暗記メーカー

ログイン

第６回　債務不履行（３）損害賠償の効果

Aiko Kobayashi

問題数 36 • 10/22/2024

記憶度

完璧

5問

覚えた

14問

うろ覚え

0問

苦手

0問

未解答

0問

アカウント登録して、解答結果を保存しよう

問題一覧

原状回復とは？

債務不履行がなかったならばあったであろう状態を、債務者に回復させる

金銭賠償とは？

債務不履行により生じた損害を金銭に見積もって、債務者に支払わせる ←民法は②の金銭賠償の原則をとっている

差額説（判例・通説）とは？

　損害＝債務不履行がなければあるべき財産状態―現実の財産状態　　　　実務では、個々の損害項目ごとの差額を算定する方式が採用されている　　　　　（個別損害項目積上げ方式、個別損害説）

損害事実説とは？

損害＝債権者に生じた損害そのもの

損害の種類２つ

財産的損害、非財産的損害（精神的損害、慰謝料）

財産的損害の種類２つ

積極的損害、消極的損害

積極的損害とは？

債権者が現に受けた損害

消極的損害とは？

得べかりし利益の喪失。

遅延賠償とは？

遅行遅滞による賠償履行の強制に加えて遅延賠償を請求することができる（414条2項）

填補賠償とは？

主に履行不能による賠償（415条2項1号）本来の給付の埋め合わせの意義を持つ不履行の場合にも請求できる（415条2項2号、3号）＊

填補賠償を請求する場合3つ

① 履行不能（415条2項1号） ② 履行拒絶―債務者が債務の履行を拒絶する意思を明確に表示 ③契約の解除又は債務不履行による解除権の発生

契約を解除しなければ、填補賠償を請求できないか？

契約を解除しなくても、填補賠償を請求できる

債権者があえて解除せずに填補賠償を請求する意義２つ

・継続的契約で、これまでの不履行の填補賠償を請求しつつ、解除せずに今後も履行を求めることができる・交換契約で、債権者が給付した物を取り戻す必要がない場合

履行利益の賠償とは？

債務の本旨に従った履行がされていたなら債権者が得られたであろう利益の賠償

信頼利益の賠償とは？

契約が無効又は不成立であるのに有効と信じたために被った損害の賠償

損害賠償の範囲に関して、相当因果関係説とは？

債務不履行によって現実に生じた損害のうち、当該債務不履行に特有な損害を除き、債務不履行があれば一般的に生じると認められる損害

(a) 通常損害の例

履行遅滞における目的物使用による収益、目的物の時価、不履行により商人である債権者が第三者との契約により支払った違約金や損害賠償金、不完全履行による修理費

(b) 特別損害の例2つ

目的物の異常な高騰による価格商人ではない債権者が第三者との契約により支払った違約金や損害賠償金

通常損害とは？

当該契約に属する契約の違反から類型的に生ずる損害

特別損害とは？

当該契約に特別な損害であるが、契約締結時に両当事者が知っていた特別な事情から生ずる損害

保護範囲説とは？

契約による債権について、契約規範により保護されている債権者の利益は何かの観点から範囲を定める

416条の現在の一般的な理解

416条：事実的因果関係のある損害のうち、賠償されるものの範囲を画定　1項：通常の事情のもとで債務不履行から通常生ずべき損害が賠償される　2項：特別の事情がある場合に、その事情を当事者が予見すべきであったときは、その事情のもので債務不履行から通常生ずべき損害も賠償される

履行不能の場合における判例の損害賠償算定基準時は？

① 履行不能時を原則

CASE2: 2024年10月25日に、剛田氏が野比氏に甲不動産を1億円で譲るとする売買契約が締結された。履行期は2年後の2026年10月25日とされた。2025年10月25日に剛田氏は甲を骨川氏に二重に売却し登記の移転がされたため、野比氏に対する剛田氏の債務は、剛田氏の責めに帰すべき事由により履行不能となった。この時点で、甲不動産の価格は1億１千万円に上昇していた。甲の価格は、履行期とされていた2026年10月25日には1億２千万円に上がっていた。2026年12月25日に、野比氏が剛田氏に、債務不履行に基づく損害賠償を請求して訴えを提起した時点には甲はさらに１億３千万円に上がった。 ② 価格の騰貴という特別の事情がある場合損害賠償はどうなるか？

債務者が履行不能時に予見可能であったときは騰貴した価格で請求できる　　　ただし、騰貴前に目的物を処分すると予想された場合を除く

③ 騰貴後に下落した場合損害賠償はどうなるか？

転売等により騰貴価格による利益を確実に取得したことが予想できなければ、騰貴価格を基準にすることができない

④ 騰貴をつづけている場合

債権者が処分するであろうと予想されることは必要ではない

代償請求とは？

本来の給付の請求と同時に、強制執行が不可能な場合に備えて予め請求する填補賠償 Ex.「被告は原告に甲を引き渡せ。仮に執行不能の場合には、1億3千万円を支払え」　事実審口頭弁論終結時に算定される

損益相殺とは？

債権者が損害を受けたのと同時に利益も得た場合には、利益を損害賠償額から控除すること

損益相殺で控除される利得4つ、及び控除されない利得3つ

控除される利得：生活費、遺族年金、労災保険金、厚生年金保険金控除されない利得：香典、養育費、生命保険金

過失相殺とは？

債権者に過失があったときは、損害賠償責任の有無および賠償額の決定で考慮される（418条）債権者に損害避止・軽減義務があることから

金銭債務についての特則２つ

金銭債務は履行不能にならない・損害賠償額は法定利率により定められる（419条1項）

損害賠償額の予定とは？

債務不履行があった場合の損害賠償額を当事者があらかじめ合意により定めておくこと（420条1項）

損害賠償額の予定の意義３つ

①損害の立証困難を除去 ②債務者の履行を促す ③債務者によるリスク計算の簡便さ

損害賠償額の予定の制限の場合３つ

・公序良俗に反する場合（９０条）・特別法で禁止されている場合（消費者契約法９条、利息制限法４条１項）・過失相殺による減額―認められる（通説）

損害賠償による代位とは？

損害賠償をした当事者は、債権の目的である物または権利について当然に債権者に代位する←損害賠償をした債務者が債権者の地位に代わるという意味

代償請求権とは？

履行不能となったのと同一の原因によって、債務者が履行の目的物の代償と考えられる利益を取得した場合には、債権者は債務者に履行不能により債権者が被った損害の限度において、その利益の償還を請求することができる

第６回 債務不履行（３）損害賠償の効果

第６回　債務不履行（３）損害賠償の効果