第 5 講 法律行為の効力否定原因Ⅰ
問題一覧
1
自己の行為の結果を判断することができる知的能力
2
意思能力の有無は、一般的に、7 歳から 10 歳程度の知的能力が基準になるとされている。
3
意思能力を欠く者(意思無能力者)によってされた法律行為は、無効となる(3 条の 2)
4
意思欠缺、弱者保護
5
法律行為を単独で確定的に有効に行うことができる能力
6
意思無能力者自身と相手方にとって不都合があるから
7
意思無能力の立証困難、無効主張の方法、積極的保護の欠如
8
未成年者が法律行為をするには、原則として、保護者たる法定代理人の同意を要する(5 条 1 項本文)。 同意を得ずにされた法律行為は、取り消すことができる(同 2 項)。この場合、当該未成年者および法 定代理人が取消権を有する(120 条 1 項)。 これらの者は、当該行為を追認することもできる(122 条)。
9
1もっぱら未成年者の利益となる法律行為 2処分を許された財産の処理 3許された営業に関する法律行為
10
原則:親権者 親権者がいない場合、又は親権者がこの財産管理権を有しない場合:未成年後見人を選任
11
判断能力に劣る成年者を保護する制度
12
禁治産・準禁治産制度
13
1制度利用に対する忌避感 2制度設計上の問題
14
① 「禁治産」・「行為無能力」という表現が悪い印象を帯びており、禁治産者等への偏見。 ② 禁治産等宣告は戸籍記載事項とされていたため、「戸籍が汚れる」ことへの抵抗感。
15
① 禁治産=代理形式、準禁治産=同意形式という 2 類型では、画一的過ぎ、類型間の差が大きいた め、徐々に判断能力が低下していく高齢者などには、利用しづらいものであった。 ② 要件が厳格であり、軽度の判断能力不十分者に対応できなかった。 ③ 禁治産者は、一切の行為能力を奪われるため、日常生活に必要な取引すらできなかった。 ④ 準禁治産者にあっては、保佐人に同意権しか与えられなかったため、本人保護が不十分であった。
16
本人が、将来の判断能力低下に備えて、契約によって、予め他人に後見事務を委ねておく制度
17
柔軟性、用語の改定、自己決定・残存能力の尊重、成年後見登記制度
18
「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」であること
19
7 条所定の者、任意後見受任者・任意後見人・任意後見監督人(任意後見 10 条 2 項)、市町村 長
20
後見開始の審判により、後見が開始される 審判を受けたものは成年被後見人となり、保護者として成年後見人が付される。 また、必要がある場合には、成年後見人の事務を監督する成年後見監督人が選任される
21
成年被後見人が単独でした法律行為は、取り消すことができる(9 条本文)。
22
日用品の購入その他日常生活に関する行為については、成年被後見人単独でも有効になすことが認められ、取り消すことができない
23
1ノーマライゼーション・自己決定の尊重の理念に立脚 2取引相手方のリスクを取り除くことで、成年被後見人が容易に日常生活を送る可能性を確保
24
761 条準拠説と不可欠行為限定説
25
9条但書の「日常生活に関する行為」を「日常の家事に関する法律行為」 (761 条)の範囲に関する判例 5に準拠し、本人が生活を営む上で通常必要な行為を指すものとする説
26
「日常生活に関する行為」とは、日常生活を送るのに不可欠と考えられる行為に限られる、とする見 解
27
(1)①・②のほか、③も「日常生活に関する行為」に含まれうる (2)③は「日常生活に関する行為」に含まれない
28
成年被後見人の財産に関する法律行為についての包括代理権(859 条 1 項) 被後見人の行為能力制限に反する行為の取消権(120 条 1 項)と追認権(122 条)
29
①生活・療養看護に関する事務(介護契約、医療契約の締結など) ②財産管理に関する事務(財産の代理処分など)
30
成年後見人の事務と身上配慮義務
31
「精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者」であること
32
11 条所定の者・任意後見受任者・任意後見人・任意後見監督人・市町村長
33
保佐開始の審判があると、保佐が開始し(876 条)、審判を受けた者は被保佐人となり、保護者とし て保佐人が付される (12 条) 。 また、保佐人の事務を監督する保佐監督人が選任されることもある(876条の 3 第 1 項)。
34
13 条 1 項各号に掲げられている行為のほか、家庭裁判所の審判によって同意を要するものとされた行為
35
保佐人の同意を必要とする行為以外と、日用品の購入その他日常生活に関する行為
36
家庭裁判所が、被保佐人の請求に基づいて、同意に代わる許可を与えることができる(13 条 3 項)
37
13 条 1 項所定の行為、同 2 項の審判により指定された行為についての同意権、被保佐人が同意を得ずにした行為についての取消権(120 条 1 項)・追認権(122 条)、代理権付与の審判による 特定の法律行為について代理権
38
身上配慮義務
39
(1) 被保佐人の判断能力が改善した場合 (2) 被保佐人の判断能力がさらに低下した場合
