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現代紛争論 Week13国連平和維持活動

Aiko Kobayashi

問題数 25 • 7/11/2025

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伝統的な国連平和維持活動（PKO）とは？

紛争当事者間の停戦合意を受けて、当事者の要請・同意のもと、平和維持軍・軍事監視団を派遣

伝統的PKOの機能３つ

①監視 ②軍の引き離し ③法と秩序の提供

伝統的PKOの強み４つ

①自発的・同意によるプロセス ②紛争が拡大するのを防ぎ、敵対関係の再燃を抑止 ③公平 ④和平合意や他の外交的努力とともに展開されるとより効果的

伝統的PKOの弱み２つ

①紛争の根本問題の解決にはならないこと ②制度的能力の欠如（迅速な意思決定、効果的連携に対応できる指揮のシステムの欠如）

予防外交とは？

当事者間の係争の発生や現に存在する係争の紛争へのエスカレートを防止するとともに、紛争が勃発してしまった際にはその拡大を限定するための行動

予防外交の具体的な方法５つ

①当事者間の信頼醸成措置の促進 ②紛争発生の可能性に関する事実調査 ③紛争の早期警報 ④紛争発生のおそれのある地域への国連要員の予防展開 ⑤非武装地帯の設置

PKO（国連平和維持活動）が「6章半活動（ろくしょうはんかつどう）」と呼ばれる理由

第6章（平和的解決）のように「当事者の合意」や「中立性」を重視しつつ、第7章（強制措置）のように「限定的な武力行使（自衛や文民保護など）」も許されるため、第6章と第7章の中間の性質を持つ活動であるから

平和的手段による平和創造の方法３つ

①安保理、総会、事務総長による調停、交渉、あっせん ②紛争の国際司法裁判所などへの付託 ③紛争の原因となった経済的社会的状況を改善するための援助

平和的手段による平和創造に対する批判４つ

①当事者の意思がない時は、紛争解決できないこと ②安保理や総会は中立的とは言えないこと ③援助は直接的な紛争解決とは言えないこと ④裁判所へ付託したとしても、確実に勝訴できる可能性がないこと

強制措置による平和創造

当事者の同意なしに軍事的強制力を行使

平和維持とは？

停戦監視や兵力引き離し、行政の監視、統治機構の再建など

紛争後の平和建設とは？

紛争の再発を防止する目的で「根本に存在する経済問題、社会問題、文化問題、人道問題に対処」

拡大平和維持が実現した国は？

ソマリア　憲章第七章に基づく武力行使が平和維持活動の権限として認められた最初の事例・民族構成：98％はイスラム教徒スンニ派のソマリ族 ☞ ソマリ族（500以上の氏族集団から構成） • 1960年にイギリスとイタリアから独立 ☞ 1969年クーデター ☞ バーレによる「大ソマリア主義」 → バーレの氏族を優先（不公平） → 反政府勢力（統一ソマリア会議）の台頭国境線に沿って分断された民族を統合する運動 →モハメド暫定大統領を指名 ☞ USC議長（強硬派）アイディード将軍が反発 →ソマリア国民同盟（SNA）とモハメド派が対立 1991年1月以降内戦 1992年3月停戦合意☞ 国連ソマリア活動（UNOSOM）→ 食料輸送援助計画は予定通り進展せず → 人道的危機的状況の悪化 ☞ 米軍を中心とする統一タスクフォース（UNITAF:多国籍軍） 1993年3月 UNOSOMII設立任務：停戦監視、難民支援 +（武力行使を伴う任務）現地の武装集団に対する強制的な武装解除、国連の要員を攻撃した責任者の逮捕 ☞ アイディード将軍派の強い抵抗→攻撃を受けたUNOSOMIIは将軍派に軍事作戦開始←この軍事作戦により民間人（女性・子供）犠牲→反感（国内外） 1993年11月中立・非強制の平和維持活動に回帰 ☞ ソマリア側の敵対行動止まず、各派抗争激化

