第 20講 動産物権変動
問題一覧
1
(1) 登記・登録制度のある動産 (2) 不動産の従物たる動産
2
現実の引渡し 簡易の引渡し 占有改訂 指図による占有移転
3
譲渡人の動産に対する現実・直接の支配を、譲受人に移転すること
4
①占有の移転の合意がされたこと ②目的物の物理的支配を移転すること
5
譲受人が既に目的物を所持している場合には、占有権譲渡の合意だけで、「引渡し」を行うこと
6
①占有権譲渡の合意 ②譲受人 (またはその占有代理人)に既に目的物の所持があること
7
譲渡人(「代理人」)が、現実の引渡しをなさずに、以後譲受人(「本人」)のために占有する旨の合意 をして占有を続ける場合にも、「引渡し」が認められること
8
①譲渡人が目的物を所持していたこと ②占有権譲渡の合意がされたこと ③譲渡人が譲受人の占有代理人に当たること
9
譲渡人(「本人」)が占有代理人(「代理人」)によって占有する物をそのまま譲渡する場合、譲渡人がその占有代理人に対して、以後譲受人(「第三者」)のために占有すべき旨を命じ、譲受人がこれを承諾 した場合に認められる引渡し
10
①占有権譲渡の合意 ②譲渡人が占有代理人 C によって目的物を占有していたこと ③譲渡人 が 占有代理人 に対して、譲受人への占有移転を通知したこと
11
当事者およびその包括承継人以外の者で、「引渡しの欠缺を主張 する正当の利益」を有する者
12
(1) 賃借人 賃借人は、178 条の「第三者」に当たるとされる 4。賃借人は、旧所有者=賃貸人との関係では、賃 貸借期間内において目的物を使用収益する契約上の地位(賃借権)を有するところ、新所有者からの返 還請求を拒絶できれば、その物を継続して使用収益することができる。それゆえ、賃借人は、「引渡し の欠缺を主張する正当の利益を有する第三者」に該当する。 なお、不動産賃貸借と異なり、動産賃借権には第三者対抗要件がないため、賃借権の対抗問題は生じ ない。新所有者が引渡しを受ければ、賃借人は返還請求に応じざるを得ない。 (2) 受寄者 これに対して、受寄者は、178 条の「第三者」に当たらないとされる 5。受寄者は、寄託契約におい て返還時期が定められている場合にも、旧所有者=寄託者から返還請求があれば、いつでも返還に応じ なければならない義務を負っている(662 条 1 項)。それゆえ、受寄者は、新所有者からの返還請求に 服しても賃借権に対応するような地位を失うわけではなく、「引渡しの欠缺を主張する正当の利益」を 有しない。
13
所有権または質権
14
① C と B が甲について取引行為をしたこと ② C が B から①の取引に基づき甲の引渡しを受けたこと(取引当時の B による甲占有を含む。 )
15
1 C が強暴または隠避に占有を取得したこと(186 条 1 項) 2 C が占有取得時において悪意であったこと(同上) 3 占有取得時に C に過失があったことを根拠づける事実(188 条 ) 4 CとBの取引が無効であること
16
不動産所有者によって処分された不動産の従物 登記・登録を要しない、あるいは未登録の動産 証券によって表象される動産 金銭
17
不動産の一部 不動産無権利者によって処分された不動産の従物 登記・登録を公示方法とする動産
18
「取引行為(所有権または質権の取得を目的とする行為)によって」占有を取得したこと
19
①前主が動産の占有を有しており、②取得者がその占有を取得したこと
20
充足している これらの引渡し方法においては、取得者が現実に占有を得、なすべきことを全てしていると評価することができる一方、原権利者は、従前の物の支配を完全に失ったとみることができるから
21
(1) 即時取得否定説(判例) 判例は、即時取得が成立するには「一般外観上従来の占有状態に変更を生ずるがごとき占有を取得す ることを要(する)」19として、占有改定による即時取得を認めていない 。判例およびそれを支持する学説は、それぞれにニュアンスがあるものの、主として取得者と原権利者 との間の利益調整の観点から、占有改定による即時取得を否定してきた。この観点から、次のような理 由づけが考えられる。 ア)取得者の要保護性 無権利者 B の取引相手方 C は、原権利者 A の犠牲において保護を受ける以上、自らの権利を確保す るためになすべきことを全てなしておく必要がある。占有改定による引渡しの場合には、現実の占有が 依然として B に留まるため、さらに取引相手方が現れ、その者が即時取得する可能性が残されている。 そのような確実性の低い引渡ししか受けていない C は、自らの権利を確保するためになすべきことを全 てしているとは評価できない以上、即時取得による保護を否定されてもやむを得ない。 イ)原権利者の不利益負担の妥当性 占有改定しかされていない場合、A は、B を介して、従前どおりの物支配を保っているものと見るこ とができる。そのうえ、B と C が共謀すれば、たやすく B・C 間の取引と占有改定の事実を作出できる ため、A が自己の権利を保護することは、極めて困難である。したがって、占有改定の場合にまで A か ら権利を剥奪することは、A にとって過酷である。
