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第５回

Aiko Kobayashi

問題数 24 • 7/17/2024

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問題一覧

法律による行政の原理とは？

行政活動は、法律の定めるところにより、法律に従って行わなければならないとして行政活動を統制するための原理

法律による行政の原理の歴史的背景

専制君主制→権力分立の思想の登場（国民を代表する議会が法律を定め、君主の行政活動を法律により拘束）

法律による行政の原理の存在理由２つ

① 自由主義からの要請：行政の恣意的な活動の抑制、国民の権利自由の保護、行政活動の予測可能性の確保 ② 民主主義からの要請：国民の意思の反映

法律の優先（優位）の原則とは？

行政活動は、現に存在する法律に違反してはならない

法律の留保の原則とは？

一定範囲の行政活動については（全てではない）、法律の授権、つまり法律によって当該活動を行う権限が与えられていなければならない。

法律の留保とは？

行政権の発動は法律の根拠に基づかなければならないという原則

法律の優先（優位）の原則に加えて、法律の留保の原則も存在する理由

法律の優先（優位）の原則だけでは、「現に存在する法律に違反しない限り、行政は自由に活動できる。」と理解されかねない。法律の留保の原則の必要性により、権力的侵害的活動を抑制する必要がある

法律の法規創造力の原則とは？

「法規」の定立は法律によってしか行えないということ

法規とは？

一般的・抽象的な法規範

実質的法治主義とは？

形式的な法によって形式的に国家活動を縛る（形式的法治主義）というだけでなく、法の内容や適用においても正義や合理性を要求する

法律による行政の原理に含まれる原則３つ

法律の優先の原則法律の留保の原則法律の法規創造力の原則

根拠規範とは？

国民に対して行う行政活動の要件・効果等を定めた規範

組織規範とは？

行政組織の設置や内部編成を定めた規範

土地収用とは？

公共事業のために土地を強制的に取得すること

土地収容を構成するもの２つ

事業認定（事業に収用を認めるに足りる公益性があることを認定するもの）収用裁決（これによって事業を行う者は土地を取得）

侵害留保説（実務上有力）とは？

国民の権利自由を権力的に侵害する行政活動についてのみ、法律の根拠を要求する見解

侵害留保説に対する批判３つ

① 立憲君主制下の自由な行政権の存在を前提にしたものであること ② 国民の権利自由の保護という自由主義の理念に専ら立脚したもの（民主主義の理念が希薄） ③ 行政の活動領域の拡大→侵害的な行政活動以外にも法律によるコントロールの必要性

全部留保説（公行政留保説）とは？

公行政については、権力的行政と非権力的行政とを問わず、全て法律の根拠を必要とする見解本来的に自由な行政を否定民主主義の理念・憲法の精神に最も合致

全部留保説（公行政留保説）に対する批判３つ

① 緊急事態に対応できず、行政の責任を果たせない。 ② 国会の法律制定能力の限界を認識していない。（人材不足、手続の厳格さにより法律の制定に時間がかかる） ③ 行政の民主的正統性を軽視している。憲法66条3項や72条により、行政組織にも間接的ではあるが国民の意思は反映されている

権力留保説（少し前までは有力）とは？

権力的な行為形式（行政処分）で行政活動を行う場合には、法律の根拠を要するという見解

権力留保説と、侵害留保説、全部留保説の違い

授益的かつ権力的な行為（例：生活保護の支給決定）について法律の根拠を要求する（侵害留保説よりも法律の根拠を要求する範囲が広い）一方、非権力行政に関しては法律の根拠を求めていない（全部留保説よりも狭い）。

重要事項留保説（本質性理論）（現在有力）とは？

重要事項の決定は法律の根拠を必要とするという見解

個々の行政活動において法律の根拠をが必要かどうかを検討する際の視点３つ

国民の権利自由に対する影響―自由主義の要請国や地方公共団体の基本政策・重要政策に関わるか―民主主義の要請根拠規範以外のものによる議会の統制可能性（議会が行政活動をコントロールする）―規制規範、組織規範、予算、個別の議決など

規制規範とは？

ある行政活動ができることを前提として、その適正を図るための規範