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第 7 講 法律行為の効力否定原因Ⅲ

第 7 講 法律行為の効力否定原因Ⅲ
57問 • 2年前
  • Aiko Kobayashi
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    問題一覧

  • 1

    詐欺とは?

    人を欺罔して錯誤に陥らせ、それによって意思表示をさせようとする行為

  • 2

    相手方による詐欺を取り消す場合に、主張・立証する必要がある事実3つ

    1詐欺者の故意 2違法な欺罔行為 3因果関係

  • 3

    詐欺取消しの要件である詐欺者の故意が認められるために必要な故意2つ

    (1) 他人を騙して錯誤に陥らせる故意 (2) その錯誤に基づいて一定の意思表示をさせようという故意

  • 4

    詐欺取消し要件の因果関係の要素2つ

    欺罔行為による錯誤と錯誤による意思表示

  • 5

    第三者による詐欺とは?

    第三者(C)が、相手方(B)に対して意思表示をさせるために、表意者(A)に対して詐欺を働く場合

  • 6

    第三者による詐欺と沈黙による詐欺の取消しの要件として、主張・立証が必要な事実2つ

    相手方による詐欺の取り消しの際に主張・立証が必要な事実 相手方の悪意あるいは過失があった事実

  • 7

    96 条 2 項に該当する第三者にあたらないのは?

    詐欺者が、相手方から媒介の委託を受けた者、法人の代表者・従業員であるなど、相手方がその行為について責任を負うべき者である場合

  • 8

    詐欺の種類3つ

    相手方による詐欺 第三者による詐欺 沈黙による詐欺

  • 9

    沈黙による詐欺の取り消しに必要な要件の違法な欺罔行為の要素1つ

    情報提供義務

  • 10

    情報提供義務を基礎付ける理由2つ

    (1) 他者加害の禁止 (2) 専門家の責任

  • 11

    情報提供義務を基礎付ける理由の一つである専門家の責任の要素2つ

    実質的契約自由の回復と専門家に対する社会的信頼

  • 12

    実質的契約自由の回復とは?

    専門家と非専門家との間の取引では、情報格差が存在するため、非専門家の実質的な契約自由を回復するために、専門家に情報提供義務を課すこと

  • 13

    沈黙による詐欺を取り消す場合、詐欺の故意が認められるための2つの認識

    錯誤の認識と違法性の認識

  • 14

    96 条 3 項における第三者とは?

    詐欺の当事者およびその包括承継人以外の者で、詐欺による意思表示によって生じた法律関係について、取り消し前に新たに法律上の利害関係を有するに至った者

  • 15

    94 条 2 項とは違い96 条 3 項においては、無過失が要求されている理由

    詐欺の場合には、虚偽表示の場合に比して表意者の帰責性が小さいから

  • 16

    強迫とは?

    他人に害悪を示して畏怖を生じさせ、それによって意思表示をさせようとする行為

  • 17

    強迫による意思表示の取消しは、善意・無過失の第三者にも対抗することができるか?

    対抗できる

  • 18

    強迫による意思表示の取り消しを主張する際に主張・立証が必要な事実3つ

    1強迫者の故意 2違法な強迫行為 3因果関係

  • 19

    強迫者の故意に必要な二つの要素

    ①他人に畏怖を生じさせる故意 ②その畏怖に基づいて意思表示をさせようという故意

  • 20

    強迫取り消し要件である因果関係の要素2つ

    強迫行為による畏怖と畏怖による意思表示

  • 21

    法律行為の内容に関する有効要件4つ

    ① 内容の確定性 ② 内容の実現可能性 ③ 内容の適法性(強行規定違反) ④ 内容の社会的妥当性(公序良俗違反)

  • 22

    後発的不能とは?

    法律行為をした後に履行不能となる場合

  • 23

    原始的不能とは?

    法律行為をした時点で既に履行不能となっている場合

  • 24

    原始的不能の処理に対する考え方2つ

    法律行為無効説(旧法下の伝統的通説)と法律行為解釈説(現行法)

  • 25

    法律行為無効説(旧法下の伝統的通説)とは?

    後発的不能の場合には債務不履行の問題となるのに対し 、原始的不能の場合には法律行為が無効となるという考え方

  • 26

    法律行為解釈説(現行法)とは?

    412 条の 2 第 2 項は、契約債務の履行が契約成立時に不能であっても、415 条の規定に基づき履行不能による損害の賠償を請求することは妨げられない、とする考え方

  • 27

    強行規定とは?

    公の秩序に関する規定

  • 28

    強行規定に違反する法律行為はどうなるか?

    無効となる

  • 29

    どのような規定が強行規定と言えるか?4つ

    ① 私的自治・法律行為制度の前提となる規定(権利能力、意思表示の瑕疵に関する規定など) ② 基本的な社会秩序に関する規定(婚姻・親子・相続などに関する規定など) ③ 第三者の権利義務にかかわる規定(物権法の多くの規定、各種の第三者保護規定など) ④ 一定の取引当事者の保護を目的とする規定(利息制限法・借地借家法など)

  • 30

    取締規定とは?

    行政上の取締目的から、一定の取引行為を禁止または制限する規定

  • 31

    取締規定の種類2つ

    単なる取締規定と効力規定

  • 32

    取締規定の一つである単なる取締規定とは?

    違反する法律行為の私法上の効力に影響しない規定

  • 33

    取締規定の一つである効力規定とは?

