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第 6 講 法律行為の効力否定原因Ⅱ

第 6 講 法律行為の効力否定原因Ⅱ
53問 • 2年前
  • Aiko Kobayashi
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    問題一覧

  • 1

    心裡留保とは?

    表意者が、真意ではないこと(表示行為に対応する効果意思がないこと)を知りながら意思表示をした場合のこと

  • 2

    非真意表示とは?

    真意を相手方が気づいてくれることを期待して、意思表示を行う場合

  • 3

    狭義の心裡留保とは?

    真意を秘匿し、相手方を誤信させる意図をもって意思表示を行う場合

  • 4

    心裡留保の効果の原則

    意思表示の効力を妨げられない(93 条 1 項本文)

  • 5

    心裡留保の効力が原則として妨げられない理由2つ

    ①相手方の信頼保護の必要性 ②意図的に真意でない意思表示をした表意者の重大な帰責性

  • 6

    心裡留保の効果の例外

    相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り(悪意)、または知ることができたときは (有過失)、意思表示が無効となる(93 条 1 項ただし書)。

  • 7

    表意者が心裡留保を理由に意思表示(法律行為)の無効を主張するために、主張・立証する必要がある事実3つ

    ① 表意者が表示行為に対応する効果意思を有していなかったこと ② 表意者が①の事情を知っていたこと ③ 相手方が①の事情を知っていたこと、または、その事情を知らなかったことについて相手方に過失があったことを根拠づける事実

  • 8

    心裡留保と善意の第三者との関係

    93 条 1 項ただし書による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない(93 条 2 項)。

  • 9

    虚偽表示とは?

    相手方と通じてなす真意でない意思表示

  • 10

    虚偽表示と第3者

    虚偽表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない

  • 11

    権利外観法理とは?

    「真実と異なる外観を作り出した者は、その外観を信頼して行為した者に対して、外観に基づく責任を負わなければならない」という法理

  • 12

    権利外観法理の構成原理2つ

    権利者の帰責性と第三者の信頼保護

  • 13

    94条2項「虚偽表示の無効は善意の第3者に対抗することができない」の第三者とは?

    虚偽表示の当事者およびその包括承継人(相続人など)以外の者で、外形上の行為に対して新たに法律上の利害関係を有するに至った者

  • 14

    債権者の種類2つ

    一般債権者と差押債権者

  • 15

    【設例 6】A は、所有する甲土地の差押えを免れるために、B との間で仮装の売買契約を締結し、所有 権移転登記手続をした。その後、B は、A に無断で、甲土地上に建物乙を建築し、C に対して賃料月額 10 万円で賃貸した。 (1)第三者非該当説 (2)第三者該当説 それぞれから見るとどうなるか?

    (1) 第三者非該当説(判例 6) 土地と建物は別物であることから、建物賃借人は、敷地について法律上の利害関係を有しないとする。 (2) 第三者該当説 7 建物の利用は敷地の利用を前提とし、建物所有者 B の土地利用権がなくなると、建物賃借人 C の建 物利用は法律上覆るのだから、C の利害関係は法律上のものであるとする。

  • 16

    虚偽表示の第三者の無過失の要否に対する見解2つ

    無過失必要説と無過失不要説がある

  • 17

    【設例 7】A は、所有する甲土地を X に対して 3000 万円で売却した。しかしながら、所有権移転登記 手続をしない間に、Y が甲土地を 5000 万円で買い取りたいと申し出てきたので、A は、Y との間で甲 土地の売買契約を締結し、所有権移転登記手続をした。後日、X は、Y に対し、甲土地は自分が先に A から買ったものであるとして、所有権に基づき抹消登記手続を請求した。

    177 条によれば、対抗要件である登記を備えなければ、他方に対し自己の所有権を主張すること ができない。設例 7 において Y は、「登記を備えない限り、甲に対する X の所有権を認めない」と主張 して、X の請求を拒絶することができる。

  • 18

    虚偽表示における善意の第三者の登記の要否

    善意の第三者は真正権利者に対して自己の権利を主張するのに対抗要件としての登記を要しない

  • 19

    【設例 8】A は、差押えを免れるため、B との間で甲土地の仮装の売買契約を締結し、所有権移転登記 を経由するとともに、甲土地を B に引き渡した。その後、B は、甲土地を C に売却し、C はさらに D に売却した。A が D に対して甲土地の明渡しを求めた。 ① A・B 間の売買が虚偽表示に基づくことを、C は、知っていたが、D は知らなかった。 ② A・B 間の売買が虚偽表示に基づくことを、C は、知らなかったが、D は知っていた。

    1 転得者の第三者性(①) 94 条 2 項にいう「第三者」の中には、直接の第三者からの転得者も含まれる 13。したがって、直接の第三者が悪意の場合であっても、転得者が善意であれば、94 条 2 項により保護される。 2 相対的構成と絶対的構成(②) 設例 8 ②の場合には、第三者ごとに善意・悪意を考慮するのか、それともいったん善意の第三者が介 在したならば、そこで権利関係が確定するのか、が問題となる。 2-1 相対的構成 94 条 2 項により保護されるか否かを第三者ごとに相対的に判断する考え方を、「相対的構成」という。 現に虚偽の外形を信頼していなかった D を保護する必要はない、とする見解である。 2-2 絶対的構成(判例 14) いったん善意の第三者が介在した以上、それ以後に悪意の第三者が現れたとしても、真正権利者は自 己の権利を主張することができないとする考え方を、 「絶対的構成」という。

  • 20

    相対的構成とは?

    94 条 2 項により保護されるか否かを第三者ごとに相対的に判断する考え方

  • 21

    絶対的構成とは?

