第 22講 所有権Ⅱ(共有)
問題一覧
1
共有、合有、総有
2
(1) 分量説(起草者の見解 5) 持分権とは、1 個の所有権(共有権)の分量的一部であり、ただしその性質・効力において所有権そ れ自体と同一(所有権に準じる権利)であるとする。この見解によると、共有とは、1 個の所有権を数 人で量的に分有する状態である。この立場からは、持分権は、端的に「持分」と呼ばれる。 (2) 独立説(近時の有力説 6) 持分権とは、同一物の上に成立する他の所有権によって制限された独立の所有権であるとする。この ように考えると、共有とは、各共有者が各 1 個の所有権を有し、各所有権が一定の割合において制限し 合って、その内容の総和が 1 個の所有権の内容と等しくなっている状態である。 「持分権」という言葉 は、元来、この見解に基づく。
3
① 法律の規定がある場合には、それに従う(241 条ただし書・244 条など)。 ② 規定がない場合には、持分割合は均等であると推定される(250 条)。 ③ 共有者間に別段の合意がある場合には、それに従う。
4
各共有者は、自己の持分権を自由に処分することができる ただし、目的物の引渡しを要件とする質権の設定や利用権の設定は、事柄の性質上することができない。 設例 1-2 において、A は、B・C の同意なしに自己の持分権を E に譲渡することができ、その場合 には、B・C・E の共有関係が生じる。
5
「共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の 共有者に帰属する」(255 条)
6
(1) 「共有の弾力性」説 前述の独立説をもとに、255 条は「共有の弾力性」の表れであると説かれることがある。「共有の弾 力性」とは、 「共有においては、1 つの物につき多数の所有権(持分権)が互いに制限し合っているが、 所有権は、常に円満・無制限な状態に復帰しようとする性質を有しており、他の所有権(持分権)によ る制限がなくなれば、その分だけ円満な状態を回復する」という考え方である。この考え方によると、 持分権が放棄され、または、相続人がない場合には、当該持分権が消滅し、その分だけ他の持分権が膨 張することになる。このことを規定したのが、255 条であるとする。 (2) 政策的規定説 255 条がなければ、持分権が放棄され無主物となった場合、当該持分権は、動産であれば無主物先占 の対象となり(239 条 1 項)、不動産であれば国庫に帰属するはずである(239 条 2 項)。また、持分権につき相続人がいない場合にも、当該持分権は最終的に国庫に帰属することになる(959 条)。したが って、「共有の弾力性」という考え方は、当然には成り立たない。他方で、以上の諸規定によると、残 された共有者は、共有物の管理が円滑に行えない、国との共有関係を強いられる、といった不便を蒙る ことになる。さらに、国庫に帰属する場合には、国としても共有物管理上の手間がかかる。このような 事態を回避するための政策的規定が、255 条であるとする。
7
持分権は共有物の全体に及んでいることから、各共有者は、共有物の全部を、自己の持分割合に応じ て使用することができる(249 条 1 項)。それゆえ、少数持分権者が共有物を単独で占有している場合 でも、他の共有者は、当然にその返還を請求することができるわけではない(後述)。
8
(1) 対価償還義務 (2) 善管注意義務
9
共有物の変更とは、建物の改築、土地の地目変更、山林の伐採など、共有物の性質を変えることであ る。共有物に変更(その形状または効用の著しい変更を伴わないものを除く。→共有物の管理)を加え る場合には、共有者全員の同意が必要である(新 251 条 1 項)。全員の持分権の内容を変更することに なるからである。また、同様の理由から、共有物の処分についても、全員の同意を要する 共有者の一部が同意なしに共有物に変更を加えようとする場合、他の共有者は、その禁止を求めるこ とができる 9。のみならず、既に変更が加えられた場合には、特段の事情がある場合を除き、原状回復 を求めることができる 2 所在等不明共有者がいる場合 共有者の一部が特定不能である場合、または、その所在を知ることができない場合(これらの不明共 有者を、以下では「所在等不明共有者」と呼ぶ。)、共有物を変更したい共有者は、所在等不明共有者以外の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判を請求することができる(新 251 条 2 項)。
10
(1) 共有物の利用・改良 (2) 管理者の選任・解任 (3) 短期賃借権等の設定 (4) 保存行為
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(1) 過半数決定 共有物の管理に関する事項は、原則として、各共有者の持分の価格に応じた過半数決定により決せら れる(新 252 条 1 項前段) (2) 所在等不明共有者がいる場合等 所在等不明共有者がいる場合、または、賛否を明らかにしない共有者がいる場合には、裁判所の裁判 を得て、それ以外の共有者で過半数決定をすることができる(新 252 条 2 項)。 (3) 共有者間の決定に基づいて共有物を使用する共有者に特別の影響を及ぼす場合 【設例 2-3】設例 2 において、A ら 3 名は、A が甲の 1 階部分を 10 年間、店舗として使用することで 合意した。ところが、それから 3 年後、B と C は、当該部分を F に 3 年間賃貸することを決定し、Aに対しその明渡しを求めた。 共有物の管理に関する決定が、共有者間の決定に基づいて共有物を使用する共有者に特別の影響を及 ぼすべきときは、その承諾を得なければならない(新 252 条 3 項)
12
保存行為は、各共有者が単独ですることができる(新 252 条 5 項)。共有者全員の利益となるものだ からである。
13
共有物の管理費用・公租公課などは、持分割合に応じて各共有者が負担する(253 条 1 項)。 ある共有者が、立替払いをした共有者から催告を受けたのに、この義務を 1 年内に履行しない場合、 他の共有者は、相当の償金を支払って、その者の持分権を取得することができる(同 2 項)。ここでの 「他の共有者」は、立替払いをした共有者に限らず、不履行者以外の共有者であれば誰でもよい。
14
(1) 特定承継人に対する債権の行使 第一に、この債権は、債務者たる共有者の特定承継人に対しても行使することができる(254 条)。 この制度は、持分権の譲受人に不測の損害を与える可能性があるところ、その適用範囲は、共有と不可 分の権利関係にある債権に限られると解されている。例えば、共有物購入資金を各自の持分割合に応じ て負担するという契約は、当然承継されない (2) 分割に際しての弁済 第二に、共有物の分割に際して、債務者たる共有者に帰属すべき部分をもって、債務の弁済をさせる ことができる(259 条 1 項)。必要がある場合には、債務者に帰属すべき共有物の部分の売却を請求することもできる(同 2 項)。
15
