第 13講 権利の主体Ⅱ(法人Ⅱ)
問題一覧
1
法人の代表者が法人の事務一切について権限を有しており、法人の業務に関する一切の法律行為について代理権を与えられているとする原則
2
包括代理権を認めるという意味
3
法人の目的による制限、定款や総会決議等による制限、法令による制限
4
(1) 法人内部での意思決定手続きの定め 第一に、単に法人内部の意思決定手続きを定めたに過ぎず、理事の代理権を制限する趣旨ではない、 と解釈する余地がある。仮にこのような解釈によると、A が X との間で締結した契約は、A の代理権の 範囲内ということになり、原則として有効である。このとき、X が、定款所定の手続きを踏んでいないことにつき悪意または有過失であれば、代理権濫用の問題として、Y への効果帰属が否定 (2) 代理権の制限 第二に、単なる内部手続きの定めではなく、理事の代理権を制限する趣旨であると解釈する余地もあ る。この場合、手続きを踏まずに締結された本件契約は、無権代理行為となる。このとき、X は、次の ような枠組みによって保護される。 1-2 第三者の保護 (1) 制限につき善意の場合 定款等の法人内部の意思決定により代表者の代理権が制限されている場合、その制限の存在を知らな い第三者に対しては、制限を対抗することができない。2006 年法人法改正以前においては、定款等に よる理事の代表権の制限について定めた旧 53 条ただし書 8に続いて、旧 54 条が、「理事の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。」と定めていた 9。現在の一般社団・財団法人法 77 条 5 項・197 条、会社法 349 条 5 項、NPO 法 16 条 2 項などは、これと同旨である。 ここでは、前述のように包括代理の原則が存在することから、法人と取引する第三者は逐一代理権制 限の有無を調査しなくてもよいとの趣旨で、110 条に比べて保護要件が緩和されている――すなわち、 110 条の場合と異なり、正当な理由(無過失)が要求されない。――。 (2) 制限につき悪意の場合 設例 1 の X は、A から他の役員に諮る必要があることを伝えられていたのだから、(1)の意味で善意 の第三者とはいえない。しかしながら、代理権制限そのものは知っていたが、理事会の決議があったと 信じて取引したという場合があり得る。このような場合につき、判例は、110 条の類推適用によって第 三者を保護している。したがって、理事会決議等により代理権があると信じ、かつ、そのように信じた ことにつき正当な理由がある場合には、法人への効果帰属が認められる――ただし、前掲最判昭和 60 年は、結論として正当な理由を否定した原判決を維持している。――。 この場合には、第三者が代理権の制限を知っている以上、包括代理の原則という前提が崩れており、 旧 54 条等は適用されない。取引しようとする第三者は、代理権の有無について、通常の代理の場合と 同様に積極的に調査しなければならず、そのような調査を怠ったといえない場合にだけ、保護される。
5
2-1 前提問題――X・Y 間での契約不成立 設例 2 の事案においては、まず、X・Y 間で消費貸借契約が成立していないことを確認しておく必要 がある。金銭消費貸借契約は、金銭を授受することによって初めて成立する 11(587 条)。そして、地 方自治法 170 条によれば、地方公共団体において現金の受領権限を有するのは会計管理者であり、村長 には受領権限がない。したがって、 A が金銭を受領しても、 X・Y 間で金銭消費貸借契約は成立しない。 2-2 第三者の保護 このような場合に X を保護する方法として、次のようなものが考えられる。 (1) 旧 54 条型の保護 まず、 旧 54 条等と同様に、 X が善意であれば保護するものとすることが考えられる。しかしながら、 次のような理由から、旧 54 条型の保護を認めることは困難である。 ア)包括代理の原則の不妥当 前述のように、旧 54 条等が第三者の主観的保護要件を緩和しているのは、包括代理の原則が前提に あり、法人と取引する第三者は、内部的な代理権制限の有無を逐一調査しなくてよいといえるからであ る。これに対して、法令による制限が存する場合は、代理権の原始的制限(そもそもそこまでしか代理 権がないという意味での制限)であり、包括代理の原則が当てはまる場面ではない。 イ)法の不知は許さず 法令に対する不知は保護されない。 (2) 110 条の類推適用 判例は、設例 2 のような場合に、110 条の類推適用を認めている。しかしながら、村長に現金の受領 権限がないことは法令の規定上明らかである以上、X に「正当な理由」が認められることは稀である。