    いったん善意の第三者が介在した以上、それ以後に悪意の第三者が現れたとしても、真正権利者は自 己の権利を主張することができないとする考え方

  • 22

    絶対的構成の根拠2つ

    善意の第三者の保護と善意の第三者の財産処分自由を制約する可能性

  • 23

    【設例 9】X は、A が当時所有していた甲土地を買い受けたが、将来の相続税対策として、子 B の名義 で所有権移転登記を経由した。その後、金に困った B は、自己に所有名義があることを奇貨として、X に無断で、甲土地を Y に売却し、登記も移転してしまった。そこで、X が Y に対して、所有権に基づき 抹消登記手続を請求した

    真正権利者 X と外形的権利者 B との間に、外形上の法律行為(虚偽表示)が存 在せず、94 条を適用する基礎を欠くため、Y は、たとえ善意であっても、94 条 2 項の直接適用によって保護されない。しかしながら、判例は、不実の登記を信頼して取引に入った第三者を保護するために、 94 条 2 項類推適用の法理を形成している

  • 24

    表示錯誤とは?

    意思表示に対応する意思を欠く錯誤

  • 25

    表示錯誤の種類2つ

    表示上の錯誤と内容の錯誤

  • 26

    表示条の錯誤とは?

    表意者が使用するつもりのない表示手段を使用したことにより、効果意思と表示行為とが一致しなかった場合

  • 27

    内容の錯誤とは?

    意者が意図した表示手段を用いているものの、その表示の意味内容を誤解したことにより、効果意思と表示行為とが一致しなかった場合

  • 28

    表示錯誤における取消しの正当化根拠2つ

    (1) 取消しが認められない場合に表意者が引き受けるリスク (2) リスク転嫁の正当性

  • 29

    表示錯誤における取消しの要件2つ

    ①それが「錯誤に基づくものであって」 ②その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものである」こと

  • 30

    【設例 12】A は、B が運営するオンラインショップにおいて、書籍甲を注文した。その際、A は、B 自 身が甲を販売しているものと誤解していたが、実際の販売者は C 書店であった。 【設例 13】C は、所有する甲土地を売ってくれるよう D 社から打診され、D との間で甲を 1 億円で売る旨の契約を締結した。ところが、契約締結に際して、 C は、D 社を、よく似た名前の D`社であると誤 解していた。 D 社は、契約締結当時、既に債務超過の状態に陥っており、代金を支払う能力がなかった。 【設例 14】E は、F との間で、E が F に甲土地を 5000 万円で売却する旨の契約を締結した。その際、 E は、甲土地を隣の乙土地と取り違え、乙土地を売るつもりで、誤って甲土地を売ってしまった。 設例12、13、14では95 条 1 項柱書の重要性はどうなるか?

    設例12の売主の同一性は重要性を有しない。 設例13の買主の同一性は重要性を有する。 設例14の目的物の同一性は重要性を有する。

  • 31

    動機錯誤とは?

    表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤

  • 32

    動機錯誤の種類2つ

    性質錯誤と理由の錯誤

  • 33

    性質錯誤とは?

    意思表示の対象である人や物の性質に関する錯誤

  • 34

    理由の錯誤とは?

    意思表示を行う理由や前提に関する錯誤

  • 35

    動機錯誤における取消しの不当化根拠2つ

    (1) 取消しが認められない場合に表意者が引き受けるリスクが情報収集失敗のリスクに過ぎないこと (2) 情報収集に関する自己責任原則

  • 36

    動機錯誤における取消し要件

    95 条 1 項の要件に加えて、「その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる」

  • 37

    動機錯誤に基づく錯誤無効の要件に関する2つの理解

    信頼主義的理解と合意主義的理解

  • 38

    信頼主義的理解とは?

    ある事情が法律行為の基礎とされていることが、表意者から相手方に表示されてさえいれば、取消しが認められるとする考え方

  • 39

    合意主義的理解(判例)とは?

    ある事情が法律行為の基礎とされていることが単に表示されただけでは、錯誤取消しを認めるに十分 ではなく、当該事情を基礎とすることが法律行為の内容になっていることが必要であるとする考え方

  • 40

    表示錯誤の場合の錯誤取消しのために主張・立証しなければならない事実4つ

    ① 意思表示に対応する意思を欠く錯誤があること(95 条 1 項 1 号) ② 意思表示が①の錯誤に基づくものであること(95 条 1 項柱書) ③ ①の錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであること(95 条 1 項柱書) ④ 取消しの意思表示(120 条 2 項、123 条)

  • 41

    動機錯誤の場合の錯誤取消しのために主張・立証が必要な事実5つ

    ① 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤があること(95 条 1 項 2 号) ② 意思表示が①の錯誤に基づくものであること(95 条 1 項柱書) ③ その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたこと(95 条 2 項) ④ ①の錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであること(95 条 1 項柱書) ⑤ 取消しの意思表示(120 条 2 項、123 条)

  • 42

    錯誤取消しの阻却要件

    錯誤が表意者の重過失によるものであること

  • 43

    錯誤取消しの再阻却をするために主張・立証が必要な事項3つ

    (1) 重過失の評価障害事実 (2) 相手方の悪意または重過失 (3) 相手方の共通錯誤

  • 44

    電子消費者契約法において、消費者に重過失がある場合にも錯誤取消しが認められるための要件

    消費者が行う電子消費者契約の申込みまたは承諾の意思表示であること 表示錯誤であり、電子計算機を用いた送信時に、申込み・承諾の意思表示を行う意思が存在しなかった場合、または、異なる内容の意思表示を行う意思があった場合であること

  • 45

    電子消費者契約法における95 条 3 項適用除外の阻却要件

    事業者が、当該申込みまたは承諾の意思表示に際して、電磁的方法によりその映像面を介して、消費 者のその意思表示を行う意思の有無について確認を求める措置を講じた場合、または、消費者から事業 者に対して当該措置を講ずる必要がない旨の意思の表明があった場合

  • 46

    【設例 20】A は、B との間で、A が B に甲土地を 5000 万円で売却する旨の契約を締結した。その際、 A は、甲土地を隣の乙土地と取り違え、乙土地を売るつもりで誤って甲土地を売ってしまった。B は、 甲土地をさらに C に転売した。 B との契約に際して、 C は、 A が錯誤に陥っていることを知らず、また、知らなかったことにつき過失がなかった。その後、A は、B との契約を取り消し、C に対して甲の所有権の確認を請求した。

    錯誤取消しは、善意・無過失の第三者に対抗することができない(95 条 4 項)。設例 20 において、A は、B との契約を取り消したとしても、C に対して甲の所有権を主張することができない。