22
可能 (1) 即時取得肯定説(通説) 通説は、指図による占有移転の場合には、192 条の占有取得要件を充足するものとしている。最高裁 裁判例にも、設例 11 型の事案について、指図による占有移転で即時取得が成立するとしたものがある 21 この事案では、以下のように即時取得を正当化することができる。 ア)取得者の要保護性 この場合には、取引当事者以外の C を巻き込んで、占有移転が行われている。 C を介してされる公示 は信頼性の高いものであり、 D が権利を確保する確実性は、占有改定の場合に比して高い。したがって、 D は、自らの権利を確保するためになすべきことを十分になしているものと評価することができる。 イ)原権利者の不利益負担の妥当性 これに対して、原権利者 A の物支配は、A が占有を委ねた B から、A と直接の法律関係のない C へ と甲の占有が移ったことによって、弱まったものということができる。このような場合に、A は、早急 に手を打つことで自己の権利を確保する道がなかったとはいえず、権利を奪われてもやむを得ない。
23
前主の権利を信じていなかったこと
24
盗難または遺失の時から 2 年間、所有権は原所有者に留まっており、2 年間回復請求を受けない場合にはじめて、取得者は権利を取得するとする。この見解によると、193 条の回復請求権は、単に占有の 回復を求めるものにすぎないことになる。 この説の主たる根拠として、上述のように、受寄者や賃借人も回復請求権者とされていることが挙げ られる。すなわち、193 条の請求権が、即時取得者に帰属した本権(所有権など)をも回復するものだ とすれば、これらの者は、自らが有していなかった権利まで回復させることになるという奇妙な結果を 生じることが、理由とされる。
25
1 代価弁償の趣旨 193 条による回復請求が認められると、有償で物を取得した占有者は、支払った代価分の利益を失う ことになる。そこで、民法は、193 条による回復者の利益を、占有者の利益および取引安全の保護と調 整するために、194 条の規定をおいている。同条によれば、占有者が、盗品又は遺失物を、競売もしく は公の市場において、またはその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けた場合に、被害者・ 遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。 設例 14 の X は、Y に対して 300 万円を支払わなければ、甲の引渡しを受けることができないという ことになる。
26
前掲最判平成 12 年は、旧判例を変更し、回復者 X が、物の回復をあきらめるか、代価を弁償してこ れを回復するかを選択しうる状況下において、後者を選択して回復を受けたという場合には、占有者 Y は、「(物の)返還後においても、なお民法 194 条に基づき(X)に対して代価の弁償を請求することが できる」とした。X には、上記のような選択の自由があるところ、Y は、勝手に物を返還して代価の弁 償を請求することができるわけではないことに、注意を要する。
27
(2) 判例 前掲最判平成 12 年は、次の 2 点の考慮から、代価弁償の提供があるまで占有者が使用収益権限を有 するとしている 33 。 ① 「民法 194 条は、盗品等を競売若しくは公の市場において又はその物と同種の物を販売する商人 から買い受けた占有者が同法 192 条所定の要件を備えるときは、被害者等は占有者が支払った代価を弁 償しなければその物を回復することができないとすることによって、占有者と被害者等との保護の均衡 を図った規定であるところ、被害者等の回復請求に対し占有者が民法 194 条に基づき盗品等の引渡しを 拒む場合には、被害者等は、代価を弁償して盗品等を回復するか、盗品等の回復をあきらめるかを選択 することができるのに対し、占有者は、被害者等が盗品等の回復をあきらめた場合には盗品等の所有者 として占有取得後の使用利益を享受し得ると解されるのに、被害者等が代価の弁償を選択した場合には 代価弁償以前の使用利益を喪失するというのでは、占有者の地位が不安定になること甚だしく、両者の 保護の均衡を図った同条の趣旨に反する結果となる」。 ② 「弁償される代価には利息は含まれないと解されるところ、それとの均衡上占有者の使用収益を 認めることが両者の公平に適うというべきである。」 ②では、売買契約における目的物の果実と代金の利息について規定する 575 条と同様の考え方が、採 用されている。つまり、物の使用利益(≒売買目的物の果実)と代価の利息(≒売買代金の利息)とが 等価であると見て、相互にこれを支払う義務を負わないとしているのである。
