第 8 講 法律行為の効力否定原因Ⅳ
問題一覧
1
消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差に鑑み、消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的
2
(1) 自己決定・自己責任の原則 (2) 契約交渉による正当性保障
3
(1) 契約締結過程における情報・交渉力の格差 (2) 契約条項についての情報・交渉力の格差
4
(1) 分野の限定性 (2) 行政規制の問題点
5
事業概念「一定の目的をもってなされる同種の行為の反復継続的遂行」によって峻別 一方当事者が同種の行為を反復継続的に行っているのに対して、他方当 事者はそうではないことが、消費者契約における情報・交渉力の格差の原因として想定されているから
6
(1) 消費者性否定説 多くの裁判例は、条文どおりに、法人その他の団体の消費者性を否定している 5。学説にも、条文ど おりの説明が見られる (2) 消費者性肯定説 これに対して、前掲東京地判平成 23 年は、X と Y の情報・交渉力の格差に鑑みて、X は消費者に該 当し、当該宿泊契約は消費者契約に該当するものとしている。 学説にも、①法人成りした個人事業者が、自己の事業と直接関係のない商品・役務について事業者と 契約した場合には、消費者契約法を類推適用すべきとする見解 、②消費者契約法 2 条 1 項にいう「個 人」は、事業活動を行わない法人その他の団体に拡大解釈されるべきとする見解 、③専門的知識のない団体が専門業者と契約する場合について、消費者と同視する可能性を指摘する見解 などがある
7
1 不当勧誘規制――消費者の取消権(4~7 条) 事業者の不適切な勧誘により、消費者が誤認または困惑し、消費者契約を締結する意思表示 をした場合、または、事業者の勧誘により、消費者が過量な内容の消費者契約を締結する意思表示をし た場合に、当該消費者に当該意思表示の取消しを認めている。 2 不当条項規制(8~10 条) 第二に、消費者契約における不当な契約条項を無効とすることを定めている。 3 適格消費者団体による差止請求 10(12~47 条) 第三に、適格消費者団体に、事業者に対して不当勧誘または不当条項の使用についての差止めを請求 する権利を認めている。
8
平明作成努力義務 消費者契約の内容に関する情報提供努力義務 定型約款の開示請求に関する情報提供努力義務 解除権行使に関する情報提供努力義務
9
消費者契約法 10 条等に基づく不明確な条項の無効、不適切な情報提供が行われた場合における 消費者契約法 4 条に基づく取消しや不法行為(民法 709 条)に基づく損害賠償請求権を基礎づける、原 理としての意義
10
(1) 勧誘否定説 消費者契約法の立案担当者は、かつて、「特定の者に向けた勧誘方法は『勧誘』に含まれるが、不特 定多数向けのもの等客観的にみて特定の消費者に働きかけ、個別の契約締結の意思の形成に直接に影響 を与えているとは考えられない場合(例えば、広告、チラシの配布、商品の陳列……等)は『勧誘』に 含まれない。」としていた 12。前掲最判平成 29 年の原審は、同様の見解に基づき、差止請求を棄却した。 (2) 勧誘肯定説 これに対して、前掲最判平成 29 年は、事業者が消費者の意思形成に不当な影響を与える一定の行為 をしたことにより、消費者が意思表示をした場合に、取消しを認める、という法の趣旨・目的を前提に、 以下のように判示した 「例えば、事業者が、その記載内容全体から判断して消費者が当該事業者の商品等の内容や取引条件 その他これらの取引に関する事項を具体的に認識し得るような新聞広告により不特定多数の消費者に 向けて働きかけを行うときは、当該働きかけが個別の消費者の意思形成に直接影響を与えることもあり 得るから、事業者等が不特定多数の消費者に向けて働きかけを行う場合を上記各規定にいう『勧誘』に 当たらないとしてその適用対象から一律に除外することは、上記の法の趣旨目的に照らし相当とはいい 難い。「したがって,事業者等による働きかけが不特定多数の消費者に向けられたものであったとしても,そのことから直ちにその働きかけが法 12 条 1 項及び 2 項にいう「勧誘」に当たらないということはできないというべきである。」 この判例によると、「勧誘」該当性の判断においては、個別消費者の意思形成に直接影響を与え得る 働きかけであったかどうか 14が、決定的な意味を有する。
11
不実告知の対象は、客観的に真実または真正であるか否かを判断することができる事柄である。主観 的な評価を述べるにすぎない言明は、不実告知に該当しない。
12
4 条 1 項 2 号は、「将来における変動が不確実な事項」について断定的判断が提供された場合に限っ て、取消しを認めている。典型的には、金融商品の取引に関して、将来の各種の指数・数値、金利、通 貨価値などについて、断定的な判断が提供された場合である。
13
「断定的判断」とは、確実でないものが確実であると誤解させるような決めつけ方
14
①単なる不利益事実の不告知ではなく、先行する利益事実の告知を要求していること ②事業者の故意または重過失を要件としていること
15
4 条 5 項に規定された重要事項のみ
16
契約締結時点の社会通念に照らし、一般的・平均的消費者が当該消費者契約を締結しようとした場合に、その判断を左右すると考えられるような、基本的事項
17
① 不退去(1 号) ② 退去妨害(2 号) ③ 退去困難な場所への同行(3 号)
18
連絡妨害(4 号)
19
① 契約締結前の履行または目的物の現状変更による原状回復困難(9 号) ② 契約締結前の事業活動に対する損失補償請求(10 号)
20
① 消費者の願望の実現についての不安をあおる行為(5 号) ② 恋愛感情を利用する行為(恋愛商法、6 号) ③ 判断力の低下した消費者の不安をあおる行為(7 号) ④ 霊感等による知見として消費者の不安をあおり、またはこれに乗じる行為(霊感商法、8 号)
21
4 条 4 項は、認知症の高齢者等が不必要な物を大量に購入させられる被害事例に対処するための規定 である。消費者が過量な内容の契約を締結してしまうのは、当該消費者に、当該契約を締結するか否か について合理的な判断をすることができない事情がある場合であると考えられる。事業者がそのような 事情につけこんで契約を締結させたことが、取消しの根拠となっている。したがって、4 条 4 項は、過 量契約に契約内容の不当性を見ているというよりも、不当勧誘の表れとして過量契約を捉えている。
