暗記メーカー

ログイン

国際政治経済論第12回: 環境問題と国際政治

Aiko Kobayashi

問題数 20 • 7/11/2025

記憶度

完璧

3問

覚えた

7問

うろ覚え

0問

苦手

0問

未解答

0問

アカウント登録して、解答結果を保存しよう

問題一覧

環境問題と囚人のジレンマの関係は？

オゾン層などは公共財であるため、非競合性・非排除性をもち、フリーライダー問題が生じること

競合性はあるが排除性はない財は？補足：競合性（ある人が消費すると他の人の取り分が減る）はあるが排除性（一部の人だけに消費を限定できる）はない

森林資源・海洋資源など

共有地の利用の外部性とは？

利用者が共有地を自分の利益を最大化するために過剰に利用した場合、自分だけでなく他人も被害を受けるにも関わらず、その損害を自分が完全には負担しないこと

オゾン層の問題において、囚人のジレンマで他国が行動しなかったとしても、自国はオゾン層保護に努めようと行動する。この理由２つは？

①CFC（オゾン層を破壊する化学物質）の危険性が周知されたこと（規制による利益の増大） ②企業がCFCの代替品を開発したこと(規制することのコスト低減)により国際協定（1987 モントリオール議定書）が成立

互恵主義を運用しやすくするには？２つ

①繰り返しゲームにする ②国際制度により、①互いの期待を明確化、②相互モニタリング③非遵守時のペナルティを導入する

リアリズムの立場による、国際制度の役割は？

国際制度に効果はなく、国家利益の隠れ蓑に使用されるとする

ネオリベラリズムの国際制度の役割は？２つ

①国際制度により国家は、情報を取得し、取引費用を減らすことができる ②集合行為問題に応じて合理的に設計された制度では国家間が協力できる

コンストラクティビズムによる国際制度の役割は？

認識共同体として働く

集合行為問題において、不確実性があるときは協力が困難であるが、これを解決する方法は？

制度に柔軟性を持たせること

京都議定書の問題点を改善したパリ協定の内容５つ

①自主的な取り組み (ペナルティはなし) ②全ての国が5年ごとに削減目標を提出 ③先進国によるLDCの排出削減のための資金援助 ④普段のモニタリングと報告書 ⑤将来的に削減目標を強化していくこと

国際制度が各国の国内政治に及ぼす影響は？４つ

①国内リーダーの説明責任を高める ②ネーム・アンド・シェイムのベンチマークができる ③国内利益団体の国際的ネットワーク形成 ④国内の選好形成に影響を与える

ネーム・アンド・シェイムとは？

他者がとった行動を公に非難することで、その行動を変えるよう促す

問い：国際協定の遵守に対する人々の支持は、ネーム・アンド・シェイム (naming and shaming) によってどのように影響されるか？この研究の発見とエビデンス、得られる示唆は？

主張： ①他国によるシェイミングは、国内の遵守支持を増加させる ②シェイミングは、一部のみ遵守している場合に（全く遵守しない場合よりも）効果的である ③同盟国からのシェイミングと非同盟国からのそれとでは効果差がない。民主党支持者に対してシェイミングはより効果的エビデンス：パリ協定に関する実験調査（米国のサンプル）得られる示唆：シェイミングが効果を持つ条件とその限界

コンストラクティビズムにおける、認識共同体とは？

共通の因果理解、価値観、問題の診断方法を持ち、政策提案を行う科学者・専門家の集団

規範がどのように生まれるかを説明した規範のライフサイクルの3段階は？

①規範起業家による規範の形成 ②規範のカスケード（雪崩のように広まる） ③規範の内部化（当然とみなされる段階）

これまでの議論を踏まえた上で、環境問題についての国際制度・機関（二国間協定やNGO含む）が一部重なり合いながら複数存在すること("レジーム・コンプレックス"“overlapping institution”)はどのような結果につながるか？良い結果２つと悪い結果

良い効果：柔軟性が生まれる(Keohane and Victor 2011)・効率的な役割分担(“orchestration”) (Abbott et al. 2015）悪い効果：フォーラム・ショッピングが行われる（アクターが自分達にとって有利な国際制度を選んで利用すること）（Raustiala and Victor 2004）・非効率（「船頭多くして...」）・無駄が生じる(Keohane and Victor 2011)

汚染避難地(pollution haven)仮説とは？

貿易により環境規制の緩い国に生産が移動し、結果として環境負荷が増加すること

イシューリンケージとは？

複数の問題を組み合わせることで利益構造を変え、国家間の合意形成を促す

環境規制を緩めてほしい企業からの要望（競争相手の環境規制が緩い場合の「底辺への競争」） vs. 環境保護団体からの圧力これに対する政府の対応例は？

特に都会の有権者に見えやすい汚染(空気汚染)については規制を保つが、見えづらい汚染（水質汚染）については規制の執行度を緩めやすい (Cao and Prakash 2012)

途上国の環境規制が向上する理由３つ

貿易協定や環境協定、そして「カリフォルニア効果」（先進国の貿易相手がより高い基準の環境規制を取り入れる）