  • 47

    【設例 4】A は、事業がうまくいかず多額の債務を抱えていた。所有する甲土地を差し押さえられるこ とを危惧した A は、友人 B と相談し、甲土地の登記名義を B に移すことにした。そこで、A が B に対 して甲土地を 3000 万円で売る旨の仮装の契約を締結し、それに基づいて所有権移転登記手続を行った。 後日、債務を返済した A は、B に対して、所有権移転登記を抹消するように求めた。 【設例 4-2】設例 4 において、A から登記の移転を受けた B は、事情を知らない C に甲土地を売却し てしまった。 【設例 5】B は、銀行から融資を受けようと考えていたが、担保となる財産がなかったため、A に対し て、A が所有する甲土地の登記名義を一時的に貸してくれるよう頼み込んだ。A はこの話に応じ、A か ら B に甲土地を 5000 万円で売る旨の仮装契約を締結し、所有権移転登記を経由した。これをもとに、 B は、C 銀行から 3000 万円を借り入れ、甲土地上に当該債権を被担保債権とする抵当権を設定した Cは94条2項の第三者に当たるか?

    仮装譲受人から目的物を譲り受けた者(設例 4-2 の C)や、目的不動産上に抵当権の設定を受けた 者(設例 5 の C)が、典型的な「第三者」である。

  • 48

    【設例 5】B は、銀行から融資を受けようと考えていたが、担保となる財産がなかったため、A に対し て、A が所有する甲土地の登記名義を一時的に貸してくれるよう頼み込んだ。A はこの話に応じ、A か ら B に甲土地を 5000 万円で売る旨の仮装契約を締結し、所有権移転登記を経由した。これをもとに、 B は、C 銀行から 3000 万円を借り入れ、甲土地上に当該債権を被担保債権とする抵当権を設定した。 【設例 5-2】設例 5 において、金融業者 D は、B が甲土地を所有しているものと誤信して、B に対し て 300 万円を貸し付けたが、甲土地に抵当権の設定を受けることはなかった。 Dは94条2項の第三者に当たるか?

    債権者は、担保物権の設定を受けていない場合にも、債務者の一般財産 4を引き当てにすることができる。設例 5-2 において、D は、B が債務を弁済しない場合でも、甲土地からの債権回収を期待する ことができる。とはいえ、A・B 間の仮装売買が無効とされたところで、D は、債権回収が困難になる かもしれないが、債権自体を失うわけではない。したがって、D は、事実上の利害関係を有するに過ぎ ず、94 条 2 項にいう「第三者」にあたらない。

  • 49

    【設例 5】B は、銀行から融資を受けようと考えていたが、担保となる財産がなかったため、A に対し て、A が所有する甲土地の登記名義を一時的に貸してくれるよう頼み込んだ。A はこの話に応じ、A か ら B に甲土地を 5000 万円で売る旨の仮装契約を締結し、所有権移転登記を経由した。これをもとに、 B は、C 銀行から 3000 万円を借り入れ、甲土地上に当該債権を被担保債権とする抵当権を設定した。 【設例 5-3】設例 5-2 において、B が債務不履行に陥ったため、D は甲土地を差し押さえた。 Dは94条2項の第三者に該当するか?

    利害関係の程度が高くなれば、債権者も「第三者」にあたる。虚偽表示の目的物を差 し押さえた債権者が、その代表例

  • 50

    【設例 4】A は、事業がうまくいかず多額の債務を抱えていた。所有する甲土地を差し押さえられるこ とを危惧した A は、友人 B と相談し、甲土地の登記名義を B に移すことにした。そこで、A が B に対 して甲土地を 3000 万円で売る旨の仮装の契約を締結し、それに基づいて所有権移転登記手続を行った。 後日、債務を返済した A は、B に対して、所有権移転登記を抹消するように求めた。 【設例 4-3】設例 4-2 において、甲土地の登記名義は、依然として B にある。 善意の第三者Cは対抗要件としての登記を要するか?

    設例 4-3 のような場合に、善意の第三者 C は、真正権利者 A に対して自己の権利を主張するのに、 対抗要件としての登記を要しない 。C が 94 条 2 項によって保護される場合、不動産所有権がどのよ うに移転するかについては、A から C に直接移転するという見解(判例 12)と、A・B 間の譲渡が有効 だったとみなされる結果、A→B→C と順次移転するとの見解とがある。いずれの見解によっても、Aは、C の前主または前々主として、177 条が想定する対抗関係に立たない。

  • 51

    信義主義的理解の問題点

    表意者の動機が相手方に表示されてさえいれば、錯誤取消しが可能になるとすると、表意者が当該動機を法律行為の前提としていることを相手方が了承していない場合――あるいは、了承しているものと 評価すべきでない場合――にも、取消しが可能となってしまう。

  • 52

    【設例 18】クレジット会社 X は、A との間で、A が B から購入する機械甲の代金 300 万円を B に対し て立替払し、立替金および手数料の合計 378 万円余を A が X に分割払いする契約(本件立替払契約) を締結した。その際、 A の従業員であった Y が、 A の代表者の依頼により、 A の連帯保証人となった(本件保証契約)。ところが、本件立替払契約は、A が営業資金を捻出するために B と図って計画した空クレジットであり、甲の売買契約は、実際には存在しなかった。本件保証契約の締結に際して、Y は、こ のことを知らなかった。A が分割金の支払を怠り、期限の利益を喪失したため、X が Y に対して、保証 債務の履行を請求した。これに対して、Y は、本件保証契約の錯誤無効を主張した(最判平成 14・7・ 11 判時 1805‐56)。 錯誤無効は認められるか?