    当該行為を私法上も無効とする規定

  • 34

    取締規定と効力規定の判別するための要因2つ

    無効要因と有効要因

  • 35

    具体的な無効要因2つ

    ①規定の趣旨 ②違反行為に対する社会の倫理的非難の程度

  • 36

    具体的な有効要因2つ

    1取引の安全 2当事者間の信義・公平

  • 37

    【設例 12】X は、Y に対してアラレ菓子を売り渡したが、当該アラレ菓子には、食品衛生法(現 6 条 2 号)によって禁止されている硼砂が混入していた。X は、このことを知っていたが、Y が取引の継続を 強く要請したため、取引を継続した。その後、Y が代金を支払わなかったため、X がその支払を請求し た この違反行為は有効とされるか?

    違反を知りながらあえて製造のうえ同業者に売り渡したという場合には、一般大衆の購買ルートに乗せたものと認められ、その結果公衆衛生を害することになるとして、 90 条違反により取引が無効になるとされた。

  • 38

    【設例 9-2】X は、食品衛生法所定の営業許可を受けていない Y との間で、33 万円相当の精肉を売る 旨の契約を締結した。 ① その後、Y が許可を受けていないことを知った X は、精肉の引渡しを拒絶した。 ② Y は、精肉の引渡しを受けたが、代金を支払わなかった。

    履行前=規定の趣旨/履行後=一律有効とする見解 (1) 履行前(①) 未だされていない履行を請求することは、取締規定の趣旨と衝突することがある。したがって、この 場合には、規定の趣旨によって履行請求が制限される場合があるとする。 (2) 履行後(②) 一定の行為を未然に防止するという取締規定の目的は、既に履行されてしまった場合に取引を無効と し原状回復を認めることによって、達成されない。他方で、この場合に無効を認めると、契約後の事情 変更によって不利益を受けた当事者に、契約を解消する口実を与えることになり、当事者間の信義・公 平や取引の安全に反する。 履行前=一律無効/履行後=総合判断とする見解 (1) 履行前(①) 法が、一方である行為を禁止しながら、他方でその行為の履行請求を認めることは、法秩序の内部に おける価値矛盾であり、回避されるべきである。このことは、規定の趣旨を問わず要請される。 (2) 履行後(②) この場合には、当事者間の不公平や取引の安全を考慮しなければならないが、取締規定の趣旨によっ ては、無効主張を認めるべき場合がある。契約を私法上も無効とすることによって、より効果的に取締 目的が達成されることは否定できない。

  • 39

    公序良俗違反の法律行為を無効とする 90 条の趣旨・解釈についての考え方4つ

    古典的公序良俗論 社会的妥当性説 契約正義/経済的公序論 基本権保護・支援義務論

  • 40

    古典的公序良俗論の要点2つ

    公序良俗違反による無効は、例外として限定的に理解された 「公序」とは国家の行政警察・司法に関する事柄であり、「良俗」とは性風俗に関する事柄である

  • 41

    社会的妥当性説の要点3つ

    公序良俗が私的自治・契約自由に対する例外的制限ではなく、法体系全体を支配する理念 「公序」は国家社会の秩序を主眼とし、「良俗」は道徳観念を指す 公序良俗の具体的内容を類型的に明らかにしようとしたこと

  • 42

    社会的妥当説に対する批判2つ

    (1) 裁判例の傾向変化 (2) 原理論の不在

  • 43

    契約正義/経済的公序論とは?

    公序良俗違反が、政治秩序や家族秩序を保護するだけでなく、①契約正義(契約における当事者の意思を離れた客観的な公正さ)を確保することや、②経済的秩序(取引における当事者の利益や競争秩序)を保護することに資するものであるとする考え方。「当事者の利益保護」とともに、「社会の秩序維持」を重視

  • 44

    基本権保護・支援義務論とは?

    上記の意味での私的自治を憲法上の基底的な自由として位置づけ、それを制約する理由づけについても、基本権という個人の自由・権利の保護ないし支援を持ち出す考え方。個人の自由・自律を重視

  • 45

    伝統的形式の暴利行為の成立要件2つは?

    ①他人の窮迫・軽率もしくは無経験を利用し(主観的要件)、②著しく過当な利益の獲得を目的とする(客観的要件)法律行為

  • 46

    現代的暴利行為の要件は?

    観的要素(契約締結過程の問題性)と客観的要素(契約内容の不当性)から相関的に判断される

  • 47

    【設例 3】B は、自らが所有する不便な土地甲(1000 万円相当)を処分しようと考え、C を代理人とし て、買主を見つけ売買契約を締結するよう委託した。そこで、C は、A に目をつけ、「近隣で開発計画 があり、近い将来の値上がりは間違いない」などと虚偽の説明をして、B が A に甲を 3000 万円で売る 旨の契約を締結した。後に C の詐欺に気付いた A は、 B に対して取消しの意思表示をした。 B は、 C に よる詐欺を知らなかった。 取り消しは認められるか?

    相手方の代理人が詐欺を行った場合には、相手方本人の善意・悪意にかかわらず、取消しが認められ る(判例 2)。これと同様に考えて、詐欺者が、相手方から媒介の委託を受けた者、法人の代表者・従業 員であるなど、相手方がその行為について責任を負うべき者である場合には、96 条 2 項に該当する第 三者ではないというべきである

  • 48

    【設例 4】X は、不動産業者 Y から、新築分譲マンション甲を購入した。その際、甲の価額が条件に比 して割安であったことから、X は、Y の担当者 A に理由を尋ねたが、A は、言葉を濁して明確な回答を しなかった。X の入居後、甲が法令による耐震基準を著しく下回る欠陥住宅であり、本来居住に堪えな い物件であること、Y もまた、X との契約締結当時にそのことを把握していたことが判明した。 設例 4 において、Y の側は、X に対して積極的な欺罔行為を行ったわけではない。しかしながら、Yが欠陥住宅であることを告げなかったために、X は欠陥住宅を購入する破目に陥っている。この場合に も、詐欺取消しが認められるか、認められるとすればいかなる要件によるのか。このように不作為しか 存在しない場合の詐欺取消しの可否が、「沈黙による詐欺」と呼ばれる問題である。