40
「精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者」こと
41
15 条 1 項所定の者・任意後見受任者・任意後見人・任意後見監督人・ 市町村長
42
補助開始の審判があると、補助が開始する(876 条の 6)。審判を受けた者は、被補助人となり、保護 者として補助人が付される(16 条)。また、補助人の事務を監督する補助監督人が選任されることもあ る(876 条の 8 第 1 項)。同意見付与の審判・代理権付与の審判が補助開始の審判とともに行われる
43
補助人の同意を要するものとされた法律行為
44
家庭裁判所が、被補助人の請求に基づいて、同意に代わる許可を与えることができる(17 条 3 項)
45
特定の法律行為について同意権又は代理権を持つ
46
13 条 1 項所定の行為の一部に限られる
47
制限はない、また本人の同意が必要
48
身上配慮義務
49
1判断能力が回復した場合 2判断能力がさらに低下した場合 3同意見・代理権付与の審判が全部取り消された場合
50
制限行為能力者と取引した相手方は、当該行為を追認するかどうかの確答を、制限行為能力者側に求 めることができる権利
51
制限行為能力者本人が行為能力者となった後であれば、本人に対して(20 条 1 項)、それ以前は保護 者に対して(20 条 2 項)、催告をしなければならない。
52
催告においては、1 か月以上の期間を定めて、確答を求めなければならない。期間内に確答が発せられなければ、追認したものとみなされる(20 条 1・2 項、発信主義)。
53
1 未履行の場合(①) 取り消された行為は、遡及的に無効となる(121 条)。したがって、制限行為能力者がした法律行為 が未履行の場合、当事者は、互いに相手方に対して当該行為に基づく履行請求をすることができないし、 相手方から履行請求をされたとしても拒絶することができる。 2 既履行の場合(②) 既履行の場合、給付を受けた当事者は、原状回復義務を負う(121 条の 2)。制限行為能力者の返還義 務の範囲は、現存利益に限られる(同条 3 項後段)。
54
制限行為能力者の積極的な術策がなければ、「詐術」には当たらないとする説
55
単なる黙秘のみでは「詐術」にあたらないが、制限行為能力者の他の言動と相まって、相手方を誤信させ、または誤信を強めたものと認められるときは、「詐術」に当たるとする
56
(1)①は詐術に当たるといえるが、②・③は該当しない (2)②も「詐術」に該当しうるが、③は該当しない
57
2 意思無能力無効と制限行為能力取消しの効果の違い 2-1 主張しうる者の相違 (1) 制限行為能力取消し 120 条 1 項により、制限行為能力者側だけが取り消すことができる。 (2) 意思無能力無効 絶対的無効説と相対的無効説との対立があるが、後者が現在の通説である。したがって、主張しうる 者に大きな違いはないといえる。 2-2 期間制限の有無 (1) 制限行為能力取消し 126 条による期間制限がある。 (2) 意思無能力無効 主張することができる期間を制限する規定はない。もっとも、126 条を類推適用するなど、相手方保 護のために、何らかの期間制限を認めるべきとの議論はされている。 3 二重効 以上のように、両制度の効果の違いは平準化されうるものであり、そうなればどちらを主張するかは、 大きな問題ではない。そのうえで、通説は、要件を充足するならば、いずれを主張してもよいとする。 というのは、無効のほうが取消しよりも能力を欠く者の保護に厚く、わざわざ後見開始の審判を受けた 者が不利な扱いを受けることになってしまうのは、公平でないからである。
58
(1) 絶対的無効説(伝統的通説) 伝統的には、意思能力がなければ意思表示は存在しない(無効=「無」 )と考えることから、誰でも 無効を主張することができると考えられてきた。 (2) 相対的無効説(現在の通説) 現在では、意思無能力者の側だけが無効を主張することができるというのが、一般的な理解である。 無効の根拠を弱者保護に求めるならば、意思無能力者のみに無効の主張を許すことで保護目的が達成さ れるからである。また、意思欠缺を無効の根拠とする立場においても、当該法律行為の効果を引き受け るか否かは、意思無能力者に選択させるべきであると考えるならば、相対的無効が支持される。
民法1
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18問 • 2年前第8講 立法作用
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18問 • 2年前第9講 行政作用 第 10 講 戦争の放棄
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30問 • 2年前第 11 講 司法権と違憲審査
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32問 • 2年前第 12 講 司法権の限界
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24問 • 2年前第 13 講 憲法判断の方法と効果
