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第２回　債権の種類（教科書33－72頁）

Aiko Kobayashi

問題数 26 • 10/7/2024

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履行の強制の方法による分類２種類

１作為債務（債務者が行為をすることを目的とする債務）、不作為債務（債務者が行為をしないとすることを目的とする債務）２与える債務（目的物の所有権を移転する債務、および、目的物を引き渡す債務）となす債務（一定の行為をする債務）

債務不履行の成否の観点からの債権の分類

結果債務（一定の結果を出すべき債務）、手段債務（一定の達成すべき任務に適した手段で最善を尽くす債務）

結果債務と手段債務の違い

結果債務は、結果が実現されなければ、原則として債務者が契約責任を負うが、手段債務は、結果が実現されなくても、債務者は必ずしも契約責任を負わない。

特定物債権とは？

特定物の引渡しを目的とする債権（400条） Ex.不動産、中古自動車、名画

特定物債権の特徴

（１）善管注意保存義務　特定物債権の債務者は、引渡しをするまで「善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない」（400条） ⇔不特定物の債務者は、特定が生じるまで、目的物の保存義務を負わない　所持物と同じ種類・品質・数量の別の物を引き渡せばよい所持物が滅失した場合には別の物を調達する義務を負う（２）その他履行不能―特定物債権では、目的物の滅失により履行不能となる引渡場所―特定物の場合、債権が発生した当時その物が存在していた場所（484条1項）

善管注意義務と、「自己の財産に対するのと同一の注意」義務の違い

善管注意義務の方が高度の注意義務具体的内容は「契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして定まる」

善管注意保存義務（400条）違反の効果

　履行請求、履行強制（414条）、損害賠償請求（415条）、契約の解除（541条・542条）

種類債権とは？

一定の種類に属する一定の数量の物の引渡しを内容とする債権

種類再建の特定の要件３つ

① 両当事者の合意 ② 債権者の同意を得た債務者の指定（402条2項） ③ 「債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了」（401条2項） a) 持参債務　種類債権の原則である（484条1項）債務者が債権者の現在の住所に持参して履行すべき債務特定のためには、債権者の住所における現実の提供が必要 b) 取立債務　債務者の住所で履行すべき債務特定のためには、目的物の分離、および、債権者に対する通知が必要 c) 送付債務　第三の場所に目的物を送付すべき債務　　　特定のためには、その場所における現実の提供が必要

種類債権を特定するための要件の一つである、債務者がものの給付をするのに必要な行為を完了するために必要な債務３つ

１持参債務＝債務者が債権者の現在の住所に持参して履行すべき債務特定のためには、債権者の住所における現実の提供が必要２取立債務＝債務者の住所で履行すべき債務特定のためには、目的物の分離、および、債権者に対する通知が必要３送付債務＝第３の場所に目的物を送付すべき債務特定のためには、その場所における現実の提供が必要

種類債権が特定された場合の効果３つ

①善菅注意保存義務（400条）の発生 ②所有権の移転不特定物売買では、原則として特定したときに所有権が移転 ③履行不能　特定後に目的物が滅失すると履行不能→債権者は引渡しを請求できない（412条の２第1項） →債務者は他の物を調達して引き渡す義務を負わず、損害賠償義務を負うのみ（415条1項）債務者の責に帰すことができない事由による滅失の場合には損害賠償義務も免責（同項ただし書）債務者・債権者双方の責めに帰することができない事由による滅失の場合には、債権者の反対給付は消滅しないものの、債権者はその履行を拒むことができるし（536条1項）、解除をすることもできる（542条1項1号）

制限種類債権とは？

種類債権をさらに一定の範囲で制限したものを目的物とする債権特定前でも、その制限内の目的物が全て滅失すれば履行不能となる

金銭債権とは？

金銭の支払を求める債権ex.損害賠償請求権、売買代金債権、賃料債権

金銭債権の特徴

価値に着目した債権（原則）→没個性、履行不能がない Ex.1000円札でも100円玉10枚で払ってもよい(402条1項本文) 強制通用力（金銭債権の弁済として受領が強制されること）のある貨幣で支払う特定の通貨で支払うことを合意した場合（402条1項ただし書）でも、弁済期に強制通用力を失っていたときは、他の通貨で支払わなくてはならない（402条2項）外国通貨での支払が合意されていた場合も同様（402条3項）・外国通貨を指定した場合でも、債務者は日本通貨で弁済できる（403条）　　　債権者も外国通貨か日本通貨かを選択できる・換算は履行地における為替相場による（403条）　　　換算の基準時は、弁済時を原則とする

貨幣価値の変動があった場合、金銭債権はどうなるか？

名目主義（額面を基準とする立場）　　貨幣価値が変動した場合でも、実質的価値を基準とするのではなく、額面を基準とする

基本権たる利息債権とは？

利息の支払を求めることのできる基本的・包括的な権利（地位） 100万円の元本について1年が経過すれば１％の利息を支払うよう求めることができる抽象的な債権

支分権たる利息債権とは？

期間の経過によって実際に生じた具体的債権

遅延損害金とは？

履行期に弁済しないため債務不履行により生ずる損害賠償金

利息に関する原則は？

無利息が原則。合意により利息が発生（589条。消費貸借）

利息の合意があるが、利率について合意がない場合

法定利率

単利と複利

単利（当初の元本についてのみ利息を付ける）が原則。合意があれば複利（利息が元本に組み入れられる）、合意がなくても利息の支払いが1年以上延滞し催告によっても支払われない場合は複利とすることができる（405条）

利息制限法による利息の制限

制限を超えた利率の取り決めは超過部分につき無効（利息1条）元本の額に応じた制限利息の設定元本10万円未満：年20％　10万以上100万未満：年18％　100万以上：年15％

出資法による利息の制限

利息又は遅延損害金の利息制限は、年１０９．５％＊ただし、債権者が業として行う金銭消費貸借（営業的金銭消費貸借）では上限年20％（出資5条2項）

選択債権とは？

債権の内容が数個の給付の中から選ぶことにより特定される債権（406条） Ex.数個の建物のうち売主が選んだ1つの建物を与える

選択債権の特定の意義

選択される前には、履行請求できない

給付不能（選択の対象の一部が不能）の場合の選択債権

① 選択権者の過失による不能　残された給付について債権が存在（410条） ② 選択権を有しない者の過失による不能選択権者が、残された給付、または不能となった給付を選択 ③ 過失のない不能―②と同じ

第２回 債権の種類（教科書33－72頁）

第２回　債権の種類（教科書33－72頁）