    取り消しの成立要件 ①詐欺者の故意 (1) 錯誤の認識 第一に、表意者が当該事実を知らないことを、相手方が認識していたことが必要とされる。 (2) 違法性の認識 第二に、当該事実を告げなければならないことを、相手方が認識していたことが必要とされる。 ②違法な欺罔行為 2-1 情報提供義務 沈黙が違法な欺罔行為に該当するというためには、「ある事実を告げなければならない」という作為 義務が、信義則上、相手方に課されなければならない。このような義務を、 「情報提供義務」という。 このような義務がある場合にのみ、沈黙も 96 条 1 項にいう「詐欺」にあたる。 2-2 情報提供義務を基礎づける理由 前講において述べたように、契約締結判断に必要な情報は、各人が自ら収集しなければならないこと が、民法の原則である。取引の当事者は、自分だけが知っている事実を、何もかも相手方に伝えなけれ ばならないということはない。むしろ、特別な理由が存在する場合にだけ、情報提供義務が課されるこ とになる。そこで、どのような理由があれば情報提供義務が基礎づけられるのか、が問題となる。近時 の学説には、次のような基礎づけの試みがある (1) 他者加害の禁止 第一に、ある情報を伝えなければ相手方の権利を害することになる場合に、情報提供が要請される。 例えば、設例 4 において X は、居住に適さず住宅として無価値なマンション甲を購入させられている。 このことは、X の財産権の侵害と見ることができる。また、万が一甲が倒壊するような事態となれば、 X の生命・身体が害される恐れがある。 (2) 専門家の責任 第二に、次のような理由から、特に専門家に情報提供義務を課すことができる。設例 4 の Y は、不動 産業者であり、不動産取引の専門家といえる。 ア)実質的契約自由の回復 専門家と非専門家との間の取引では、情報格差が存在するため、非専門家に不利な契約が締結される 可能性が高い。これは、非専門家の契約自由が、実質的には失われていることを意味する。したがって、 非専門家の実質的な契約自由を回復するために、専門家に情報提供義務を課すことが考えられる。 イ)専門家に対する社会的信頼 さらに、専門家は、自己に対する社会的信頼に応えるために、情報提供義務を課される可能性がある。 その理由として、①現代の複雑性の高い取引では、専門家への依存が不可欠であり、専門家に対する社会的信頼が守られなければ、円滑な取引は望めないこと、②専門家は、そうした社会的信頼の上に営業 活動を展開し利益を得ており、それに応じた責任を負うべきことが挙げられる。

  • 49

    【設例 5】A は、X が所有する時価 1 億円の甲土地を騙し取ろうと考え、言葉巧みに X を欺罔し、甲土 地を A に 2000 万円で売却する旨の契約を締結させ、所有権移転登記手続を行った。その後、A は、事 情を知らない Y に甲土地を 1 億円で転売した。 Xは取り消すことができるか?

    96 条 3 項によれば、詐欺による意思表示の取消しは、善意・無過失の第三者に対抗することができ ない。この規定は、94 条 2 項と同様に権利外観法理に基づくものであり、①他人に欺罔されて意思表 示をした者にも軽率な面があったこと、および、②詐欺の存在を知らずに取引関係に入った第三者を保 護する必要があることを根拠とする。

  • 50

    強迫とは?

    他人に害悪を示して畏怖を生じさせ、それによって意思表示をさせようとする行為

  • 51

    【設例 7】X は、A に対して金員を貸し付け、その担保として A 所有の甲土地に抵当権を設定した。し かしながら、後日 X が調べたところ、甲土地は実在しない土地であった。そこで、X は、A と取引上密 接な関係にある Y の面前で、A に対して、実在しない土地を担保として借り入れたことを詰問し、A を 告訴すると迫った。同席した Y は、自分にも危険が及び、また A との共同事業の関係で損害を被るこ とを憂慮し、 A の告訴を思いとどまらせるために、 X 宛の手形を振り出して交付した(大判昭和 11・ 11・21 民集 15‐2072)。 脅迫行為の違法性が認められるか?

    強迫行為についても、社会通念上許される限度を超えた違法なものであることが必要である。違法性 の有無は、目的と手段の正当性を相関的に衡量して判断される。設例 7 において、 X の A に対する貸金 返還請求は、正当な権利行使であり、詰問の態様がよほど不当なものでなければ、違法性は認められな い。もっとも、設例 7 のような事案では、強迫の故意の有無が先決問題となる。

  • 52

    【設例 9】X は、Y に対して、代金合計 33 万円に相当する精肉を売り渡した。ところが、Y は、内金 4 万円を支払ったのみで、残金 29 万円を支払わなかった。X が、残金の支払を請求したところ、Y は、Y 自身が食品衛生法(現 52 条)に基づく営業許可を受けていないため、本件契約は無効であると主張し た(最判昭和 35・3・18 民集 14‐4‐483)。 この違反行為は有効とされるか?

    有効 設例 9 の事案において、最高裁は、食品衛生法が単なる取締規定に過ぎないものとした。

  • 53

    【設例 10】Y は、X に対して、重要文化財の仏像甲を売り渡した。その際、Y は、国に対して、文化財 保護法所定の売渡しの申出(46 条)をしていなかった。X が甲の引渡しを求めたのに対して、Y は、本 件売買が文化財保護法違反により無効であると主張した(最判昭和 50・3・6 民集 29‐3‐220)。 この違反行為は有効とされるか?