(1)分量説(保存行為説) 権利行使の仕方2つ (1) 共有権の行使――保存行為 第一に、共有者全員に帰属している所有権(共有権)を行使することが考えられる。そして、各共有 者に単独の権利行使の権限を認めるために、新 252 条 5 項が根拠とされる。この規定は、本来、共有者 全員で行うべき共有物の管理・処分のうち、共有物の現状を維持する行為について、共有者全員の利益 となり、誰か 1 人が単独で行ったとしても問題ないとの理由で、単独行使を許したものである。このよ うな保存行為に当たれば、各共有者が単独で権利行使することができる この法律構成による訴訟の結果(既判力)は、共有者全員に帰属する共有権が行使されていることか ら、共有者全員に及ぶ (2) 持分の行使 第二に、分量説においても、各共有者が自己の持分自体について権利主張することは、可能である。 このような権利主張の範囲内であれば、単独の権利行使が許される。 この法律構成による訴訟の結果は、訴訟当事者の持分にしか及ばず、他の共有者を拘束しない。 (2)独立説(持分権説) (1) 持分権の行使 持分権の性質につき独立説に立つ場合には、共有権が観念されないため、独立した所有権である持分 権の行使だけが考えられる。そして、持分権は各共有者固有の権利であるから、原則として単独で行使 しうるということになる。また、訴訟の結果も、訴訟当事者以外の共有者を拘束しない (2) 持分権行使に対する制約 もっとも、複数の持分権が1つの目的物上に存在し、互いに制約し合う関係にあるため、1 人の共有者の持分権行使が、他の共有者の法的地位に影響を与える可能性がある。したがって、各共有者の単独 権利行使の可否を決定するに際しては、その行使が持分権の保全に必要かを判断したうえで、他の共有 者の法的地位に影響しないか、影響するとしてもそれを正当化することができるか、を考えなければな らない。このような共有関係上の考慮により、単独の持分権行使が制約されうる
16
1 持分権の確認 判例によれば、持分権の存否や持分割合について共有者以外の者や他の共有者が争う場合に、各共有 者は、単独で持分権の確認を求めることができる 15。また、各共有者は、各自の持分権につき、単独で 第三者の取得時効を更新することができる 2 共有物にかかる物権的請求 3 共有物にかかる登記請求
17
(1) 判例 判例によれば、共有者の一部や共有者以外の第三者が、無断で共有にかかる立木を伐採する場合や、 共有建物を取り壊している場合には、各共有者は、単独で妨害排除請求権を行使することができる
18
共有者以外の第三者が共有物を無権原で占有している場合にも、各共有者は、単独で全部の返還を請 求することができる 。その根拠は、妨害排除請求の場合と同様に考えることができる
19
ア)少数持分権者に対する返還請求の制限 判例によれば、持分価格が共有物の価格の過半数に満たない共有者(少数持分権者)が、他の共有者 との協議を経ないで共有物を単独で占有している場合、持分の合計価格が共有物の価格の過半数を超え る他の共有者(多数持分権者)であっても、当然にその返還を請求することができるものではない。多 数持分権者は、明渡しを求める理由を主張・立証しなければならない 20 。第三者が共有者の一部から承 認を得て共有物全部を占有している場合も、承認した共有者の使用収益権限に基づく使用であるため、 同様である 21。これは、次の理由による。 ① 多数持分権者であったとしても、それだけで共有物全部の使用収益権限を有するわけではない。 ② 少数持分権者も使用収益権限を有しており、共有物全部の返還を命じると、それを侵害する結果 となる 22 。 イ)過半数決定に基づく返還請求 多数持分権者が新 252 条の規定に基づき共有物の使用方法に関する過半数決定をすれば、共有物を占 有する少数持分権者に対する返還請求が可能となる。新 252 条 1 項後段の規定が、このことを明確にし ている。なお、同条 3 項(前述)に注意すること。
20
(1) 判例 無権利者が単独登記名義を有する場合、各共有者は、当該登記の全部抹消登記手続を単独で請求する ことができる (2) 根拠 ア)保存行為説 登記による共有権侵害の排除は、共有者全員の利益となるものであるため、保存行為に当たる。 イ)持分権説 持分権説からは、持分権自体に基づく妨害排除請求として全部抹消登記請求が認められる。というの は、①全くの無権利者が登記名義人となっている場合には、いったんその登記を抹消しなければ請求者 たる共有者の持分権の登記ができず、更生登記による一部抹消が不可能であり、また、②共有不動産に ついて不実登記があること自体が、不動産の適正な管理や処分を妨げ、将来紛争に巻き込まれるおそれ を生じさせるからである。そして、無権利者の登記を全部抹消登記しても、他の共有者の法的地位に影 響を与えないので、単独請求が認められることになる。
21
判例によれば、無権利者を含む共有名義の所有権保存登記がされた場合に、共有者の一人は、自己の 持分権に対する妨害排除として、登記を実体的権利に合致させるため、持分権を有しない登記名義人に 対し、自己の持分権についての更正登記手続を求めることができるにとどまり、他の共有者の持分権に ついての更正登記手続まで求めることはできない したがって、設例 7 における請求は、X らの持分権についての更生登記手続請求としてのみ認められ る。すなわち、Y8 分の 1、X₁2 分の 1、X₂4 分の 1、B8 分の 1 という形への更生登記である。 (2) 根拠 この場合には、訴訟に関与していない B の持分権についてまで更生登記を認めると、 B の意思にかか わらず登記手続きを強制することになるため、保存行為説・持分権説いずれからも、判例の結論を支持 することができる。
22
(1) 判例 ① 他の共有者は、共有名義の登記に改める更生登記手続(一部抹消登記手続)をすることができる 場合には、自己の持分権の限度での更生登記手続を求めることしかできない ② もっとも、更生登記は、更生の前後を通じて登記としての同一性がある場合に限り認められ、更 生によって登記名義人が全く異なることになる場合や、登記の個数が増える場合には、認められない。 このような登記手続上の制約から更生登記手続をすることができない場合には、全部抹消登記手続を求 めることができる (2) 根拠 ア)保存行為説 A の持分についてのみ一部抹消登記手続が可能な場合に、B の持分についてまで登記を求めると、登 記手続を強いるという点で、B に不利益を与えることになる。したがって、B の持分についての請求ま で、保存行為に含めることはできない。 これに対して、更生登記手続が不可能な場合の全部抹消登記手続請求においては、A・B にとっては 利益となる請求であり、他方で持分登記を失う C が不利益を受けることになるが、登記制度の制約上、 やむを得ない。 イ)持分権説 一部抹消登記が可能な場合には、それによって A の持分権を保全することができる。それを超えて、 B の持分についても抹消登記を求めることは、B の法的地位を左右するため、許されない。 これに対して、一部抹消登記手続きが不可能な場合には、A の権利を保全するために、C の法的地位 に介入してもやむを得ない。
23
(1) 判例 判例によれば、共有登記は真正にされたが、その後に共有者の一部の持分権につき不実の移転登記がされた場合、 「その登記によって共有不動産に対する妨害状態が生じているということができる」こと から、他の共有者は、持分権に基づき、単独で不実登記の抹消登記手続を請求することができる (2) 根拠 ア)保存行為説 判例がいうように、不実登記は、共有権の妨害と見ることができる。そして、A の抹消登記手続請求 は、B・C の利益になるものであれ、不利益をもたらすものではないため、保存行為といえる。 イ)持分権説 この場合にも、共有不動産に関する不実登記の存在自体が、他の共有者の持分権に対する妨害となる (上記3-1(2)イ②を参照。)。他方で、 A が E に対して抹消登記手続を求めても、他の共有者 B・C の法的地位に影響は生じない。したがって、A は、単独で請求することができる。
24
固有必要的共同訴訟 共有関係の確認を求める訴え、共有名義への所有権移転登記手続請求、共有地についての境界確定の訴えなどは、各共有者単独ですることができず、共有者全員でする必要がある(固有必要的共同訴訟)。
25
判例によれば、境界確定の訴えを提起する場合に、共有者全員が原告となる必要はない。訴えの提起 に同調しない共有者がいる場合には、その者も被告にして訴えを提起することができる。これは、①共 有者のうちに訴えの提起に同調しない者がいる場合であっても、隣接地との境界に争いがあるときには、 これを確定する必要があること、②裁判所は、当事者の主張に拘束されないで、自らその正当と認める ところに従って、境界線を画定することができることを理由とする