22
消費者契約法 6 条の 2 によれば、4 条の規定により消費者が意思表示を取り消した場合において、給付受領時にその意思表示を取り消すことができることを知らなかったときは、当該消費者に利得消滅の 抗弁が認められる。
23
追認をすることができる時から 1 年(4 条 3 項 8 号については 3 年) 、契約締結時から 5 年(4 条 3 項 8 号については 10 年)
24
事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項は、無効とされ る(8 条 1 項 1 号)。不法行為責任についても、同様である(同 3 号)。
25
ア)故意・重過失がある場合の責任制限条項の無効 事業者らの故意または重過失による債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を 免除する条項は、無効とされる(8 条 1 項 2 号)。不法行為責任の一部免除も、同様である(同 4 号) イ)軽過失の場合にのみ適用されることを明確にしない責任制限条項の無効 事業者の債務不履行または不法行為責任を制限する条項であって、事業者らの重過失を除く過失によ る行為にのみ適用されることを明らかにしていないものも、無効とされる(8 条 3 項、2022 年新設)。 この規定は、ある種のサルベージ条項 21(不当条項の効力を法に反しない範囲で維持することを目的と する条項)を条項の明確性の観点から規制したものである。
26
損害賠償責任の有無または限度について事業者に決定権限を付与する条項は、上記の免責条項規制を 潜脱するために使用される可能性が高いため、実質的に免責条項と同じ効果を有するものと評価して、 無効とされている
27
(1) 消費者に他の救済手段が与えられている場合 事業者が追完責任または代金・報酬減額の責任を負う場合 (2) 他の事業者が損害賠償責任または追完責任を負う場合 消費者と事業者の委託を受けた他の事業者との間の契約、または事業者と他の事業者との間 の消費者のためにする契約で、当該消費者契約の締結以前に締結されたものにおいて、当該他の事業者 が、損害賠償責任の全部もしくは一部、または追完責任を負うこととされている場合
28
無効(8 条の 2)
29
消費者が後見開始・保佐開始または補助開始の審判を受けたことのみを理由とする解除権を付与する 条項は、無効とされる 。後見開始の審判を踏まえ、当該消費者の取引適合性を個別に判断した結果、 契約に拘束すべきでないと結論付けられる場合に解除を認める条項は、これに該当しない。
30
有効 消費者が事業者に対し、物品・権利・役務その他の消費者契約の目的となるものを提供することとさ れている契約では、上記の条項は無効とならない
31
消費者契約の解除に伴って損害賠償額の予定を規定し、または違約金を定める条項は、「これらを合 算した額が、当該条項において設定された 28解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種 の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える」場合に、当該超える部分 について無効
32
消費者が金銭債務の全部または一部を支払期日までに支払わない場合における損害賠償の額を予定 し、または違約金を定める条項は、これらを合算した額が、支払期日の翌日からその支払をする日まで の期間について、その日数に応じ、当該支払期日に支払うべき額から当該支払期日に支払うべき額のう ち既に支払われた額を控除した額に年 14.6%の割合を乗じた額を超える場合に、当該超える部分が無効
33
(1) 任意規定からの逸脱 (2)消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示 をしたものとみなす条項 (3)民法第 1 条第 2 項に規定する基本原則(信義則)に反して消費者の利益を一方的に害する もの(信義則違反)
34
有効 ③条項は、「保険料の払込みがされない場合に、その回数にかかわらず、履行の催告(民法 541 条) なしに保険契約が失効する旨を定めるものであるから、この点において、任意規定の適用による場合に 比し、消費者である保険契約者の権利を制限するものであるというべきである。」 2-2 10 条後段該当性 (1) 消費者の不利益 履行の催告は、債務者に債務不履行があったことを気付かせ、契約が解除される前に履行の機会を与 える機能を有するところ、催告なしに保険契約が失効する旨を定める③条項によって保険契約者が受け る不利益は、決して小さなものとはいえない。 (2) 不利益に対する補償 他方で、(i)1 か月の猶予期間、(ii)自動貸付条項、(iii)契約失効前に保険料払込みの督促を行う実務上 の確実な運用により、保険契約者の権利保護を図るために配慮がされているのであれば、③条項は、信 義則に反して消費者の利益を一方的に害するものではない
35
1-1 規制不要説 34 次のような理由から、中心条項は不当条項規制の対象とならないとする。 (1) 規制必要性の欠如 不当条項規制を市場メカニズムの機能不全を補う制度と考えるならば、市場メカニズムが働く場面で は、規制が不要となる。契約において提供される商品・役務とその価格との均衡性は、市場経済システ ムにおいて需要と供給とのバランスによって決定されるものであり、不当条項規制は必要ない。 (2) 規制可能性の欠如 契約の主要な目的(例えば、旅行契約における行き先)については、当事者が決めるしかない問題で あり、法的な規制のための基準を観念することが困難である。 1-2 規制必要説 35 次のような理由から、中心条項についても不当条項規制の対象となりうるとする。 (1) 中心条項と付随条項の区別の困難 中心条項と付随条項とを明確に区別することができない場合があるうえに、区別のための基準が明確 でない。 (2) 中心部分について消費者が合理的に判断できるだけの契約締結基盤の欠如 中心部分について内容規制を要しないといえるためには、当該部分について消費者が合理的に判断で きるだけの基盤が、契約準備交渉・締結段階で必要である。よって、締結段階での規制(情報開示規制 など)が十分に機能していない場合には、中心部分についても内容規制によって対処する必要がある。 (3) 市場メカニズムの完全機能に対する疑問 中心部分への不介入は、市場メカニズムが完全に機能していることを前提としなければ成り立たない が、そのような前提には疑問がある。 (4) 「弱者としての消費者」保護の要請 上記(2)における消費者の自己決定基盤を完全に整備したとしても、なお消費者保護にとって十分な保 護とはいえないのではないか、との疑問が呈されている。さらに、「年齢・不十分な知的能力・経験不 足・経済的立場の弱さ・行動能力や理解能力の欠如といった理由による社会的弱者として、消費者を保 護すべきである」との思想を考慮する必要あるとする。このような意味での弱者保護の思想を取り込ん だ形で、暴利行為の問題を、不当条項規制の中で独自に処理すべきであるとする。
36
有効 更新料と共に賃貸人の事業の収益の一部を構成するのが通常であり、その支払により賃借 人は円満に物件の使用を継続することができることからすると、更新料は、一般に、賃料の補充ないし 前払、賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有するものと解するのが相当で ある。」 2-2 10 条前段該当性 (1) 判旨 「賃貸借契約は、賃貸人が物件を賃借人に使用させることを約し、賃借人がこれに対して賃料を支払 うことを約することによって効力を生ずる(民法 601 条)のであるから、更新料条項は、一般的には賃 貸借契約の要素を構成しない債務を特約により賃借人に負わせるという意味において、任意規定の適用 による場合に比し、消費者である賃借人の義務を加重するものに当たるというべきである。」 (2) 中心条項論への影響 以上の判旨は、中心条項の規制可能性との関係では、次のような意味を有する。すなわち、この判例 によれば、当該契約類型の要素を成す対価以外の付随的な対価・料金は、 10 条前段に該当するものとし て、広く不当条項規制の対象となりうることになる。価格コントロールは市場に委ねるべきであるとす る規制不要説の立場からは、このような判例の帰結を受け入れることができるか、また、受け入れると したら、どのような理由によるのか、が問われる。 2-3 10 条後段該当性 もっとも、前掲最判平成 23 年は、10 条後段該当性につき、 「更新料条項が賃貸借契約書に一義的か つ具体的に記載され、賃借人と賃貸人との間に更新料の支払に関する明確な合意が成立している場合に、 賃借人と賃貸人との間に、更新料条項に関する情報の質及び量並びに交渉力について、看過し得ないほ どの格差が存するとみることもできない」としたうえで、「賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載さ れた更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り」後段に該当しない、との判断基準を示した。このような判断基準によれば、 更新料条項が実際に無効とされることは、そう多くない(前掲最判平成 23 年の事案でも、有効と判断 された)。
民法1
民法1
Aiko Kobayashi · 46問 · 2年前民法1
民法1
46問 • 2年前ニュースでわからなかった英単語
ニュースでわからなかった英単語
Aiko Kobayashi · 61問 · 2年前ニュースでわからなかった英単語
ニュースでわからなかった英単語
61問 • 2年前英単語 2
英単語 2
Aiko Kobayashi · 12問 · 2年前英単語 2
英単語 2
12問 • 2年前第1講 民法総論
第1講 民法総論
Aiko Kobayashi · 39問 · 2年前第1講 民法総論
第1講 民法総論
39問 • 2年前第2講 権利の主体I
第2講 権利の主体I
Aiko Kobayashi · 41問 · 2年前第2講 権利の主体I
第2講 権利の主体I
41問 • 2年前13 国際関係論入門
13 国際関係論入門
Aiko Kobayashi · 11問 · 2年前13 国際関係論入門
13 国際関係論入門
11問 • 2年前1 国際関係論入門
1 国際関係論入門
Aiko Kobayashi · 7問 · 2年前1 国際関係論入門
1 国際関係論入門
7問 • 2年前2 国際関係論入門
2 国際関係論入門
Aiko Kobayashi · 20問 · 2年前2 国際関係論入門
2 国際関係論入門
20問 • 2年前3 国際関係論入門
3 国際関係論入門
Aiko Kobayashi · 18問 · 2年前3 国際関係論入門
3 国際関係論入門
18問 • 2年前4国際関係論入門
4国際関係論入門
Aiko Kobayashi · 8問 · 2年前4国際関係論入門
4国際関係論入門
8問 • 2年前5・6 国際関係論入門
5・6 国際関係論入門
Aiko Kobayashi · 21問 · 2年前5・6 国際関係論入門
5・6 国際関係論入門
21問 • 2年前7・8・9 国際関係論入門
7・8・9 国際関係論入門
Aiko Kobayashi · 31問 · 2年前7・8・9 国際関係論入門
7・8・9 国際関係論入門
31問 • 2年前10 国際関係論入門
10 国際関係論入門
Aiko Kobayashi · 18問 · 2年前10 国際関係論入門
10 国際関係論入門
18問 • 2年前11・12 国際関係論入門
11・12 国際関係論入門
Aiko Kobayashi · 16問 · 2年前11・12 国際関係論入門
11・12 国際関係論入門
16問 • 2年前第3講 法律行為総論・意思表示
第3講 法律行為総論・意思表示
Aiko Kobayashi · 59問 · 2年前第3講 法律行為総論・意思表示
第3講 法律行為総論・意思表示
59問 • 2年前第 4 講 法律行為の解釈・無効と取消し
第 4 講 法律行為の解釈・無効と取消し
Aiko Kobayashi · 56問 · 2年前第 4 講 法律行為の解釈・無効と取消し