    有効 設例 10 の事案においても、最高裁は、①文化財保護法が、所有者の自由な処分権限を前提として、 重要文化財の保存を目的とする国の先買権を規定したにとどまること、②著しく取引の安全を害し、譲 受人に不当な損害を及ぼすこと、③同法の適用を受けない無償譲受人との均衡を失することから、違反 行為を有効とした。

  • 54

    【設例 11】X は、Y との間で、Y が X に、債権の取立て、取立てのために Y が提起する訴訟につき弁 護士の選任、仮差押などの手続き、和解などによる解決を委任する旨の契約を締結した。債権の取立てが完了した途端に、 Y が契約を破棄したため、 X が不法行為に基づく損害賠償を請求した(最判昭和 38・ 6・13 民集 17‐5‐744)。 この違反行為は有効とされるか?

    無効 設例 11 の委任契約は、弁護士法 72 条違反の非弁活動にあたり、90 条違反により無効とされた。

  • 55

    【設例 13】X は、貴金属売買の取次等を業とする会社であり、旧商品取引所法 8 条において禁止され、 違反者は懲役・罰金刑に処されることになっていた私設先物取引市場において、顧客の売買注文を取り 次いでいた。A は、X に対して、プラチナおよびパラジウムの先物取引を委託していたが、その後死亡 し、取引は手仕舞いとなった。X は、A の相続人である Y らに対して、清算後に残る損金の支払を請求 した(名古屋地判昭和 60・4・26 判時 1163‐112)。 Xの請求は認められるか?

    前掲名古屋地判昭和 60 年も、設例 13 の事案において、「法は商取法に従った商品取引所以外の場所、 態様における先物取引を禁じ、違反行為に対しては罰則をもって臨んでいるのであるから、その違反行 為に裁判所が加担することはあり得ないし、ここで X の請求を認容することは、法が一方で禁じたもの を他方で与えることになり、矛盾たるを免れない」と述べ、X・A 間の合意について履行強制は許され ないとしている。

  • 56

    1 伝統的暴利行為 【設例 14】貸金業者 X は、農夫 Y に対して 500 円を貸し付けた。当時、Y は、A 保険会社との間で保 険金額 2000 円の生命保険契約を締結しており、解約返戻金は 980 円であったが、Y はこのことを知ら なかった。X は、担保として、この生命保険契約上の権利について質権の設定を受けた。その際、X・Y 間で、①Y が債務を弁済しない場合には、X が解約返戻金を受け取り、または名義を X に変更して契約 を継続する、②解約返戻金または保険金が貸付金に比して過不足を生じたとしても清算しない、との特 約(以下、「本件特約」とする。)がされた。 Y が期日までに弁済しなかったため、 X が本件特約に基づき A 社との間で保険契約解除の手続を進め ていたところ、Y が、A 社から保険証券の再交付を受け、これを担保として他に融資を受けたため、X は、解約返戻金を受け取ることができなくなった。そこで、X は、得られたはずの解約返戻金 980 円か ら弁済期後に支払を受けた 500 円を控除して、 480 円の損害賠償を Y に請求した。これに対して、 Y は、本件特約の無効を主張した(大判昭和 9・5・1 民集 13‐875[百選Ⅰ-14])。 金銭消費貸借に付随する担保契約における特約の効力は有効か?

    戦前から昭和 40 年代まで、暴利行為論に関する裁判例の大半を占めていたのは、金銭消費貸借にお ける過剰な違約金・損害賠償額の予定および過剰担保(とりわけ抵当権設定契約に付随する代物弁済予 約)の問題であった。このことは、契約の周辺部分が暴利行為論の適用領域とされていたこと、また、 暴利行為論が取引内容を部分的に修正する機能を有していたことを意味する。前掲大判昭和 9 年も、金銭消費貸借に付随する担保契約における特約の効力を否定したものであり、伝統的な暴利行為論の典型的な適用事例である。

  • 57

    【設例 15】X 社の社員 A らは、夜間に突然サラリーマン Y 宅を訪問し、近くの駅に新幹線が通る予定 であり 5~6 年後には 6, 7 倍に値上がりするなどと述べ、深夜に及ぶまで執拗に勧誘して、その夜のう ちに、時価 1 万円程度の北海道の原野を 100 万円で Y に購入させた。Y が代金の支払を拒絶したため、 X がその支払を求めて提訴した(名古屋地判昭和 57・9・1 判時 1067‐85)。 【設例 16】認知症を発症していた 70 歳の Y は、所有不動産が競売に付されるかもしれない切迫した状 況において、これら事情を認識していた金融業者 A との間で、 Y が A に合計価値 1 億 3000 万円以上の 不動産甲を 6000 万円で売る旨の契約を締結した。甲には、Y の生活の本拠および収入源となる不動産 も含まれていた。さらに、A は、Y に代金を完済することなく、甲を X に転売し、約 6000 万円の利益 を得た。 X が Y に対し、所有権に基づき甲に含まれる不動産の明渡し等を請求したのに対し、 Y は、 Y・A 間の売買契約の有無および効力を争った(東京高判平成 30・3・15 判時 2398‐46)。 設例15・16の契約は有効か?

    いずれも暴利行為を理由に契約そのものが無効 昭和 50 年代以降、下級審裁判例を中心に、暴利行為論の新たな適用場面として、不当勧誘を伴った 消費者取引・投資取引などが浮上してきた。そこでは、主として、被害当事者を不当な契約そのものか ら解放することが問題となっている。設例 15・16 の裁判例は、いずれも、暴利行為を理由に契約その ものを無効としたものである。

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    第 8 講 法律行為の効力否定原因Ⅳ

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    第一回「憲法上の権利」の観念

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    第2回 司法審査制と「憲法訴訟」の基礎

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    第3回 思想・良心の自由

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    英単語 10

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    英単語 16

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    第3回

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    第6回 不作為犯

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    第七回 故意(構成要件的故意)

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    第八回、第九回 事実の錯誤

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    第十回 過失

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    第十回 過失

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    第十一回 違法性の本質・正当行為・被害者の承諾(同意)

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    第十三回、第十四回 正当防衛

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    第十五回 緊急避難

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    第十六回 責任の意義・責任能力、原因において自由な行為

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    第十七回 正当化事情の錯誤(責任故意)、違法性の意識

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    第3回 同時履行の抗弁・不安の抗弁

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    第十八回、第十九回 未遂犯の基礎・実行の着手、不能犯

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    第4回

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    第4回

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    31問 • 1年前
    Aiko Kobayashi

    問題一覧

  • 1

    詐欺とは?