26
「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる」とされている(256 条 1 項本文)
27
5 年を超えない期間内であれば、分割しない旨の契約をすることができる(256 条 1 項た だし書)。この契約は更新することができるが、その期間は、更新の時から 5 年を超えることができな い(256 条 2 項)。この契約は持分権の特定承継人をも拘束するが(254 条)、不動産共有の場合には、登記しなければ対抗することができない(不登 59 条 6 号)。
28
手続き 共有物の分割が請求された場合、 各共有者は、 まずは分割のための協議をしなければならない。 新 258条 1 項が、「共有者間に協議が調わない(こと)」または「協議をすることができない(こと)」を、裁判分割の要件としているから 分割方法 協議分割は、共有者間でなされる一種の契約である。したがって、契約自由の原則が妥当するため、 共有者全員の合意があれば、とくに分割方法に制限はない。
29
「共有者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないとき」は、裁判所に分割を請求す ることができる(新 258 条 1 項)。 「協議をすることができないとき」には、共有者が不明であるときも含まれる。
30
請求者以外の全共有者を相手方として提起すべき固有必要的共同訴訟 当事者は、単に分割を求める旨の申立てをすれば足り、分割の方法を具体 的に指定することを要しない。そのうえ、当事者が特定の分割方法を主張しても、裁判所はそれに拘束 されない。
31
現物分割(共有物の現物を分割する方法) 賠償分割(一部の共有者に持分の全部または一部を取得させる代わりに、他の共有者に対し金銭債務を負わせる分割方法) 競売分割(現物分割および賠償分割が不可能な場合、または、分割によって価格を著しく減少させるおそれがあるときは、共有物を競売に付して、その売却代金を分割)
32
共有物が複数存在する場合に、それらを一括して分割の対象とし、分割後のそれぞれの不動産を、各 人の単独所有とすることが認められている
33
多数の者が共有する物を現物分割する場合、分割請求者の持分の限度で 30、あるいは、分割請求の相 手方の持分の限度で 31、その物を分割し、残部を他の者の共有として残すことができる。
34
部分的価格賠償(持分の価格を超える現物を取得する共有者に、当該超過部分の対価を支払わせ て過不足を調整する方法)と全面的価格賠償(対象物を共有者のうち 1 人の単独所有または数人の共有とし、これらの者から他の共有者に対して持分の価格を賠償させる方法)
35
部分的価格賠償とは、持分の価格を超える現物を取得する共有者に、当該超過部分の対価を支払わせ て過不足を調整する方法
36
全面的価格賠償とは、対象物を共有者のうち 1 人の単独所有または数人の共有とし、これらの者から 他の共有者に対して持分の価格を賠償させる方法
37
(A) 相当性 まず、以下のような事情を総合的に考慮して、当該共有物を共有者のうちの特定の者に取得させるの が相当であると認められることを、必要としている。 ① 共有物の性質および形状 ② 共有関係の発生原因 ③ 共有者の数および持分割合 ④ 共有物の利用状況および分割された場合の経済的価値 ⑤ 分割方法についての共有者の希望およびその合理性の有無 等の事情 (B) 実質的公平性 次に、 (ⅰ)共有物の価格が適正に評価され、 (ⅱ)当該共有物を取得する者に支払能力があって、他の共 有者にはその持分の価格を取得させることにしても、共有者間の実質的公平を害しないと認められるこ とを、要求している。
38
共有物の全部またはその持分が相続財産に属する場合において、共同相続人間で当該共有物の全部ま たはその持分について遺産分割をすべきときは、新 258 条の規定に基づく分割ではなく、遺産分割の方 法(906 条以下)によらなければならない(新 258 条の 2 第 1 項)。
39
共有物の持分が相続財産に属する場合において、相続開始の時から 10 年を経過したときは、相続財 産に属する共有物の持分について新 258 条の規定による分割をすることができる(新 258 条の 2 第 2 項本文)。設例 13 においては、新 258 条の手続により、 C・ D 間での甲持分の分割も可能となる。なお、新 258 条の 2 第 2 項ただし書および 3 項の規定に留意すること。
40
「各共有者は、他の共有者が分割によって取得した物について、売主と同じく、その持分に応じて担保の責任を負う」ものとされている(261 条)。具体的には、562 条以下の規定に従い、追完請求、代金減額に相当する金銭的調整の請求、損害賠償請求、解除などが可能となる――ただし、裁判分割については、解除することができないとされている。――。
41
(1) 抵当権を設定した持分権者が、共有物の全部を取得した場合(①) この場合、179 条 1 項ただし書が類推され、C の持分権が存続し、その上に X の抵当権も存続する。 (2) 現物分割された場合(②) この場合、丁の上にのみ X の抵当権を認めると、もともと C が有していた持分権と丁とが等価でな いとき等、X に不利益が生じうる。そのため、乙・丙・丁のそれぞれについて、C のもとの持分割合に応じて、X の抵当権が存続するものとされている 3) 抵当権を設定した共有者が現物を受け取らない場合(③) この場合、X の抵当権は、C が取得した持分権の代償たる金銭債権の上に及ぶ(物上代位、372 条→ 304 条)。もっとも、これだけでは、 C が受け取る金額が相当でない場合など、 X の利益が十分に確保されないことがありうる。他方で、分割による共有物取得者は、実質的には持分権の取得者といえ、抵当 権の設定された持分権の取得者は、その負担を引き受けなければならないはずである。したがって、X の抵当権は、甲の上に、C のもとの持分割合に応じて存続するものとされている。
42
1 持分取得の裁判 「不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所 在を知ることができないときは」、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に当該所在等不明共有 者の持分を取得させることができる(新 262 条の 2 第 1 項前段)。請求共有者が複数いる場合には、各 人の持分割合で按分して取得させることになる(同後段)。 2 共有物分割請求・遺産分割との関係 (1) 共有物分割請求との優劣 新 258 条 1 項の規定による共有物分割請求は、持分取得請求に優先する(新 262 条の 2 第 2 項)。共 有物全体の分割を希望する共有者がいる場合には、裁判分割の手続の中で適切な分割を実現すべきだか らである。 (2) 遺産分割との優劣 持分取得請求は、遺産分割請求にも劣後する(同上)。また、所在等不明共有者の持分が相続財産に 属しており、共同相続人間で遺産分割をすべき場合には、相続開始の時から 10 年を経過しなければ、 裁判所は、持分取得の裁判をすることができない(同条 3 項)。 3 所在等不明共有者の請求権 持分取得の裁判により持分を失った所在等不明共有者は、当該持分を取得した共有者に対し、当該持 分の時価相当額の支払を請求することができる(同条 4 項)。なお、持分取得の裁判をするには、申立 人が裁判所の定める額の金銭を供託しなければならない(非訟事件手続法新 87 条 5・6 項)。
43