6
(1) 利益相反行為の存在 設例 3 のように、代表者の利益となる一方、法人の不利益となる行為は、代表者と法人との間に直接 成立するものでなくても、利益相反行為に該当する。したがって、所定の機関(社員総会)の承認を得ないで当該行為をした場合には、無権代理行為となる (2) 善意の第三者の保護 しかしながら、承認を得ていない利益相反行為がおよそ法人に効果帰属しないとすると、取引安全が 害されることになる。そこで、判例は、法人の側で第三者の悪意(承認を受けていなかったことを知っ ていたこと)を主張・立証しなければ、無効(効果不帰属)を主張することができないとしている
7
Ⅰ 法人自身の不法行為による責任――企業責任 Ⅱ 業務執行者の不法行為による責任 Ⅲ 不法行為をした代表者個人の責任
8
① 理事等の代表者の行為であること ② 「職務を行うについて」他人に損害を加えたこと ③ その加害行為が一般不法行為(709 条)の要件を充たすこと
9
組合と権利能力なき社団
10
各当事者が出資して共同の事業を営むことを約束する契約
11
社団の実体を有しながら法人格を有しないもの
12
1 社会的実体における峻別 社団では、構成員個人が重要性を失っており、団体の単一性が強いのに対し、組合は、団体の単一性 が弱く、構成員個人がなお重要性を有している。
13
① 団体としての組織を備えていること ② 多数決の原則が行われていること ③ 構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続していること ④ 組織によって代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体として主要な点が確定していること
14
❶組織によって代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体として主要な点が確定していること ❷ 団体財産として、他の財産とは区別された形式と態様によって管理・処分が行われている財産が存 在すること ❸ 構成員の変更があっても、❷の財産の管理・処分の形式と態様に変化がないこと(≒上記③)
15
2-1 不動産登記 (1) 団体名義の登記 権利能力なき社団は、財産たる不動産の権利主体となることができないため、団体名義での登記は認 められていない (2) 代表者名義の登記 とはいえ、財産を総有する構成員全員の名義で登記をすることは、構成員が多数に及ぶ場合やその変 動を考慮すると、困難である。そこで、代表者個人の名義で登記をすることが認められている (3) 肩書付き登記 しかしながら、代表者名義で登記されると、代表者個人の財産と混同される恐れがある。そこで、「○ ○代表者~」といった肩書付きの登記を認めるべきかが争われている。 2-2 預金名義 銀行預金の口座名義については、実務慣行上、肩書付き名義の使用が認められている。
16
(1) 社団・組合峻別論 社団・組合峻別論のもとでは、権利能力なき社団の財産は、構成員全員の総有に属し、各構成員に持 分は認められないため、構成員の債権者が持分を差し押さえる可能性はないことになる。 (2) 類型論 類型論からは、団体債権者と構成員の債権者の期待を衡量して、当該財産が団体財産として独立性を 有しているかを基準に、構成員の債権者による差押えの可否を判断すべきものとされている
17
(1) 差押えの可否 権利能力なき社団の財産が構成員全員の総有に属すると解するならば、代表者名義の登記は実体を反 映していないため、代表者の債権者による差押えは不可能ということになる。類型論によっても、団体 財産として独立している財産については同様である。 (2) 94 条 2 項類推適用の可能性? そうすると、差押債権者を保護するために、94 条 2 項類推適用を認めてよいか、が問題となる。し かしながら、権利能力なき社団の場合には、上記のように肩書付き登記も認められておらず、代表者名 義で登記するしかないため、団体側に帰責性を認めることが困難である、と指摘されている
18
4-1 社団・組合峻別論 社団・組合峻別論によれば、権利能力なき社団においては、典型的な社団法人の場合と同様に、構成 員は有限責任しか負わない。すなわち、「社団の総有財産だけがその責任財産となり、構成員各自は、 取引の相手方に対し、直接には個人的債務ないし責任を負わない」とされる 4-2 類型論 類型論からは、団体債権者と構成員・構成員債権者の期待の衡量をもとに 、①営利団体であれば無 限責任とする見解、②構成員の持分が認められる団体であれば無限責任とする見解、③団体財産が適切 に確保されていれば有限責任を認める見解などが提唱されている。