    最高裁は、以下のように判示して、錯誤無効を認めた。 「保証契約は、特定の主債務を保証する契約であるから、主債務がいかなるものであるかは、保証契 約の重要な内容である。そして、主債務が、商品を購入する者がその代金の立替払を依頼しその立替金 を分割して支払う立替払契約上の債務である場合には、商品の売買契約の成立が立替払契約の前提とな るから、商品売買契約の成否は、原則として、保証契約の重要な内容であると解するのが相当である。 (中略)本件立替払契約のようなクレジット契約が、その経済的な実質は金融上の便宜を供与するに あるということは、原判決の指摘するとおりである。しかし、主たる債務が実体のある正規のクレジッ ト契約によるものである場合と、空クレジットを利用することによって不正常な形で金融の便益を得る ものである場合とで、主債務者の信用に実際上差があることは否定できず、保証人にとって、主債務が どちらの態様のものであるかにより、その負うべきリスクが異なってくるはずであり、看過し得ない重 要な相違があるといわざるをえない。まして、前記のように、1通の本件契約書上に本件立替払契約と 本件保証契約が併せ記載されている本件においては、連帯保証人である Y は、主債務者である A が本 件機械を買い受けて X に対し分割金を支払う態様の正規の立替払契約であることを当然の前提とし、こ れを本件保証契約の内容として意思表示をしたものであることは、一層明確であるといわなければなら ない。」

  • 53

    【設例 19】X 銀行は、A 社から運転資金の融資の申込みを受け、審査の結果、これを適当と認め、Y 信 用保証協会に対して信用保証を依頼した。A と Y は、保証委託契約を締結した。X は、A との間で金銭 消費貸借契約を締結して貸付けを行い(本件貸付け)、Y は、X との間で、本件貸付けに基づく A の債 務を連帯して保証する旨の契約を締結した(本件保証契約)。本件保証契約においては、契約締結後に 主債務者が反社会的勢力であることが判明した場合の取扱いについての定めは置かれていなかった。そ の後、 A が暴力団関連企業であることが判明した。さらに、 A が期限の利益を喪失したことから、 X は、Y に対して、保証債務の履行を請求した。これに対して、 Y は、本件保証契約の錯誤無効を主張した(最判平成 28・1・12 民集 70‐1‐1[百選Ⅰ-22] )。 錯誤無効は認められるか?

    前掲最判平成 28 年は、以下のように述べて錯誤無効を否定している。 「(1) 信用保証協会において主債務者が反社会的勢力でないことを前提として保証契約を締結し、金 融機関において融資を実行したが、その後、主債務者が反社会的勢力であることが判明した場合には、 信用保証協会の意思表示に動機の錯誤があるということができる。意思表示における動機の錯誤が法律 行為の要素に錯誤があるものとしてその無効を来すためには、その動機が相手方に表示されて法律行為 の内容となり、もし錯誤がなかったならば表意者がその意思表示をしなかったであろうと認められる場 合であることを要する。そして、動機は、たとえそれが表示されても、当事者の意思解釈上、それが法 律行為の内容とされたものと認められない限り、表意者の意思表示に要素の錯誤はないと解するのが相 当である。 (2) 本件についてこれをみると、前記事実関係によれば、X 及び Y は、本件各保証契約の締結当時、 本件指針等により、反社会的勢力との関係を遮断すべき社会的責任を負っており、本件各保証契約の締 結前に A 社が反社会的勢力であることが判明していた場合には、これらが締結されることはなかったと 考えられる。しかし、保証契約は、主債務者がその債務を履行しない場合に保証人が保証債務を履行す ることを内容とするものであり、主債務者が誰であるかは同契約の内容である保証債務の一要素となる ものであるが、主債務者が反社会的勢力でないことはその主債務者に関する事情の一つであって、これ が当然に同契約の内容となっているということはできない。そして、X は融資を、Y は信用保証を行う ことをそれぞれ業とする法人であるから、主債務者が反社会的勢力であることが事後的に判明する場合 が生じ得ることを想定でき、その場合に Y が保証債務を履行しないこととするのであれば、その旨をあ らかじめ定めるなどの対応を採ることも可能であった。それにもかかわらず、本件基本契約及び本件各 保証契約等にその場合の取扱いについての定めが置かれていないことからすると、主債務者が反社会勢力でないということについては、この点に誤認があったことが事後的に判明した場合に本件各保証契 約の効力を否定することまでを X 及び Y の双方が前提としていたとはいえない。また、保証契約が締 結され融資が実行された後に初めて主債務者が反社会的勢力であることが判明した場合には、既に上記 主債務者が融資金を取得している以上、上記社会的責任の見地から、債権者と保証人において、できる 限り上記融資金相当額の回収に努めて反社会的勢力との関係の解消を図るべきであるとはいえても、両 者間の保証契約について、主債務者が反社会的勢力でないということがその契約の前提又は内容になっ ているとして当然にその効力が否定されるべきものともいえない。 そうすると、 A 社が反社会的勢力でないことという Y の動機は、それが明示又は黙示に表示されてい たとしても、当事者の意思解釈上、これが本件各保証契約の内容となっていたとは認められず、Y の本 件各保証契約の意思表示に要素の錯誤はないというべきである。」

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    11・12 国際関係論入門

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    第 4 講 法律行為の解釈・無効と取消し

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    Aiko Kobayashi

    第 5 講 法律行為の効力否定原因Ⅰ

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    Aiko Kobayashi · 58問 · 2年前

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    第 7 講 法律行為の効力否定原因Ⅲ

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    Aiko Kobayashi · 57問 · 2年前

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    第 8 講 法律行為の効力否定原因Ⅳ

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    Aiko Kobayashi · 36問 · 2年前

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    第 9 講 条件と期限・代理Ⅰ(代理総論・有権代理)

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    第 15講 時効Ⅱ

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    第 16講 物権法序論・物権変動総論

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    第 18講 不動産物権変動Ⅱ(177条総論・94 条 2項類推適用)

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    第 19講 不動産物権変動Ⅲ(177条各論)

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    第 20講 動産物権変動

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    第 21講 所有権Ⅰ(総論・添付)

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    第 3 講 議院内閣制

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    第 4 講 象徴天皇制

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    第5講 国民代表・政党・選挙

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    第 6 講 国会の地位と構造

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    第 7 講 内閣の地位と構造

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    第8講 立法作用

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    第9講 行政作用 第 10 講 戦争の放棄

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    第 12 講 司法権の限界

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    第 13 講 憲法判断の方法と効果

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    第 22講 所有権Ⅱ(共有)