    人を欺罔して錯誤に陥らせ、それによって意思表示をさせようとする行為

  • 2

    相手方による詐欺を取り消す場合に、主張・立証する必要がある事実3つ

    1詐欺者の故意 2違法な欺罔行為 3因果関係

  • 3

    詐欺取消しの要件である詐欺者の故意が認められるために必要な故意2つ

    (1) 他人を騙して錯誤に陥らせる故意 (2) その錯誤に基づいて一定の意思表示をさせようという故意

  • 4

    詐欺取消し要件の因果関係の要素2つ

    欺罔行為による錯誤と錯誤による意思表示

  • 5

    第三者による詐欺とは?

    第三者(C)が、相手方(B)に対して意思表示をさせるために、表意者(A)に対して詐欺を働く場合

  • 6

    第三者による詐欺と沈黙による詐欺の取消しの要件として、主張・立証が必要な事実2つ

    相手方による詐欺の取り消しの際に主張・立証が必要な事実 相手方の悪意あるいは過失があった事実

  • 7

    96 条 2 項に該当する第三者にあたらないのは?

    詐欺者が、相手方から媒介の委託を受けた者、法人の代表者・従業員であるなど、相手方がその行為について責任を負うべき者である場合

  • 8

    詐欺の種類3つ

    相手方による詐欺 第三者による詐欺 沈黙による詐欺

  • 9

    沈黙による詐欺の取り消しに必要な要件の違法な欺罔行為の要素1つ

    情報提供義務

  • 10

    情報提供義務を基礎付ける理由2つ

    (1) 他者加害の禁止 (2) 専門家の責任

  • 11

    情報提供義務を基礎付ける理由の一つである専門家の責任の要素2つ

    実質的契約自由の回復と専門家に対する社会的信頼

  • 12

    実質的契約自由の回復とは?

    専門家と非専門家との間の取引では、情報格差が存在するため、非専門家の実質的な契約自由を回復するために、専門家に情報提供義務を課すこと

  • 13

    沈黙による詐欺を取り消す場合、詐欺の故意が認められるための2つの認識

    錯誤の認識と違法性の認識

  • 14

    96 条 3 項における第三者とは?

    詐欺の当事者およびその包括承継人以外の者で、詐欺による意思表示によって生じた法律関係について、取り消し前に新たに法律上の利害関係を有するに至った者

  • 15

    94 条 2 項とは違い96 条 3 項においては、無過失が要求されている理由

    詐欺の場合には、虚偽表示の場合に比して表意者の帰責性が小さいから

  • 16

    強迫とは?

    他人に害悪を示して畏怖を生じさせ、それによって意思表示をさせようとする行為

  • 17

    強迫による意思表示の取消しは、善意・無過失の第三者にも対抗することができるか?

    対抗できる

  • 18

    強迫による意思表示の取り消しを主張する際に主張・立証が必要な事実3つ

    1強迫者の故意 2違法な強迫行為 3因果関係

  • 19

    強迫者の故意に必要な二つの要素

    ①他人に畏怖を生じさせる故意 ②その畏怖に基づいて意思表示をさせようという故意

  • 20

    強迫取り消し要件である因果関係の要素2つ

    強迫行為による畏怖と畏怖による意思表示

  • 21

    法律行為の内容に関する有効要件4つ

    ① 内容の確定性 ② 内容の実現可能性 ③ 内容の適法性(強行規定違反) ④ 内容の社会的妥当性(公序良俗違反)

  • 22

    後発的不能とは?

    法律行為をした後に履行不能となる場合

  • 23

    原始的不能とは?

    法律行為をした時点で既に履行不能となっている場合

  • 24

    原始的不能の処理に対する考え方2つ

    法律行為無効説(旧法下の伝統的通説)と法律行為解釈説(現行法)

  • 25

    法律行為無効説(旧法下の伝統的通説)とは?

    後発的不能の場合には債務不履行の問題となるのに対し 、原始的不能の場合には法律行為が無効となるという考え方

  • 26

    法律行為解釈説(現行法)とは?

    412 条の 2 第 2 項は、契約債務の履行が契約成立時に不能であっても、415 条の規定に基づき履行不能による損害の賠償を請求することは妨げられない、とする考え方

  • 27

    強行規定とは?

    公の秩序に関する規定

  • 28

    強行規定に違反する法律行為はどうなるか?

    無効となる

  • 29

    どのような規定が強行規定と言えるか?4つ

    ① 私的自治・法律行為制度の前提となる規定(権利能力、意思表示の瑕疵に関する規定など) ② 基本的な社会秩序に関する規定(婚姻・親子・相続などに関する規定など) ③ 第三者の権利義務にかかわる規定(物権法の多くの規定、各種の第三者保護規定など) ④ 一定の取引当事者の保護を目的とする規定(利息制限法・借地借家法など)

  • 30

    取締規定とは?

    行政上の取締目的から、一定の取引行為を禁止または制限する規定

  • 31

    取締規定の種類2つ

    単なる取締規定と効力規定

  • 32

    取締規定の一つである単なる取締規定とは?

    違反する法律行為の私法上の効力に影響しない規定

  • 33

    取締規定の一つである効力規定とは?