19
まず、設例 4 のような公害事例など、法人自身が加害行為をしたと捉えることができる場合がある。 この場合には、709 条以下に基づき、法人自身の一般不法行為の問題として処理することができる
20
次に、法人の業務執行者による不法行為につき、法人が責任を負う場合がある。具体的には、被用者 (Z)の行為に対して責任を負う場合と、代表者(Y)の行為に対して責任を負う場合とがある。 1 使用者責任 被用者が、「事業の執行について」不法行為をした場合には、715 条に基づき使用者たる法人も損害 賠償責任を負う。詳細は、不法行為法の講義に譲る。 2 代表者の行為に対する責任 2-1 責任の根拠と要件 (1) 法人の責任とその根拠 法人は、一般に、理事その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任 を負うものとされている(一般 78 条・197 条、会社 350 条・600 条、NPO8 条など)14 。この責任根拠は、「代表者の行為によって法人は利益を得ているのだから、その過程で生じた不法行為についても責任を負うべきである」という点に求められる(報償責任)。 (2) 法人が責任を負う要件 これらの責任を負う要件は、次の 3 つである。 ① 理事等の代表者の行為であること ② 「職務を行うについて」他人に損害を加えたこと ③ その加害行為が一般不法行為(709 条)の要件を充たすこと
21
「法人格否認の法理」とは、法人制度の目的に照らして、ある法人について、その形式的独立性を貫 くことが正義衡平に反すると認められる場合に、当該法人の存在を全面否定するのではなく、特定の法 律関係における利害調整に必要な限りにおいて、個別例外的に法人格の機能を否定して、法人と構成員 とを法律上同一視する法理である。設例 11 のような事案において、判例は、この法理に基づき、 A と Y を同一視し、X・A 間の和解は、A 名義でなされたにせよ、Y の行為と解しうるとした
22
役員等(一般社団法人においては、理事・幹事・会計監査人)がその職務を行うについて悪意または 重過失があったときは、当該役員等は、第三者との関係で故意または過失がなくても、第三者に対して 損害賠償責任を負う(一般 117 条 1 項・198 条、会社法 429 条 1 項・597 条など)。役員等(一般社団法人においては、理事・幹事・会計監査人)がその職務を行うについて悪意または 重過失があったときは、当該役員等は、第三者との関係で故意または過失がなくても、第三者に対して 損害賠償責任を負う(一般 117 条 1 項・198 条、会社法 429 条 1 項・597 条など)。
23
判例によれば、「職務を行うについて」された加害行為であるかは、行為の外形からみて職務に属す るか否かによって判断され、行為者の主観は問題にならない 16。この理論は、取引の外形に対する相手 方の信頼を保護する趣旨に出たものである。 この考え方によると、設例 2-2 の場合には、 A に受領権限がないことは法律上明らかであるので、 A の金銭受領行為は、外形上その職務行為に属するとはいえない 17。これに対して、設例 2-3 の場合に は、権限を有する会計管理者が受領しているため、外形上職務行為に属するといえる ウ)相手方の主観的保護要件 判例によれば、外形理論により職務行為に属するものと認められる場合であっても、相手方において、 当該行為が法人の職務行為に属さないことを知っていたか、または、知らないことにつき重大な過失が あった場合には、法人は責任を負わない 19 。外形理論の趣旨からすると、取引の外形に対して信頼を有 していない相手方は、保護に値しないと考えられるからである。 このような主観的要件が課される結果、 110 条類推により法律行為責任を追及する場合との間で、要件面での差は低減されている。さらに、相 手方に軽過失があった場合にも、過失相殺(722 条 2 項)による賠償額の減額が可能である。
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英単語3
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刑法1
