暗記メーカー

ログイン

現代紛争論 Week12　和平合意

Aiko Kobayashi

問題数 17 • 7/4/2025

記憶度

完璧

2問

覚えた

8問

うろ覚え

0問

苦手

0問

未解答

0問

アカウント登録して、解答結果を保存しよう

問題一覧

和平合意の締結が難しい理由２つ

①Commitment problems：コミットメント問題：紛争当事者は合意を忠実に守る信用できる約束ができない ②情報の非対称性

コミットメント問題を和らげる方法３つ

①第三者の保証：第三者は、紛争当事者が保護され、合意の文言が果たされ、約束が守られるということを保証できる ②Power-sharing provisions （権力分有） ③Cost-increasing provisions（コスト増加条項）：条約・和平合意に盛り込まれる「違反したときのコストを意図的に高める仕組み」

どうして、「どのような条件のもとで和平合意が継続するのか」を理解するのが重要なのか？

そのメカニズムを理解することで、介入する第三者の紛争マネジメントにつながる

Involuntary Defection（不本意の背信行為）とは？

和平合意を守る「つもり」だったけど、制度や能力不足で実行できなかった状態

Involuntary defection （不本意の背信行為）の原因２つ

1. 能力の欠如（Lack of Capacity）：和平合意を守る「意思」はあるけれど、実行に必要な制度・人材・資金・組織能力が足りないため、守れない状況 2. 政策の逸脱（Policy Drift）：和平合意に直接関わっていなかった国家機関（官僚、行政組織など）が、合意の内容とズレた政策を進めてしまうこと

Voluntary Defection（本意の背信行為）とは？

和平合意を守る能力があるにもかかわらず、当事者が「意図的に」合意を破る行動のこと

コミットメント問題の解決方法の一つである権力分有とは？

競合する集団の中で権力を分ける

権力分有はどのように紛争を和らげるのか？(Hartzell and Hoddie 2003)

複数の側面の権力分有を取り入れることにより、和平の持続性を高める

権力分有の事例

南スーダン ① 政治的分有（政治権力を分け合う）大統領：サルバ・キール（現職）副大統領：リヤク・マシャール（元反政府勢力の指導者）閣僚ポストも政府・反政府・他の勢力で「割り当て」 ② 軍事的分有（軍の統合）反政府勢力の兵士と政府軍を1つの国軍に統合する取り組み ③ 地域の分有（準連邦的な仕組み）地方政府レベルでも、州知事や議員ポストを各勢力でバランスよく分ける

権力分有がどのようにコミットメント問題を解決するのか?

権力分有は、政府にとってCostly Signal（コストのかかるシグナル）、「本気で和平を守るつもりがある」ことを相手に示す方法となる

地方分権は平和をもたらすのか？

地方分権の「提供」は、単なる制度設計以上に、**政治的メッセージ（costly signal、穏健派の存在を伝える）**となり、相手に「和平を進める意志がある」と安心感を与え、紛争緩和につながる。

地方分権の効果２つ

①その地域の理解がより深まる ②それぞれの必要性に沿ったより良い政策によって不満を解消できる

地方分権化が逆に紛争を悪化させると考えられる理由３つ

①社会的・民族的亀裂を制度化させる←制度化されなかったら、亀裂が時間と共に消えたかもしれない ②地方に資源・権力を与える ③州ごとに水平的不平等が生じる

情報の非対称性を乗り越える制度的メカニズムは？３つ

①Uncertainty-reducing provisions（不確実性を減らす条項）：第三者のモニタリング（Monitoring by third parties）←国連や地域機構などの中立的な外部アクターが、現地で情報を収集・確認する。 ② Verification procedures（検証メカニズム）客観的・技術的な情報確認の制度化←兵士の数をカウント ③コミュニケーション促進モニターや検証官が仲介役となり、誤解や情報不足を減らす。

Verification（検証）メカニズム（兵士の数がカウントされたり、武器の在庫が管理される）の効果は？２つ

①相互の合意履行を促進させる ②情報を提供し、不履行のコストを増加させる

和平合意は、そのような和平合意を締結したものたちを観測できる、和平プロセスの外の集団にどのような影響をもたらすのか？３つ

1. 他の武装勢力への影響←「和平で利益が得られる」と学び、暴力を控える 2. 国際社会へのシグナル←合意が守られれば「信頼できる国家」と評価され、援助や支援が得やすくなる 3. 国内の他勢力への影響←野党や市民が「どうすれば政治に参加できるか」を学ぶ

将来、和解による紛争の終焉は減少するのか？Howard and Stark (2018)

減少する ①国際秩序の多極化により、和平への圧力が弱まった ②国連や地域機構の介入が一貫性を欠く ③和平合意よりも一方の勝利によって紛争が終わるケースが増加

現代紛争論 Week12 和平合意

現代紛争論 Week12　和平合意