    当該行為を私法上も無効とする規定

  • 34

    取締規定と効力規定の判別するための要因2つ

    無効要因と有効要因

  • 35

    具体的な無効要因2つ

    ①規定の趣旨 ②違反行為に対する社会の倫理的非難の程度

  • 36

    具体的な有効要因2つ

    1取引の安全 2当事者間の信義・公平

  • 37

    【設例 12】X は、Y に対してアラレ菓子を売り渡したが、当該アラレ菓子には、食品衛生法(現 6 条 2 号)によって禁止されている硼砂が混入していた。X は、このことを知っていたが、Y が取引の継続を 強く要請したため、取引を継続した。その後、Y が代金を支払わなかったため、X がその支払を請求し た この違反行為は有効とされるか?

    違反を知りながらあえて製造のうえ同業者に売り渡したという場合には、一般大衆の購買ルートに乗せたものと認められ、その結果公衆衛生を害することになるとして、 90 条違反により取引が無効になるとされた。

  • 38

    【設例 9-2】X は、食品衛生法所定の営業許可を受けていない Y との間で、33 万円相当の精肉を売る 旨の契約を締結した。 ① その後、Y が許可を受けていないことを知った X は、精肉の引渡しを拒絶した。 ② Y は、精肉の引渡しを受けたが、代金を支払わなかった。

    履行前=規定の趣旨/履行後=一律有効とする見解 (1) 履行前(①) 未だされていない履行を請求することは、取締規定の趣旨と衝突することがある。したがって、この 場合には、規定の趣旨によって履行請求が制限される場合があるとする。 (2) 履行後(②) 一定の行為を未然に防止するという取締規定の目的は、既に履行されてしまった場合に取引を無効と し原状回復を認めることによって、達成されない。他方で、この場合に無効を認めると、契約後の事情 変更によって不利益を受けた当事者に、契約を解消する口実を与えることになり、当事者間の信義・公 平や取引の安全に反する。 履行前=一律無効/履行後=総合判断とする見解 (1) 履行前(①) 法が、一方である行為を禁止しながら、他方でその行為の履行請求を認めることは、法秩序の内部に おける価値矛盾であり、回避されるべきである。このことは、規定の趣旨を問わず要請される。 (2) 履行後(②) この場合には、当事者間の不公平や取引の安全を考慮しなければならないが、取締規定の趣旨によっ ては、無効主張を認めるべき場合がある。契約を私法上も無効とすることによって、より効果的に取締 目的が達成されることは否定できない。

  • 39

    公序良俗違反の法律行為を無効とする 90 条の趣旨・解釈についての考え方4つ

    古典的公序良俗論 社会的妥当性説 契約正義/経済的公序論 基本権保護・支援義務論

  • 40

    古典的公序良俗論の要点2つ

    公序良俗違反による無効は、例外として限定的に理解された 「公序」とは国家の行政警察・司法に関する事柄であり、「良俗」とは性風俗に関する事柄である

  • 41

    社会的妥当性説の要点3つ

    公序良俗が私的自治・契約自由に対する例外的制限ではなく、法体系全体を支配する理念 「公序」は国家社会の秩序を主眼とし、「良俗」は道徳観念を指す 公序良俗の具体的内容を類型的に明らかにしようとしたこと

  • 42

    社会的妥当説に対する批判2つ

    (1) 裁判例の傾向変化 (2) 原理論の不在

  • 43

    契約正義/経済的公序論とは?

    公序良俗違反が、政治秩序や家族秩序を保護するだけでなく、①契約正義(契約における当事者の意思を離れた客観的な公正さ)を確保することや、②経済的秩序(取引における当事者の利益や競争秩序)を保護することに資するものであるとする考え方。「当事者の利益保護」とともに、「社会の秩序維持」を重視

  • 44

    基本権保護・支援義務論とは?

    上記の意味での私的自治を憲法上の基底的な自由として位置づけ、それを制約する理由づけについても、基本権という個人の自由・権利の保護ないし支援を持ち出す考え方。個人の自由・自律を重視

  • 45

    伝統的形式の暴利行為の成立要件2つは?

    ①他人の窮迫・軽率もしくは無経験を利用し(主観的要件)、②著しく過当な利益の獲得を目的とする(客観的要件)法律行為

  • 46

    現代的暴利行為の要件は?

    観的要素(契約締結過程の問題性)と客観的要素(契約内容の不当性)から相関的に判断される

  • 47

    【設例 3】B は、自らが所有する不便な土地甲(1000 万円相当)を処分しようと考え、C を代理人とし て、買主を見つけ売買契約を締結するよう委託した。そこで、C は、A に目をつけ、「近隣で開発計画 があり、近い将来の値上がりは間違いない」などと虚偽の説明をして、B が A に甲を 3000 万円で売る 旨の契約を締結した。後に C の詐欺に気付いた A は、 B に対して取消しの意思表示をした。 B は、 C に よる詐欺を知らなかった。 取り消しは認められるか?