ソマリア UNOSOMIIは何故失敗した？原因４つ

• 環境的・内生的要因：人道危機状況、無政府状態、暴力行為 • 規模的問題： UNITAF（38000人アメリカ兵士主導、ソマリア南部） ☞ UNSOMII（28000人、ソマリア全体、任務拡大） • 宗教・文化的摩擦：例：関門チェック → イスラム教信仰の女性にとって厳禁例：派遣国（トルコ、パキスタン＝Muslim brothers） → イスラム教同士での戦い • 国際社会の政治的意思の欠落（アメリカの国連PKOに対する不信）

拡大平和維持が実現されたとされる国もう一つ

ボスニア 1992年3月クロアチアへの中立・非強制の「国連保護軍」（UNPROFOR）の派遣 1992年8月（憲章第七章に基づき）人道援助活動を促進するために武力行使をも含むあらゆる必要な措置をとることを容認 1992年9月ボスニア空域における軍事非行禁止措置の違反に対しても加盟国による強制措置承認 1993年サラエヴォ他６都市を安全地帯に指定して軍事・敵対行動を禁止 ☞ UNPROFORが同地域の安全と人道状況の監視 1993年6月安全地帯に対する砲撃、武力侵入などに対する自衛のため、憲章第七章の下で武力行使を含むあらゆる必要な措置をとる権限をUNPROFORに与える←実際のところ失敗に終わる

ソマリア、ボスニアに見られた拡大平和維持の失敗のパターンとは？

現地勢力に強制行動をとることによって中立性・非強制性を失うと国連要員が標的とされてしまうこと

国連PKOは、和平合意の信頼性を高め、再発防止に寄与するとされるが、コミットメント問題の解決に対してどのようなメカニズムを持つか？２つ

① Deterrence（抑止）：PKOの存在が戦闘再開のコストを引き上げる ② Inducement（誘引）：PKOが治安維持・行政支援・インフラ回復などの支援を提供するため、合意順守の利益が高まる

国連平和維持活動はどの様に紛争再発のメカニズムである情報の非対称性を乗り越えるか？

Information Balancing（情報の均衡化）：PKOは、監視・報告・仲介を通じて、信頼できる第三者情報を提供する

PKOの紛争解決メカニズムである、Persuasion（説得）とは？

国連は、武力などの強制力（coercion）ではなく、規範的正当性・道義的影響力によって紛争当事者の行動を変化させる

女性のPeacekeepersに期待される役割は？３つ

❑ 女性の存在は地元の女性へのアクセスと支援を改善 ❑ 男性のPeacekeepersがより反映的・反応的になる ❑ ミッションにおけるスキルやスタイルの幅を広げる

女性のPKO要員（Peacekeepers）を増やすことの理論的合理性４つ

1. ジェンダーセンシティブな活動への対応能力←女性にしか対応できない問題もある 2. 地域社会との信頼関係の構築に有利←女性PKOは、共感力・繊細さ・対話力を発揮 3. 地元女性にとってのロールモデルとなる←ジェンダー規範に挑戦 4. PKOによる性的搾取・虐待の抑制←内部通報の促進

女性のPeacekeepers（特に軍要員）がどこに展開されるか?

女性Peacekeepersは、ジェンダーに基づくニーズが高い地域に派遣されるべきだが、実際には比較的安全で政治的リスクの低い地域に配置される傾向がある。

PKOのマンデート（任務）の内容にジェンダーに関する文言が含まれている場合に、女性Peacekeepersの配属が多いか？

実際は、「ジェンダーに関する文言」と「女性Peacekeepersの現場配属」は必ずしも一致していない。

女性のPeacekeepersの効果は？３つ

①平等のサインとなる ②平和維持軍に入ってくる情報の増加 ③コミュニティ内・外での広範な協力を促す

女性ピースキーパーの増加が性的搾取・虐待（SEA）を減らす理由２つ

1. Militarized Masculinity（暴力、支配、性的優位を男らしさとして正当化）の緩和 2. Deterrent Effect（抑止効果）女性要員がいることで、男性要員は監視されている意識を持つ