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第９回　環境変化と紛争

Aiko Kobayashi

問題数 21 • 6/13/2025

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自然災害が紛争を長引かせる理由３つ

①災害により国家の財政能力に影響が出て、対反乱作戦や紛争地における国家建設に使用可能な資源を制限する ②軍が人道支援活動に充てられることにより、対反乱作戦に充てられる兵と軍の供給が減少 ③災害が国家のインフラに影響を与え、非対称に対反乱作戦の軍の能力に影響対反乱作戦への影響

地震は内戦を生じさせるか？

生じさせる

自然災害が紛争を終わらせた事例

アチェ紛争

自然災害が紛争を発生させた事例

シリア内戦

マルサスの人口論とは？

人口は指数関数的に増加するが、食料の増加には限界があるため、人口は貧困や飢餓などによって必然的に調整されるという考え方

Thomas Homer-Dixon（トーマス・ホーマー＝ディクソン）の資源不足理論による、資源不足の類型３つは？

① Demand-induced scarcity（需要誘発型の資源不足）人口増加や経済成長などにより、資源への需要が急激に増加し、資源が不足する現象。 ② Supply-induced scarcity（供給誘発型の資源不足）資源の枯渇や環境破壊によって、利用可能な資源の供給が減少し、資源が不足する現象。 ③ Structural scarcity（構造的資源不足）社会的・政治的・経済的な構造が原因で、一部の人々が資源へのアクセスから排除されてしまう現象。

Homer-Dixon（ホーマー＝ディクソン）が提唱した資源不足の社会的効果２つ

① Resource capture（資源の獲得）権力を持つエリートや支配層が、限られた資源を自らの利益のために囲い込み、他者を排除 ② Ecological marginalization（生態学的疎外化）貧困層や弱者が、資源の枯渇や土地の高騰などにより、生活可能な土地から追い出され、環境的に劣悪な地域に移動せざるを得なくなる

Kahl（2006）の理論の基本的な主張は？

「人口増加」や「環境劣化」といったストレスは、単なる自然現象ではなく、国家の政策・統治体制・経済開発の不均衡が生み出す“人為的な問題”

民主主義体制のもとでは、資源配分はどのように行われるか？

選挙で票を獲得するために、世論を反映した資源配分が行われる

水の利用可能性が高いほど（資源不足がないほど）どのような政治制度になるか？

民主主義体制

資源不足は、国家への攻撃として現れるか、それとも集団間の対立を引き起こすか？

集団間の対立を引き起こす

乾燥している年は、集団間の紛争のリスクはどうなるか？

高くなる

降水量が多い年と、集団間の紛争のリスクの関係は？

関係ない

地震が内戦を引き起こしやすい条件２つ

国が発展していないこと地震前より緊張状態が存在していること

自然災害によって反政府武装勢力のリクルートメントの能力を向上させる理由は？

被災者の不満や不信感を利用して勧誘しやすくなる

自然災害によって半武装勢力のリクルートメント能力が低下する理由は？

災害が反武装勢力のインフラ・ネットワークを破壊し、孤立、弱体化するため

自然災害の反政府武装勢力の攻撃能力への影響は？

政府が軍や警察を災害対応に投入したり、インフラに混乱が生じていることにより弱体化し、反政府武装勢力の攻撃能力が相対的に改善される

自然災害によって、政府は武装勢力に対してどのようになるか？

妥協しやすくなる（災害の困難下においては協力が必要と考える）

災害救助活動を通して、紛争当事者はどのような行動に出るか？

市民の支持を奪い合う支援を通して「市民からの信頼」や「統治の正統性」を得るため

災害が集団間関係に与えるポジティブな影響は？

共通の苦難による連帯意識,相互扶助と協力の経験による好意の形成

災害が集団間関係に与えるネガティブな影響とは？

援助の不平等配分による不満・不信特定の民族・地域・社会階層だけが優先的に支援を受けると、差別意識や被害意識が強まる。

第９回 環境変化と紛争

第９回　環境変化と紛争