第 15講 時効Ⅱ
問題一覧
1
完成猶予と更新
2
障害事由が発生しても時効期間の進行は止まらないが、本来の時効期間の満了時期を過ぎても、所定 の時期を経過するまでは時効が完成しない場合
3
時効の完成猶予または更新は、「当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する」(153 条各項)。このような相対効は、「人の法的行為は、原則として他人を益することも害することもない」 という考え方に基づく。 設例 1 において、H のした承認は、H・G 間でのみ更新の効力を生じ(152 条 1 項) 、S・G 間の法律 関係には影響しない。S は、主たる債務につき消滅時効を援用することができ、その結果として、H の 保証債務も消滅する(付従性)。
4
原則:相対効「当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する」
5
(1) 保証における主たる債務者について生じた事由の効力 (2) 債務者について生じた事由の物上保証人に対する効力 (3) 時効の利益を受ける者に対してされたのではない強制執行等
6
2-1 明示的一部請求がされた場合 (1) 請求部分の更新 一部請求であることが明示された場合には、訴えの範囲でしか権利が確定しないことから、たとえ判 決理由中で債権総額が認定されたとしても、請求された一部についてのみ時効の更新が認められる (2) 非請求部分の完成猶予 旧法下の判例 6は、明示的一部請求による訴えの提起は、請求されていない残部についても、「裁判上 の催告」として暫定的な時効中断の効力を有するものとしていた。この判例を現行法に引き直すと、残 部をおよそ請求しない意思を明確にしているなど特段の事情がない限り、非請求部分についても裁判上 の請求があったものとして、147 条 1 項柱書括弧書の完成猶予の効力が認められるものと考えられる。 2-2 非明示的一部請求がされた場合 一部請求であることが明示されていなかった場合には、請求金額を債権の全部として訴えているもの と考えられることから、債権全部について時効更新の効力が生じる
7
再度の催告 協議を行う旨の合意による完成猶予期間中の催告
8
時効の利益を受ける当事者が、時効によって権利を失う者に対して、その権利が存在する ことを知っている旨を表示すること
9
管理行為をする能力または権限を有しない者は、承認することができ ないとされている。例えば、成年被後見人は承認をすることができず、未成年者も、法定代理人の同意 がなければ、承認することができない。
10
時効の利益を受ける旨の意思表示のこと
11
時効の援用を訴訟法上の制度とする見解。 時効の完成により、権利の取得ないし消滅という効果が確定的に発生するが、裁判所は職権で時効を もとに裁判することができず、当事者は、時効の援用によって、時効の完成による権利変動を、訴訟の 場で主張しなければならないとする考え
12
時効の援用を訴訟において法定証拠を提出する行為であるとし、時 効の完成によって、権利の取得や消滅といった実体法上の効果が生じるのではなく、法律関係の存在を 法律上当然に証明する法定証拠が当事者に与えられるとする考え
13
時効の援用を実体法上の制度とし、時効が完成したとしても、援用がなければ、時効の効果は確定的に生じないとする説。
14
債務者、権利の消滅について正当な利益を有する者
15
相手方の同意を要しない放棄者の一方的な意思表示
16
1 放棄の意義 時効利益を享受するかは当事者の意思に委ねられているため、当事者は、完成した時効の利益を放棄 することもできる。時効利益の放棄は、相手方の同意を要しない放棄者の一方的な意思表示により行う。 2 放棄の効果 (1) 相対効 時効利益の放棄についても、時効の援用と同様、相対効が存在する。したがって、複数の時効援用権 者のうちの 1 人が放棄したとしても、他の援用権者は、依然として時効を援用することができる。 (2) 放棄後の時効 時効利益が放棄されると、放棄の時点から新たな時効期間が進行を開始する。
17
信義則違反による援用の禁止 時効完成後の自認行為を、時効完成を知ってしたものと推定することはできないが、時効完成後に自認行為をした場合には、時効完成の事実を知らなかったときでも、信義則上、その後に時効を援用することができない、とする
18
(1) 矛盾行為の禁止 時効完成後に債務を承認した者が、その後に時効による債務消滅を主張するのは、矛盾行為である。 (2) 相手方の信頼保護 時効完成後に債務の承認がされれば、相手方は、債務者はもはや時効を援用しないものと考える。
