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第２章　訴訟の審理　p85~

Aiko Kobayashi

問題数 24 • 6/26/2025

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口頭弁論における諸原則７つ

公開主義：口頭弁論は公開法廷で行わなければならないこと双方審尋主義：当事者双方に主張・立証を行う機会を公平に与えること口頭主義：当事者が口頭で陳述したものだけを考慮して審理すること←口頭の方がその人の表情や真意を読み取りやすい。ただし書面の準備も必要直接主義：判決の基礎となる弁論と証拠調べに直接関与した裁判官だけが判決を下すことができること ←審理途中で裁判官の交代があった場合、裁判官の面前で当事者が従前の弁論の結果を陳述することが必要（弁論の更新）集中審理主義：裁判官は、一つの事件について集中的に審理し、判決まで終えてから他の事件の審理に入るべきとする原則適時提出主義：当事者は攻撃防御方法の提出を訴訟の進行状況に応じた適切な時期に行わなければならないとする原則計画審理主義：訴訟手続きの計画的な進行を図ることを求める原則←審理計画の策定

攻撃防御方法とは？

本案の事実の主張・立証

争点整理手続きとは？

弁論準備手続を用いて手続きの比較的初期の段階に、争いのある事実と争いのない事実を篩い分け、争いのある事実についての証拠調べをスムーズに行うためにあらかじめ証拠となるべきものについて整理を行うこと

口頭弁論とは？

公開の法廷において、受訴裁判所の面前で当事者双方が対席して、口頭陳述によりそれぞれの主張事実を提出する審理方式

口頭弁論の一体性とは？

口頭弁論の各期日において行われた訴訟行為は、あたかも１期日に全て行われた場合と同様に、そこで獲得された訴訟資料及び証拠資料が等しく判決の基礎とされること

必要的口頭弁論の原則とは？

裁判所が判決をするためには、原則として口頭弁論を経なければならない ←公正の確保と手続き保障を当事者に与えるため

口頭弁論における原則の一つである適時提出主義について、攻撃防御方法の提出が時機に後れたものとして裁判所が却下するための３つの要件

①時機に後れて提出されたものであること←各事件の具体的進行状況、提出された時期よりもより早期に提出できることが期待しうるような客観的状況 ②時機に後れて提出されたことが当事者の故意・重過失に基づくものであること←当事者の法律知識、攻撃防御方法の種類 ③これを採用することによって訴訟の完結が遅延すること←後れた提出を許容した場合にそれを却下した場合よりも手続き時間が長くなること

弁論主義を採用する根拠に関する学説３つ

本質説：弁論主義は利益に関する紛争の解決を目的とする民事訴訟の本質に根ざすものであるとして、その根拠を私的自治の尊重に求める見解←当事者の自由意志を尊重するために、判断資料を形成する事実と証拠の選択について当事者の意向を反映させようとしている手段説：当事者に自己に有利な資料の提出の責任を負わせることで、客観的にも十分な資料の収集が期待でき真実を発見しやすいことから真実発見の便宜的・技術的見地から認めた一つの手段として弁論主義が採用されているとする見解←真実発見という目的は職権探知主義を採用している訴訟手続きにおいても当てはまるはずであるが、この手続きが弁論主義を採用していない理由を説明できない多元説（有力説）：私的自治の尊重や真実発見の効率に加えて、不意打ち防止や裁判への信頼確保と言った要請も加えた多元的な根拠に基づく歴史的所産であるとの見解

弁論主義の具体的内容３つ

①主張責任一方当事者が自己に有利な事実を主張しないことによってその事実が裁判所に顕出しないときには、当該事実はないものとされ、一方当事者は自己に有利な事実認定をしてもらえないという不利益を受けることになるという結果責任 ②自白裁判所は当事者間に争いのない事実（自白された事実）はそのまま判決の基礎としなければならない←裁判所は当該事実の存否を確かめるために証拠調べを行ったり、自白に対する事実を認定することはできない ③職権証拠調べの禁止裁判所は証拠調べを行ってはならず、当事者間に争いある事実を認定する際には当事者の申し出た証拠によらなければならない