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英単語4
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第1回
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31問 • 1年前問題一覧
1
法人の代表者が法人の事務一切について権限を有しており、法人の業務に関する一切の法律行為について代理権を与えられているとする原則
2
包括代理権を認めるという意味
3
法人の目的による制限、定款や総会決議等による制限、法令による制限
4
(1) 法人内部での意思決定手続きの定め 第一に、単に法人内部の意思決定手続きを定めたに過ぎず、理事の代理権を制限する趣旨ではない、 と解釈する余地がある。仮にこのような解釈によると、A が X との間で締結した契約は、A の代理権の 範囲内ということになり、原則として有効である。このとき、X が、定款所定の手続きを踏んでいないことにつき悪意または有過失であれば、代理権濫用の問題として、Y への効果帰属が否定 (2) 代理権の制限 第二に、単なる内部手続きの定めではなく、理事の代理権を制限する趣旨であると解釈する余地もあ る。この場合、手続きを踏まずに締結された本件契約は、無権代理行為となる。このとき、X は、次の ような枠組みによって保護される。 1-2 第三者の保護 (1) 制限につき善意の場合 定款等の法人内部の意思決定により代表者の代理権が制限されている場合、その制限の存在を知らな い第三者に対しては、制限を対抗することができない。2006 年法人法改正以前においては、定款等に よる理事の代表権の制限について定めた旧 53 条ただし書 8に続いて、旧 54 条が、「理事の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。」と定めていた 9。現在の一般社団・財団法人法 77 条 5 項・197 条、会社法 349 条 5 項、NPO 法 16 条 2 項などは、これと同旨である。 ここでは、前述のように包括代理の原則が存在することから、法人と取引する第三者は逐一代理権制 限の有無を調査しなくてもよいとの趣旨で、110 条に比べて保護要件が緩和されている――すなわち、 110 条の場合と異なり、正当な理由(無過失)が要求されない。――。 (2) 制限につき悪意の場合 設例 1 の X は、A から他の役員に諮る必要があることを伝えられていたのだから、(1)の意味で善意 の第三者とはいえない。しかしながら、代理権制限そのものは知っていたが、理事会の決議があったと 信じて取引したという場合があり得る。このような場合につき、判例は、110 条の類推適用によって第 三者を保護している。したがって、理事会決議等により代理権があると信じ、かつ、そのように信じた ことにつき正当な理由がある場合には、法人への効果帰属が認められる――ただし、前掲最判昭和 60 年は、結論として正当な理由を否定した原判決を維持している。――。 この場合には、第三者が代理権の制限を知っている以上、包括代理の原則という前提が崩れており、 旧 54 条等は適用されない。取引しようとする第三者は、代理権の有無について、通常の代理の場合と 同様に積極的に調査しなければならず、そのような調査を怠ったといえない場合にだけ、保護される。
5
2-1 前提問題――X・Y 間での契約不成立 設例 2 の事案においては、まず、X・Y 間で消費貸借契約が成立していないことを確認しておく必要 がある。金銭消費貸借契約は、金銭を授受することによって初めて成立する 11(587 条)。そして、地 方自治法 170 条によれば、地方公共団体において現金の受領権限を有するのは会計管理者であり、村長 には受領権限がない。したがって、 A が金銭を受領しても、 X・Y 間で金銭消費貸借契約は成立しない。 2-2 第三者の保護 このような場合に X を保護する方法として、次のようなものが考えられる。 (1) 旧 54 条型の保護 まず、 旧 54 条等と同様に、 X が善意であれば保護するものとすることが考えられる。しかしながら、 次のような理由から、旧 54 条型の保護を認めることは困難である。 ア)包括代理の原則の不妥当 前述のように、旧 54 条等が第三者の主観的保護要件を緩和しているのは、包括代理の原則が前提に あり、法人と取引する第三者は、内部的な代理権制限の有無を逐一調査しなくてよいといえるからであ る。これに対して、法令による制限が存する場合は、代理権の原始的制限(そもそもそこまでしか代理 権がないという意味での制限)であり、包括代理の原則が当てはまる場面ではない。 イ)法の不知は許さず 法令に対する不知は保護されない。 (2) 110 条の類推適用 判例は、設例 2 のような場合に、110 条の類推適用を認めている。しかしながら、村長に現金の受領 権限がないことは法令の規定上明らかである以上、X に「正当な理由」が認められることは稀である。
