政権の濫用に相当する違法性を帯びているときには、児童遊園の存在を理由に、Ｘの個室付浴場業の営業を規制する根拠にすることは許されない。被告会社のトルコぶろ営業の規制を主たる動機、目的とするＢ町のＣ児童遊園設置の認可申請を容れた本件認可処分は、行政権の濫用に相当する違法性があり、被告会社のトルコぶろ営業に対しこれを規制しうる効力を有しない。そして、本件当時余目町において、Ｘの個室付浴場業の営業の規制以外に、「児童遊園を無認可施設から認可施設に整備する必要性、緊急性があったこと」をうかがわせる事情は認められない。被告会社の本件トルコぶろ営業については、これを規制しうる児童福祉法七条に規定する児童福祉施設の存在についての証明を欠くことになり、被告会社に無罪の言渡をすべき。

行政行為の違法性が争点とならない訴訟には排他的管轄は及ぶか？

及ばない。

拒否処分に対し，再申請することは可能か？

通常の処分に関しては，その後の事情の変更により，同じ処分を申請することが許される。

主観期間とは？

その事実について知った時から

処分についての審査請求期間は？

主観期間は原則３か月

出訴期間は？

主観期間は原則６か月

審査請求期間と出訴期間の客観期間は？？

１年

一定期間経過後も行政庁は職権取り消しが可能か？

可能

原則は執行不停止ではあるが、執行停止制度が必要な理由？

裁判を受ける権利の実効的保障裁判を行なっても、判決が出るまで執行が停止されない場合、不利益が生じる場合があるから。

不可争力は無効な行為にも認められるか？

認められない

取消訴訟の排他的管轄とは？

行政行為の効力を争うことができるのは、行政事件訴訟法に規定されている抗告訴訟の中の取消訴訟のみであるということ

農地買収計画を取り消した訴願裁決を裁決庁が自ら取り消すことができるか？

できない。本件裁決のごときは、行政機関である上告人が実質的には裁判を行つているのであるが、行政機関がするのであるから行政処分に属するわけである。かかる性質を有する裁決は、他の一般行政処分とは異り、特別の規定がない限り、原判決のいうように裁決庁自らにおいて取消すことはできない。

宅地買収計画を取り消す異議決定が確定した場合、その買収の申請は効力を失い、その申請に基づいて立てられた宅地買収計画は違法であるか？

判例は申請を違法としている。裁決・決定等がなされ、これに対して何人からの不服申立てもなく、これが確定した場合には、その裁決・決定等には、判決の既判力とほぼ同視すべき確定力が生じ、当事者又は利害関係人が、後になつてその効力を争うことができないことはもちろん、行政庁も、特別の法の根拠に基づく場合は別として、これを取り消し又は変更することができない拘束を受ける。行政庁としても、裁決・決定のなされたときの客観的事情と全く同一の事情のもとに、裁決又は決定によつて取り消された処分と全く同じ処分を繰り返してすることは許されない。（同じ争訟の繰り返しが起こってしまう）

第4回 行政行為の効力

第4回　行政行為の効力