主張共通の原則とは？

裁判所はいずれの当事者が主張したかにかかわらず、当事者によって主張された事実である限り、それらを判決の基礎とすること

訴訟資料と証拠資料の峻別とは？

証拠調べを通じて裁判所が知るに至った事実についても、当事者からの主張がない限り、判決の基礎とすることは許されないこと

裁判上の自白（口頭弁論または弁論準備手続において、当事者の一方が相手方の主張する自己に不利益な事実を認めること）の成立要件は？３つ

①当該陳述が口頭弁論期日または弁論準備期日における弁論としての陳述であること ②当該陳述の内容が、相手方の主張と一致すること ③陳述の内容が自己に不利益なこと

裁判上の自白が成立した場合の効果３つ

審判排除効：自白された事実について審判権が排除される証明不要効：自白された事実について証明が不要となる不可撤回効：自白をした当事者は当該主張を撤回してこれと矛盾する別の事実を主張できなくなる

判例によると原則自白を撤回することはできないが、自白の撤回が認められる場合３つ

①刑事上罰すべき他人の行為により自白がなされた場合 ②当該主張を撤回することについて相手方の同意がある場合 ③自白が真実に反しかつ錯誤に基づく場合

民事訴訟において主張される事実の分類３つ

主要事実：権利の発生・消滅・変更という法律効果を判断するのに直接必要な事実間接事実：経験則により主要事実の存否を推認するのに役立つ事実補助事実：証拠の信頼性に関する事実

要件事実とは？

法律要件に該当する類型的かつ抽象的な事実 ↔️主要事実：個別の事件において法律要件に該当する個々具体的な事実

弁論主義の適用対象とされる事実はどのような事実か？

主要事実 ①間接事実及び補助事実は主要事実を推認し、また、証拠の信用性に影響を与えるもので、証拠と同じ機能を営むものであることから弁論主義の領域の問題とすべきではない ②自由心証主義の元では裁判官にできるだけ自然で合理的な判断をさせることが望ましく、間接事実の主張がないからといって主張事実を推認できないとすると裁判官に窮屈な事実認定を強いることができる ③全ての事実について主張責任を認めるとなると当事者に過大な責任を負わせることになりかねない

間接事実や補助事実に関する陳述を自白の対象として認めるべきか？

自由心証主義の制限になるため認めない

弁論主義に基づくと、当事者からの主張なしに、公序良俗や信義則に反するものと認定できるか？

公序良俗等に関する法の適用を主張することまでは要しないが、それを基礎付ける具体的事実については当事者の主張に表れていることが必要

釈明権とは？

裁判所が積極的に訴訟指揮権を行使し、訴訟関係を明瞭にするため事実上及び法律上の事項に関して、当事者に対して問いを発しまたは立証を促すことで、両当事者の訴訟追行能力の実質的な平等を図ること

釈明権は裁判所の義務か？

義務である

釈明権が行使できる基準２つ

①消極的釈明：当事者の申し立て・主張に不明瞭・矛盾・欠缺・不用意がある場合における補充的な釈明 ②積極的釈明：当事者の申し立て・主張が事案について不当または不適当である場合、あるいは当事者が必要な申し立て・主張を行わない場合

裁判所の釈明義務違反が上告理由となる場合は？

消極的釈明を怠り、判決の基礎をなす事実について矛盾や不明瞭があるのに、それを放置して判決を行った場合積極的釈明の場合は、①判決における勝敗転換の蓋然性、当事者の申し立て・主y等々における法的公正の不備の有無②釈明をすることなく適切な主張・立証を当事者に期待できるかどうか③釈明をすることによる当事者間の不公平、訴訟手続きの完結の著しい地帯といった事態を生じせしめるかなどの要素を検討

法的観点指摘義務とは？

当事者がある法律構成を前提としてそれに当てはまる事実などを主張しているときに、裁判所にはそれとは異なる法律構成ないし法的観点を指摘して、当事者の攻撃防御方法を充実させる義務

第２章 訴訟の審理 p85~

第２章　訴訟の審理　p85~