6
(1) 利益相反行為の存在 設例 3 のように、代表者の利益となる一方、法人の不利益となる行為は、代表者と法人との間に直接 成立するものでなくても、利益相反行為に該当する。したがって、所定の機関(社員総会)の承認を得ないで当該行為をした場合には、無権代理行為となる (2) 善意の第三者の保護 しかしながら、承認を得ていない利益相反行為がおよそ法人に効果帰属しないとすると、取引安全が 害されることになる。そこで、判例は、法人の側で第三者の悪意(承認を受けていなかったことを知っ ていたこと)を主張・立証しなければ、無効(効果不帰属)を主張することができないとしている
7
Ⅰ 法人自身の不法行為による責任――企業責任 Ⅱ 業務執行者の不法行為による責任 Ⅲ 不法行為をした代表者個人の責任
8
① 理事等の代表者の行為であること ② 「職務を行うについて」他人に損害を加えたこと ③ その加害行為が一般不法行為(709 条)の要件を充たすこと
9
組合と権利能力なき社団
10
各当事者が出資して共同の事業を営むことを約束する契約
11
社団の実体を有しながら法人格を有しないもの
12
1 社会的実体における峻別 社団では、構成員個人が重要性を失っており、団体の単一性が強いのに対し、組合は、団体の単一性 が弱く、構成員個人がなお重要性を有している。
13
① 団体としての組織を備えていること ② 多数決の原則が行われていること ③ 構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続していること ④ 組織によって代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体として主要な点が確定していること
14
❶組織によって代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体として主要な点が確定していること ❷ 団体財産として、他の財産とは区別された形式と態様によって管理・処分が行われている財産が存 在すること ❸ 構成員の変更があっても、❷の財産の管理・処分の形式と態様に変化がないこと(≒上記③)
15
2-1 不動産登記 (1) 団体名義の登記 権利能力なき社団は、財産たる不動産の権利主体となることができないため、団体名義での登記は認 められていない (2) 代表者名義の登記 とはいえ、財産を総有する構成員全員の名義で登記をすることは、構成員が多数に及ぶ場合やその変 動を考慮すると、困難である。そこで、代表者個人の名義で登記をすることが認められている (3) 肩書付き登記 しかしながら、代表者名義で登記されると、代表者個人の財産と混同される恐れがある。そこで、「○ ○代表者~」といった肩書付きの登記を認めるべきかが争われている。 2-2 預金名義 銀行預金の口座名義については、実務慣行上、肩書付き名義の使用が認められている。
16
(1) 社団・組合峻別論 社団・組合峻別論のもとでは、権利能力なき社団の財産は、構成員全員の総有に属し、各構成員に持 分は認められないため、構成員の債権者が持分を差し押さえる可能性はないことになる。 (2) 類型論 類型論からは、団体債権者と構成員の債権者の期待を衡量して、当該財産が団体財産として独立性を 有しているかを基準に、構成員の債権者による差押えの可否を判断すべきものとされている
17
(1) 差押えの可否 権利能力なき社団の財産が構成員全員の総有に属すると解するならば、代表者名義の登記は実体を反 映していないため、代表者の債権者による差押えは不可能ということになる。類型論によっても、団体 財産として独立している財産については同様である。 (2) 94 条 2 項類推適用の可能性? そうすると、差押債権者を保護するために、94 条 2 項類推適用を認めてよいか、が問題となる。し かしながら、権利能力なき社団の場合には、上記のように肩書付き登記も認められておらず、代表者名 義で登記するしかないため、団体側に帰責性を認めることが困難である、と指摘されている
18