19
当該期間内に権利を行使しなければ、権利が消滅するとされる期間
20
(1) 除斥期間説(通説) (2) 消滅時効説
21
(1) 独立説(判例) 原状回復請求権が取消権の行使によって新たに生じた債権である以上、行使時点から新たに 5 年の時 効期間が進行する、とする 28。形成権の行使によって一定の権利関係が確定すれば、それで法律関係の 早期確定という行使期間の趣旨が達成されている、とする考え方である。 (2) 一体説 29 形成権の行使によって生じた権利も、形成権それ自体と同じ行使期間に服するとする。これによると、 設例 15 において X は、取消可能時から 5 年以内に、代金の返還請求権まで行使しなければならない。 このように考える理由としては、①法律関係の早期確定という特別な期間が定められている趣旨からす ると、形成権の行使によって生じる権利関係についても、早期に確定させる必要があること、②形成権 は、特定の権利関係を成立させるための手段に過ぎず、その行使によって生じる権利関係と切り離して 考えるべきではないことが挙げられる。 なお、この見解によれば、形成権行使によって請求権が発生する場合、行使期間の性質は消滅時効で あるとされている(請求権を裁判上行使しても更新がありえないとするのは、不当であるから。)。
22
(1) 完成猶予 各障害事由が終了するまでの間は、時効は、完成しない(同条 1 項柱書)。 裁判上の請求の場合には、 訴えの提起時(訴状が裁判所に提出された時)から(民訴 147 条)、確定判決等によって権利が確定さ れるまで時効の完成が猶予される。 (2) 更新 確定判決等によって権利が確定したときは、第 1 項各号に掲げる事由が終了した時から新たに時効期 間が進行する(同条 2 項)。この場合の消滅時効期間は、10 年より短い時効期間の定めがある権利につ いても、10 年となる(169 条 1 項)。
23
確定判決等によって権利が確定することなく各事由が終了したときは、その終了時から 6 か月を経過 するまで、時効完成が猶予される(同条 1 項柱書括弧書)
24
1 完成猶予の期間 権利について協議を行う旨の合意が書面(電磁的記録を含む。同条 3 項)でされたときは、次のうち のいずれか早い時まで、時効完成が猶予される(同条 1 項)。 ① 合意の時から 1 年を経過した時(1 号) ② 合意において当事者が協議を行う期間(1 年に満たないものに限る。)を定めたときは、その期間が 経過した時(2 号) ③ 書面による協議続行を拒絶する旨の通知の時から 6 か月を経過した時(3 号) 2 再度の合意 協議を行う旨の合意により時効の完成が猶予されている間(本来の時効完成後、1 項所定の期間の経 過前)にされた再度の合意は、本来の時効完成時から 5 年を超えない範囲で、完成猶予の効力を有する (同条 2 項)。 3 催告との関係 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた合意は、完成猶予の効力を有しない(同条 3 項 前段)。協議を行う旨の合意は、催告と同様に、更新措置を取るまでの暫定的な措置であるというのが、 その理由である。合意後の催告については、既述。
25
債務者が消滅時効の援用権者にあたることについては、争いがない (1) 直接性 債務者は、時効によって債務を免れるのだから、直接の法律関係を有している。 (2) 可分性 G・S 間の主たる債務が消滅すれば、G・H 間の保証債務も消滅する。そうすると、G・S 間の法律関 係の可分性が認められないようにも見える。しかしながら、保証債務が消滅するのは、保証債務が有す る付従性の結果であって、時効援用の直接の効果ではない。時効援用によって消滅するのは、S の債務 だけであるから、法律関係の可分性が認められる。
26
保証人が時効援用権者にあたることは、大審院時代からの判例であり 、145 条も明示している。 (1) 直接性 保証人は、主たる債務が消滅すれば保証債務を免れる関係にあるため、直接の法律関係が認められる。 (2) 可分性 保証人が利害関係を有しているのは保証債務だけであり、保証人が時効を援用した場合には、保証債 務だけを消滅させれば足りる。そして、そのような処理が可能である以上、主たる債務は保証債務の消 滅によって影響を受けない。したがって、可分性も認められる。
27