    相手方の代理人が詐欺を行った場合には、相手方本人の善意・悪意にかかわらず、取消しが認められ る(判例 2)。これと同様に考えて、詐欺者が、相手方から媒介の委託を受けた者、法人の代表者・従業 員であるなど、相手方がその行為について責任を負うべき者である場合には、96 条 2 項に該当する第 三者ではないというべきである

  • 48

    【設例 4】X は、不動産業者 Y から、新築分譲マンション甲を購入した。その際、甲の価額が条件に比 して割安であったことから、X は、Y の担当者 A に理由を尋ねたが、A は、言葉を濁して明確な回答を しなかった。X の入居後、甲が法令による耐震基準を著しく下回る欠陥住宅であり、本来居住に堪えな い物件であること、Y もまた、X との契約締結当時にそのことを把握していたことが判明した。 設例 4 において、Y の側は、X に対して積極的な欺罔行為を行ったわけではない。しかしながら、Yが欠陥住宅であることを告げなかったために、X は欠陥住宅を購入する破目に陥っている。この場合に も、詐欺取消しが認められるか、認められるとすればいかなる要件によるのか。このように不作為しか 存在しない場合の詐欺取消しの可否が、「沈黙による詐欺」と呼ばれる問題である。

    取り消しの成立要件 ①詐欺者の故意 (1) 錯誤の認識 第一に、表意者が当該事実を知らないことを、相手方が認識していたことが必要とされる。 (2) 違法性の認識 第二に、当該事実を告げなければならないことを、相手方が認識していたことが必要とされる。 ②違法な欺罔行為 2-1 情報提供義務 沈黙が違法な欺罔行為に該当するというためには、「ある事実を告げなければならない」という作為 義務が、信義則上、相手方に課されなければならない。このような義務を、 「情報提供義務」という。 このような義務がある場合にのみ、沈黙も 96 条 1 項にいう「詐欺」にあたる。 2-2 情報提供義務を基礎づける理由 前講において述べたように、契約締結判断に必要な情報は、各人が自ら収集しなければならないこと が、民法の原則である。取引の当事者は、自分だけが知っている事実を、何もかも相手方に伝えなけれ ばならないということはない。むしろ、特別な理由が存在する場合にだけ、情報提供義務が課されるこ とになる。そこで、どのような理由があれば情報提供義務が基礎づけられるのか、が問題となる。近時 の学説には、次のような基礎づけの試みがある (1) 他者加害の禁止 第一に、ある情報を伝えなければ相手方の権利を害することになる場合に、情報提供が要請される。 例えば、設例 4 において X は、居住に適さず住宅として無価値なマンション甲を購入させられている。 このことは、X の財産権の侵害と見ることができる。また、万が一甲が倒壊するような事態となれば、 X の生命・身体が害される恐れがある。 (2) 専門家の責任 第二に、次のような理由から、特に専門家に情報提供義務を課すことができる。設例 4 の Y は、不動 産業者であり、不動産取引の専門家といえる。 ア)実質的契約自由の回復 専門家と非専門家との間の取引では、情報格差が存在するため、非専門家に不利な契約が締結される 可能性が高い。これは、非専門家の契約自由が、実質的には失われていることを意味する。したがって、 非専門家の実質的な契約自由を回復するために、専門家に情報提供義務を課すことが考えられる。 イ)専門家に対する社会的信頼 さらに、専門家は、自己に対する社会的信頼に応えるために、情報提供義務を課される可能性がある。 その理由として、①現代の複雑性の高い取引では、専門家への依存が不可欠であり、専門家に対する社会的信頼が守られなければ、円滑な取引は望めないこと、②専門家は、そうした社会的信頼の上に営業 活動を展開し利益を得ており、それに応じた責任を負うべきことが挙げられる。

  • 49

    【設例 5】A は、X が所有する時価 1 億円の甲土地を騙し取ろうと考え、言葉巧みに X を欺罔し、甲土 地を A に 2000 万円で売却する旨の契約を締結させ、所有権移転登記手続を行った。その後、A は、事 情を知らない Y に甲土地を 1 億円で転売した。 Xは取り消すことができるか?

    96 条 3 項によれば、詐欺による意思表示の取消しは、善意・無過失の第三者に対抗することができ ない。この規定は、94 条 2 項と同様に権利外観法理に基づくものであり、①他人に欺罔されて意思表 示をした者にも軽率な面があったこと、および、②詐欺の存在を知らずに取引関係に入った第三者を保 護する必要があることを根拠とする。

  • 50

    強迫とは?

    他人に害悪を示して畏怖を生じさせ、それによって意思表示をさせようとする行為

  • 51

    【設例 7】X は、A に対して金員を貸し付け、その担保として A 所有の甲土地に抵当権を設定した。し かしながら、後日 X が調べたところ、甲土地は実在しない土地であった。そこで、X は、A と取引上密 接な関係にある Y の面前で、A に対して、実在しない土地を担保として借り入れたことを詰問し、A を 告訴すると迫った。同席した Y は、自分にも危険が及び、また A との共同事業の関係で損害を被るこ とを憂慮し、 A の告訴を思いとどまらせるために、 X 宛の手形を振り出して交付した(大判昭和 11・ 11・21 民集 15‐2072)。 脅迫行為の違法性が認められるか?

    強迫行為についても、社会通念上許される限度を超えた違法なものであることが必要である。違法性 の有無は、目的と手段の正当性を相関的に衡量して判断される。設例 7 において、 X の A に対する貸金 返還請求は、正当な権利行使であり、詰問の態様がよほど不当なものでなければ、違法性は認められな い。もっとも、設例 7 のような事案では、強迫の故意の有無が先決問題となる。

  • 52

    【設例 9】X は、Y に対して、代金合計 33 万円に相当する精肉を売り渡した。ところが、Y は、内金 4 万円を支払ったのみで、残金 29 万円を支払わなかった。X が、残金の支払を請求したところ、Y は、Y 自身が食品衛生法(現 52 条)に基づく営業許可を受けていないため、本件契約は無効であると主張し た(最判昭和 35・3・18 民集 14‐4‐483)。 この違反行為は有効とされるか?

    有効 設例 9 の事案において、最高裁は、食品衛生法が単なる取締規定に過ぎないものとした。

  • 53

    【設例 10】Y は、X に対して、重要文化財の仏像甲を売り渡した。その際、Y は、国に対して、文化財 保護法所定の売渡しの申出(46 条)をしていなかった。X が甲の引渡しを求めたのに対して、Y は、本 件売買が文化財保護法違反により無効であると主張した(最判昭和 50・3・6 民集 29‐3‐220)。 この違反行為は有効とされるか?