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    第 23講 物権的請求権・占有(権)Ⅰ

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    第 24講 占有(権)Ⅱ

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    第一回「憲法上の権利」の観念

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    刑法1

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    英単語4

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    第1回

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    英単語5

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    第2回 司法審査制と「憲法訴訟」の基礎

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    第3回 思想・良心の自由

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    第2回

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    第2回

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    第2回

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    第2回

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    第3回

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    第4回〜7回

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    第4回 第5回 因果関係

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    英単語6

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    教科書の内容

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    英単語 7

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    英単語 7

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    英単語 8

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    英単語 8

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    英単語 10

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    英単語 11

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    英単語12

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    英単語13

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    英単語 14

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    英単語15

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    英単語 16

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    英単語17

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    英単語18

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    英単語19

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    英単語20

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    第3回

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    第七回 故意(構成要件的故意)

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    第八回、第九回 事実の錯誤

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    第十回 過失

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    第十回 過失

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    第十一回 違法性の本質・正当行為・被害者の承諾(同意)

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    第十三回、第十四回 正当防衛

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    第十五回 緊急避難

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    第十六回 責任の意義・責任能力、原因において自由な行為

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    第十七回 正当化事情の錯誤(責任故意)、違法性の意識

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    第3回 同時履行の抗弁・不安の抗弁

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    第十八回、第十九回 未遂犯の基礎・実行の着手、不能犯

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    第4回

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    第4回

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    31問 • 1年前
    Aiko Kobayashi

    問題一覧

  • 1

    心裡留保とは?

    表意者が、真意ではないこと(表示行為に対応する効果意思がないこと)を知りながら意思表示をした場合のこと

  • 2

    非真意表示とは?

    真意を相手方が気づいてくれることを期待して、意思表示を行う場合

  • 3

    狭義の心裡留保とは?

    真意を秘匿し、相手方を誤信させる意図をもって意思表示を行う場合

  • 4

    心裡留保の効果の原則

    意思表示の効力を妨げられない(93 条 1 項本文)

  • 5

    心裡留保の効力が原則として妨げられない理由2つ

    ①相手方の信頼保護の必要性 ②意図的に真意でない意思表示をした表意者の重大な帰責性

  • 6

    心裡留保の効果の例外

    相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り(悪意)、または知ることができたときは (有過失)、意思表示が無効となる(93 条 1 項ただし書)。

  • 7

    表意者が心裡留保を理由に意思表示(法律行為)の無効を主張するために、主張・立証する必要がある事実3つ

    ① 表意者が表示行為に対応する効果意思を有していなかったこと ② 表意者が①の事情を知っていたこと ③ 相手方が①の事情を知っていたこと、または、その事情を知らなかったことについて相手方に過失があったことを根拠づける事実

  • 8

    心裡留保と善意の第三者との関係

    93 条 1 項ただし書による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない(93 条 2 項)。

  • 9

    虚偽表示とは?

    相手方と通じてなす真意でない意思表示

  • 10

    虚偽表示と第3者

    虚偽表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない

  • 11

    権利外観法理とは?

    「真実と異なる外観を作り出した者は、その外観を信頼して行為した者に対して、外観に基づく責任を負わなければならない」という法理

  • 12

    権利外観法理の構成原理2つ

    権利者の帰責性と第三者の信頼保護

  • 13

    94条2項「虚偽表示の無効は善意の第3者に対抗することができない」の第三者とは?

    虚偽表示の当事者およびその包括承継人(相続人など)以外の者で、外形上の行為に対して新たに法律上の利害関係を有するに至った者

  • 14

    債権者の種類2つ

    一般債権者と差押債権者

  • 15

    【設例 6】A は、所有する甲土地の差押えを免れるために、B との間で仮装の売買契約を締結し、所有 権移転登記手続をした。その後、B は、A に無断で、甲土地上に建物乙を建築し、C に対して賃料月額 10 万円で賃貸した。 (1)第三者非該当説 (2)第三者該当説 それぞれから見るとどうなるか?

    (1) 第三者非該当説(判例 6) 土地と建物は別物であることから、建物賃借人は、敷地について法律上の利害関係を有しないとする。 (2) 第三者該当説 7 建物の利用は敷地の利用を前提とし、建物所有者 B の土地利用権がなくなると、建物賃借人 C の建 物利用は法律上覆るのだから、C の利害関係は法律上のものであるとする。

  • 16

    虚偽表示の第三者の無過失の要否に対する見解2つ

    無過失必要説と無過失不要説がある

  • 17

    【設例 7】A は、所有する甲土地を X に対して 3000 万円で売却した。しかしながら、所有権移転登記 手続をしない間に、Y が甲土地を 5000 万円で買い取りたいと申し出てきたので、A は、Y との間で甲 土地の売買契約を締結し、所有権移転登記手続をした。後日、X は、Y に対し、甲土地は自分が先に A から買ったものであるとして、所有権に基づき抹消登記手続を請求した。

    177 条によれば、対抗要件である登記を備えなければ、他方に対し自己の所有権を主張すること ができない。設例 7 において Y は、「登記を備えない限り、甲に対する X の所有権を認めない」と主張 して、X の請求を拒絶することができる。

  • 18

    虚偽表示における善意の第三者の登記の要否

    善意の第三者は真正権利者に対して自己の権利を主張するのに対抗要件としての登記を要しない

  • 19

    【設例 8】A は、差押えを免れるため、B との間で甲土地の仮装の売買契約を締結し、所有権移転登記 を経由するとともに、甲土地を B に引き渡した。その後、B は、甲土地を C に売却し、C はさらに D に売却した。A が D に対して甲土地の明渡しを求めた。 ① A・B 間の売買が虚偽表示に基づくことを、C は、知っていたが、D は知らなかった。 ② A・B 間の売買が虚偽表示に基づくことを、C は、知らなかったが、D は知っていた。

    1 転得者の第三者性(①) 94 条 2 項にいう「第三者」の中には、直接の第三者からの転得者も含まれる 13。したがって、直接の第三者が悪意の場合であっても、転得者が善意であれば、94 条 2 項により保護される。 2 相対的構成と絶対的構成(②) 設例 8 ②の場合には、第三者ごとに善意・悪意を考慮するのか、それともいったん善意の第三者が介 在したならば、そこで権利関係が確定するのか、が問題となる。 2-1 相対的構成 94 条 2 項により保護されるか否かを第三者ごとに相対的に判断する考え方を、「相対的構成」という。 現に虚偽の外形を信頼していなかった D を保護する必要はない、とする見解である。 2-2 絶対的構成(判例 14) いったん善意の第三者が介在した以上、それ以後に悪意の第三者が現れたとしても、真正権利者は自 己の権利を主張することができないとする考え方を、 「絶対的構成」という。

  • 20

    相対的構成とは?