判例は、物上保証人も直接受益者であるとしている 14。担保物件の第三取得者についても同様 (1) 直接性 物上保証人および第三取得者は、被担保債権が消滅すれば自己の物的負担を免れる立場にあるため、 直接の法律関係を有する。 (2) 可分性 物上保証人または第三取得者が被担保債権の消滅時効を援用した場合には、抵当権などが消滅するだ けであり、主たる債務者の債務は消滅しない。
28
他に財産がない無資力の債務者が財産を処分すると、債権者は、債権の回収が困難になる。そこで、 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為(詐害行為)につき、裁判所に取消しを 請求することができる(424 条)。このような請求を受けた受益者についても、判例は、時効援用権者 として認めている (1) 直接性 詐害行為が取り消されると、目的財産が債務者に復帰する。このような受益者の地位は、債務者のた めの負担を課された財産を保持しているという点で、物上保証人と同様に考えることができる 17 (2) 可分性 詐害行為の受益者が消滅時効を援用しても、詐害行為取消権が否定されるだけであり、債務者の債務 が消滅するわけではない。
29
(1) 固有の時効援用権 一般債権者は、債務者が他の債権者に対して負う債務の消滅時効を援用しえない(判例 18)。その理 由として、一般債権者は、債務者の他の債権者に対する債務が時効消滅しても、他の債権者との間で、 権利取得や義務免脱を生じるわけではないことが指摘されている(直接性の否定)。 (2) 債権者代位権に基づく時効援用権の代位行使 もっとも、一般債権者も、債務者が無資力である場合に、債権者代位権(423 条以下)により、債務 者が有する時効援用権を代位行使することができる(判例 19)。この場合には、債務者自身が時効を援 用したのと、同じことになるからである。
30
判例は、後順位抵当権者は先順位抵当権者の被担保債権につき、消滅時効を援用することができない とする (1) 直接性否定説 判例自体は、①先順位抵当権が消滅し順位が上昇すれば、配当額が増加することもあり得るが、この 配当額増加に対する期待は、抵当権の順位上昇によってもたらされる反射的な利益に過ぎないこと、ま た、②時効を援用できないとしても、目的不動産の価格から従前の順位に応じて弁済を受けるという地 位が害されるわけではないことを、理由としている。したがって、直接性・可分性基準によれば、直接 性を否定しているものといえる。
31
判例は、直接受益者にあたらないとして、取得時効の目的土地上に建てられた建物の賃借人に時効援 用権を認めていない (1) 直接性 建物賃借人 Y は、敷地甲の取得時効の援用が認められれば、建物退去・土地明渡請求を免れ、建物乙 を利用し続けることができる。 (2) 可分性 しかしながら、Y が乙を利用し続けるには、A が乙の所有者である以上、A に、甲の所有権を帰属さ せるか、甲の利用権限を生じさせるか、X に対する土地賃料相当額の損害金を負担させるしかない。し たがって、X・Y 間の法律関係のみを切り離して処理することはできない。
32
設例 13 のような場合に、取得時効の目的不動産の賃借人が時効を援用することができるかについて は、裁判例において見解 22が分かれている。直接性・可分性基準からは、次のように判断されるものと 考えられる。 (1) 直接性 賃借人 Y は、甲土地の取得時効が認められれば、建物収去・土地明渡請求を免れ、甲土地を利用し続 けることができる。 (2) 可分性 この場合には、可分性を肯定する余地がある。すなわち、X・A 間の関係では、X を所有権者としつ つ、X・Y 間の関係では、Y が所有者 A から正当な占有権原(賃借権)を与えられており、それを X に 対抗することができるという形で、処理される可能性がある しかしながら、このように考えるとしても、X・A 間の法律関係を切り離して考えることは困難であ る。すなわち、A・Y 間で賃貸借関係が残るとすると、やはり A の甲土地使用権限ないし X に対する損 害賠償支払義務が問題となる。そうではなく、X が賃貸人になるのだとしても、A が賃貸人の地位を失 うという点で、A の法律関係を切り離して考えることはできない。
民法1
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英単語 11
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英単語12
