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第3回国家 ① 国家の成否と承認

Aiko Kobayashi

問題数 27 • 6/16/2025

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問題一覧

国家性の要件４つ

恒常的な住民、明確な領域、政府、他の国と関係を取り結ぶ能力

提携国家とは？

ある共通の目的や利益のために、政治的・軍事的・経済的に協力・連携している国家群のこと

被保護国とは？

ある強国（保護国）によって外交や安全保障の面で保護される一方で、内政の一部または全部の自主権を制限されている国家や地域

提携国家と被保護国との違いは？

提携国家は合意に基づいている

国家承認とは？

国家が他の領域的実体を国際法上の国家と認めること

二ウエはニュージーランドの属領であったが現在は独立している属領であった時に、二ウエを国家承認するのは適法か？

違法

尚早の承認とは？

国家や政府が法的・政治的に十分な安定性や実効性を備えていない段階で、他国がその国家や政府を正式に承認してしまうことこの承認は違法

国家承認の種類２つ

明示の承認、黙示の承認

国家承認の一つである黙示の承認とは？

国家間においてのみ通常は行い得る行為をその国家と行うこと

国家承認の法的効果に関する学説である創設的効果説とは？

ある国家が国際法上の主体として認められるためには、他国から承認されなければならないという考え方

国家承認の法的効果の通説である宣言的効果説とは？

国家としての地位は承認によって初めて生じるのではなく、すでに事実上の国家として存在し、承認はそれを確認するに過ぎないとする考え方

リンビン・タイク・ティン・ラット対ビルマ事件（1954年、東京地裁）判国12とは、どのような事件か意義は？

原告は、ビルマ政府に対し、ある金銭的請求を行った（具体的な請求内容は債務返済関連とされる）。原告は東京地裁に提訴したが、被告＝外国国家（ビルマ政府）は「**日本の裁判所には自国を裁く権限がない（主権免除）」と主張。たとい我国において同連邦を正式に承認していないとしても、同連邦を以て民事訴訟における外国国家と一応認めるほかない。判決：ビルマ政府に国家免除を認めた日本の裁判所が「外国国家は裁判権から免除される」として、外国政府を被告とする民事訴訟を却下した判例であり、主権免除（特に絶対免除）の原則を確認した日本の国際法史上重要な判決

ベルヌ条約（著作権保護条約）事件判国14とはどのような事件か？意義は？

事実：北朝鮮の行政機関「朝鮮映画輸出入社」制作・著作の映画の一部を、フジテレビがニュース番組にて無断で放映したことが、著作権侵害だとして提訴された事例。判決：フジテレビ勝訴一般に、我が国について既に効力が生じている多数国間条約に未承認国が事後に加入した場合、当該条約に基づき締約国が負担する義務が普遍的価値を有する一般国際法上の義務であるときなどは格別、未承認国の加入により未承認国との間に当該条約上の権利義務関係が直ちに生ずると解することはできず、我が国は、当該未承認国との間における当該条約に基づく権利義務関係を発生させるか否かを選択することができる未承認国の法的地位や条約の適用関係における主権国家の裁量を明確に示した判例

CASE 北朝鮮帰国事業損害賠償事件（東京地裁2022年3月23日）とはどのような事件か？

北朝鮮が「地上の楽園」等の宣伝文句で在日朝鮮人とその家族の北朝鮮への帰国を推進した事業が不法行為に当たるとして損害賠償請求がなされた事例。判決：北朝鮮に国家免除は認められないとした

国は、国家性を満たす実態を常に国家として承認しなければならないか？

〔承認は〕他国が自ら選択した時にその選択する手段で行うことのできる裁量的行為

違法行為を通じて成立した「国家」を承認しても良いか？

スティムソン主義→承認しない国際法に違反して取得された領土や国家をアメリカは承認しないという原則

未承認国の例は？

台湾、パレスチナ国

信託統治地域とは？

一定の地域を先進国（信託統治国）が国連の監督下で統治・管理し、将来的な自立や独立を目指す地域

非自治地域とは？

まだ完全な自治または独立を達成していない領域（植民地など）として国連に登録された地域

植民地独立付与宣言の内容は？

信託統治地域、非自治地域その他の未だ独立を達成していない地域において、これらの地域の人民が完全な独立と自由を享有できるようにすること

救済的分離論とは？

多民族国家や多文化国家において、異なる民族や集団間の深刻な対立や差別が存在する場合に、その対立を解消・緩和するために、政治的・社会的に集団を分離・区分してそれぞれに自治権を与えるべきだとする考え方

ケベック州に独立する権利があるかないか？→ケベック分離事件

独立を認めない人民の自決権は通常、内的自決（人民が既存国家の枠内でその政治的、経済的、社会的および文化的発展を追求すること）により実現。外的自決の権利（本件では潜在的に一方的分離権の主張という形をとるもの）が生じるのは、最も例外的な場合のみ。人民の同権又は自決の原則に従って行動し、人種、信条又は皮膚の色による差別なくその地域に属する人民全体を代表する政府を有するに至った主権独立国家の領土保全又は政治的統一を全体的又は部分的に分割し又は害するいかなる行動をも認め又は奨励するものと解釈してはならない。

コソボ独立宣言事件とは？

事件概要 2008年2月、コソボ自治州（旧ユーゴスラビアのセルビア領）が一方的に独立を宣言。セルビア政府はこれを違法と主張し、国際司法裁判所（ICJ）に対し「コソボの独立宣言は国際法違反か？」の判断を求めた。ICJは2010年に**勧告的意見（advisory opinion）**を出した。  国家内の実体による一方的独立宣言を禁止する国際法は存在しない→独立宣言そのものは国際法違反ではないと認めたが、領土一体性や国家承認問題は国際法の枠外の政治問題として扱うべき

国家が消滅する場合２つ

他国との合併、国家性要素の変更

他国との合併の種類２つ

自発的合併、武力併合

領土が縮小した場合や、政府が変更、消滅した場合、国家性要素が変更されたとみなし、当該国家は消滅するか？

消滅しない

海面上昇により領土が消滅した場合、国家は存続するか？

存続するという考えが有力

第3回 国家 ① 国家の成否と承認

第3回国家 ① 国家の成否と承認