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26問 • 2年前第 22講 所有権Ⅱ(共有)
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43問 • 2年前第 23講 物権的請求権・占有(権)Ⅰ
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25問 • 2年前第 24講 占有(権)Ⅱ
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第 24講 占有(権)Ⅱ
48問 • 2年前第一回「憲法上の権利」の観念
第一回「憲法上の権利」の観念
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第一回「憲法上の権利」の観念
38問 • 1年前英単語3
英単語3
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23問 • 1年前刑法1
刑法1
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36問 • 1年前英単語4
英単語4
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27問 • 1年前第1回
第1回
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第1回
15問 • 1年前第1回
第1回
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第1回
10問 • 1年前英単語5
英単語5
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英単語5
39問 • 1年前第1回
第1回
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第1回
10問 • 1年前第2回 司法審査制と「憲法訴訟」の基礎
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21問 • 1年前第2回
第2回
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54問 • 1年前第2回
第2回
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第2回
31問 • 1年前第2回
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40問 • 1年前第3回
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50問 • 1年前第4回〜7回
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34問 • 1年前第八回、第九回 事実の錯誤
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27問 • 1年前第十回 過失
第十回 過失
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第十回 過失
32問 • 1年前第十一回 違法性の本質・正当行為・被害者の承諾(同意)
第十一回 違法性の本質・正当行為・被害者の承諾(同意)
Aiko Kobayashi · 53問 · 1年前第十一回 違法性の本質・正当行為・被害者の承諾(同意)
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53問 • 1年前第十三回、第十四回 正当防衛
第十三回、第十四回 正当防衛
Aiko Kobayashi · 45問 · 1年前第十三回、第十四回 正当防衛
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45問 • 1年前第十五回 緊急避難
第十五回 緊急避難
Aiko Kobayashi · 26問 · 1年前第十五回 緊急避難
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26問 • 1年前第十六回 責任の意義・責任能力、原因において自由な行為
第十六回 責任の意義・責任能力、原因において自由な行為
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43問 • 1年前第十七回 正当化事情の錯誤(責任故意)、違法性の意識
第十七回 正当化事情の錯誤(責任故意)、違法性の意識
Aiko Kobayashi · 23問 · 1年前第十七回 正当化事情の錯誤(責任故意)、違法性の意識
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23問 • 1年前第3回 同時履行の抗弁・不安の抗弁
