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コーポラティズム論

Aiko Kobayashi

問題数 24 • 6/3/2025

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問題一覧

コーポラティズムとは？

団体（corporation）を基礎として政治統合をはかる体制

戦後の発展途上国におけるコーポラティズムをなんというか？

権威主義的コーポラティズム、国家主導、権威主義政党

先進国におけるコーポラティズムをなんというか？

ネオ・コーポラティズム（民主主義的コーポラティズム）、利益代表から形成、社会民主主義政党

「いまもなおコーポラティズムの世紀なのか？」の著者は？

シュミッター

アメリカ多元主義とネオ・コーポラティズムの違いは？

多元主義では、社会の自発的な利益団体が政治のあり方を決め、政府は社会の延長に過ぎない。ネオ・コーポラティズムでは、国家が利益団体のあり方を決め、各領域を代表する頂上団体の代表と政府官僚機構とのエリート協調的な政策決定が行われる。

コーポラティズムの特徴８つ

• ①職能別である。 • ②単一団体である。 • ③複数組織間の競争はない。 • ④団体への加入は義務的である。 • ⑤頂上団体・上位団体への階層秩序がある。 • ⑥国家によって組織化されるか、そうでなくとも国家によって許可、承認を受ける。 • ⑦団体の指導者の選出や国家の政策に対する要求や支持の表明に際しては、国家から一定の統制を受ける。 • ⑧それと交換に、国家によって独占的な交渉、協議の相手方として認知される。

ネオ・コーポラティズムと対照的なシステムは？

多元主義的なシステム加入の自由、団体組織の自由、政策決定への自由なアクセスがあるから

コーポラティズムにおける政策決定の仕方

議会や政党をバイパスして、社会集団が政府との協議によって政策を決定

ネオ・コーポラティズムの利点

政策作成過程だけでなく政策執行においても団体の役割は大きい→迅速な合意と政策実施が可能

ネオ・コーポラティズムの意義

利益団体を領域ごとに限定された数にまとめ上げ、それを直接間接に統治過程に組み入れることで、団体の制御を容易にした点

コーポラティズムはどのような国で生まれやすいか？

穏健な社会民主主義政党が有力な国

スタグフレーションとは？

インフレと失業が同時並行的に上昇すること

「ネオ・コーポラティズム」の概念確立の背景

1970年代になって、世界同時不況に直面した西側各国の政策対応および、その成果の違いが認識されたこと

多元主義とネオ・コーポラティズムの相違点９つ

多元主義・ネオ・コーポラティズム集団の数非限定的限定的集団構成員の所属団体複数の団体に重複１つの団体のみに所属参加の仕方自発的義務的領域間での集団関係競争しあう競合なく棲み分け領域内集団間関係集権化も階統化もない集権化・階統化が進む国家との関係団体の認可などない国家による団体の認可利益表出の仕方制約なし一定の仕方に制約される準公的業務の引き受けなし引き受ける独占的代表権付与されない付与される

グループ論、多元主義、コーポラティズムの中で政策領域ごとの仕切りの度合いが強い順は？

コーポラティズム、多元主義、グループ論

リベラル・コーポラティズムとは？

１民主的な利益代表　→ 団体は政府の命令で動くのではなく、自主的・自発的に政策形成に関与２団体が議会機能を一部代行　→ 複雑な利害調整や技術的な政策議論を、専門性を持つ団体が担うことで、政策決定の実効性が高まる。３政策実施にも団体が関与　→ 団体は政府と協力し、準行政的な役割も果たす（例：福祉、労働政策など）。

アメリカ多元主義と民主主義の違い

民主主義：国民が選んだ議員が議会で政策を決定する「正統なルート（＝選挙―議会）」ネオ・コーポラティズム：選挙で選ばれた議員よりも、団体（労組・業界団体など）と政府官僚が政策を直接調整するという「別のルート」

コーポラティズムは、より穏健な社会民主主義政党が有力な国で生まれやすいこの理由は？

① 階級対立ではなく「調整・協調」を重視するから

第一次石油危機のときにコーポラティズムが政策決定モデルというよりも緊密な労使協調体制による経済運営のシステムというニュアンスで用いられるようになった理由は？

先進国での物価の高騰→賃上げ要求→製品の値上げ→インフレの悪化先進国から産油国への資金の流入→産油国がその資金を消費できなかった→世界的に需要不足 →インフレと失業が同時並行的に上昇するスタグフレーションの発生

民主主義においてコスト・プッシュ・インフレを抑制するために労働組合に賃上げを抑制するよう要求するのが難しい理由

各産業別に頂上的な労働組合が存在するため、ほかの産業が賃上げを抑制しても別の産業が従わない可能性がある（フリーライダー問題）しかし、コーポラティズムでは個別企業や業界団体を統括する経営者の頂上団体と、企業別組合や産業別組合を統括する労働者の頂上団体が、傘下の企業や団体を効果的に統制する

強い、中程度、弱いコーポラティズムはどのような国か？

強い：労働組合指導部と経営者団体がパートナーシップ・イデオロギーを共有し、国家・労働組合・使用者団体が、いくつかの経済政策領域において協調し、ストライキ量が少なく、国家による権威主義的な所得政策が行われていない国弱い：経営者と労働組合が協調的ではなく、所得政策が通常「上から」行われる国中程度：どちらにも当てはまらない国

失業率とコーポラティズムの強さとの間にはどのような相関関係があるか？

強い負の相関関係

1980年代から90年代にかけてコーポラティズムが終焉した理由

グローバル化による国際競争に直面した金属業界が中央労使交渉から離脱

グローバル化が進むと、集権的なコーポラティズムが維持できなくなるのはなぜか？2つ

①労働者の利益の多様化←輸出産業（賃上げ抑制）と国内の保護産業などの間で利害の違いが表面化 ②労使の権力のバランスの変化←グローバル化により使用者の力が強くなり労働者の力が弱くなる（経営者が労働力が安く買える国に工場を移してしまう可能性があり、日本の労働者の立場が弱くなる）