1 持分譲渡権限付与の裁判 「不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在 を知ることができないときは」、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、所在等不明共有者以 外の共有者全員が特定の者に対して持分全部を譲渡することを停止条件として、所在等不明共有者の持 分を当該特定の者に譲渡する権限を付与する旨の裁判をすることができる(新 262 条の 3 第 1 項)。 2 遺産分割との関係 所在等不明共有者の持分が相続財産に属しており、共同相続人間で遺産分割をすべき場合には、相続 開始の時から 10 年を経過しなければ、裁判所は、持分譲渡権限付与の裁判をすることができない(同 条 2 項)。 3 所在等不明共有者の請求権 持分を第三者に譲渡された所在等不明共有者は、当該譲渡をした共有者に対し、不動産の時価相当額 を所在等不明共有者の持分に応じて按分して得た額の支払を請求することができる(同条 3 項)。なお、 金銭の供託については、持分取得の裁判と同様である(非訟事件手続法新 88 条 2 項)。
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44問 • 2年前第 13講 権利の主体Ⅱ(法人Ⅱ)
第 13講 権利の主体Ⅱ(法人Ⅱ)
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23問 • 2年前第 14講 時効Ⅰ
第 14講 時効Ⅰ
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41問 • 2年前第 15講 時効Ⅱ
第 15講 時効Ⅱ
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32問 • 2年前第 16講 物権法序論・物権変動総論
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67問 • 2年前第 17講 法律行為を原因とする物権変動・不動産物権変動Ⅰ(不動産登記)
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Aiko Kobayashi · 63問 · 2年前第 17講 法律行為を原因とする物権変動・不動産物権変動Ⅰ(不動産登記)
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63問 • 2年前第 18講 不動産物権変動Ⅱ(177条総論・94 条 2項類推適用)
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30問 • 2年前第 19講 不動産物権変動Ⅲ(177条各論)
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35問 • 2年前第 20講 動産物権変動
第 20講 動産物権変動
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31問 • 2年前第 21講 所有権Ⅰ(総論・添付)
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34問 • 2年前第 1 講 憲法学への招待
第 1 講 憲法学への招待
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12問 • 2年前第 2 講 法の支配と権力分立
第 2 講 法の支配と権力分立
Aiko Kobayashi · 15問 · 2年前第 2 講 法の支配と権力分立
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15問 • 2年前第 3 講 議院内閣制
第 3 講 議院内閣制
Aiko Kobayashi · 15問 · 2年前第 3 講 議院内閣制
第 3 講 議院内閣制
15問 • 2年前第 4 講 象徴天皇制
第 4 講 象徴天皇制
Aiko Kobayashi · 7問 · 2年前第 4 講 象徴天皇制
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7問 • 2年前第5講 国民代表・政党・選挙
第5講 国民代表・政党・選挙
Aiko Kobayashi · 12問 · 2年前第5講 国民代表・政党・選挙
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12問 • 2年前第 6 講 国会の地位と構造
第 6 講 国会の地位と構造
Aiko Kobayashi · 11問 · 2年前第 6 講 国会の地位と構造
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11問 • 2年前第 7 講 内閣の地位と構造
第 7 講 内閣の地位と構造
Aiko Kobayashi · 18問 · 2年前第 7 講 内閣の地位と構造
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18問 • 2年前第8講 立法作用
第8講 立法作用
Aiko Kobayashi · 18問 · 2年前第8講 立法作用
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18問 • 2年前第9講 行政作用 第 10 講 戦争の放棄
第9講 行政作用 第 10 講 戦争の放棄
Aiko Kobayashi · 30問 · 2年前第9講 行政作用 第 10 講 戦争の放棄
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30問 • 2年前第 11 講 司法権と違憲審査
第 11 講 司法権と違憲審査
Aiko Kobayashi · 32問 · 2年前第 11 講 司法権と違憲審査
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32問 • 2年前第 12 講 司法権の限界
第 12 講 司法権の限界
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24問 • 2年前第 13 講 憲法判断の方法と効果
第 13 講 憲法判断の方法と効果
Aiko Kobayashi · 26問 · 2年前第 13 講 憲法判断の方法と効果
第 13 講 憲法判断の方法と効果
26問 • 2年前第 23講 物権的請求権・占有(権)Ⅰ
第 23講 物権的請求権・占有(権)Ⅰ
Aiko Kobayashi · 25問 · 2年前第 23講 物権的請求権・占有(権)Ⅰ
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25問 • 2年前第 24講 占有(権)Ⅱ
第 24講 占有(権)Ⅱ
Aiko Kobayashi · 48問 · 2年前第 24講 占有(権)Ⅱ
第 24講 占有(権)Ⅱ
48問 • 2年前第一回「憲法上の権利」の観念
第一回「憲法上の権利」の観念
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第一回「憲法上の権利」の観念
38問 • 1年前英単語3
英単語3
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23問 • 1年前刑法1
刑法1
Aiko Kobayashi · 36問 · 1年前刑法1
刑法1
36問 • 1年前英単語4
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27問 • 1年前第1回