第3回 同時履行の抗弁・不安の抗弁
Aiko Kobayashi · 23問 · 1年前第3回 同時履行の抗弁・不安の抗弁
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23問 • 1年前第十八回、第十九回 未遂犯の基礎・実行の着手、不能犯
第十八回、第十九回 未遂犯の基礎・実行の着手、不能犯
Aiko Kobayashi · 56問 · 1年前第十八回、第十九回 未遂犯の基礎・実行の着手、不能犯
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56問 • 1年前第4回
第4回
Aiko Kobayashi · 31問 · 1年前第4回
第4回
31問 • 1年前問題一覧
1
自己の行為の結果を判断することができる知的能力
2
意思能力の有無は、一般的に、7 歳から 10 歳程度の知的能力が基準になるとされている。
3
意思能力を欠く者(意思無能力者)によってされた法律行為は、無効となる(3 条の 2)
4
意思欠缺、弱者保護
5
法律行為を単独で確定的に有効に行うことができる能力
6
意思無能力者自身と相手方にとって不都合があるから
7
意思無能力の立証困難、無効主張の方法、積極的保護の欠如
8
未成年者が法律行為をするには、原則として、保護者たる法定代理人の同意を要する(5 条 1 項本文)。 同意を得ずにされた法律行為は、取り消すことができる(同 2 項)。この場合、当該未成年者および法 定代理人が取消権を有する(120 条 1 項)。 これらの者は、当該行為を追認することもできる(122 条)。
9
1もっぱら未成年者の利益となる法律行為 2処分を許された財産の処理 3許された営業に関する法律行為
10
原則:親権者 親権者がいない場合、又は親権者がこの財産管理権を有しない場合:未成年後見人を選任
11
判断能力に劣る成年者を保護する制度
12
禁治産・準禁治産制度
13
1制度利用に対する忌避感 2制度設計上の問題
14
① 「禁治産」・「行為無能力」という表現が悪い印象を帯びており、禁治産者等への偏見。 ② 禁治産等宣告は戸籍記載事項とされていたため、「戸籍が汚れる」ことへの抵抗感。
15
① 禁治産=代理形式、準禁治産=同意形式という 2 類型では、画一的過ぎ、類型間の差が大きいた め、徐々に判断能力が低下していく高齢者などには、利用しづらいものであった。 ② 要件が厳格であり、軽度の判断能力不十分者に対応できなかった。 ③ 禁治産者は、一切の行為能力を奪われるため、日常生活に必要な取引すらできなかった。 ④ 準禁治産者にあっては、保佐人に同意権しか与えられなかったため、本人保護が不十分であった。
16
本人が、将来の判断能力低下に備えて、契約によって、予め他人に後見事務を委ねておく制度
17
柔軟性、用語の改定、自己決定・残存能力の尊重、成年後見登記制度
18
「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」であること
19
7 条所定の者、任意後見受任者・任意後見人・任意後見監督人(任意後見 10 条 2 項)、市町村 長
20
後見開始の審判により、後見が開始される 審判を受けたものは成年被後見人となり、保護者として成年後見人が付される。 また、必要がある場合には、成年後見人の事務を監督する成年後見監督人が選任される
21
成年被後見人が単独でした法律行為は、取り消すことができる(9 条本文)。
22
日用品の購入その他日常生活に関する行為については、成年被後見人単独でも有効になすことが認められ、取り消すことができない
23
1ノーマライゼーション・自己決定の尊重の理念に立脚 2取引相手方のリスクを取り除くことで、成年被後見人が容易に日常生活を送る可能性を確保
24
761 条準拠説と不可欠行為限定説
25
9条但書の「日常生活に関する行為」を「日常の家事に関する法律行為」 (761 条)の範囲に関する判例 5に準拠し、本人が生活を営む上で通常必要な行為を指すものとする説
26
「日常生活に関する行為」とは、日常生活を送るのに不可欠と考えられる行為に限られる、とする見 解
27
(1)①・②のほか、③も「日常生活に関する行為」に含まれうる (2)③は「日常生活に関する行為」に含まれない
28
成年被後見人の財産に関する法律行為についての包括代理権(859 条 1 項) 被後見人の行為能力制限に反する行為の取消権(120 条 1 項)と追認権(122 条)
29
①生活・療養看護に関する事務(介護契約、医療契約の締結など) ②財産管理に関する事務(財産の代理処分など)
30
成年後見人の事務と身上配慮義務
31
「精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者」であること
32
11 条所定の者・任意後見受任者・任意後見人・任意後見監督人・市町村長
33
保佐開始の審判があると、保佐が開始し(876 条)、審判を受けた者は被保佐人となり、保護者とし て保佐人が付される (12 条) 。 また、保佐人の事務を監督する保佐監督人が選任されることもある(876条の 3 第 1 項)。