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第3回
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31問 • 1年前問題一覧
1
完成猶予と更新
2
障害事由が発生しても時効期間の進行は止まらないが、本来の時効期間の満了時期を過ぎても、所定 の時期を経過するまでは時効が完成しない場合
3
時効の完成猶予または更新は、「当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する」(153 条各項)。このような相対効は、「人の法的行為は、原則として他人を益することも害することもない」 という考え方に基づく。 設例 1 において、H のした承認は、H・G 間でのみ更新の効力を生じ(152 条 1 項) 、S・G 間の法律 関係には影響しない。S は、主たる債務につき消滅時効を援用することができ、その結果として、H の 保証債務も消滅する(付従性)。
4
原則:相対効「当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する」
5
(1) 保証における主たる債務者について生じた事由の効力 (2) 債務者について生じた事由の物上保証人に対する効力 (3) 時効の利益を受ける者に対してされたのではない強制執行等
6
2-1 明示的一部請求がされた場合 (1) 請求部分の更新 一部請求であることが明示された場合には、訴えの範囲でしか権利が確定しないことから、たとえ判 決理由中で債権総額が認定されたとしても、請求された一部についてのみ時効の更新が認められる (2) 非請求部分の完成猶予 旧法下の判例 6は、明示的一部請求による訴えの提起は、請求されていない残部についても、「裁判上 の催告」として暫定的な時効中断の効力を有するものとしていた。この判例を現行法に引き直すと、残 部をおよそ請求しない意思を明確にしているなど特段の事情がない限り、非請求部分についても裁判上 の請求があったものとして、147 条 1 項柱書括弧書の完成猶予の効力が認められるものと考えられる。 2-2 非明示的一部請求がされた場合 一部請求であることが明示されていなかった場合には、請求金額を債権の全部として訴えているもの と考えられることから、債権全部について時効更新の効力が生じる
7
再度の催告 協議を行う旨の合意による完成猶予期間中の催告
8
時効の利益を受ける当事者が、時効によって権利を失う者に対して、その権利が存在する ことを知っている旨を表示すること
9
管理行為をする能力または権限を有しない者は、承認することができ ないとされている。例えば、成年被後見人は承認をすることができず、未成年者も、法定代理人の同意 がなければ、承認することができない。
10
時効の利益を受ける旨の意思表示のこと
11
時効の援用を訴訟法上の制度とする見解。 時効の完成により、権利の取得ないし消滅という効果が確定的に発生するが、裁判所は職権で時効を もとに裁判することができず、当事者は、時効の援用によって、時効の完成による権利変動を、訴訟の 場で主張しなければならないとする考え
12
時効の援用を訴訟において法定証拠を提出する行為であるとし、時 効の完成によって、権利の取得や消滅といった実体法上の効果が生じるのではなく、法律関係の存在を 法律上当然に証明する法定証拠が当事者に与えられるとする考え
13
時効の援用を実体法上の制度とし、時効が完成したとしても、援用がなければ、時効の効果は確定的に生じないとする説。
14
債務者、権利の消滅について正当な利益を有する者
15
相手方の同意を要しない放棄者の一方的な意思表示
16
1 放棄の意義 時効利益を享受するかは当事者の意思に委ねられているため、当事者は、完成した時効の利益を放棄 することもできる。時効利益の放棄は、相手方の同意を要しない放棄者の一方的な意思表示により行う。 2 放棄の効果 (1) 相対効 時効利益の放棄についても、時効の援用と同様、相対効が存在する。したがって、複数の時効援用権 者のうちの 1 人が放棄したとしても、他の援用権者は、依然として時効を援用することができる。 (2) 放棄後の時効 時効利益が放棄されると、放棄の時点から新たな時効期間が進行を開始する。
17
信義則違反による援用の禁止 時効完成後の自認行為を、時効完成を知ってしたものと推定することはできないが、時効完成後に自認行為をした場合には、時効完成の事実を知らなかったときでも、信義則上、その後に時効を援用することができない、とする
