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第６回テロ・反乱

Aiko Kobayashi

問題数 31 • 6/6/2025

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問題一覧

“War on Terror”とは？

テロを支援する国には責任が伴うこと

テロリズムとは？

国家に対して向けられるすべての犯罪的活動であり、ある人もしくは一般の公衆に恐怖を生み出すことを意図するもの

テロリズムの要因は？５つ

戦略的合理性イデオロギー貧困政治体制心理的要因

テロリズムの要因の一つである戦略的合理性とは？

テロリスト暴力により、低い費用で不満を公にできる

Symbolic テロリズム（象徴的テロ）とは？

実際の被害規模は比較的小さくても、**象徴性の高いターゲット（政府機関、宗教施設、記念碑など）**を攻撃。被害者の数ではなく、注目・恐怖・政治的メッセージの発信が狙い。

Catastrophic テロリズム（破局的テロ）とは？

目的：大規模破壊と大量殺戮、社会秩序の麻痺化学兵器・生物兵器・核兵器（いわゆるCBRN兵器）などの使用も想定

Symbolic テロリズム（象徴的テロ）とCatastrophic テロリズム（破局的テロ）の問題点は？

こうしたテロは起こる可能性が低いが、起きた場合の衝撃があまりに大きいので、恐怖政治や自由の制限を正当化する口実になること

個人レベルで見ると自爆テロは非合理的である理由

当該テロリストは命を失う

個人レベルで見ると自爆テロは非合理的であるが、グループレベルで見ると合理的である理由３つ

選択的な暴力：民間人を標的とするが、政治的な譲歩を目的とする費用対効果が高い：少人数でも大きな心理的・政治的影響を与えられる交渉カードとして有効（例：レバノンのヒズボラは米軍撤退を実現）

テロの要因を戦略的合理性に要因を視る視方への批判

「人間は必ずしも合理的ではない」：心理学的・感情的要因の軽視合理的な理由がなくとも、怒りや憎しみ、恐怖、名誉などから感情的・非合理的に基づいてテロを行う場合がある

テロリズムの要因をイデオロギーとする考え方に対する批判

どのイデオロギーでもテロは起きており、特定のイデオロギーがテロの主因とは言えないことイデオロギーはテロを正当化するための手段に過ぎない可能性があること

貧困がテロと結びつくとする考え方への批判

テロリストは必ずしも貧困層ではなく、教育水準が高く中産階級出身の人も多い

非民主主義国において政治体制がテロに結びつく過程

非民主主義国→正当に政治的表現を行えない→不満→若者を動員するコストの低下

テロリズムの要因を政治体制をする考え方への批判

民主主義においてもテロが多く、逆に権威主義国ではテロが少ない事例があること

民主主義国においてテロが起きやすい理由を構造的に説明すると？３つ

① 自由権（civil liberties）民主主義国では、言論の自由・結社の自由・移動の自由などが保障されている。このため、テロ組織が活動・勧誘・資金集め・潜伏・計画をしやすくなる。 ② 公表（publicity）民主主義体制では、メディアの自由が保障されており、事件が大きく報道される。テロリストにとって、広範な報道＝メッセージの拡散・恐怖の演出という意味で、非常に効果的。よって、「政治的演出としてのテロ」にとって民主主義国は魅力的なターゲットになりうる。 ③ 過少報告の問題（underreporting in autocracies）権威主義国ではテロが少ないとされるが、それは民主主義国よりも報道の自由がなく、報道されていないだけという可能性がある→民主主義国の方がテロが多いのではなく、可視化されやすいだけ

民主主義がテロにとって魅力的な標的であることを制度的に説明すると？３つ

① Deadlock（政治的行き詰まり）民主主義の中でも特に**分権制や連立政権、多党制などで政治の意思決定が停滞する（デッドロック）**状態がある。こうした政治的な停滞・不安定さは、社会の不満や要求を制度的に処理できない原因となり、過激な暴力行動（テロ）を誘発しやすい。 ② 多数代表制（Majoritarian electoral system）多数代表制は、選挙で勝った勢力が大きな権力を握り、少数派やマイノリティが政治的に排除されやすい制度。マイノリティや少数意見が制度に組み込まれにくいため、政治的包摂が不足し、政治的不満が暴力に向かいやすい。 ③ 司法の独立（Judicial independence）民主主義国であっても、司法が脆弱である場合は政治的不満を暴力に転化させる温床になる人権を尊重するため、テロリストの人権も尊重される