34
13 条 1 項各号に掲げられている行為のほか、家庭裁判所の審判によって同意を要するものとされた行為
35
保佐人の同意を必要とする行為以外と、日用品の購入その他日常生活に関する行為
36
家庭裁判所が、被保佐人の請求に基づいて、同意に代わる許可を与えることができる(13 条 3 項)
37
13 条 1 項所定の行為、同 2 項の審判により指定された行為についての同意権、被保佐人が同意を得ずにした行為についての取消権(120 条 1 項)・追認権(122 条)、代理権付与の審判による 特定の法律行為について代理権
38
身上配慮義務
39
(1) 被保佐人の判断能力が改善した場合 (2) 被保佐人の判断能力がさらに低下した場合
40
「精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者」こと
41
15 条 1 項所定の者・任意後見受任者・任意後見人・任意後見監督人・ 市町村長
42
補助開始の審判があると、補助が開始する(876 条の 6)。審判を受けた者は、被補助人となり、保護 者として補助人が付される(16 条)。また、補助人の事務を監督する補助監督人が選任されることもあ る(876 条の 8 第 1 項)。同意見付与の審判・代理権付与の審判が補助開始の審判とともに行われる
43
補助人の同意を要するものとされた法律行為
44
家庭裁判所が、被補助人の請求に基づいて、同意に代わる許可を与えることができる(17 条 3 項)
45
特定の法律行為について同意権又は代理権を持つ
46
13 条 1 項所定の行為の一部に限られる
47
制限はない、また本人の同意が必要
48
身上配慮義務
49
1判断能力が回復した場合 2判断能力がさらに低下した場合 3同意見・代理権付与の審判が全部取り消された場合
50
制限行為能力者と取引した相手方は、当該行為を追認するかどうかの確答を、制限行為能力者側に求 めることができる権利
51
制限行為能力者本人が行為能力者となった後であれば、本人に対して(20 条 1 項)、それ以前は保護 者に対して(20 条 2 項)、催告をしなければならない。
52
催告においては、1 か月以上の期間を定めて、確答を求めなければならない。期間内に確答が発せられなければ、追認したものとみなされる(20 条 1・2 項、発信主義)。
53
1 未履行の場合(①) 取り消された行為は、遡及的に無効となる(121 条)。したがって、制限行為能力者がした法律行為 が未履行の場合、当事者は、互いに相手方に対して当該行為に基づく履行請求をすることができないし、 相手方から履行請求をされたとしても拒絶することができる。 2 既履行の場合(②) 既履行の場合、給付を受けた当事者は、原状回復義務を負う(121 条の 2)。制限行為能力者の返還義 務の範囲は、現存利益に限られる(同条 3 項後段)。
54
制限行為能力者の積極的な術策がなければ、「詐術」には当たらないとする説
55
単なる黙秘のみでは「詐術」にあたらないが、制限行為能力者の他の言動と相まって、相手方を誤信させ、または誤信を強めたものと認められるときは、「詐術」に当たるとする
56
(1)①は詐術に当たるといえるが、②・③は該当しない (2)②も「詐術」に該当しうるが、③は該当しない
57
2 意思無能力無効と制限行為能力取消しの効果の違い 2-1 主張しうる者の相違 (1) 制限行為能力取消し 120 条 1 項により、制限行為能力者側だけが取り消すことができる。 (2) 意思無能力無効 絶対的無効説と相対的無効説との対立があるが、後者が現在の通説である。したがって、主張しうる 者に大きな違いはないといえる。 2-2 期間制限の有無 (1) 制限行為能力取消し 126 条による期間制限がある。 (2) 意思無能力無効 主張することができる期間を制限する規定はない。もっとも、126 条を類推適用するなど、相手方保 護のために、何らかの期間制限を認めるべきとの議論はされている。 3 二重効 以上のように、両制度の効果の違いは平準化されうるものであり、そうなればどちらを主張するかは、 大きな問題ではない。そのうえで、通説は、要件を充足するならば、いずれを主張してもよいとする。 というのは、無効のほうが取消しよりも能力を欠く者の保護に厚く、わざわざ後見開始の審判を受けた 者が不利な扱いを受けることになってしまうのは、公平でないからである。
58
(1) 絶対的無効説(伝統的通説) 伝統的には、意思能力がなければ意思表示は存在しない(無効=「無」 )と考えることから、誰でも 無効を主張することができると考えられてきた。 (2) 相対的無効説(現在の通説) 現在では、意思無能力者の側だけが無効を主張することができるというのが、一般的な理解である。 無効の根拠を弱者保護に求めるならば、意思無能力者のみに無効の主張を許すことで保護目的が達成さ れるからである。また、意思欠缺を無効の根拠とする立場においても、当該法律行為の効果を引き受け るか否かは、意思無能力者に選択させるべきであると考えるならば、相対的無効が支持される。