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第1回
15問 • 1年前第1回
第1回
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10問 • 1年前英単語5
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39問 • 1年前第1回
第1回
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第1回
10問 • 1年前第2回 司法審査制と「憲法訴訟」の基礎
第2回 司法審査制と「憲法訴訟」の基礎
Aiko Kobayashi · 28問 · 1年前第2回 司法審査制と「憲法訴訟」の基礎
第2回 司法審査制と「憲法訴訟」の基礎
28問 • 1年前第3回 思想・良心の自由
第3回 思想・良心の自由
Aiko Kobayashi · 21問 · 1年前第3回 思想・良心の自由
第3回 思想・良心の自由
21問 • 1年前第2回
第2回
Aiko Kobayashi · 54問 · 1年前第2回
第2回
54問 • 1年前第2回
第2回
Aiko Kobayashi · 31問 · 1年前第2回
第2回
31問 • 1年前第2回
第2回
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第2回
40問 • 1年前第3回
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第3回
50問 • 1年前第4回〜7回
第4回〜7回
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第4回〜7回
48問 • 1年前第4回 第5回 因果関係
第4回 第5回 因果関係
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41問 • 1年前英単語6
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42問 • 1年前教科書の内容
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72問 • 1年前英単語23
英単語23
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英単語23
100問 • 1年前第4回
第4回
Aiko Kobayashi · 9問 · 1年前第4回
第4回
9問 • 1年前第3回
第3回
Aiko Kobayashi · 33問 · 1年前第3回
第3回
33問 • 1年前第6回 不作為犯
第6回 不作為犯
Aiko Kobayashi · 26問 · 1年前第6回 不作為犯
第6回 不作為犯
26問 • 1年前第七回 故意(構成要件的故意)
第七回 故意(構成要件的故意)
Aiko Kobayashi · 34問 · 1年前第七回 故意(構成要件的故意)
第七回 故意(構成要件的故意)
34問 • 1年前第八回、第九回 事実の錯誤
第八回、第九回 事実の錯誤
Aiko Kobayashi · 27問 · 1年前第八回、第九回 事実の錯誤
第八回、第九回 事実の錯誤
27問 • 1年前第十回 過失
第十回 過失
Aiko Kobayashi · 32問 · 1年前第十回 過失
第十回 過失
32問 • 1年前第十一回 違法性の本質・正当行為・被害者の承諾(同意)
第十一回 違法性の本質・正当行為・被害者の承諾(同意)
Aiko Kobayashi · 53問 · 1年前第十一回 違法性の本質・正当行為・被害者の承諾(同意)
第十一回 違法性の本質・正当行為・被害者の承諾(同意)
53問 • 1年前第十三回、第十四回 正当防衛
第十三回、第十四回 正当防衛
Aiko Kobayashi · 45問 · 1年前第十三回、第十四回 正当防衛
第十三回、第十四回 正当防衛
45問 • 1年前第十五回 緊急避難
第十五回 緊急避難
Aiko Kobayashi · 26問 · 1年前第十五回 緊急避難
第十五回 緊急避難
26問 • 1年前第十六回 責任の意義・責任能力、原因において自由な行為
第十六回 責任の意義・責任能力、原因において自由な行為
Aiko Kobayashi · 43問 · 1年前第十六回 責任の意義・責任能力、原因において自由な行為
第十六回 責任の意義・責任能力、原因において自由な行為
43問 • 1年前第十七回 正当化事情の錯誤(責任故意)、違法性の意識
第十七回 正当化事情の錯誤(責任故意)、違法性の意識
Aiko Kobayashi · 23問 · 1年前第十七回 正当化事情の錯誤(責任故意)、違法性の意識
第十七回 正当化事情の錯誤(責任故意)、違法性の意識
23問 • 1年前第3回 同時履行の抗弁・不安の抗弁
第3回 同時履行の抗弁・不安の抗弁
Aiko Kobayashi · 23問 · 1年前第3回 同時履行の抗弁・不安の抗弁
第3回 同時履行の抗弁・不安の抗弁
23問 • 1年前第十八回、第十九回 未遂犯の基礎・実行の着手、不能犯
第十八回、第十九回 未遂犯の基礎・実行の着手、不能犯
Aiko Kobayashi · 56問 · 1年前第十八回、第十九回 未遂犯の基礎・実行の着手、不能犯
第十八回、第十九回 未遂犯の基礎・実行の着手、不能犯
56問 • 1年前第4回
第4回
Aiko Kobayashi · 31問 · 1年前第4回
第4回
31問 • 1年前問題一覧
1
共有、合有、総有
2
(1) 分量説(起草者の見解 5) 持分権とは、1 個の所有権(共有権)の分量的一部であり、ただしその性質・効力において所有権そ れ自体と同一(所有権に準じる権利)であるとする。この見解によると、共有とは、1 個の所有権を数 人で量的に分有する状態である。この立場からは、持分権は、端的に「持分」と呼ばれる。 (2) 独立説(近時の有力説 6) 持分権とは、同一物の上に成立する他の所有権によって制限された独立の所有権であるとする。この ように考えると、共有とは、各共有者が各 1 個の所有権を有し、各所有権が一定の割合において制限し 合って、その内容の総和が 1 個の所有権の内容と等しくなっている状態である。 「持分権」という言葉 は、元来、この見解に基づく。
3
① 法律の規定がある場合には、それに従う(241 条ただし書・244 条など)。 ② 規定がない場合には、持分割合は均等であると推定される(250 条)。 ③ 共有者間に別段の合意がある場合には、それに従う。
4
各共有者は、自己の持分権を自由に処分することができる ただし、目的物の引渡しを要件とする質権の設定や利用権の設定は、事柄の性質上することができない。 設例 1-2 において、A は、B・C の同意なしに自己の持分権を E に譲渡することができ、その場合 には、B・C・E の共有関係が生じる。
5
「共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の 共有者に帰属する」(255 条)
6