民主主義はテロに妥協をしやすいなぜか？

民主主義体制は、政治的な合意形成や妥協を重視する社会システムです。選挙や世論の影響を受けやすく、政府は社会の安定や支持を得るために対話や妥協を模索する傾向がある。このため、テロリストは民主主義政府が圧力や暴力に屈しやすい、あるいは譲歩しやすいと見なしやすい。

組織的説明からインん主主義がテロにとって魅力的な標的である理由を説明すると？

① 市民運動組織民主主義社会では、市民が自由に政治的・社会的運動を組織しやすい環境がある。 ② Outbidding（アウトビッディング）ロジック複数の反政府勢力や武装組織が存在するとき、それぞれが「より強硬に、より過激に」行動して、支持基盤や政治的影響力を獲得しようと競争する

政治的説明から、民主主義はかえってテロにとって魅力的な標的というのを説明すると？

民主主義国家では、政策決定が公開的かつ柔軟に行われることが多い。これは市民や政治勢力の意見を反映しやすいという利点があるが、同時に、テロリストが政治的圧力をかけて、具体的な政策変更や譲歩を引き出そうとする戦略が効果的になる可能性が高い。

なぜ破綻国家ではテロが多いのか？

破綻国家では政府の支配力・統治能力が弱く、治安機関も機能していない。治安の空白が生まれ、テロ組織や武装勢力が自由に活動・組織化・武装化できる空間が存在する（いわゆる「無法地帯」）。

何故破綻国家ではテロが多いという理論への批判

統治機能がしっかりしていもテロが多発している場合があることテロは国家の不在ではなく抑圧的な政治状況から生じることが多いこと

テロリズムの要因を心理的要因から説明すると？

標的となるオーディエンスに恐怖を植え付けたい

テロが内戦で使用されることの効果は？５つ

・テロリズムは規範を逸脱する過激な戦略を使用する意思を有するというシグナルを送る・宣伝効果・Provocation（挑発）・Outbidding（過激さの競争）・Spoiling（台無しにする）

テロリズムは規範を逸脱する過激な戦略を使用する意思を有するというシグナルを送る → このシグナルが有利に働く場合は？

自分たちは強固であるというシグナルを送ることができる

テロリズムは規範を逸脱する過激な戦略を使用する意思を有するというシグナルを送る → このシグナルが不利に働く場合は？

規範を逸脱してしまうことにより自身を信頼できない立場に置かれる

テロリストの戦術を使用した反政府武装勢力は、使用していない反政府武装勢力と比べて、どうなるか？

合意により内戦を終結するということが起こりにくい

コミュニケーションテクノロジーによってテロはどのように助長されるか？

自分たちの思想の発信やターゲットに恐怖を与えたり、新たな人材をリクルートするのを容易にする

コミュニケーションテクノロジーがどのようにテロリズムを阻止するか？４つ

①マスメディアのアジェンダ設定機能を政府が使用 ②テロ攻撃を阻止するのに使用 ③警察能力の改善 ④ソーシャルネットワーク分析

反乱とは？

国家や支配している軍に対する武装勢力による戦略的暴力の使用で、既存の政治秩序を転覆させようとすること

反乱の特徴５つ

特徴①：反対勢力のハラスメントに近い ⇒ 焦点は“Denial”：政府もしくは反乱軍が競合する領土において機能的な支配を設立するのを防ぐ • 特徴②：反乱軍は技術的に劣っている • 特徴③：小部隊に分かれているので、オペレーションを実行するのに柔軟性があり、状況に適応しやすい • 特徴④：反乱軍はたいてい隠ぺいする地形に詳しい • 特徴⑤：支持基盤を獲得するために、地元の人々の間に情報のネットワークを形成する

Mao Tse-Tungの理論による反乱の成功の過程

①戦略的防衛支持基盤（地元民）を築き、道徳的正当性や政治的メッセージを浸透させる。同時に、安全な場所（後方、山岳地帯、国境地帯）でリクルートや訓練を行う。 ②膠着状態（Strategic Stalemate） • 敵を領土や町から追放する ③：戦略的攻撃 • オペレーションの基盤を築くと、敵を徹底的に破壊し、国家を支配するために圧倒的な軍を使用