    94 条 2 項により保護されるか否かを第三者ごとに相対的に判断する考え方

  • 21

    絶対的構成とは?

    いったん善意の第三者が介在した以上、それ以後に悪意の第三者が現れたとしても、真正権利者は自 己の権利を主張することができないとする考え方

  • 22

    絶対的構成の根拠2つ

    善意の第三者の保護と善意の第三者の財産処分自由を制約する可能性

  • 23

    【設例 9】X は、A が当時所有していた甲土地を買い受けたが、将来の相続税対策として、子 B の名義 で所有権移転登記を経由した。その後、金に困った B は、自己に所有名義があることを奇貨として、X に無断で、甲土地を Y に売却し、登記も移転してしまった。そこで、X が Y に対して、所有権に基づき 抹消登記手続を請求した

    真正権利者 X と外形的権利者 B との間に、外形上の法律行為(虚偽表示)が存 在せず、94 条を適用する基礎を欠くため、Y は、たとえ善意であっても、94 条 2 項の直接適用によって保護されない。しかしながら、判例は、不実の登記を信頼して取引に入った第三者を保護するために、 94 条 2 項類推適用の法理を形成している

  • 24

    表示錯誤とは?

    意思表示に対応する意思を欠く錯誤

  • 25

    表示錯誤の種類2つ

    表示上の錯誤と内容の錯誤

  • 26

    表示条の錯誤とは?

    表意者が使用するつもりのない表示手段を使用したことにより、効果意思と表示行為とが一致しなかった場合

  • 27

    内容の錯誤とは?

    意者が意図した表示手段を用いているものの、その表示の意味内容を誤解したことにより、効果意思と表示行為とが一致しなかった場合

  • 28

    表示錯誤における取消しの正当化根拠2つ

    (1) 取消しが認められない場合に表意者が引き受けるリスク (2) リスク転嫁の正当性

  • 29

    表示錯誤における取消しの要件2つ

    ①それが「錯誤に基づくものであって」 ②その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものである」こと

  • 30

    【設例 12】A は、B が運営するオンラインショップにおいて、書籍甲を注文した。その際、A は、B 自 身が甲を販売しているものと誤解していたが、実際の販売者は C 書店であった。 【設例 13】C は、所有する甲土地を売ってくれるよう D 社から打診され、D との間で甲を 1 億円で売る旨の契約を締結した。ところが、契約締結に際して、 C は、D 社を、よく似た名前の D`社であると誤 解していた。 D 社は、契約締結当時、既に債務超過の状態に陥っており、代金を支払う能力がなかった。 【設例 14】E は、F との間で、E が F に甲土地を 5000 万円で売却する旨の契約を締結した。その際、 E は、甲土地を隣の乙土地と取り違え、乙土地を売るつもりで、誤って甲土地を売ってしまった。 設例12、13、14では95 条 1 項柱書の重要性はどうなるか?

    設例12の売主の同一性は重要性を有しない。 設例13の買主の同一性は重要性を有する。 設例14の目的物の同一性は重要性を有する。

  • 31

    動機錯誤とは?

    表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤

  • 32

    動機錯誤の種類2つ

    性質錯誤と理由の錯誤

  • 33

    性質錯誤とは?

    意思表示の対象である人や物の性質に関する錯誤

  • 34

    理由の錯誤とは?

    意思表示を行う理由や前提に関する錯誤

  • 35

    動機錯誤における取消しの不当化根拠2つ

    (1) 取消しが認められない場合に表意者が引き受けるリスクが情報収集失敗のリスクに過ぎないこと (2) 情報収集に関する自己責任原則

  • 36

    動機錯誤における取消し要件

    95 条 1 項の要件に加えて、「その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる」

  • 37

    動機錯誤に基づく錯誤無効の要件に関する2つの理解

    信頼主義的理解と合意主義的理解

  • 38

    信頼主義的理解とは?

    ある事情が法律行為の基礎とされていることが、表意者から相手方に表示されてさえいれば、取消しが認められるとする考え方

  • 39

    合意主義的理解(判例)とは?

    ある事情が法律行為の基礎とされていることが単に表示されただけでは、錯誤取消しを認めるに十分 ではなく、当該事情を基礎とすることが法律行為の内容になっていることが必要であるとする考え方

  • 40

    表示錯誤の場合の錯誤取消しのために主張・立証しなければならない事実4つ

    ① 意思表示に対応する意思を欠く錯誤があること(95 条 1 項 1 号) ② 意思表示が①の錯誤に基づくものであること(95 条 1 項柱書) ③ ①の錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであること(95 条 1 項柱書) ④ 取消しの意思表示(120 条 2 項、123 条)

  • 41

    動機錯誤の場合の錯誤取消しのために主張・立証が必要な事実5つ

    ① 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤があること(95 条 1 項 2 号) ② 意思表示が①の錯誤に基づくものであること(95 条 1 項柱書) ③ その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたこと(95 条 2 項) ④ ①の錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであること(95 条 1 項柱書) ⑤ 取消しの意思表示(120 条 2 項、123 条)

  • 42

    錯誤取消しの阻却要件

    錯誤が表意者の重過失によるものであること

  • 43

    錯誤取消しの再阻却をするために主張・立証が必要な事項3つ

    (1) 重過失の評価障害事実 (2) 相手方の悪意または重過失 (3) 相手方の共通錯誤

  • 44

    電子消費者契約法において、消費者に重過失がある場合にも錯誤取消しが認められるための要件

    消費者が行う電子消費者契約の申込みまたは承諾の意思表示であること 表示錯誤であり、電子計算機を用いた送信時に、申込み・承諾の意思表示を行う意思が存在しなかった場合、または、異なる内容の意思表示を行う意思があった場合であること