18
(1) 矛盾行為の禁止 時効完成後に債務を承認した者が、その後に時効による債務消滅を主張するのは、矛盾行為である。 (2) 相手方の信頼保護 時効完成後に債務の承認がされれば、相手方は、債務者はもはや時効を援用しないものと考える。
19
当該期間内に権利を行使しなければ、権利が消滅するとされる期間
20
(1) 除斥期間説(通説) (2) 消滅時効説
21
(1) 独立説(判例) 原状回復請求権が取消権の行使によって新たに生じた債権である以上、行使時点から新たに 5 年の時 効期間が進行する、とする 28。形成権の行使によって一定の権利関係が確定すれば、それで法律関係の 早期確定という行使期間の趣旨が達成されている、とする考え方である。 (2) 一体説 29 形成権の行使によって生じた権利も、形成権それ自体と同じ行使期間に服するとする。これによると、 設例 15 において X は、取消可能時から 5 年以内に、代金の返還請求権まで行使しなければならない。 このように考える理由としては、①法律関係の早期確定という特別な期間が定められている趣旨からす ると、形成権の行使によって生じる権利関係についても、早期に確定させる必要があること、②形成権 は、特定の権利関係を成立させるための手段に過ぎず、その行使によって生じる権利関係と切り離して 考えるべきではないことが挙げられる。 なお、この見解によれば、形成権行使によって請求権が発生する場合、行使期間の性質は消滅時効で あるとされている(請求権を裁判上行使しても更新がありえないとするのは、不当であるから。)。
22
(1) 完成猶予 各障害事由が終了するまでの間は、時効は、完成しない(同条 1 項柱書)。 裁判上の請求の場合には、 訴えの提起時(訴状が裁判所に提出された時)から(民訴 147 条)、確定判決等によって権利が確定さ れるまで時効の完成が猶予される。 (2) 更新 確定判決等によって権利が確定したときは、第 1 項各号に掲げる事由が終了した時から新たに時効期 間が進行する(同条 2 項)。この場合の消滅時効期間は、10 年より短い時効期間の定めがある権利につ いても、10 年となる(169 条 1 項)。
23
確定判決等によって権利が確定することなく各事由が終了したときは、その終了時から 6 か月を経過 するまで、時効完成が猶予される(同条 1 項柱書括弧書)
24
1 完成猶予の期間 権利について協議を行う旨の合意が書面(電磁的記録を含む。同条 3 項)でされたときは、次のうち のいずれか早い時まで、時効完成が猶予される(同条 1 項)。 ① 合意の時から 1 年を経過した時(1 号) ② 合意において当事者が協議を行う期間(1 年に満たないものに限る。)を定めたときは、その期間が 経過した時(2 号) ③ 書面による協議続行を拒絶する旨の通知の時から 6 か月を経過した時(3 号) 2 再度の合意 協議を行う旨の合意により時効の完成が猶予されている間(本来の時効完成後、1 項所定の期間の経 過前)にされた再度の合意は、本来の時効完成時から 5 年を超えない範囲で、完成猶予の効力を有する (同条 2 項)。 3 催告との関係 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた合意は、完成猶予の効力を有しない(同条 3 項 前段)。協議を行う旨の合意は、催告と同様に、更新措置を取るまでの暫定的な措置であるというのが、 その理由である。合意後の催告については、既述。
25
債務者が消滅時効の援用権者にあたることについては、争いがない (1) 直接性 債務者は、時効によって債務を免れるのだから、直接の法律関係を有している。 (2) 可分性 G・S 間の主たる債務が消滅すれば、G・H 間の保証債務も消滅する。そうすると、G・S 間の法律関 係の可分性が認められないようにも見える。しかしながら、保証債務が消滅するのは、保証債務が有す る付従性の結果であって、時効援用の直接の効果ではない。時効援用によって消滅するのは、S の債務 だけであるから、法律関係の可分性が認められる。
26
保証人が時効援用権者にあたることは、大審院時代からの判例であり 、145 条も明示している。 (1) 直接性 保証人は、主たる債務が消滅すれば保証債務を免れる関係にあるため、直接の法律関係が認められる。 (2) 可分性 保証人が利害関係を有しているのは保証債務だけであり、保証人が時効を援用した場合には、保証債 務だけを消滅させれば足りる。そして、そのような処理が可能である以上、主たる債務は保証債務の消 滅によって影響を受けない。したがって、可分性も認められる。
