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第24　争議行為／組合活動 Ⅰ　団体行動権の保障

Aiko Kobayashi

問題数 28 • 7/10/2025

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団体行動とは？

争議行為＋組合活動

争議行為とは？

ストライキ（同盟罷業）＋それに付随する行為（ピケッティング等）

ストライキとは？

労務供給義務の不履行による業務の正常な運営の阻害

争議行為で仕事が中止された場合、使用者は賃金支払い義務があるか？

ない

組合活動とは？

労働組合の活動（団体行動）のうち争議行為（ストライキ等）でないもの

労務の不提供を行った労働者に対し、使用者が賃金カットに加え債務不履行に基づく損害賠償請求をすることが可能か？

可能だが、正当な争議行為の場合には損害賠償請求できない

労働組合方による団体行動権の保障方法３つ

（1）民事免責正当な争議行為の場合に使用者は損害賠償請求をできない（2）刑事免責正当な団体行動の場合に国家は刑事罰（組合活動は強要、威力業務妨害に当たる可能性がある）を科せない（3）不利益取扱の禁止争議行為・組合活動に参加した組合員に対する懲戒処分などの不利益取扱いは、不当労働行為として禁止される。

民事・刑事免責も、不当労働行為制度による保護もどの様なことが要件となるか？

争議行為・組合活動が「正当」なものであること

争議行為の正統性の判断要素４つ

主体、目的、手続、態様

全日本検数協会事件・神戸地判平成14・8・23 ＜事実＞・指定出勤時刻に7分ほど遅刻した組合員が無届欠勤扱いにされたことに不満を持ち、他の組合員らを指揮し職場放棄したため、業務は完全に中断された。遅刻と欠勤の取り扱いに関する団体交渉はこれまで行われていなかった。団体交渉を経ない争議行為は正当性が認められるか？

争議行為は団体交渉の補充的手段だから、団体交渉なしの争議行為は「争議権の濫用」として、原則正当性を欠き、認められない

争議行為の正当性が認められるためにはストライキの予告が必要か？

必ずしも必要というわけではないが、あまりに使用者の事業運営に混乱、麻痺をもたらすような場合には、「信義誠実の原則に反する」などとして正当性が否定される可能性もある

ストライキを決行するためには、組合内部の手続きにおいて何が必要か？

組合員（または代議員）の無記名投票の過半数による決定

争議行為の態様３つ

（1）集団的労務不提供←いわゆるストライキ、原則予告必要（2）怠業・順法闘争←生産や乗り物の速度を意図的に落とすことで使用者に損害を与える（3）ピケッティング・職場占拠・車両確保戦術←人員を事業場に入れないようにしたり（ピケッティング）、職場の機械や車両等を使えないようにしてしまう

御國ハイヤー事件（#163）＜事実＞・タクシー会社でストライキを行った際、組合員が代替要員によりタクシーを運行させることを防ぐため、タクシーのそばに座り込んだり寝転んだりした。 →団体行動として正当性が認められない場合は？

①不法に使用者の自由意思を抑圧し、あるいは②その財産に対する支配を阻止するような行為をすることは許されない。 →組合員ができるのは、集団的労務不提供（消極的行為）と操業停止の「平和的説得」。

争議行為として「命令された仕事を拒否し、別の仕事をする」行為を行った場合、労働者に賃金請求権は発生するか？

「債務の本旨に従った履行」がないものとして賃金請求権は発生しない

ストライキを行った組合の組合員が、ストライキには参加していないものの、ストライキのせいで就労が無価値になり休業となった場合、「使用者の責めに帰すべき事由」があるとして賃金や休業手当を請求できるか？

基本的に、組合がストライキを行うかどうかは使用者がコントロールできるものではない（組合が自主的に決定すべき事柄である）ことを前提に、使用者が違法行為などで組合をストライキに導いたようなレアケース以外は賃金・休業手当請求権を認めない立場

違法な争議行為の場合に使用者がとれる措置２つ

・民事免責がなく、労働組合や参加した組合員に対する損害賠償請求可。・不当労働行為制度による保護がなく、組合員に対する懲戒処分可。

就業時間中の組合活動に正当性はあるか？

判例は「職務上の注意力のすべてをその職務遂行のために用い職務にのみ従事しなければならない」とする厳格な職務専念義務を根拠に、正当性がないとした

使用者の施設を用いて組合活動をすることには正当性が認められるか？

使用者の許可なく行うことは認められない

企業外部に様々な内容の情報、主張を流し、企業内だけでなく外部の人々を巻き込んで団体交渉を有利に進めようとする情報宣伝活動などの組合活動は認められるか？

企業の名誉・信用を害するとして懲戒処分がなされるほか、近年では名誉毀損として損害賠償請求が行われることも多い

企業施設外での活動２つ

（1）ビラ配布・インターネット掲載（2）街頭宣伝活動

経営者の私生活の領域での組合活動の正当性は認められるか？

住居の平穏、私生活における名誉・信用を害さないもののみ認められる

労働組合の原則２つ

①組合民主主義（組合の運営のあり方が民主的に決定されること） ②脱退の自由

労働組合のもつ統制権とは？

労働組合の方針に従わない組合員に対して、必要かつ合理的な範囲で制裁処分を下せること

組合費のチェック・オフは個々の組合員の同意が必要か？

必要

ユニオンショップ協定とは？

協定を結んだ労働組合の組合員でない者、当該労働組合を脱退した・除名された者を解雇する旨定めた、労働組合と使用者との間の協定

ユニオンショップ協定の意義２つ

①労働組合の組織強化 ②使用者にとっての交渉相手の一本化

ユニオンショップ解雇は有効か？

原則：有効例外：他組合に加入している・した者、他組合を結成した者に対する解雇は無効

第24 争議行為／組合活動 Ⅰ 団体行動権の保障

第24　争議行為／組合活動 Ⅰ　団体行動権の保障