第 4 講 法律行為の解釈・無効と取消し
56問 • 2年前第 5 講 法律行為の効力否定原因Ⅰ
第 5 講 法律行為の効力否定原因Ⅰ
Aiko Kobayashi · 58問 · 2年前第 5 講 法律行為の効力否定原因Ⅰ
第 5 講 法律行為の効力否定原因Ⅰ
58問 • 2年前第 6 講 法律行為の効力否定原因Ⅱ
第 6 講 法律行為の効力否定原因Ⅱ
Aiko Kobayashi · 53問 · 2年前第 6 講 法律行為の効力否定原因Ⅱ
第 6 講 法律行為の効力否定原因Ⅱ
53問 • 2年前第 7 講 法律行為の効力否定原因Ⅲ
第 7 講 法律行為の効力否定原因Ⅲ
Aiko Kobayashi · 57問 · 2年前第 7 講 法律行為の効力否定原因Ⅲ
第 7 講 法律行為の効力否定原因Ⅲ
57問 • 2年前第 9 講 条件と期限・代理Ⅰ(代理総論・有権代理)
第 9 講 条件と期限・代理Ⅰ(代理総論・有権代理)
Aiko Kobayashi · 87問 · 2年前第 9 講 条件と期限・代理Ⅰ(代理総論・有権代理)
第 9 講 条件と期限・代理Ⅰ(代理総論・有権代理)
87問 • 2年前第 10講 代理Ⅱ(無権代理)
第 10講 代理Ⅱ(無権代理)
Aiko Kobayashi · 35問 · 2年前第 10講 代理Ⅱ(無権代理)
第 10講 代理Ⅱ(無権代理)
35問 • 2年前第 11講 代理Ⅲ(表見代理)
第 11講 代理Ⅲ(表見代理)
Aiko Kobayashi · 44問 · 2年前第 11講 代理Ⅲ(表見代理)
第 11講 代理Ⅲ(表見代理)
44問 • 2年前第 12講 権利の主体Ⅱ(法人Ⅰ)
第 12講 権利の主体Ⅱ(法人Ⅰ)
Aiko Kobayashi · 44問 · 2年前第 12講 権利の主体Ⅱ(法人Ⅰ)
第 12講 権利の主体Ⅱ(法人Ⅰ)
44問 • 2年前第 13講 権利の主体Ⅱ(法人Ⅱ)
第 13講 権利の主体Ⅱ(法人Ⅱ)
Aiko Kobayashi · 23問 · 2年前第 13講 権利の主体Ⅱ(法人Ⅱ)
第 13講 権利の主体Ⅱ(法人Ⅱ)
23問 • 2年前第 14講 時効Ⅰ
第 14講 時効Ⅰ
Aiko Kobayashi · 41問 · 2年前第 14講 時効Ⅰ
第 14講 時効Ⅰ
41問 • 2年前第 15講 時効Ⅱ
第 15講 時効Ⅱ
Aiko Kobayashi · 32問 · 2年前第 15講 時効Ⅱ
第 15講 時効Ⅱ
32問 • 2年前第 16講 物権法序論・物権変動総論
第 16講 物権法序論・物権変動総論
Aiko Kobayashi · 67問 · 2年前第 16講 物権法序論・物権変動総論
第 16講 物権法序論・物権変動総論
67問 • 2年前第 17講 法律行為を原因とする物権変動・不動産物権変動Ⅰ(不動産登記)
第 17講 法律行為を原因とする物権変動・不動産物権変動Ⅰ(不動産登記)
Aiko Kobayashi · 63問 · 2年前第 17講 法律行為を原因とする物権変動・不動産物権変動Ⅰ(不動産登記)
第 17講 法律行為を原因とする物権変動・不動産物権変動Ⅰ(不動産登記)
63問 • 2年前第 18講 不動産物権変動Ⅱ(177条総論・94 条 2項類推適用)
第 18講 不動産物権変動Ⅱ(177条総論・94 条 2項類推適用)
Aiko Kobayashi · 30問 · 2年前第 18講 不動産物権変動Ⅱ(177条総論・94 条 2項類推適用)
第 18講 不動産物権変動Ⅱ(177条総論・94 条 2項類推適用)
30問 • 2年前第 19講 不動産物権変動Ⅲ(177条各論)
第 19講 不動産物権変動Ⅲ(177条各論)
Aiko Kobayashi · 35問 · 2年前第 19講 不動産物権変動Ⅲ(177条各論)
第 19講 不動産物権変動Ⅲ(177条各論)
35問 • 2年前第 20講 動産物権変動
第 20講 動産物権変動
Aiko Kobayashi · 31問 · 2年前第 20講 動産物権変動
第 20講 動産物権変動
31問 • 2年前第 21講 所有権Ⅰ(総論・添付)
第 21講 所有権Ⅰ(総論・添付)
Aiko Kobayashi · 34問 · 2年前第 21講 所有権Ⅰ(総論・添付)
第 21講 所有権Ⅰ(総論・添付)
34問 • 2年前第 1 講 憲法学への招待
第 1 講 憲法学への招待
Aiko Kobayashi · 12問 · 2年前第 1 講 憲法学への招待
第 1 講 憲法学への招待
12問 • 2年前第 2 講 法の支配と権力分立
第 2 講 法の支配と権力分立
Aiko Kobayashi · 15問 · 2年前第 2 講 法の支配と権力分立
第 2 講 法の支配と権力分立
15問 • 2年前第 3 講 議院内閣制
第 3 講 議院内閣制
Aiko Kobayashi · 15問 · 2年前第 3 講 議院内閣制
第 3 講 議院内閣制
15問 • 2年前第 4 講 象徴天皇制
第 4 講 象徴天皇制
Aiko Kobayashi · 7問 · 2年前第 4 講 象徴天皇制
第 4 講 象徴天皇制
7問 • 2年前第5講 国民代表・政党・選挙
第5講 国民代表・政党・選挙
Aiko Kobayashi · 12問 · 2年前第5講 国民代表・政党・選挙
第5講 国民代表・政党・選挙
12問 • 2年前第 6 講 国会の地位と構造
第 6 講 国会の地位と構造
Aiko Kobayashi · 11問 · 2年前第 6 講 国会の地位と構造
第 6 講 国会の地位と構造
11問 • 2年前第 7 講 内閣の地位と構造
第 7 講 内閣の地位と構造
Aiko Kobayashi · 18問 · 2年前第 7 講 内閣の地位と構造
第 7 講 内閣の地位と構造
18問 • 2年前第8講 立法作用
第8講 立法作用
Aiko Kobayashi · 18問 · 2年前第8講 立法作用
第8講 立法作用
18問 • 2年前第9講 行政作用 第 10 講 戦争の放棄
第9講 行政作用 第 10 講 戦争の放棄
Aiko Kobayashi · 30問 · 2年前第9講 行政作用 第 10 講 戦争の放棄
第9講 行政作用 第 10 講 戦争の放棄
30問 • 2年前第 11 講 司法権と違憲審査
第 11 講 司法権と違憲審査