    有効 設例 10 の事案においても、最高裁は、①文化財保護法が、所有者の自由な処分権限を前提として、 重要文化財の保存を目的とする国の先買権を規定したにとどまること、②著しく取引の安全を害し、譲 受人に不当な損害を及ぼすこと、③同法の適用を受けない無償譲受人との均衡を失することから、違反 行為を有効とした。

  • 54

    【設例 11】X は、Y との間で、Y が X に、債権の取立て、取立てのために Y が提起する訴訟につき弁 護士の選任、仮差押などの手続き、和解などによる解決を委任する旨の契約を締結した。債権の取立てが完了した途端に、 Y が契約を破棄したため、 X が不法行為に基づく損害賠償を請求した(最判昭和 38・ 6・13 民集 17‐5‐744)。 この違反行為は有効とされるか?

    無効 設例 11 の委任契約は、弁護士法 72 条違反の非弁活動にあたり、90 条違反により無効とされた。

  • 55

    【設例 13】X は、貴金属売買の取次等を業とする会社であり、旧商品取引所法 8 条において禁止され、 違反者は懲役・罰金刑に処されることになっていた私設先物取引市場において、顧客の売買注文を取り 次いでいた。A は、X に対して、プラチナおよびパラジウムの先物取引を委託していたが、その後死亡 し、取引は手仕舞いとなった。X は、A の相続人である Y らに対して、清算後に残る損金の支払を請求 した(名古屋地判昭和 60・4・26 判時 1163‐112)。 Xの請求は認められるか?

    前掲名古屋地判昭和 60 年も、設例 13 の事案において、「法は商取法に従った商品取引所以外の場所、 態様における先物取引を禁じ、違反行為に対しては罰則をもって臨んでいるのであるから、その違反行 為に裁判所が加担することはあり得ないし、ここで X の請求を認容することは、法が一方で禁じたもの を他方で与えることになり、矛盾たるを免れない」と述べ、X・A 間の合意について履行強制は許され ないとしている。

  • 56

    1 伝統的暴利行為 【設例 14】貸金業者 X は、農夫 Y に対して 500 円を貸し付けた。当時、Y は、A 保険会社との間で保 険金額 2000 円の生命保険契約を締結しており、解約返戻金は 980 円であったが、Y はこのことを知ら なかった。X は、担保として、この生命保険契約上の権利について質権の設定を受けた。その際、X・Y 間で、①Y が債務を弁済しない場合には、X が解約返戻金を受け取り、または名義を X に変更して契約 を継続する、②解約返戻金または保険金が貸付金に比して過不足を生じたとしても清算しない、との特 約(以下、「本件特約」とする。)がされた。 Y が期日までに弁済しなかったため、 X が本件特約に基づき A 社との間で保険契約解除の手続を進め ていたところ、Y が、A 社から保険証券の再交付を受け、これを担保として他に融資を受けたため、X は、解約返戻金を受け取ることができなくなった。そこで、X は、得られたはずの解約返戻金 980 円か ら弁済期後に支払を受けた 500 円を控除して、 480 円の損害賠償を Y に請求した。これに対して、 Y は、本件特約の無効を主張した(大判昭和 9・5・1 民集 13‐875[百選Ⅰ-14])。 金銭消費貸借に付随する担保契約における特約の効力は有効か?

    戦前から昭和 40 年代まで、暴利行為論に関する裁判例の大半を占めていたのは、金銭消費貸借にお ける過剰な違約金・損害賠償額の予定および過剰担保(とりわけ抵当権設定契約に付随する代物弁済予 約)の問題であった。このことは、契約の周辺部分が暴利行為論の適用領域とされていたこと、また、 暴利行為論が取引内容を部分的に修正する機能を有していたことを意味する。前掲大判昭和 9 年も、金銭消費貸借に付随する担保契約における特約の効力を否定したものであり、伝統的な暴利行為論の典型的な適用事例である。

  • 57

    【設例 15】X 社の社員 A らは、夜間に突然サラリーマン Y 宅を訪問し、近くの駅に新幹線が通る予定 であり 5~6 年後には 6, 7 倍に値上がりするなどと述べ、深夜に及ぶまで執拗に勧誘して、その夜のう ちに、時価 1 万円程度の北海道の原野を 100 万円で Y に購入させた。Y が代金の支払を拒絶したため、 X がその支払を求めて提訴した(名古屋地判昭和 57・9・1 判時 1067‐85)。 【設例 16】認知症を発症していた 70 歳の Y は、所有不動産が競売に付されるかもしれない切迫した状 況において、これら事情を認識していた金融業者 A との間で、 Y が A に合計価値 1 億 3000 万円以上の 不動産甲を 6000 万円で売る旨の契約を締結した。甲には、Y の生活の本拠および収入源となる不動産 も含まれていた。さらに、A は、Y に代金を完済することなく、甲を X に転売し、約 6000 万円の利益 を得た。 X が Y に対し、所有権に基づき甲に含まれる不動産の明渡し等を請求したのに対し、 Y は、 Y・A 間の売買契約の有無および効力を争った(東京高判平成 30・3・15 判時 2398‐46)。 設例15・16の契約は有効か?

    いずれも暴利行為を理由に契約そのものが無効 昭和 50 年代以降、下級審裁判例を中心に、暴利行為論の新たな適用場面として、不当勧誘を伴った 消費者取引・投資取引などが浮上してきた。そこでは、主として、被害当事者を不当な契約そのものか ら解放することが問題となっている。設例 15・16 の裁判例は、いずれも、暴利行為を理由に契約その ものを無効としたものである。