4-1 社団・組合峻別論 社団・組合峻別論によれば、権利能力なき社団においては、典型的な社団法人の場合と同様に、構成 員は有限責任しか負わない。すなわち、「社団の総有財産だけがその責任財産となり、構成員各自は、 取引の相手方に対し、直接には個人的債務ないし責任を負わない」とされる 4-2 類型論 類型論からは、団体債権者と構成員・構成員債権者の期待の衡量をもとに 、①営利団体であれば無 限責任とする見解、②構成員の持分が認められる団体であれば無限責任とする見解、③団体財産が適切 に確保されていれば有限責任を認める見解などが提唱されている。
19
まず、設例 4 のような公害事例など、法人自身が加害行為をしたと捉えることができる場合がある。 この場合には、709 条以下に基づき、法人自身の一般不法行為の問題として処理することができる
20
次に、法人の業務執行者による不法行為につき、法人が責任を負う場合がある。具体的には、被用者 (Z)の行為に対して責任を負う場合と、代表者(Y)の行為に対して責任を負う場合とがある。 1 使用者責任 被用者が、「事業の執行について」不法行為をした場合には、715 条に基づき使用者たる法人も損害 賠償責任を負う。詳細は、不法行為法の講義に譲る。 2 代表者の行為に対する責任 2-1 責任の根拠と要件 (1) 法人の責任とその根拠 法人は、一般に、理事その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任 を負うものとされている(一般 78 条・197 条、会社 350 条・600 条、NPO8 条など)14 。この責任根拠は、「代表者の行為によって法人は利益を得ているのだから、その過程で生じた不法行為についても責任を負うべきである」という点に求められる(報償責任)。 (2) 法人が責任を負う要件 これらの責任を負う要件は、次の 3 つである。 ① 理事等の代表者の行為であること ② 「職務を行うについて」他人に損害を加えたこと ③ その加害行為が一般不法行為(709 条)の要件を充たすこと
21
「法人格否認の法理」とは、法人制度の目的に照らして、ある法人について、その形式的独立性を貫 くことが正義衡平に反すると認められる場合に、当該法人の存在を全面否定するのではなく、特定の法 律関係における利害調整に必要な限りにおいて、個別例外的に法人格の機能を否定して、法人と構成員 とを法律上同一視する法理である。設例 11 のような事案において、判例は、この法理に基づき、 A と Y を同一視し、X・A 間の和解は、A 名義でなされたにせよ、Y の行為と解しうるとした
22
役員等(一般社団法人においては、理事・幹事・会計監査人)がその職務を行うについて悪意または 重過失があったときは、当該役員等は、第三者との関係で故意または過失がなくても、第三者に対して 損害賠償責任を負う(一般 117 条 1 項・198 条、会社法 429 条 1 項・597 条など)。役員等(一般社団法人においては、理事・幹事・会計監査人)がその職務を行うについて悪意または 重過失があったときは、当該役員等は、第三者との関係で故意または過失がなくても、第三者に対して 損害賠償責任を負う(一般 117 条 1 項・198 条、会社法 429 条 1 項・597 条など)。
23
判例によれば、「職務を行うについて」された加害行為であるかは、行為の外形からみて職務に属す るか否かによって判断され、行為者の主観は問題にならない 16。この理論は、取引の外形に対する相手 方の信頼を保護する趣旨に出たものである。 この考え方によると、設例 2-2 の場合には、 A に受領権限がないことは法律上明らかであるので、 A の金銭受領行為は、外形上その職務行為に属するとはいえない 17。これに対して、設例 2-3 の場合に は、権限を有する会計管理者が受領しているため、外形上職務行為に属するといえる ウ)相手方の主観的保護要件 判例によれば、外形理論により職務行為に属するものと認められる場合であっても、相手方において、 当該行為が法人の職務行為に属さないことを知っていたか、または、知らないことにつき重大な過失が あった場合には、法人は責任を負わない 19 。外形理論の趣旨からすると、取引の外形に対して信頼を有 していない相手方は、保護に値しないと考えられるからである。 このような主観的要件が課される結果、 110 条類推により法律行為責任を追及する場合との間で、要件面での差は低減されている。さらに、相 手方に軽過失があった場合にも、過失相殺(722 条 2 項)による賠償額の減額が可能である。