暗記メーカー

ログイン

第１２回

Aiko Kobayashi

問題数 15 • 7/25/2024

記憶度

完璧

2問

覚えた

7問

うろ覚え

0問

苦手

0問

未解答

0問

アカウント登録して、解答結果を保存しよう

問題一覧

不利益処分は、申請拒否処分を含むか？

含まない

不利益処分の例

飲食店の営業停止命令・営業許可の取消処分（食品衛生法 60 条・61 条）風俗営業の停止命令・許可取消処分（風営法26 条1 項）

処分基準とは？

いかなる場合に不利益処分をするか、どのような不利益処分を行うかということを定めた、法令よりも具体的な行政の内部基準

処分基準の設定を公にすることが努力義務である理由

個別的な判断が必要であり、画一的な基準の設定が合理的でない場合がある。不利益処分の実績が乏しいため、基準の設定が難しいことが少なくない。基準を公表すると、脱法行為を助長しかねない。

意見陳述手続の種類２つ

聴聞、弁明の機会の付与

聴聞と弁明の機会の付与の違い

聴聞許認可の取消しなど重大な不利益処分についてのみ実施口頭で行われる例：飲食店の営業許可の取消処分弁明の機会の付与「聴聞」の対象となる不利益処分以外のものについて実施原則書面で行われる例：飲食店の営業停止命令

「聴聞」の具体的仕組み５つのステップ

① 聴聞の通知 ② 聴聞 ③ 調書・報告書の作成・提出（24 条） ④ 処分の決定における参酌（26 条）（行政庁は通例、処分原因事実に関する聴聞主宰者の意見に厳格に拘束） ⑤ 名あて人への処分の通知、理由の提示

文書閲覧請求権（18 条）とは？

不利益処分の名あて人らが、処分原因事実を証明する資料を見ることのできる権利例：食中毒の発生を証明する資料

「弁明の機会の付与」の具体的仕組み３ステップ

① 弁明の機会の付与の通知（30 条） ② 弁明書・証拠書類等の提出（29 条） ③ 名あて人への処分の通知、理由の提示

行政手続に違法があった場合、それを理由に行政処分は取り消されるのか。２つの考え方が対立している

① 行政手続の違法が行政処分の内容に影響を及ぼした場合にのみ、行政処分は取り消される。（根拠）行政手続は実体的に正しい行政処分を行うための手段行政手続の違法が行政処分の内容に影響を及ぼさない場合：処分を取り消しても結局同じ処分が行われる。 ↕ ② 行政手続に違法があれば、行政処分の内容への影響の有無に関わらず行政処分は取り消される。（根拠）行政手続は実体的に正しい行政処分を行うための手段に止まらない。 ―行政手続には透明性の確保、国民への説得など他の機能もある。行政手続の違法を理由に行政処分を取り消さない場合：行政庁が行政手続をないがしろにするおそれがある。

行政手続法制定後の裁判例では、どういった場合に行政処分が違法とされ取り消されるか？

行政手続法が定める重要な手続の懈怠・不備→直ちに行政処分を取り消す傾向（審査基準の設定と公にすること、聴聞・弁明の機会の付与、文書閲覧）

個人タクシー事件Ｘは、陸運局長Ｙに対し、個人タクシーの免許を申請したところ、申請件数が膨大だったため、Ｙは、内部的な17の基準を設け、この基準をクリアしない場合は、却下することとした。しかし、この審査基準が公表されたり、Ｘに告知されたりすることはなかった。そのためＸは、十分な主張・立証の機会を与えられなかった。その結果、具体的な17の基準のうち、2つの項目に該当しなかったとして申請は却下された。そのため、Ｘは本件却下処分の取消訴訟を提起した。

本件許可処分は違法審査基準の設定とその基準を適用する上で必要な事項について、申請人に主張と立証の機会を与えなければならず、本件では聴聞においてそのような機会が与えられなかった事実を聴聞し、被上告人にこれに対する主張と証拠の提出の機会を与えその結果をしんしやくしたとすれば、上告人〔Y〕がさきにした判断と異なる判断に到達する可能性がなかつたとはいえない

群馬中央バス事件株式会社Ｘは、運輸大臣Ｙに対して、道路運輸法4条に基づく一般乗合旅客自動車運送事業（バス事業）の免許を申請した。そこで、Ｙは陸運局長の指示し、聴聞を行わせた後、運輸審議会に諮問した。運輸審議会は、公聴会を開催してＸ社や利害関係人を聴取した上、申請を却下すべき旨を答申した（回答した）。これを受けて、Ｙは、同答申に基づき、Ｘの申請を却下する処分をしたため、Ｘはその取消訴訟を提起した。

Xの請求は棄却処分は取り消されない運輸審議会での公聴会において、 X に十分な主張立証の機会が与えられなかった仮に運輸審議会が、公聴会審理においてより具体的に上告人〔X〕の申請計画の問題点を指摘し、この点に関する意見及び資料の提出を促したとしても、上告人において、運輸審議会の認定判断を左右するに足る意見及び資料を追加提出しうる可能性があったとは認め難い。本件免許申請についての運輸審議会の審理手続における上記のごとき不備は、結局において、前記公聴会審理を要求する法の趣旨に違背する重大な違法とするには足りず、右審理の結果に基づく運輸審議会の決定（答申）自体に瑕疵があるということはできないから、右諮問を経てなされた運輸大臣〔当時〕の本件処分を違法として取り消す理由とはならない

理由の提示に違法がある場合どうなるか？

直ちに行政処分の取消し

理由の提示の違法以外のもので、その他の手続きに違法がある場合どうなるか？

手続の違法が重大なものと評価できる場合→直ちに行政処分の取消し手続の違法が行政処分の内容に影響を及ぼした場合→行政処分の取消し