(1) 「共有の弾力性」説 前述の独立説をもとに、255 条は「共有の弾力性」の表れであると説かれることがある。「共有の弾 力性」とは、 「共有においては、1 つの物につき多数の所有権(持分権)が互いに制限し合っているが、 所有権は、常に円満・無制限な状態に復帰しようとする性質を有しており、他の所有権(持分権)によ る制限がなくなれば、その分だけ円満な状態を回復する」という考え方である。この考え方によると、 持分権が放棄され、または、相続人がない場合には、当該持分権が消滅し、その分だけ他の持分権が膨 張することになる。このことを規定したのが、255 条であるとする。 (2) 政策的規定説 255 条がなければ、持分権が放棄され無主物となった場合、当該持分権は、動産であれば無主物先占 の対象となり(239 条 1 項)、不動産であれば国庫に帰属するはずである(239 条 2 項)。また、持分権につき相続人がいない場合にも、当該持分権は最終的に国庫に帰属することになる(959 条)。したが って、「共有の弾力性」という考え方は、当然には成り立たない。他方で、以上の諸規定によると、残 された共有者は、共有物の管理が円滑に行えない、国との共有関係を強いられる、といった不便を蒙る ことになる。さらに、国庫に帰属する場合には、国としても共有物管理上の手間がかかる。このような 事態を回避するための政策的規定が、255 条であるとする。
7
持分権は共有物の全体に及んでいることから、各共有者は、共有物の全部を、自己の持分割合に応じ て使用することができる(249 条 1 項)。それゆえ、少数持分権者が共有物を単独で占有している場合 でも、他の共有者は、当然にその返還を請求することができるわけではない(後述)。
8
(1) 対価償還義務 (2) 善管注意義務
9
共有物の変更とは、建物の改築、土地の地目変更、山林の伐採など、共有物の性質を変えることであ る。共有物に変更(その形状または効用の著しい変更を伴わないものを除く。→共有物の管理)を加え る場合には、共有者全員の同意が必要である(新 251 条 1 項)。全員の持分権の内容を変更することに なるからである。また、同様の理由から、共有物の処分についても、全員の同意を要する 共有者の一部が同意なしに共有物に変更を加えようとする場合、他の共有者は、その禁止を求めるこ とができる 9。のみならず、既に変更が加えられた場合には、特段の事情がある場合を除き、原状回復 を求めることができる 2 所在等不明共有者がいる場合 共有者の一部が特定不能である場合、または、その所在を知ることができない場合(これらの不明共 有者を、以下では「所在等不明共有者」と呼ぶ。)、共有物を変更したい共有者は、所在等不明共有者以外の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判を請求することができる(新 251 条 2 項)。
10
(1) 共有物の利用・改良 (2) 管理者の選任・解任 (3) 短期賃借権等の設定 (4) 保存行為
11
(1) 過半数決定 共有物の管理に関する事項は、原則として、各共有者の持分の価格に応じた過半数決定により決せら れる(新 252 条 1 項前段) (2) 所在等不明共有者がいる場合等 所在等不明共有者がいる場合、または、賛否を明らかにしない共有者がいる場合には、裁判所の裁判 を得て、それ以外の共有者で過半数決定をすることができる(新 252 条 2 項)。 (3) 共有者間の決定に基づいて共有物を使用する共有者に特別の影響を及ぼす場合 【設例 2-3】設例 2 において、A ら 3 名は、A が甲の 1 階部分を 10 年間、店舗として使用することで 合意した。ところが、それから 3 年後、B と C は、当該部分を F に 3 年間賃貸することを決定し、Aに対しその明渡しを求めた。 共有物の管理に関する決定が、共有者間の決定に基づいて共有物を使用する共有者に特別の影響を及 ぼすべきときは、その承諾を得なければならない(新 252 条 3 項)
12
保存行為は、各共有者が単独ですることができる(新 252 条 5 項)。共有者全員の利益となるものだ からである。
13
共有物の管理費用・公租公課などは、持分割合に応じて各共有者が負担する(253 条 1 項)。 ある共有者が、立替払いをした共有者から催告を受けたのに、この義務を 1 年内に履行しない場合、 他の共有者は、相当の償金を支払って、その者の持分権を取得することができる(同 2 項)。ここでの 「他の共有者」は、立替払いをした共有者に限らず、不履行者以外の共有者であれば誰でもよい。
14
(1) 特定承継人に対する債権の行使 第一に、この債権は、債務者たる共有者の特定承継人に対しても行使することができる(254 条)。 この制度は、持分権の譲受人に不測の損害を与える可能性があるところ、その適用範囲は、共有と不可 分の権利関係にある債権に限られると解されている。例えば、共有物購入資金を各自の持分割合に応じ て負担するという契約は、当然承継されない (2) 分割に際しての弁済 第二に、共有物の分割に際して、債務者たる共有者に帰属すべき部分をもって、債務の弁済をさせる ことができる(259 条 1 項)。必要がある場合には、債務者に帰属すべき共有物の部分の売却を請求することもできる(同 2 項)。
15
(1)分量説(保存行為説) 権利行使の仕方2つ (1) 共有権の行使――保存行為 第一に、共有者全員に帰属している所有権(共有権)を行使することが考えられる。そして、各共有 者に単独の権利行使の権限を認めるために、新 252 条 5 項が根拠とされる。この規定は、本来、共有者 全員で行うべき共有物の管理・処分のうち、共有物の現状を維持する行為について、共有者全員の利益 となり、誰か 1 人が単独で行ったとしても問題ないとの理由で、単独行使を許したものである。このよ うな保存行為に当たれば、各共有者が単独で権利行使することができる この法律構成による訴訟の結果(既判力)は、共有者全員に帰属する共有権が行使されていることか ら、共有者全員に及ぶ (2) 持分の行使 第二に、分量説においても、各共有者が自己の持分自体について権利主張することは、可能である。 このような権利主張の範囲内であれば、単独の権利行使が許される。 この法律構成による訴訟の結果は、訴訟当事者の持分にしか及ばず、他の共有者を拘束しない。 (2)独立説(持分権説) (1) 持分権の行使 持分権の性質につき独立説に立つ場合には、共有権が観念されないため、独立した所有権である持分 権の行使だけが考えられる。そして、持分権は各共有者固有の権利であるから、原則として単独で行使 しうるということになる。また、訴訟の結果も、訴訟当事者以外の共有者を拘束しない (2) 持分権行使に対する制約 もっとも、複数の持分権が1つの目的物上に存在し、互いに制約し合う関係にあるため、1 人の共有者の持分権行使が、他の共有者の法的地位に影響を与える可能性がある。したがって、各共有者の単独 権利行使の可否を決定するに際しては、その行使が持分権の保全に必要かを判断したうえで、他の共有 者の法的地位に影響しないか、影響するとしてもそれを正当化することができるか、を考えなければな らない。このような共有関係上の考慮により、単独の持分権行使が制約されうる
16
1 持分権の確認 判例によれば、持分権の存否や持分割合について共有者以外の者や他の共有者が争う場合に、各共有 者は、単独で持分権の確認を求めることができる 15。また、各共有者は、各自の持分権につき、単独で 第三者の取得時効を更新することができる 2 共有物にかかる物権的請求 3 共有物にかかる登記請求
17
(1) 判例 判例によれば、共有者の一部や共有者以外の第三者が、無断で共有にかかる立木を伐採する場合や、 共有建物を取り壊している場合には、各共有者は、単独で妨害排除請求権を行使することができる
18
共有者以外の第三者が共有物を無権原で占有している場合にも、各共有者は、単独で全部の返還を請 求することができる 。その根拠は、妨害排除請求の場合と同様に考えることができる
19
