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第７回

Aiko Kobayashi

問題数 28 • 6/10/2025

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問題一覧

法源の種類２つ

形式的法源、実質的法源

形式的法源とは？

一定の手続・形式を経て、法としての効力が認められる法の存在形態

実質的法源とは？

法としての形式的効力を持たなくても、実際に法の内容や制定・解釈に影響を与える要素

国際法の法形式三つ

①条約 ②慣習国際法 ③法の一般原則：法の欠缺（non liquet）の補充例：信義則、権利濫用の禁止

紛争を裁判するに当たって、判例学説の位置付けは？

法則決定の補助手段として適用

ICJが確立した判例から逸脱するのはどのような場合か？

そうすべき非常に特別な理由があると考える場合

ICJはその他の国際裁判所や委員会が発表する規約の解釈や判例に拘束されるか？

拘束される義務は負わないが、同条約の適用を監督するべく特別に設立された独立機関が採用する解釈には大きな重みを与えるべき（尊重するべき）

国際法上法的効力を持つその他の行為２つ

国の単独行為、国際機構の決議の一部

ソフトローとは？

法的拘束力を持たないが、国際社会において一定の規範的影響力を持つルールや合意

条約自由の原則とは？

国家が自らの意思に基づいて、他国と国際条約を締結するかどうか、またその内容を自由に決定できる

条約は、当事国を拘束するか？

拘束する

条約違反の国内法による正当化は可能か？

不可

条約は第三者も拘束するか？

第三者は拘束されない

条約と強行規範ではどちらが優越するか？

強行規範

慣習国際法が拘束するのは？

原則；全ての国

一貫した反対国の法理とは？

国際慣習法が形成される過程において、ある国が一貫してその慣習に反対し続けた場合、その国には当該慣習法が適用されないとされる法理

ノルウェー漁業事件（英対ノルウェー事件、1951年、ICJ）「判国4」とは？

ノルウェー漁業事件（Fisheries Case: United Kingdom v. Norway）において、ノルウェーの直線基線方式に対して、英国が異議を唱えた国際紛争「慣習国際法の成立と一貫した反対国の法理」に関係して特に注目争点：ノルウェーが採用していた「直線基線方式（領海の外縁を描く方法）」が、国際慣習法に反しているとして、英国が提訴。英国の主張：ノルウェーの方式は国際慣習法に反しており違法。ノルウェーの主張：独自の沿岸地形・漁業慣行に基づく正当な措置。「慣習国際法は、一般的かつ一様な国家実行（general and consistent practice）に基づいて形成されるが、すべての国がその慣習を承認していなければならないわけではない。もし、ある国が当初から一貫して反対し続けていたのであれば、その国には慣習国際法としての拘束力が及ばない可能性がある。」

CASE インド領通行権事件（ポルトガル対インド、ICJ、1960年）判国4　どのような事件か？

背景：1961年まで、ポルトガルはゴア、ダマン、ディウなどのインド国内にある小さな植民地（飛び地）を保持していました。そのうち、ダマン（本土）とアンジェディバ島の間にあるインドの領土をポルトガルが通過しなければならず、これは長年慣行として行われていました。ポルトガルはこの**通行権（right of passage）**を自国の権利だと主張していました。事件の発端： 1947年、インドが独立し、1954年以降、インド政府がポルトガル当局者や軍隊の通行を拒否するようになったことで対立が深まります。ポルトガルは、領土主権はインドにあるとしても、自国には通行権があると主張し、1957年に国際司法裁判所（ICJ）に提訴しました。 🔹【争点】インドの主権領土において、ポルトガルに通行権があるのか？ 🔹【1960年の判決の内容】民間通行に関してはポルトガルに通行権があると認定。歴史的慣行により、民間目的の通行は認められる。しかし、軍隊・武装した警官の通行については通行権がないと判断←2国間のみの地域的慣習は慣習国際法として認められるか？→認められるとした。

特別法と一般法、どちらが優先されるか？

特別法

慣習国際法の成立要件２つ

①国の一般慣行：国家が一定の行為（慣行）を繰り返し継続的に行っていること ②法的信念：国家がその行為を「法的義務」または「権利としての正当な行為」と認識していること。

核兵器使用の合法性事件核兵器の使用が違法だと主張する国は〔…〕1945年以来の諸国による核兵器の不使用という一貫した慣行が存在するとしているが、こうした慣行は存在しているのか？

存在していない過去50年に亘る核兵器不使用が法的信念の表明であるかにつき、国際共同体の分断は深いため ← 国際礼譲や政治的・便宜的慣行との区別

慣行とは？

国（の機関）の作為・不作為例：物理的行為、立法・判決、発言・投票

北海大陸棚事件とはどのような事件か？意義は？

事件の概要争点：北海に面する西ドイツ・デンマーク・オランダの3国間で、大陸棚の境界線（領有範囲）をどう定めるかデンマーク・オランダの主張：等距離原則（中間線方式）により境界を画定すべき西ドイツの主張：等距離原則では不公平になるので、より衡平な方法で画定すべき等距離原則は国際慣習法か？ →等距離原則は慣習国際法ではない → 等距離原則は1958年大陸棚条約で規定されているが、それに西ドイツは加盟していないため、条約で拘束されない。国際慣習法となるためには、特別利害関係国を含む諸国の実行が、広範に、かつ当該規定の内容に従って実質的に統一的に、それが法規則または法的義務であるとの一般的承認を確立するような態様でなされていることが不可欠

一般慣行の一般に含まれるべき要素２つ

一般性：特別利害関係国を含む国の広範な国の参加一貫性：慣行が実質的に（≠完全に）統一的であること

慣習国際法となるためには、長い間そうした慣行があったこと（長期の伝統）が不可欠か？

不可欠ではない

ある国が法的信念を持っていると考えられる証拠は？

一部の〔国連〕総会決議〔…〕に対する両当事国および諸国の態度

近年、各国は法的信念の可視化を試みているが、その手段と問題は？

手段：国際会議、SNS、各国実行の整理・公表問題：発言力・情報発信能力の格差の問題

ある国が、一度でも慣行を逸脱した場合、それが原因で慣習国際法の成立は妨げられるか？

妨げられない、また新しい慣習国際法が成立することはない