28
① X が、甲を所有していたこと ② Y が、甲を占有していること
29
① 甲が、2 年の期間制限にかからない特定の時点で、X のもとから盗まれたこと ② 回復請求の意思表示(X が甲の返還を請求したことに既に現れているとの見解もある。)
30
設例 12 型の事案については、占有改定による即時取得の否定を前提に、占有改定の場合と同様の考 慮(一般外観上従来の占有状態に変更を生ずるのでなければならない。)から、指図による占有移転に よる即時取得を認めるべきではない、との指摘がある。最上級審裁判例にも、同型の事案について即時 取得を否定したものがある 22 。設例 12 では、次のような理由から即時取得を否定することができる。 ア)取得者の要保護性 設例 12 においては、C→D 譲渡は、D の前々主である B を通じて公示されることになる。前々主で ある B は、C→D 譲渡について利害を有しない者ということはできず、B を介した公示の信頼性は低い といわざるを得ない。したがって、D は、自らの権利を確保するためになすべきことを十分になしてい るものと評価されない。 イ)原権利者の不利益負担の妥当性 他方で、物の現実の所在は依然として B に留まっており、原権利者 A の物支配は従前どおりである。 それにもかかわらず即時取得が認められるならば、A は、自己の権利を確保することが極めて困難であ るにもかかわらず、権利を奪われることになる。
31
193 条は、即時取得者と原権利者の保護の調和を図るため、盗品および遺失物については、192 条の 要件を充足する場合であっても、盗難または遺失の時から 2 年間、被害者または遺失者による回復請求 を認めている
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31問 • 1年前問題一覧
1
(1) 登記・登録制度のある動産 (2) 不動産の従物たる動産
2
現実の引渡し 簡易の引渡し 占有改訂 指図による占有移転
3
譲渡人の動産に対する現実・直接の支配を、譲受人に移転すること
4
①占有の移転の合意がされたこと ②目的物の物理的支配を移転すること
5
譲受人が既に目的物を所持している場合には、占有権譲渡の合意だけで、「引渡し」を行うこと
6
①占有権譲渡の合意 ②譲受人 (またはその占有代理人)に既に目的物の所持があること
7
譲渡人(「代理人」)が、現実の引渡しをなさずに、以後譲受人(「本人」)のために占有する旨の合意 をして占有を続ける場合にも、「引渡し」が認められること
8
①譲渡人が目的物を所持していたこと ②占有権譲渡の合意がされたこと ③譲渡人が譲受人の占有代理人に当たること
9
譲渡人(「本人」)が占有代理人(「代理人」)によって占有する物をそのまま譲渡する場合、譲渡人がその占有代理人に対して、以後譲受人(「第三者」)のために占有すべき旨を命じ、譲受人がこれを承諾 した場合に認められる引渡し
10
①占有権譲渡の合意 ②譲渡人が占有代理人 C によって目的物を占有していたこと ③譲渡人 が 占有代理人 に対して、譲受人への占有移転を通知したこと
11
当事者およびその包括承継人以外の者で、「引渡しの欠缺を主張 する正当の利益」を有する者
12
(1) 賃借人 賃借人は、178 条の「第三者」に当たるとされる 4。賃借人は、旧所有者=賃貸人との関係では、賃 貸借期間内において目的物を使用収益する契約上の地位(賃借権)を有するところ、新所有者からの返 還請求を拒絶できれば、その物を継続して使用収益することができる。それゆえ、賃借人は、「引渡し の欠缺を主張する正当の利益を有する第三者」に該当する。 なお、不動産賃貸借と異なり、動産賃借権には第三者対抗要件がないため、賃借権の対抗問題は生じ ない。新所有者が引渡しを受ければ、賃借人は返還請求に応じざるを得ない。 (2) 受寄者 これに対して、受寄者は、178 条の「第三者」に当たらないとされる 5。受寄者は、寄託契約におい て返還時期が定められている場合にも、旧所有者=寄託者から返還請求があれば、いつでも返還に応じ なければならない義務を負っている(662 条 1 項)。それゆえ、受寄者は、新所有者からの返還請求に 服しても賃借権に対応するような地位を失うわけではなく、「引渡しの欠缺を主張する正当の利益」を 有しない。