ア)少数持分権者に対する返還請求の制限 判例によれば、持分価格が共有物の価格の過半数に満たない共有者(少数持分権者)が、他の共有者 との協議を経ないで共有物を単独で占有している場合、持分の合計価格が共有物の価格の過半数を超え る他の共有者(多数持分権者)であっても、当然にその返還を請求することができるものではない。多 数持分権者は、明渡しを求める理由を主張・立証しなければならない 20 。第三者が共有者の一部から承 認を得て共有物全部を占有している場合も、承認した共有者の使用収益権限に基づく使用であるため、 同様である 21。これは、次の理由による。 ① 多数持分権者であったとしても、それだけで共有物全部の使用収益権限を有するわけではない。 ② 少数持分権者も使用収益権限を有しており、共有物全部の返還を命じると、それを侵害する結果 となる 22 。 イ)過半数決定に基づく返還請求 多数持分権者が新 252 条の規定に基づき共有物の使用方法に関する過半数決定をすれば、共有物を占 有する少数持分権者に対する返還請求が可能となる。新 252 条 1 項後段の規定が、このことを明確にし ている。なお、同条 3 項(前述)に注意すること。
20
(1) 判例 無権利者が単独登記名義を有する場合、各共有者は、当該登記の全部抹消登記手続を単独で請求する ことができる (2) 根拠 ア)保存行為説 登記による共有権侵害の排除は、共有者全員の利益となるものであるため、保存行為に当たる。 イ)持分権説 持分権説からは、持分権自体に基づく妨害排除請求として全部抹消登記請求が認められる。というの は、①全くの無権利者が登記名義人となっている場合には、いったんその登記を抹消しなければ請求者 たる共有者の持分権の登記ができず、更生登記による一部抹消が不可能であり、また、②共有不動産に ついて不実登記があること自体が、不動産の適正な管理や処分を妨げ、将来紛争に巻き込まれるおそれ を生じさせるからである。そして、無権利者の登記を全部抹消登記しても、他の共有者の法的地位に影 響を与えないので、単独請求が認められることになる。
21
判例によれば、無権利者を含む共有名義の所有権保存登記がされた場合に、共有者の一人は、自己の 持分権に対する妨害排除として、登記を実体的権利に合致させるため、持分権を有しない登記名義人に 対し、自己の持分権についての更正登記手続を求めることができるにとどまり、他の共有者の持分権に ついての更正登記手続まで求めることはできない したがって、設例 7 における請求は、X らの持分権についての更生登記手続請求としてのみ認められ る。すなわち、Y8 分の 1、X₁2 分の 1、X₂4 分の 1、B8 分の 1 という形への更生登記である。 (2) 根拠 この場合には、訴訟に関与していない B の持分権についてまで更生登記を認めると、 B の意思にかか わらず登記手続きを強制することになるため、保存行為説・持分権説いずれからも、判例の結論を支持 することができる。
22
(1) 判例 ① 他の共有者は、共有名義の登記に改める更生登記手続(一部抹消登記手続)をすることができる 場合には、自己の持分権の限度での更生登記手続を求めることしかできない ② もっとも、更生登記は、更生の前後を通じて登記としての同一性がある場合に限り認められ、更 生によって登記名義人が全く異なることになる場合や、登記の個数が増える場合には、認められない。 このような登記手続上の制約から更生登記手続をすることができない場合には、全部抹消登記手続を求 めることができる (2) 根拠 ア)保存行為説 A の持分についてのみ一部抹消登記手続が可能な場合に、B の持分についてまで登記を求めると、登 記手続を強いるという点で、B に不利益を与えることになる。したがって、B の持分についての請求ま で、保存行為に含めることはできない。 これに対して、更生登記手続が不可能な場合の全部抹消登記手続請求においては、A・B にとっては 利益となる請求であり、他方で持分登記を失う C が不利益を受けることになるが、登記制度の制約上、 やむを得ない。 イ)持分権説 一部抹消登記が可能な場合には、それによって A の持分権を保全することができる。それを超えて、 B の持分についても抹消登記を求めることは、B の法的地位を左右するため、許されない。 これに対して、一部抹消登記手続きが不可能な場合には、A の権利を保全するために、C の法的地位 に介入してもやむを得ない。
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(1) 判例 判例によれば、共有登記は真正にされたが、その後に共有者の一部の持分権につき不実の移転登記がされた場合、 「その登記によって共有不動産に対する妨害状態が生じているということができる」こと から、他の共有者は、持分権に基づき、単独で不実登記の抹消登記手続を請求することができる (2) 根拠 ア)保存行為説 判例がいうように、不実登記は、共有権の妨害と見ることができる。そして、A の抹消登記手続請求 は、B・C の利益になるものであれ、不利益をもたらすものではないため、保存行為といえる。 イ)持分権説 この場合にも、共有不動産に関する不実登記の存在自体が、他の共有者の持分権に対する妨害となる (上記3-1(2)イ②を参照。)。他方で、 A が E に対して抹消登記手続を求めても、他の共有者 B・C の法的地位に影響は生じない。したがって、A は、単独で請求することができる。
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固有必要的共同訴訟 共有関係の確認を求める訴え、共有名義への所有権移転登記手続請求、共有地についての境界確定の訴えなどは、各共有者単独ですることができず、共有者全員でする必要がある(固有必要的共同訴訟)。
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判例によれば、境界確定の訴えを提起する場合に、共有者全員が原告となる必要はない。訴えの提起 に同調しない共有者がいる場合には、その者も被告にして訴えを提起することができる。これは、①共 有者のうちに訴えの提起に同調しない者がいる場合であっても、隣接地との境界に争いがあるときには、 これを確定する必要があること、②裁判所は、当事者の主張に拘束されないで、自らその正当と認める ところに従って、境界線を画定することができることを理由とする
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「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる」とされている(256 条 1 項本文)
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5 年を超えない期間内であれば、分割しない旨の契約をすることができる(256 条 1 項た だし書)。この契約は更新することができるが、その期間は、更新の時から 5 年を超えることができな い(256 条 2 項)。この契約は持分権の特定承継人をも拘束するが(254 条)、不動産共有の場合には、登記しなければ対抗することができない(不登 59 条 6 号)。
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手続き 共有物の分割が請求された場合、 各共有者は、 まずは分割のための協議をしなければならない。 新 258条 1 項が、「共有者間に協議が調わない(こと)」または「協議をすることができない(こと)」を、裁判分割の要件としているから 分割方法 協議分割は、共有者間でなされる一種の契約である。したがって、契約自由の原則が妥当するため、 共有者全員の合意があれば、とくに分割方法に制限はない。
29
「共有者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないとき」は、裁判所に分割を請求す ることができる(新 258 条 1 項)。 「協議をすることができないとき」には、共有者が不明であるときも含まれる。
30