Aiko Kobayashi · 32問 · 2年前第 11 講 司法権と違憲審査
第 11 講 司法権と違憲審査
32問 • 2年前第 12 講 司法権の限界
第 12 講 司法権の限界
Aiko Kobayashi · 24問 · 2年前第 12 講 司法権の限界
第 12 講 司法権の限界
24問 • 2年前第 13 講 憲法判断の方法と効果
第 13 講 憲法判断の方法と効果
Aiko Kobayashi · 26問 · 2年前第 13 講 憲法判断の方法と効果
第 13 講 憲法判断の方法と効果
26問 • 2年前第 22講 所有権Ⅱ(共有)
第 22講 所有権Ⅱ(共有)
Aiko Kobayashi · 43問 · 2年前第 22講 所有権Ⅱ(共有)
第 22講 所有権Ⅱ(共有)
43問 • 2年前第 23講 物権的請求権・占有(権)Ⅰ
第 23講 物権的請求権・占有(権)Ⅰ
Aiko Kobayashi · 25問 · 2年前第 23講 物権的請求権・占有(権)Ⅰ
第 23講 物権的請求権・占有(権)Ⅰ
25問 • 2年前第 24講 占有(権)Ⅱ
第 24講 占有(権)Ⅱ
Aiko Kobayashi · 48問 · 2年前第 24講 占有(権)Ⅱ
第 24講 占有(権)Ⅱ
48問 • 2年前第一回「憲法上の権利」の観念
第一回「憲法上の権利」の観念
Aiko Kobayashi · 38問 · 1年前第一回「憲法上の権利」の観念
第一回「憲法上の権利」の観念
38問 • 1年前英単語3
英単語3
Aiko Kobayashi · 23問 · 1年前英単語3
英単語3
23問 • 1年前刑法1
刑法1
Aiko Kobayashi · 36問 · 1年前刑法1
刑法1
36問 • 1年前英単語4
英単語4
Aiko Kobayashi · 27問 · 1年前英単語4
英単語4
27問 • 1年前第1回
第1回
Aiko Kobayashi · 15問 · 1年前第1回
第1回
15問 • 1年前第1回
第1回
Aiko Kobayashi · 10問 · 1年前第1回
第1回
10問 • 1年前英単語5
英単語5
Aiko Kobayashi · 39問 · 1年前英単語5
英単語5
39問 • 1年前第1回
第1回
Aiko Kobayashi · 10問 · 1年前第1回
第1回
10問 • 1年前第2回 司法審査制と「憲法訴訟」の基礎
第2回 司法審査制と「憲法訴訟」の基礎
Aiko Kobayashi · 28問 · 1年前第2回 司法審査制と「憲法訴訟」の基礎
第2回 司法審査制と「憲法訴訟」の基礎
28問 • 1年前第3回 思想・良心の自由
第3回 思想・良心の自由
Aiko Kobayashi · 21問 · 1年前第3回 思想・良心の自由
第3回 思想・良心の自由
21問 • 1年前第2回
第2回
Aiko Kobayashi · 54問 · 1年前第2回
第2回
54問 • 1年前第2回
第2回
Aiko Kobayashi · 31問 · 1年前第2回
第2回
31問 • 1年前第2回
第2回
Aiko Kobayashi · 40問 · 1年前第2回
第2回
40問 • 1年前第3回
第3回
Aiko Kobayashi · 50問 · 1年前第3回
第3回
50問 • 1年前第4回〜7回
第4回〜7回
Aiko Kobayashi · 48問 · 1年前第4回〜7回
第4回〜7回
48問 • 1年前第4回 第5回 因果関係
第4回 第5回 因果関係
Aiko Kobayashi · 41問 · 1年前第4回 第5回 因果関係
第4回 第5回 因果関係
41問 • 1年前英単語6
英単語6
Aiko Kobayashi · 42問 · 1年前英単語6
英単語6
42問 • 1年前教科書の内容
教科書の内容
Aiko Kobayashi · 7問 · 1年前教科書の内容
教科書の内容
7問 • 1年前英単語 7
英単語 7
Aiko Kobayashi · 29問 · 1年前英単語 7
英単語 7
29問 • 1年前英単語 8
英単語 8
Aiko Kobayashi · 28問 · 1年前英単語 8
英単語 8
28問 • 1年前英単語 10
英単語 10
Aiko Kobayashi · 48問 · 1年前英単語 10
英単語 10
48問 • 1年前英単語 11
英単語 11
Aiko Kobayashi · 58問 · 1年前英単語 11
英単語 11
58問 • 1年前英単語12
英単語12
Aiko Kobayashi · 68問 · 1年前英単語12
英単語12
68問 • 1年前英単語13
英単語13
Aiko Kobayashi · 73問 · 1年前英単語13
英単語13
73問 • 1年前英単語 14
英単語 14
Aiko Kobayashi · 63問 · 1年前英単語 14
英単語 14
63問 • 1年前英単語15
英単語15
Aiko Kobayashi · 49問 · 1年前英単語15
英単語15
49問 • 1年前英単語 16
英単語 16
Aiko Kobayashi · 58問 · 1年前英単語 16
英単語 16
58問 • 1年前英単語17
英単語17
Aiko Kobayashi · 69問 · 1年前英単語17
英単語17
69問 • 1年前英単語18
英単語18
Aiko Kobayashi · 53問 · 1年前英単語18
英単語18
53問 • 1年前英単語19
英単語19
Aiko Kobayashi · 54問 · 1年前英単語19
英単語19
54問 • 1年前英単語20
英単語20
Aiko Kobayashi · 63問 · 1年前英単語20
英単語20
63問 • 1年前英単語21
英単語21
Aiko Kobayashi · 63問 · 1年前英単語21
英単語21
63問 • 1年前英単語22
英単語22
Aiko Kobayashi · 72問 · 1年前英単語22
英単語22
72問 • 1年前英単語23
英単語23
Aiko Kobayashi · 100問 · 1年前英単語23
英単語23
100問 • 1年前第4回
第4回
Aiko Kobayashi · 9問 · 1年前第4回
第4回
9問 • 1年前第3回
第3回
