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グループ理論・集合行為論

Aiko Kobayashi

問題数 18 • 6/19/2025

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問題一覧

利益集団とは？

共通の利益を持つ人々の集団

潜在的利益集団とは？

共通の利益が存在するにもかかわらず、それが明確に意識されていない場合

利益団体とは？

利益集団の中で、特に人々が職業的ないし生活的な利益をもとに組織化された団体

圧力団体とは？

利益団体の中で自らの利益を守ったり推進したりするために議会や政府に働きかけを行う団体

圧力団体の分類２つ

• 「セクター団体」：経済的利益を基礎とする団体。ビジネス、労働、農業、専門家など。 • 「価値推進団体」：特定の価値や主義に基づく団体。平和、環境、有権者意識向上など。

J. Q. ウィルソンは、組織の形成、維持に関する誘因に着目した圧力団体の分類３つ

「物質的誘因」：財、サービスなど。←セクター団体「連帯的誘因」：社交の楽しみや一体感、メンバーであることで享受できる社会的地位や尊敬など（同好会や名士のクラブ）「目的的誘因」：価値ある目的のための貢献から得られる満足感。←価値推進団体

C. オッフェによる、福祉国家の進展に伴う政治経済的展開を分析するための圧力団体の分類２つ

「市場団体」：市場における財と、労働を含めたサービスの供給と需要に関する利害を代表する団体。セクター団体と消費者団体など。「政策受益団体」（policy-taker）：産業部門や市場に直接的利害関係を持たないが、政府の決定や政策によって直接的に影響を受けるため、特定の政策に利害関心を持つメンバーによって構成される団体。福祉団体、教育団体、行政関連（外郭）団体など。

Arthur F. Bentley (1908),The Process of Government. における政治の捉え方

・政府をめぐる活動だけとはみなさず、社会に存在する様々な利益団体の利害の対立と調整の過程 • 政治対立は固定化されず、争点が生じるごとにアド・ホックに団体が形成される。団体は容易に形成され、問題が解決すると消滅する。

Earl Latham （1952）, “The Group Basis of Politics.” American Political Science Review これによればいかにして政策が形成されるのか？

• 政治過程とは、社会に存在する様々な要求（これを利益と呼ぶ）が、利益団体の結成という形で顕在化する過程 • 社会的な利害がストレートに政治に反映し、社会のすべての要求が、要求の強さや広がりに応じて、民主的に政治に代表されるものと想定

利益集団に対してグループ理論はどのような印象を持っているか？

政治をより安定化する、好ましいもの

多元的民主主義とは？

政策がさまざまな利益団体が要求を掲げて活動していく中で、それらの活動の総和として実現されるとする考え方

多元的民主主義において力の強い集団が政治を支配するか？

特定の利益集団が極端な行動に出れば、それまで無関心であった集団が登場し、反対運動を展開するため、多様な利益集団の利益がそれなりに実現される

潜在的利益集団が顕在的利益集団になるには、２つの条件

①interaction • 利益を共有している人とのネットワーク形成のための相互交渉。 ②tangent relations • 他の集団との接触交渉を通じて集団が形成

グループ理論が成立する条件（重要）５つ

①政治対立が相手方の存在そのものを抹殺するような敵対的対立に至らないこと ②対立のクロスカッティング（社会の対立を一方向に固定させないこと） ③ゲームのルール（リベラルな民主主義、民主主義の制度や手続き）についてのコンセンサス（共有）が集団間の利害調整の前提に存在していること ④overlapping membership（multiple membership）人々が複数の集団にまたがって所属していること ⑤政府首脳は、当事者たる利益集団間の妥協を認可←水平的調整（上下関係なく対等な立場で交渉・調整）

マクロな社会要因論（D. トルーマン）の内容と２つの仮説

・社会の大きな変化（マクロな変化）が、利益団体の形成を引き起こす・増殖仮説：工業化や都市化などで社会が分化すると、価値観やライフスタイルなど利益と価値の多様化を生み、それぞれの人がさまざまな団体を生み出すという説・「均衡化仮説」：短期的にマクロな社会変動に伴って既存の社会勢力間の均衡が崩れるとき、不利になる社会集団の側から均衡回復のために組織化や圧力活動の活性化が起こるという説

集合行為論（M. オルソン）の内容3つ

・フリー・ライダー問題：合理的ない個人は、団体活動の成果が排他的でない場合、コストを負担せずに便益だけ享受しようとする・小規模集団は相互監視により組織化が可能・大規模集団を組織化するには排他的な選択別誘因（強制加入、加入と引き換えに特定の便益を提供）を提供することが必要

集合行為論への批判２つ

①利他的ないし博愛的な目標を持つ団体については説明できない ②既存団体への加入を問題としており、団体形成そのものを説明していない

政治的交換論（R. H. ソールズベリー）の内容２つ

・団体は、「組織者（＝政治的企業家）」と「構成員（メンバー）」の間の“便益の交換”によって成り立つという考え方・団体形成のための便益を提供するのは政治的起業家←起業家の自己犠牲精神＋団体のうむ便益の総量が組織化の費用を上回り、起業家が利益を確保できる。