13
所有権または質権
14
① C と B が甲について取引行為をしたこと ② C が B から①の取引に基づき甲の引渡しを受けたこと(取引当時の B による甲占有を含む。 )
15
1 C が強暴または隠避に占有を取得したこと(186 条 1 項) 2 C が占有取得時において悪意であったこと(同上) 3 占有取得時に C に過失があったことを根拠づける事実(188 条 ) 4 CとBの取引が無効であること
16
不動産所有者によって処分された不動産の従物 登記・登録を要しない、あるいは未登録の動産 証券によって表象される動産 金銭
17
不動産の一部 不動産無権利者によって処分された不動産の従物 登記・登録を公示方法とする動産
18
「取引行為(所有権または質権の取得を目的とする行為)によって」占有を取得したこと
19
①前主が動産の占有を有しており、②取得者がその占有を取得したこと
20
充足している これらの引渡し方法においては、取得者が現実に占有を得、なすべきことを全てしていると評価することができる一方、原権利者は、従前の物の支配を完全に失ったとみることができるから
21
(1) 即時取得否定説(判例) 判例は、即時取得が成立するには「一般外観上従来の占有状態に変更を生ずるがごとき占有を取得す ることを要(する)」19として、占有改定による即時取得を認めていない 。判例およびそれを支持する学説は、それぞれにニュアンスがあるものの、主として取得者と原権利者 との間の利益調整の観点から、占有改定による即時取得を否定してきた。この観点から、次のような理 由づけが考えられる。 ア)取得者の要保護性 無権利者 B の取引相手方 C は、原権利者 A の犠牲において保護を受ける以上、自らの権利を確保す るためになすべきことを全てなしておく必要がある。占有改定による引渡しの場合には、現実の占有が 依然として B に留まるため、さらに取引相手方が現れ、その者が即時取得する可能性が残されている。 そのような確実性の低い引渡ししか受けていない C は、自らの権利を確保するためになすべきことを全 てしているとは評価できない以上、即時取得による保護を否定されてもやむを得ない。 イ)原権利者の不利益負担の妥当性 占有改定しかされていない場合、A は、B を介して、従前どおりの物支配を保っているものと見るこ とができる。そのうえ、B と C が共謀すれば、たやすく B・C 間の取引と占有改定の事実を作出できる ため、A が自己の権利を保護することは、極めて困難である。したがって、占有改定の場合にまで A か ら権利を剥奪することは、A にとって過酷である。
22
可能 (1) 即時取得肯定説(通説) 通説は、指図による占有移転の場合には、192 条の占有取得要件を充足するものとしている。最高裁 裁判例にも、設例 11 型の事案について、指図による占有移転で即時取得が成立するとしたものがある 21 この事案では、以下のように即時取得を正当化することができる。 ア)取得者の要保護性 この場合には、取引当事者以外の C を巻き込んで、占有移転が行われている。 C を介してされる公示 は信頼性の高いものであり、 D が権利を確保する確実性は、占有改定の場合に比して高い。したがって、 D は、自らの権利を確保するためになすべきことを十分になしているものと評価することができる。 イ)原権利者の不利益負担の妥当性 これに対して、原権利者 A の物支配は、A が占有を委ねた B から、A と直接の法律関係のない C へ と甲の占有が移ったことによって、弱まったものということができる。このような場合に、A は、早急 に手を打つことで自己の権利を確保する道がなかったとはいえず、権利を奪われてもやむを得ない。
23
前主の権利を信じていなかったこと
24
盗難または遺失の時から 2 年間、所有権は原所有者に留まっており、2 年間回復請求を受けない場合にはじめて、取得者は権利を取得するとする。この見解によると、193 条の回復請求権は、単に占有の 回復を求めるものにすぎないことになる。 この説の主たる根拠として、上述のように、受寄者や賃借人も回復請求権者とされていることが挙げ られる。すなわち、193 条の請求権が、即時取得者に帰属した本権(所有権など)をも回復するものだ とすれば、これらの者は、自らが有していなかった権利まで回復させることになるという奇妙な結果を 生じることが、理由とされる。