  • 45

    電子消費者契約法における95 条 3 項適用除外の阻却要件

    事業者が、当該申込みまたは承諾の意思表示に際して、電磁的方法によりその映像面を介して、消費 者のその意思表示を行う意思の有無について確認を求める措置を講じた場合、または、消費者から事業 者に対して当該措置を講ずる必要がない旨の意思の表明があった場合

  • 46

    【設例 20】A は、B との間で、A が B に甲土地を 5000 万円で売却する旨の契約を締結した。その際、 A は、甲土地を隣の乙土地と取り違え、乙土地を売るつもりで誤って甲土地を売ってしまった。B は、 甲土地をさらに C に転売した。 B との契約に際して、 C は、 A が錯誤に陥っていることを知らず、また、知らなかったことにつき過失がなかった。その後、A は、B との契約を取り消し、C に対して甲の所有権の確認を請求した。

    錯誤取消しは、善意・無過失の第三者に対抗することができない(95 条 4 項)。設例 20 において、A は、B との契約を取り消したとしても、C に対して甲の所有権を主張することができない。

  • 47

    【設例 4】A は、事業がうまくいかず多額の債務を抱えていた。所有する甲土地を差し押さえられるこ とを危惧した A は、友人 B と相談し、甲土地の登記名義を B に移すことにした。そこで、A が B に対 して甲土地を 3000 万円で売る旨の仮装の契約を締結し、それに基づいて所有権移転登記手続を行った。 後日、債務を返済した A は、B に対して、所有権移転登記を抹消するように求めた。 【設例 4-2】設例 4 において、A から登記の移転を受けた B は、事情を知らない C に甲土地を売却し てしまった。 【設例 5】B は、銀行から融資を受けようと考えていたが、担保となる財産がなかったため、A に対し て、A が所有する甲土地の登記名義を一時的に貸してくれるよう頼み込んだ。A はこの話に応じ、A か ら B に甲土地を 5000 万円で売る旨の仮装契約を締結し、所有権移転登記を経由した。これをもとに、 B は、C 銀行から 3000 万円を借り入れ、甲土地上に当該債権を被担保債権とする抵当権を設定した Cは94条2項の第三者に当たるか?

    仮装譲受人から目的物を譲り受けた者(設例 4-2 の C)や、目的不動産上に抵当権の設定を受けた 者(設例 5 の C)が、典型的な「第三者」である。

  • 48

    【設例 5】B は、銀行から融資を受けようと考えていたが、担保となる財産がなかったため、A に対し て、A が所有する甲土地の登記名義を一時的に貸してくれるよう頼み込んだ。A はこの話に応じ、A か ら B に甲土地を 5000 万円で売る旨の仮装契約を締結し、所有権移転登記を経由した。これをもとに、 B は、C 銀行から 3000 万円を借り入れ、甲土地上に当該債権を被担保債権とする抵当権を設定した。 【設例 5-2】設例 5 において、金融業者 D は、B が甲土地を所有しているものと誤信して、B に対し て 300 万円を貸し付けたが、甲土地に抵当権の設定を受けることはなかった。 Dは94条2項の第三者に当たるか?

    債権者は、担保物権の設定を受けていない場合にも、債務者の一般財産 4を引き当てにすることができる。設例 5-2 において、D は、B が債務を弁済しない場合でも、甲土地からの債権回収を期待する ことができる。とはいえ、A・B 間の仮装売買が無効とされたところで、D は、債権回収が困難になる かもしれないが、債権自体を失うわけではない。したがって、D は、事実上の利害関係を有するに過ぎ ず、94 条 2 項にいう「第三者」にあたらない。

  • 49

    【設例 5】B は、銀行から融資を受けようと考えていたが、担保となる財産がなかったため、A に対し て、A が所有する甲土地の登記名義を一時的に貸してくれるよう頼み込んだ。A はこの話に応じ、A か ら B に甲土地を 5000 万円で売る旨の仮装契約を締結し、所有権移転登記を経由した。これをもとに、 B は、C 銀行から 3000 万円を借り入れ、甲土地上に当該債権を被担保債権とする抵当権を設定した。 【設例 5-3】設例 5-2 において、B が債務不履行に陥ったため、D は甲土地を差し押さえた。 Dは94条2項の第三者に該当するか?

    利害関係の程度が高くなれば、債権者も「第三者」にあたる。虚偽表示の目的物を差 し押さえた債権者が、その代表例

  • 50

    【設例 4】A は、事業がうまくいかず多額の債務を抱えていた。所有する甲土地を差し押さえられるこ とを危惧した A は、友人 B と相談し、甲土地の登記名義を B に移すことにした。そこで、A が B に対 して甲土地を 3000 万円で売る旨の仮装の契約を締結し、それに基づいて所有権移転登記手続を行った。 後日、債務を返済した A は、B に対して、所有権移転登記を抹消するように求めた。 【設例 4-3】設例 4-2 において、甲土地の登記名義は、依然として B にある。 善意の第三者Cは対抗要件としての登記を要するか?