Aiko Kobayashi · 33問 · 1年前第3回
第3回
33問 • 1年前第6回 不作為犯
第6回 不作為犯
Aiko Kobayashi · 26問 · 1年前第6回 不作為犯
第6回 不作為犯
26問 • 1年前第七回 故意(構成要件的故意)
第七回 故意(構成要件的故意)
Aiko Kobayashi · 34問 · 1年前第七回 故意(構成要件的故意)
第七回 故意(構成要件的故意)
34問 • 1年前第八回、第九回 事実の錯誤
第八回、第九回 事実の錯誤
Aiko Kobayashi · 27問 · 1年前第八回、第九回 事実の錯誤
第八回、第九回 事実の錯誤
27問 • 1年前第十回 過失
第十回 過失
Aiko Kobayashi · 32問 · 1年前第十回 過失
第十回 過失
32問 • 1年前第十一回 違法性の本質・正当行為・被害者の承諾(同意)
第十一回 違法性の本質・正当行為・被害者の承諾(同意)
Aiko Kobayashi · 53問 · 1年前第十一回 違法性の本質・正当行為・被害者の承諾(同意)
第十一回 違法性の本質・正当行為・被害者の承諾(同意)
53問 • 1年前第十三回、第十四回 正当防衛
第十三回、第十四回 正当防衛
Aiko Kobayashi · 45問 · 1年前第十三回、第十四回 正当防衛
第十三回、第十四回 正当防衛
45問 • 1年前第十五回 緊急避難
第十五回 緊急避難
Aiko Kobayashi · 26問 · 1年前第十五回 緊急避難
第十五回 緊急避難
26問 • 1年前第十六回 責任の意義・責任能力、原因において自由な行為
第十六回 責任の意義・責任能力、原因において自由な行為
Aiko Kobayashi · 43問 · 1年前第十六回 責任の意義・責任能力、原因において自由な行為
第十六回 責任の意義・責任能力、原因において自由な行為
43問 • 1年前第十七回 正当化事情の錯誤(責任故意)、違法性の意識
第十七回 正当化事情の錯誤(責任故意)、違法性の意識
Aiko Kobayashi · 23問 · 1年前第十七回 正当化事情の錯誤(責任故意)、違法性の意識
第十七回 正当化事情の錯誤(責任故意)、違法性の意識
23問 • 1年前第3回 同時履行の抗弁・不安の抗弁
第3回 同時履行の抗弁・不安の抗弁
Aiko Kobayashi · 23問 · 1年前第3回 同時履行の抗弁・不安の抗弁
第3回 同時履行の抗弁・不安の抗弁
23問 • 1年前第十八回、第十九回 未遂犯の基礎・実行の着手、不能犯
第十八回、第十九回 未遂犯の基礎・実行の着手、不能犯
Aiko Kobayashi · 56問 · 1年前第十八回、第十九回 未遂犯の基礎・実行の着手、不能犯
第十八回、第十九回 未遂犯の基礎・実行の着手、不能犯
56問 • 1年前第4回
第4回
Aiko Kobayashi · 31問 · 1年前第4回
第4回
31問 • 1年前問題一覧
1
消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差に鑑み、消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的
2
(1) 自己決定・自己責任の原則 (2) 契約交渉による正当性保障
3
(1) 契約締結過程における情報・交渉力の格差 (2) 契約条項についての情報・交渉力の格差
4
(1) 分野の限定性 (2) 行政規制の問題点
5
事業概念「一定の目的をもってなされる同種の行為の反復継続的遂行」によって峻別 一方当事者が同種の行為を反復継続的に行っているのに対して、他方当 事者はそうではないことが、消費者契約における情報・交渉力の格差の原因として想定されているから
6
(1) 消費者性否定説 多くの裁判例は、条文どおりに、法人その他の団体の消費者性を否定している 5。学説にも、条文ど おりの説明が見られる (2) 消費者性肯定説 これに対して、前掲東京地判平成 23 年は、X と Y の情報・交渉力の格差に鑑みて、X は消費者に該 当し、当該宿泊契約は消費者契約に該当するものとしている。 学説にも、①法人成りした個人事業者が、自己の事業と直接関係のない商品・役務について事業者と 契約した場合には、消費者契約法を類推適用すべきとする見解 、②消費者契約法 2 条 1 項にいう「個 人」は、事業活動を行わない法人その他の団体に拡大解釈されるべきとする見解 、③専門的知識のない団体が専門業者と契約する場合について、消費者と同視する可能性を指摘する見解 などがある
7
1 不当勧誘規制――消費者の取消権(4~7 条) 事業者の不適切な勧誘により、消費者が誤認または困惑し、消費者契約を締結する意思表示 をした場合、または、事業者の勧誘により、消費者が過量な内容の消費者契約を締結する意思表示をし た場合に、当該消費者に当該意思表示の取消しを認めている。 2 不当条項規制(8~10 条) 第二に、消費者契約における不当な契約条項を無効とすることを定めている。 3 適格消費者団体による差止請求 10(12~47 条) 第三に、適格消費者団体に、事業者に対して不当勧誘または不当条項の使用についての差止めを請求 する権利を認めている。
8
平明作成努力義務 消費者契約の内容に関する情報提供努力義務 定型約款の開示請求に関する情報提供努力義務 解除権行使に関する情報提供努力義務
9
消費者契約法 10 条等に基づく不明確な条項の無効、不適切な情報提供が行われた場合における 消費者契約法 4 条に基づく取消しや不法行為(民法 709 条)に基づく損害賠償請求権を基礎づける、原 理としての意義
10
