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p155~　証拠の評価と説明責任

Aiko Kobayashi

問題数 20 • 6/29/2025

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民事訴訟において証明の対象となるのは？

裁判官が自らの知識をそのまま利用できない事項

不要証事実２つ

自白された事実と顕著な事実（公知の事実：一般の人々に知れ渡っている、職務上顕著な事実：裁判官がその職務を行うことにより知った事実）

裁判所はどのような思考回路を経て個々の事実の存否について判断をするか？

自由心証主義

自由心証主義が採用されている理由は３つの点で裁判所に事由があるからであるが、その自由とは？

①証人の信用性など各証拠の証拠力の評価が裁判官の自由な判断に委ねられるから ②「契約の成立は契約書の存在のみによって証明される」というような裁判所の事実認定を拘束する証拠法則は民事訴訟法には存在しない ③窃取された文書や無断録音された録音テープのように入手過程の公正さに疑問のある証拠が証拠方法となりうるのかどうかという証拠能力の問題も裁判所の自由な心証に委ねられる

自由心証主義は事実認定において裁判官に無制限の自由を許すものではないどのような制限がかけられているか？

判決所において当事者の主張事実と認定した事実及びその理由をつけること

判例によれば、裁判所が自由心証主義に基づいて事実認定をする場合、裁判官はどのような心理状態になったとき、ある事実があるとかないとかを判断できることになるか？つまり、どれくらいの証明度に達したときに、ある事実の存否が完全に証明されたと言えるのか？

争いのある事実について、立証は一点の疑義も許されない自然科学的証明ではなく、経験則に照らして全証拠を総合検討し、高度の蓋然性を証明することであり、その判定は、通常人が疑を差し挟まない程度に真実性の確信を持ちうるものであることを必要とし、かつ、それで足りる

民事訴訟法第248条（損害額の認定）損害の額の証明が極めて困難な場合においては、裁判所は、これを一切の事情を考慮して相当と認める額により認定することができる。判例によると同条の適用は裁判所の義務か？

義務

法規不適用の原則とは？

訴えによって設定された訴訟物たる権利要求の当否を判定するために適用すべき実体法規の法律要件に該当する事実（主要事実）について、それらの事実が存在しないと判断された場合、裁判所は実体法規を適用しないこと

真偽不明（ノン・リケット）とは？

裁判所が証拠調べを実施したにもかかわらず、その事実の真偽のいずれにも心証を形成できない場合

真偽不明の場合、民事訴訟法はどのような態度を取るか？

真偽不明の事実は存在しないものとみなして、その事実を要件とする法律効果の発生を否定するという態度

客観的証明責任とは？

証明が成功しなかった場合に、当事者が負う不利益

主観的証明責任とは？

ある事実が真実であることを裁判所に認定してもらうために、当事者が証拠を提出しなければならない義務

通説によれば、証明責任は当事者間でどのように分配されるか？

法律要件分類説：証明責任の所在について明文がないとき、実体法の法律要件を権利根拠事実、権利消滅事実、権利障害事実、または権利阻止事実のいずれかに分類して証明責任の分配を決するとする考え方各当事者は自己に有利な法律効果発生の基礎となる法律要件事実について証明責任を負う

証明責任の転換とは？

要証事実としての主要事実について、本来的に証明責任を負うとされる当事者の立証負担を立法措置によってまたは事案の特殊性に鑑みて実定法の解釈によって軽減する制度

証明責任の転換以外に証明責任を負う当事者の立証上の負担を軽減する方法２つ

・法律上の推定（証明責任を負う当事者は、推定規定の中の前提事実を証明すれば、法律要件事実または権利は存在するものとして扱われること）・一応の推定（ある事実（A）が立証された場合に、これに基づいて他の事実（B）が推定されること）

他人の山林で樹木を伐採した時は、どのような推定が働くか？

伐採行為が一応故意または過失によると推定

麻酔注射を受けた部位に腫瘍を罹患し、後遺症が残った時は、注射器具、背術者の手指あるいは患者の注射部位の消毒が不完全であると認定しただけで、それらのいずれの消毒が不完全であったのか確定していないとしても、被告の過失を認定事実として認められるか？

認められる

間接反証とは？

一応の推定が働く場合、推定の通りの事実認定がされないように。相手方当事者はそのような推定は間違っているとか、少なくとも疑わしいことを示す別の事情を主張・立証すること

事案解明義務の理論とは？

相手方当事者の協力の姿勢を訴訟当事者の法的義務に格上げして、訴訟上の事案解明義務を観念し、その義務の不履行があれば、立証困難な事実について証明責任を負っている原告の主張を真実であると擬制して被告に不利益を負わせることができるとする考え方

原子炉設置の安全性に関して行政庁がした判断に不合理な点があることについての主張・立証責任は本来原告が負うべきものとされるが、判例によれば、どのようなことが推認されるか？

当該原子炉施設の安全審査に関する資料を全て被告行政庁の側が保持していることなどの点を考慮すると、被告行政庁の側において、まずその判断に不合理な点のないことを相当の根拠、資料に基づく主張、立証する必要があり、被告行政庁がその主張立証を尽くさない場合には、その判断に不合理な点があることが事実上推認される

p155~ 証拠の評価と説明責任

p155~　証拠の評価と説明責任