請求者以外の全共有者を相手方として提起すべき固有必要的共同訴訟 当事者は、単に分割を求める旨の申立てをすれば足り、分割の方法を具体 的に指定することを要しない。そのうえ、当事者が特定の分割方法を主張しても、裁判所はそれに拘束 されない。
31
現物分割(共有物の現物を分割する方法) 賠償分割(一部の共有者に持分の全部または一部を取得させる代わりに、他の共有者に対し金銭債務を負わせる分割方法) 競売分割(現物分割および賠償分割が不可能な場合、または、分割によって価格を著しく減少させるおそれがあるときは、共有物を競売に付して、その売却代金を分割)
32
共有物が複数存在する場合に、それらを一括して分割の対象とし、分割後のそれぞれの不動産を、各 人の単独所有とすることが認められている
33
多数の者が共有する物を現物分割する場合、分割請求者の持分の限度で 30、あるいは、分割請求の相 手方の持分の限度で 31、その物を分割し、残部を他の者の共有として残すことができる。
34
部分的価格賠償(持分の価格を超える現物を取得する共有者に、当該超過部分の対価を支払わせ て過不足を調整する方法)と全面的価格賠償(対象物を共有者のうち 1 人の単独所有または数人の共有とし、これらの者から他の共有者に対して持分の価格を賠償させる方法)
35
部分的価格賠償とは、持分の価格を超える現物を取得する共有者に、当該超過部分の対価を支払わせ て過不足を調整する方法
36
全面的価格賠償とは、対象物を共有者のうち 1 人の単独所有または数人の共有とし、これらの者から 他の共有者に対して持分の価格を賠償させる方法
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(A) 相当性 まず、以下のような事情を総合的に考慮して、当該共有物を共有者のうちの特定の者に取得させるの が相当であると認められることを、必要としている。 ① 共有物の性質および形状 ② 共有関係の発生原因 ③ 共有者の数および持分割合 ④ 共有物の利用状況および分割された場合の経済的価値 ⑤ 分割方法についての共有者の希望およびその合理性の有無 等の事情 (B) 実質的公平性 次に、 (ⅰ)共有物の価格が適正に評価され、 (ⅱ)当該共有物を取得する者に支払能力があって、他の共 有者にはその持分の価格を取得させることにしても、共有者間の実質的公平を害しないと認められるこ とを、要求している。
38
共有物の全部またはその持分が相続財産に属する場合において、共同相続人間で当該共有物の全部ま たはその持分について遺産分割をすべきときは、新 258 条の規定に基づく分割ではなく、遺産分割の方 法(906 条以下)によらなければならない(新 258 条の 2 第 1 項)。
39
共有物の持分が相続財産に属する場合において、相続開始の時から 10 年を経過したときは、相続財 産に属する共有物の持分について新 258 条の規定による分割をすることができる(新 258 条の 2 第 2 項本文)。設例 13 においては、新 258 条の手続により、 C・ D 間での甲持分の分割も可能となる。なお、新 258 条の 2 第 2 項ただし書および 3 項の規定に留意すること。
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「各共有者は、他の共有者が分割によって取得した物について、売主と同じく、その持分に応じて担保の責任を負う」ものとされている(261 条)。具体的には、562 条以下の規定に従い、追完請求、代金減額に相当する金銭的調整の請求、損害賠償請求、解除などが可能となる――ただし、裁判分割については、解除することができないとされている。――。
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(1) 抵当権を設定した持分権者が、共有物の全部を取得した場合(①) この場合、179 条 1 項ただし書が類推され、C の持分権が存続し、その上に X の抵当権も存続する。 (2) 現物分割された場合(②) この場合、丁の上にのみ X の抵当権を認めると、もともと C が有していた持分権と丁とが等価でな いとき等、X に不利益が生じうる。そのため、乙・丙・丁のそれぞれについて、C のもとの持分割合に応じて、X の抵当権が存続するものとされている 3) 抵当権を設定した共有者が現物を受け取らない場合(③) この場合、X の抵当権は、C が取得した持分権の代償たる金銭債権の上に及ぶ(物上代位、372 条→ 304 条)。もっとも、これだけでは、 C が受け取る金額が相当でない場合など、 X の利益が十分に確保されないことがありうる。他方で、分割による共有物取得者は、実質的には持分権の取得者といえ、抵当 権の設定された持分権の取得者は、その負担を引き受けなければならないはずである。したがって、X の抵当権は、甲の上に、C のもとの持分割合に応じて存続するものとされている。
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1 持分取得の裁判 「不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所 在を知ることができないときは」、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に当該所在等不明共有 者の持分を取得させることができる(新 262 条の 2 第 1 項前段)。請求共有者が複数いる場合には、各 人の持分割合で按分して取得させることになる(同後段)。 2 共有物分割請求・遺産分割との関係 (1) 共有物分割請求との優劣 新 258 条 1 項の規定による共有物分割請求は、持分取得請求に優先する(新 262 条の 2 第 2 項)。共 有物全体の分割を希望する共有者がいる場合には、裁判分割の手続の中で適切な分割を実現すべきだか らである。 (2) 遺産分割との優劣 持分取得請求は、遺産分割請求にも劣後する(同上)。また、所在等不明共有者の持分が相続財産に 属しており、共同相続人間で遺産分割をすべき場合には、相続開始の時から 10 年を経過しなければ、 裁判所は、持分取得の裁判をすることができない(同条 3 項)。 3 所在等不明共有者の請求権 持分取得の裁判により持分を失った所在等不明共有者は、当該持分を取得した共有者に対し、当該持 分の時価相当額の支払を請求することができる(同条 4 項)。なお、持分取得の裁判をするには、申立 人が裁判所の定める額の金銭を供託しなければならない(非訟事件手続法新 87 条 5・6 項)。
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1 持分譲渡権限付与の裁判 「不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在 を知ることができないときは」、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、所在等不明共有者以 外の共有者全員が特定の者に対して持分全部を譲渡することを停止条件として、所在等不明共有者の持 分を当該特定の者に譲渡する権限を付与する旨の裁判をすることができる(新 262 条の 3 第 1 項)。 2 遺産分割との関係 所在等不明共有者の持分が相続財産に属しており、共同相続人間で遺産分割をすべき場合には、相続 開始の時から 10 年を経過しなければ、裁判所は、持分譲渡権限付与の裁判をすることができない(同 条 2 項)。 3 所在等不明共有者の請求権 持分を第三者に譲渡された所在等不明共有者は、当該譲渡をした共有者に対し、不動産の時価相当額 を所在等不明共有者の持分に応じて按分して得た額の支払を請求することができる(同条 3 項)。なお、 金銭の供託については、持分取得の裁判と同様である(非訟事件手続法新 88 条 2 項)。