(1) 勧誘否定説 消費者契約法の立案担当者は、かつて、「特定の者に向けた勧誘方法は『勧誘』に含まれるが、不特 定多数向けのもの等客観的にみて特定の消費者に働きかけ、個別の契約締結の意思の形成に直接に影響 を与えているとは考えられない場合(例えば、広告、チラシの配布、商品の陳列……等)は『勧誘』に 含まれない。」としていた 12。前掲最判平成 29 年の原審は、同様の見解に基づき、差止請求を棄却した。 (2) 勧誘肯定説 これに対して、前掲最判平成 29 年は、事業者が消費者の意思形成に不当な影響を与える一定の行為 をしたことにより、消費者が意思表示をした場合に、取消しを認める、という法の趣旨・目的を前提に、 以下のように判示した 「例えば、事業者が、その記載内容全体から判断して消費者が当該事業者の商品等の内容や取引条件 その他これらの取引に関する事項を具体的に認識し得るような新聞広告により不特定多数の消費者に 向けて働きかけを行うときは、当該働きかけが個別の消費者の意思形成に直接影響を与えることもあり 得るから、事業者等が不特定多数の消費者に向けて働きかけを行う場合を上記各規定にいう『勧誘』に 当たらないとしてその適用対象から一律に除外することは、上記の法の趣旨目的に照らし相当とはいい 難い。「したがって,事業者等による働きかけが不特定多数の消費者に向けられたものであったとしても,そのことから直ちにその働きかけが法 12 条 1 項及び 2 項にいう「勧誘」に当たらないということはできないというべきである。」 この判例によると、「勧誘」該当性の判断においては、個別消費者の意思形成に直接影響を与え得る 働きかけであったかどうか 14が、決定的な意味を有する。
11
不実告知の対象は、客観的に真実または真正であるか否かを判断することができる事柄である。主観 的な評価を述べるにすぎない言明は、不実告知に該当しない。
12
4 条 1 項 2 号は、「将来における変動が不確実な事項」について断定的判断が提供された場合に限っ て、取消しを認めている。典型的には、金融商品の取引に関して、将来の各種の指数・数値、金利、通 貨価値などについて、断定的な判断が提供された場合である。
13
「断定的判断」とは、確実でないものが確実であると誤解させるような決めつけ方
14
①単なる不利益事実の不告知ではなく、先行する利益事実の告知を要求していること ②事業者の故意または重過失を要件としていること
15
4 条 5 項に規定された重要事項のみ
16
契約締結時点の社会通念に照らし、一般的・平均的消費者が当該消費者契約を締結しようとした場合に、その判断を左右すると考えられるような、基本的事項
17
① 不退去(1 号) ② 退去妨害(2 号) ③ 退去困難な場所への同行(3 号)
18
連絡妨害(4 号)
19
① 契約締結前の履行または目的物の現状変更による原状回復困難(9 号) ② 契約締結前の事業活動に対する損失補償請求(10 号)
20
① 消費者の願望の実現についての不安をあおる行為(5 号) ② 恋愛感情を利用する行為(恋愛商法、6 号) ③ 判断力の低下した消費者の不安をあおる行為(7 号) ④ 霊感等による知見として消費者の不安をあおり、またはこれに乗じる行為(霊感商法、8 号)
21
4 条 4 項は、認知症の高齢者等が不必要な物を大量に購入させられる被害事例に対処するための規定 である。消費者が過量な内容の契約を締結してしまうのは、当該消費者に、当該契約を締結するか否か について合理的な判断をすることができない事情がある場合であると考えられる。事業者がそのような 事情につけこんで契約を締結させたことが、取消しの根拠となっている。したがって、4 条 4 項は、過 量契約に契約内容の不当性を見ているというよりも、不当勧誘の表れとして過量契約を捉えている。
22
消費者契約法 6 条の 2 によれば、4 条の規定により消費者が意思表示を取り消した場合において、給付受領時にその意思表示を取り消すことができることを知らなかったときは、当該消費者に利得消滅の 抗弁が認められる。
23
追認をすることができる時から 1 年(4 条 3 項 8 号については 3 年) 、契約締結時から 5 年(4 条 3 項 8 号については 10 年)
24
事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項は、無効とされ る(8 条 1 項 1 号)。不法行為責任についても、同様である(同 3 号)。
25
ア)故意・重過失がある場合の責任制限条項の無効 事業者らの故意または重過失による債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を 免除する条項は、無効とされる(8 条 1 項 2 号)。不法行為責任の一部免除も、同様である(同 4 号) イ)軽過失の場合にのみ適用されることを明確にしない責任制限条項の無効 事業者の債務不履行または不法行為責任を制限する条項であって、事業者らの重過失を除く過失によ る行為にのみ適用されることを明らかにしていないものも、無効とされる(8 条 3 項、2022 年新設)。 この規定は、ある種のサルベージ条項 21(不当条項の効力を法に反しない範囲で維持することを目的と する条項)を条項の明確性の観点から規制したものである。
26
損害賠償責任の有無または限度について事業者に決定権限を付与する条項は、上記の免責条項規制を 潜脱するために使用される可能性が高いため、実質的に免責条項と同じ効果を有するものと評価して、 無効とされている
27
(1) 消費者に他の救済手段が与えられている場合 事業者が追完責任または代金・報酬減額の責任を負う場合 (2) 他の事業者が損害賠償責任または追完責任を負う場合 消費者と事業者の委託を受けた他の事業者との間の契約、または事業者と他の事業者との間 の消費者のためにする契約で、当該消費者契約の締結以前に締結されたものにおいて、当該他の事業者 が、損害賠償責任の全部もしくは一部、または追完責任を負うこととされている場合
28
無効(8 条の 2)
29
消費者が後見開始・保佐開始または補助開始の審判を受けたことのみを理由とする解除権を付与する 条項は、無効とされる 。後見開始の審判を踏まえ、当該消費者の取引適合性を個別に判断した結果、 契約に拘束すべきでないと結論付けられる場合に解除を認める条項は、これに該当しない。
30
有効 消費者が事業者に対し、物品・権利・役務その他の消費者契約の目的となるものを提供することとさ れている契約では、上記の条項は無効とならない
31
消費者契約の解除に伴って損害賠償額の予定を規定し、または違約金を定める条項は、「これらを合 算した額が、当該条項において設定された 28解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種 の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える」場合に、当該超える部分 について無効