25
1 代価弁償の趣旨 193 条による回復請求が認められると、有償で物を取得した占有者は、支払った代価分の利益を失う ことになる。そこで、民法は、193 条による回復者の利益を、占有者の利益および取引安全の保護と調 整するために、194 条の規定をおいている。同条によれば、占有者が、盗品又は遺失物を、競売もしく は公の市場において、またはその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けた場合に、被害者・ 遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。 設例 14 の X は、Y に対して 300 万円を支払わなければ、甲の引渡しを受けることができないという ことになる。
26
前掲最判平成 12 年は、旧判例を変更し、回復者 X が、物の回復をあきらめるか、代価を弁償してこ れを回復するかを選択しうる状況下において、後者を選択して回復を受けたという場合には、占有者 Y は、「(物の)返還後においても、なお民法 194 条に基づき(X)に対して代価の弁償を請求することが できる」とした。X には、上記のような選択の自由があるところ、Y は、勝手に物を返還して代価の弁 償を請求することができるわけではないことに、注意を要する。
27
(2) 判例 前掲最判平成 12 年は、次の 2 点の考慮から、代価弁償の提供があるまで占有者が使用収益権限を有 するとしている 33 。 ① 「民法 194 条は、盗品等を競売若しくは公の市場において又はその物と同種の物を販売する商人 から買い受けた占有者が同法 192 条所定の要件を備えるときは、被害者等は占有者が支払った代価を弁 償しなければその物を回復することができないとすることによって、占有者と被害者等との保護の均衡 を図った規定であるところ、被害者等の回復請求に対し占有者が民法 194 条に基づき盗品等の引渡しを 拒む場合には、被害者等は、代価を弁償して盗品等を回復するか、盗品等の回復をあきらめるかを選択 することができるのに対し、占有者は、被害者等が盗品等の回復をあきらめた場合には盗品等の所有者 として占有取得後の使用利益を享受し得ると解されるのに、被害者等が代価の弁償を選択した場合には 代価弁償以前の使用利益を喪失するというのでは、占有者の地位が不安定になること甚だしく、両者の 保護の均衡を図った同条の趣旨に反する結果となる」。 ② 「弁償される代価には利息は含まれないと解されるところ、それとの均衡上占有者の使用収益を 認めることが両者の公平に適うというべきである。」 ②では、売買契約における目的物の果実と代金の利息について規定する 575 条と同様の考え方が、採 用されている。つまり、物の使用利益(≒売買目的物の果実)と代価の利息(≒売買代金の利息)とが 等価であると見て、相互にこれを支払う義務を負わないとしているのである。
28
① X が、甲を所有していたこと ② Y が、甲を占有していること
29
① 甲が、2 年の期間制限にかからない特定の時点で、X のもとから盗まれたこと ② 回復請求の意思表示(X が甲の返還を請求したことに既に現れているとの見解もある。)
30
設例 12 型の事案については、占有改定による即時取得の否定を前提に、占有改定の場合と同様の考 慮(一般外観上従来の占有状態に変更を生ずるのでなければならない。)から、指図による占有移転に よる即時取得を認めるべきではない、との指摘がある。最上級審裁判例にも、同型の事案について即時 取得を否定したものがある 22 。設例 12 では、次のような理由から即時取得を否定することができる。 ア)取得者の要保護性 設例 12 においては、C→D 譲渡は、D の前々主である B を通じて公示されることになる。前々主で ある B は、C→D 譲渡について利害を有しない者ということはできず、B を介した公示の信頼性は低い といわざるを得ない。したがって、D は、自らの権利を確保するためになすべきことを十分になしてい るものと評価されない。 イ)原権利者の不利益負担の妥当性 他方で、物の現実の所在は依然として B に留まっており、原権利者 A の物支配は従前どおりである。 それにもかかわらず即時取得が認められるならば、A は、自己の権利を確保することが極めて困難であ るにもかかわらず、権利を奪われることになる。
31
193 条は、即時取得者と原権利者の保護の調和を図るため、盗品および遺失物については、192 条の 要件を充足する場合であっても、盗難または遺失の時から 2 年間、被害者または遺失者による回復請求 を認めている