27
判例は、物上保証人も直接受益者であるとしている 14。担保物件の第三取得者についても同様 (1) 直接性 物上保証人および第三取得者は、被担保債権が消滅すれば自己の物的負担を免れる立場にあるため、 直接の法律関係を有する。 (2) 可分性 物上保証人または第三取得者が被担保債権の消滅時効を援用した場合には、抵当権などが消滅するだ けであり、主たる債務者の債務は消滅しない。
28
他に財産がない無資力の債務者が財産を処分すると、債権者は、債権の回収が困難になる。そこで、 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為(詐害行為)につき、裁判所に取消しを 請求することができる(424 条)。このような請求を受けた受益者についても、判例は、時効援用権者 として認めている (1) 直接性 詐害行為が取り消されると、目的財産が債務者に復帰する。このような受益者の地位は、債務者のた めの負担を課された財産を保持しているという点で、物上保証人と同様に考えることができる 17 (2) 可分性 詐害行為の受益者が消滅時効を援用しても、詐害行為取消権が否定されるだけであり、債務者の債務 が消滅するわけではない。
29
(1) 固有の時効援用権 一般債権者は、債務者が他の債権者に対して負う債務の消滅時効を援用しえない(判例 18)。その理 由として、一般債権者は、債務者の他の債権者に対する債務が時効消滅しても、他の債権者との間で、 権利取得や義務免脱を生じるわけではないことが指摘されている(直接性の否定)。 (2) 債権者代位権に基づく時効援用権の代位行使 もっとも、一般債権者も、債務者が無資力である場合に、債権者代位権(423 条以下)により、債務 者が有する時効援用権を代位行使することができる(判例 19)。この場合には、債務者自身が時効を援 用したのと、同じことになるからである。
30
判例は、後順位抵当権者は先順位抵当権者の被担保債権につき、消滅時効を援用することができない とする (1) 直接性否定説 判例自体は、①先順位抵当権が消滅し順位が上昇すれば、配当額が増加することもあり得るが、この 配当額増加に対する期待は、抵当権の順位上昇によってもたらされる反射的な利益に過ぎないこと、ま た、②時効を援用できないとしても、目的不動産の価格から従前の順位に応じて弁済を受けるという地 位が害されるわけではないことを、理由としている。したがって、直接性・可分性基準によれば、直接 性を否定しているものといえる。
31
判例は、直接受益者にあたらないとして、取得時効の目的土地上に建てられた建物の賃借人に時効援 用権を認めていない (1) 直接性 建物賃借人 Y は、敷地甲の取得時効の援用が認められれば、建物退去・土地明渡請求を免れ、建物乙 を利用し続けることができる。 (2) 可分性 しかしながら、Y が乙を利用し続けるには、A が乙の所有者である以上、A に、甲の所有権を帰属さ せるか、甲の利用権限を生じさせるか、X に対する土地賃料相当額の損害金を負担させるしかない。し たがって、X・Y 間の法律関係のみを切り離して処理することはできない。
32
設例 13 のような場合に、取得時効の目的不動産の賃借人が時効を援用することができるかについて は、裁判例において見解 22が分かれている。直接性・可分性基準からは、次のように判断されるものと 考えられる。 (1) 直接性 賃借人 Y は、甲土地の取得時効が認められれば、建物収去・土地明渡請求を免れ、甲土地を利用し続 けることができる。 (2) 可分性 この場合には、可分性を肯定する余地がある。すなわち、X・A 間の関係では、X を所有権者としつ つ、X・Y 間の関係では、Y が所有者 A から正当な占有権原(賃借権)を与えられており、それを X に 対抗することができるという形で、処理される可能性がある しかしながら、このように考えるとしても、X・A 間の法律関係を切り離して考えることは困難であ る。すなわち、A・Y 間で賃貸借関係が残るとすると、やはり A の甲土地使用権限ないし X に対する損 害賠償支払義務が問題となる。そうではなく、X が賃貸人になるのだとしても、A が賃貸人の地位を失 うという点で、A の法律関係を切り離して考えることはできない。