32
消費者が金銭債務の全部または一部を支払期日までに支払わない場合における損害賠償の額を予定 し、または違約金を定める条項は、これらを合算した額が、支払期日の翌日からその支払をする日まで の期間について、その日数に応じ、当該支払期日に支払うべき額から当該支払期日に支払うべき額のう ち既に支払われた額を控除した額に年 14.6%の割合を乗じた額を超える場合に、当該超える部分が無効
33
(1) 任意規定からの逸脱 (2)消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示 をしたものとみなす条項 (3)民法第 1 条第 2 項に規定する基本原則(信義則)に反して消費者の利益を一方的に害する もの(信義則違反)
34
有効 ③条項は、「保険料の払込みがされない場合に、その回数にかかわらず、履行の催告(民法 541 条) なしに保険契約が失効する旨を定めるものであるから、この点において、任意規定の適用による場合に 比し、消費者である保険契約者の権利を制限するものであるというべきである。」 2-2 10 条後段該当性 (1) 消費者の不利益 履行の催告は、債務者に債務不履行があったことを気付かせ、契約が解除される前に履行の機会を与 える機能を有するところ、催告なしに保険契約が失効する旨を定める③条項によって保険契約者が受け る不利益は、決して小さなものとはいえない。 (2) 不利益に対する補償 他方で、(i)1 か月の猶予期間、(ii)自動貸付条項、(iii)契約失効前に保険料払込みの督促を行う実務上 の確実な運用により、保険契約者の権利保護を図るために配慮がされているのであれば、③条項は、信 義則に反して消費者の利益を一方的に害するものではない
35
1-1 規制不要説 34 次のような理由から、中心条項は不当条項規制の対象とならないとする。 (1) 規制必要性の欠如 不当条項規制を市場メカニズムの機能不全を補う制度と考えるならば、市場メカニズムが働く場面で は、規制が不要となる。契約において提供される商品・役務とその価格との均衡性は、市場経済システ ムにおいて需要と供給とのバランスによって決定されるものであり、不当条項規制は必要ない。 (2) 規制可能性の欠如 契約の主要な目的(例えば、旅行契約における行き先)については、当事者が決めるしかない問題で あり、法的な規制のための基準を観念することが困難である。 1-2 規制必要説 35 次のような理由から、中心条項についても不当条項規制の対象となりうるとする。 (1) 中心条項と付随条項の区別の困難 中心条項と付随条項とを明確に区別することができない場合があるうえに、区別のための基準が明確 でない。 (2) 中心部分について消費者が合理的に判断できるだけの契約締結基盤の欠如 中心部分について内容規制を要しないといえるためには、当該部分について消費者が合理的に判断で きるだけの基盤が、契約準備交渉・締結段階で必要である。よって、締結段階での規制(情報開示規制 など)が十分に機能していない場合には、中心部分についても内容規制によって対処する必要がある。 (3) 市場メカニズムの完全機能に対する疑問 中心部分への不介入は、市場メカニズムが完全に機能していることを前提としなければ成り立たない が、そのような前提には疑問がある。 (4) 「弱者としての消費者」保護の要請 上記(2)における消費者の自己決定基盤を完全に整備したとしても、なお消費者保護にとって十分な保 護とはいえないのではないか、との疑問が呈されている。さらに、「年齢・不十分な知的能力・経験不 足・経済的立場の弱さ・行動能力や理解能力の欠如といった理由による社会的弱者として、消費者を保 護すべきである」との思想を考慮する必要あるとする。このような意味での弱者保護の思想を取り込ん だ形で、暴利行為の問題を、不当条項規制の中で独自に処理すべきであるとする。
36
有効 更新料と共に賃貸人の事業の収益の一部を構成するのが通常であり、その支払により賃借 人は円満に物件の使用を継続することができることからすると、更新料は、一般に、賃料の補充ないし 前払、賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有するものと解するのが相当で ある。」 2-2 10 条前段該当性 (1) 判旨 「賃貸借契約は、賃貸人が物件を賃借人に使用させることを約し、賃借人がこれに対して賃料を支払 うことを約することによって効力を生ずる(民法 601 条)のであるから、更新料条項は、一般的には賃 貸借契約の要素を構成しない債務を特約により賃借人に負わせるという意味において、任意規定の適用 による場合に比し、消費者である賃借人の義務を加重するものに当たるというべきである。」 (2) 中心条項論への影響 以上の判旨は、中心条項の規制可能性との関係では、次のような意味を有する。すなわち、この判例 によれば、当該契約類型の要素を成す対価以外の付随的な対価・料金は、 10 条前段に該当するものとし て、広く不当条項規制の対象となりうることになる。価格コントロールは市場に委ねるべきであるとす る規制不要説の立場からは、このような判例の帰結を受け入れることができるか、また、受け入れると したら、どのような理由によるのか、が問われる。 2-3 10 条後段該当性 もっとも、前掲最判平成 23 年は、10 条後段該当性につき、 「更新料条項が賃貸借契約書に一義的か つ具体的に記載され、賃借人と賃貸人との間に更新料の支払に関する明確な合意が成立している場合に、 賃借人と賃貸人との間に、更新料条項に関する情報の質及び量並びに交渉力について、看過し得ないほ どの格差が存するとみることもできない」としたうえで、「賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載さ れた更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り」後段に該当しない、との判断基準を示した。このような判断基準によれば、 更新料条項が実際に無効とされることは、そう多くない(前掲最判平成 23 年の事案でも、有効と判断 された)。