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第２回　紛争の要因

Aiko Kobayashi

問題数 40 • 6/5/2025

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問題一覧

理論の役割は？

独立変数（他の変数に影響を与えずに独立に変化する変数のこと＝X）と従属変数（独立変数の影響を受けて変動する変数＝Y）の関係性を説明

理論が重要な理由

政策決定者が知る必要があることについて考えて見ると、どうしてその出来事が起こったのか、その出来事によって予想される影響、自分の政策によってどのような結果がもたらされているのかを考える際に理論によって、予測や推測が容易になる。

Motivations （動機）からみた内戦の要因は？

Grievances （不満）が存在していること

社会心理学からのアプローチであり、Relative Deprivation Hypothesis（相対的剥奪仮説）とは？

人々が自分自身の状況を他人と比較し、相対的に不利だと感じたときに、不満や怒りを感じ、場合によっては抗議行動や社会運動に至るという説

Relative Deprivation Hypothesis（相対的剥奪仮説）の問題点

・説明が一貫しない相対的剥奪を感じても、必ずしも行動に出るわけではない点・個人差・状況差の軽視同じ状況でも、人によって「剥奪」と感じるかどうかは異なる。

Grievance hypothesisとは？

内戦の要因が人々の不満や不正義感（grievances）にあるとする考え方

political significance (政治的重要性）とは？

政治に対してどれだけの影響を持つか、または持ちうるかという評価

差別の測定方法の一つであるMinorities at Risk (MAR) Projectとは？

世界中の民族・宗教的マイノリティ（少数派）集団がどのように差別・抑圧・政治的不満・暴力的弾圧にさらされているかを体系的に調査・分析する研究プロジェクト

Grievance hypothesis（実証）に対する批判２つ

不満があっても、暴力につながるとは限らない不満や差別を数値化・定量化することが難しくバイアスが入る

政治的差別は何を増加させるか？

反乱と分離主義の内戦

差別の測定方法の一つであるEthnic Power Relations (EPR) dataとは？

世界各国におけるエスニック（民族）集団と国家権力との関係を体系的に記録・分析

Grievance hypothesisにおいて何により差別を測定するか？５つ

Minorities at Risk project (MAR) Ethnic Power Relations (EPR) data 政治体制 Ethnic fractionalization （民族の細分化）経済的不満

Ethnolinguistic fractionalization （ELF） indexとは？

ある国のランダムに抽出された二人の個人がそれぞれ異なる民族言語集団に所属している確率

民族の細分化を測定するアプローチに対する批判は？

国レベルでしか考えていない点

ジニ係数、所得格差が小さいのは？

係数が０の時

水平的不平等仮説とは？

民族・宗教・地域などの集団間での経済的・社会的・政治的不平等が存在することが、暴力的対立や紛争（内戦・テロ・暴動など）を引き起こすリスクを高めるという理論

集団間の不満の指標の測り方２つ

国レベルの一人当たりのGDP/最も貧しいグループの一人あたりの収入の平均最も裕福なグループの一人当たりの収入の平均/国レベルの一人当たりのGDP

水平的不平等が紛争へとつながるのは主観的なものか客観的なものか？

客観的なもの

動機からみた内戦の要因２つは？

Grievances （不満） Greed （貪欲）

反乱が実現可能な戦略となる3つの条件

• 人々の支援 • お金と供給品 • 脆弱な中央政府

内戦の機会５つ

反乱の資金調達の機会変則的な低いコストから生じる機会紛争の資本が安いことから生じる機会変則的に脆弱な政府軍の能力から生じる機会社会的一体性による機会

石油輸出の依存度と内戦の発生にはどのような関係があるか？

正の相関

Regan and Norton (2005) によれば、リーダーと兵士の要求の違いは？

リーダー：政治的・戦略的な目的を重視兵士：個人的・身近な不満（grievance）（差別、貧困、政治的排除、家族の被害）

天然資源が内戦に結びつく過程は？

経済が天然資源に依存すると、国が民主化せず、国が天然資源を独占することになる。→政治制度が脆弱に→人々を満足させる政治を行えない→内戦発生

天然資源と内戦（実証研究）の課題は？

天然資源と内戦の発生の間の相関関係は見られても、直接効果（天然資源があることによって紛争が発生するのか）と間接効果（天然資源が国家制度を脆弱にすることによって内戦が発生するのか）どちらの影響かわからない

紛争ゾーン内に天然資源が位置しているときは、紛争の長さは何倍になるか？

２倍

紛争のリスクが増加するのは石油がどこに位置している場合か？

沖合ではなく、陸上

民主主義的政治制度が内戦の減少につながる理由２つ

アクターは関心を達成するために、非暴力的な手段を使用個人が政府の決定を受け入れる（選挙によって選ばれた正統な政府による決定なので）

権威主義体制における政治的拘禁とは？

政府が体制への批判や反対行動を抑え込むために、市民・活動家・政治家などを逮捕・拘束すること

アノクラシーとは？

民主主義と独裁体制の中間にある、不安定で混合的な政治体制

アノクラシーの実証研究の問題点

アノクラシーだから抑圧的なのではなく、抑圧的だからアノクラシーに定義されている、逆因果関係が存在すること

国家レベルでは民主主義であっても、もし地方レベルで権威主義的であれば内戦のリスクはどうなるか？

増加する

現行政府は選挙前と選挙後でどのような行動を取るか？

選挙前：おどし、威嚇として暴力を振るうことがある選挙後…選挙の結果に不満を持って、暴力を振るうことがある

反対勢力は選挙前と選挙後でどのような行動を取るか？

選挙前…現行政府への不満が暴力へとつながる可能性がある選挙後…選挙の手続きが不正であるとして暴力を振るう

人口統計学的要因から見ると、内戦の要因となるのは？２つ

ユース・バルジ：若者の数が多いこと移民

民族と宗教の分断軸が一致している社会では内戦が生じやすいか？

生じやすい民族と宗教が一致すると、「われわれ vs かれら」の構図がより明確・固定化されるため

内戦のおける要因として交渉の失敗が挙げられるが失敗する理由３つは？

① 【情報の非対称性】 ② 【将来的な約束が信頼できない】（Commitment Problem） ③ 【交渉できない争点】

武装勢力の資金に関する不確定要素２つは？

資金が将来的にも安定して得られるかどうか反乱勢力がどれだけ資金を持っているのか、またどのように調達しているのかが不透明。

コミットメント問題とは？

紛争当事者は合意を忠実に守る信用できる約束ができない

コミットメント問題が特に深刻になる国は？

国家が弱く、法の支配が機能していない国

第２回 紛争の要因

第２回　紛争の要因