    設例 4-3 のような場合に、善意の第三者 C は、真正権利者 A に対して自己の権利を主張するのに、 対抗要件としての登記を要しない 。C が 94 条 2 項によって保護される場合、不動産所有権がどのよ うに移転するかについては、A から C に直接移転するという見解(判例 12)と、A・B 間の譲渡が有効 だったとみなされる結果、A→B→C と順次移転するとの見解とがある。いずれの見解によっても、Aは、C の前主または前々主として、177 条が想定する対抗関係に立たない。

  • 51

    信義主義的理解の問題点

    表意者の動機が相手方に表示されてさえいれば、錯誤取消しが可能になるとすると、表意者が当該動機を法律行為の前提としていることを相手方が了承していない場合――あるいは、了承しているものと 評価すべきでない場合――にも、取消しが可能となってしまう。

  • 52

    【設例 18】クレジット会社 X は、A との間で、A が B から購入する機械甲の代金 300 万円を B に対し て立替払し、立替金および手数料の合計 378 万円余を A が X に分割払いする契約(本件立替払契約) を締結した。その際、 A の従業員であった Y が、 A の代表者の依頼により、 A の連帯保証人となった(本件保証契約)。ところが、本件立替払契約は、A が営業資金を捻出するために B と図って計画した空クレジットであり、甲の売買契約は、実際には存在しなかった。本件保証契約の締結に際して、Y は、こ のことを知らなかった。A が分割金の支払を怠り、期限の利益を喪失したため、X が Y に対して、保証 債務の履行を請求した。これに対して、Y は、本件保証契約の錯誤無効を主張した(最判平成 14・7・ 11 判時 1805‐56)。 錯誤無効は認められるか?

    最高裁は、以下のように判示して、錯誤無効を認めた。 「保証契約は、特定の主債務を保証する契約であるから、主債務がいかなるものであるかは、保証契 約の重要な内容である。そして、主債務が、商品を購入する者がその代金の立替払を依頼しその立替金 を分割して支払う立替払契約上の債務である場合には、商品の売買契約の成立が立替払契約の前提とな るから、商品売買契約の成否は、原則として、保証契約の重要な内容であると解するのが相当である。 (中略)本件立替払契約のようなクレジット契約が、その経済的な実質は金融上の便宜を供与するに あるということは、原判決の指摘するとおりである。しかし、主たる債務が実体のある正規のクレジッ ト契約によるものである場合と、空クレジットを利用することによって不正常な形で金融の便益を得る ものである場合とで、主債務者の信用に実際上差があることは否定できず、保証人にとって、主債務が どちらの態様のものであるかにより、その負うべきリスクが異なってくるはずであり、看過し得ない重 要な相違があるといわざるをえない。まして、前記のように、1通の本件契約書上に本件立替払契約と 本件保証契約が併せ記載されている本件においては、連帯保証人である Y は、主債務者である A が本 件機械を買い受けて X に対し分割金を支払う態様の正規の立替払契約であることを当然の前提とし、こ れを本件保証契約の内容として意思表示をしたものであることは、一層明確であるといわなければなら ない。」

  • 53

    【設例 19】X 銀行は、A 社から運転資金の融資の申込みを受け、審査の結果、これを適当と認め、Y 信 用保証協会に対して信用保証を依頼した。A と Y は、保証委託契約を締結した。X は、A との間で金銭 消費貸借契約を締結して貸付けを行い(本件貸付け)、Y は、X との間で、本件貸付けに基づく A の債 務を連帯して保証する旨の契約を締結した(本件保証契約)。本件保証契約においては、契約締結後に 主債務者が反社会的勢力であることが判明した場合の取扱いについての定めは置かれていなかった。そ の後、 A が暴力団関連企業であることが判明した。さらに、 A が期限の利益を喪失したことから、 X は、Y に対して、保証債務の履行を請求した。これに対して、 Y は、本件保証契約の錯誤無効を主張した(最判平成 28・1・12 民集 70‐1‐1[百選Ⅰ-22] )。 錯誤無効は認められるか?

    前掲最判平成 28 年は、以下のように述べて錯誤無効を否定している。 「(1) 信用保証協会において主債務者が反社会的勢力でないことを前提として保証契約を締結し、金 融機関において融資を実行したが、その後、主債務者が反社会的勢力であることが判明した場合には、 信用保証協会の意思表示に動機の錯誤があるということができる。意思表示における動機の錯誤が法律 行為の要素に錯誤があるものとしてその無効を来すためには、その動機が相手方に表示されて法律行為 の内容となり、もし錯誤がなかったならば表意者がその意思表示をしなかったであろうと認められる場 合であることを要する。そして、動機は、たとえそれが表示されても、当事者の意思解釈上、それが法 律行為の内容とされたものと認められない限り、表意者の意思表示に要素の錯誤はないと解するのが相 当である。 (2) 本件についてこれをみると、前記事実関係によれば、X 及び Y は、本件各保証契約の締結当時、 本件指針等により、反社会的勢力との関係を遮断すべき社会的責任を負っており、本件各保証契約の締 結前に A 社が反社会的勢力であることが判明していた場合には、これらが締結されることはなかったと 考えられる。しかし、保証契約は、主債務者がその債務を履行しない場合に保証人が保証債務を履行す ることを内容とするものであり、主債務者が誰であるかは同契約の内容である保証債務の一要素となる ものであるが、主債務者が反社会的勢力でないことはその主債務者に関する事情の一つであって、これ が当然に同契約の内容となっているということはできない。そして、X は融資を、Y は信用保証を行う ことをそれぞれ業とする法人であるから、主債務者が反社会的勢力であることが事後的に判明する場合 が生じ得ることを想定でき、その場合に Y が保証債務を履行しないこととするのであれば、その旨をあ らかじめ定めるなどの対応を採ることも可能であった。それにもかかわらず、本件基本契約及び本件各 保証契約等にその場合の取扱いについての定めが置かれていないことからすると、主債務者が反社会勢力でないということについては、この点に誤認があったことが事後的に判明した場合に本件各保証契 約の効力を否定することまでを X 及び Y の双方が前提としていたとはいえない。また、保証契約が締 結され融資が実行された後に初めて主債務者が反社会的勢力であることが判明した場合には、既に上記 主債務者が融資金を取得している以上、上記社会的責任の見地から、債権者と保証人において、できる 限り上記融資金相当額の回収に努めて反社会的勢力との関係の解消を図るべきであるとはいえても、両 者間の保証契約について、主債務者が反社会的勢力でないということがその契約の前提又は内容になっ ているとして当然にその効力が否定されるべきものともいえない。 そうすると、 A 社が反社会的勢力でないことという Y の動機は、それが明示又は黙示に表示されてい たとしても、当事者の意思解釈上、これが本件各保証契約の内容となっていたとは認められず、Y の本 件各保証契約の意思表示に要素の錯誤はないというべきである。」