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33問 • 1年前
  • _ Platonic
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  • 1

    通達は、原則として、法規の性質を持つものではなく、上級行政機関が関係下級行政機関及び職員に対してその職務権限の行使を指揮し、職務に関して命令するために発するものであり、このような通達は関係下行政機関及び職員に対する行政組織内部における命令にすぎないから、これらのものがその通達に拘束されることはあっても、一般の国民は直接これに拘束されるものではなく、このことは、通達の内容が、法令の解釈や取扱いに関するもので、国民の権利義務に重大なかかわりを持つようなものである場合においても別段異なるところはないとするのが判例である。

    妥当である。判例は本記述のように判断し、通達は下級行政機関を拘束するが、対国民との関係では拘束力を持たず、その意味で外部的効果を持つものではない、とした。

  • 2

    行政庁がその裁量に任された事項について裁量権行使の準則を定めた場合、このような準則は、本来、行政庁の処分の妥当性を確保するためのものであるが、これに違背する処分が行われたときは、当不当の問題を生ずるにとどまらず、原則としてその処分は違法となるとするのが判例である。

    裁量権行使の準則(裁量基準)は内部的基準であるので、行政規則としての性格を備えたものであり、その設定には法律の根拠を必要とせず、また、その定められた裁量基準に反した決定をしたからといって当然にその決定が違法となるものではない。最大判昭53年10月4日 も「行政庁がその裁量に任された事項について裁量権行便の準則を定めることがあっても、このような準則は、本来、行政庁の処分の妥当性を確保するためのものなのであるから、処分が右準則に違背して行われたとしても、原則として当不当の問題を生ずるにとどまり、当然に違法となるものではない」としている。したがって、本記述の「当不当の問題を生ずるにとどまらず、原則として違法となるとするのが判例である」の部分が誤りである。

  • 3

    申請に対する処分については、当該処分により具体的に影響を受ける申請者以外の者の手続的参加権を保障するため、行政庁は、公聴会その他の方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けなければならないとされている。

    公聴会の開催などは努力義務である(行政手続法10条)。したがって本肢の「行政庁は、公聴会その他の方法により~設けなければならないとされている」の部分が誤りである。

  • 4

    不利益処分をする場合、書面で行う処分かどうかを問わず、行政庁は、原則として名あて人に対して処分と同時に処分理由を提示しなければならないとされているが、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合はこの限りでないとされている。

    妥当である。不利益処分と同時の理由の提示は書面で行わない処分でも義務であり(行政手続法14条1項)、書面で不利益処分を行う場合には書面で理由を附記しなければならない(行政手続法14条3項)。ただし、本肢のような例外では、同時に理由を提示する必要はないとされ(行政手続法14条1項但書)、その場合でも一部の例外を除いては相当期間内に理由を提示しなければならない(行政手続法14条2項)。

  • 5

    命令等を定める際の意見公募手続において国民から提出された意見はこれを十分に考慮しなければならないが、提出された意見自体については提出者の権利保護の趣旨から、これを公開してはならないこととなっている。

    平成17年改正により命令等(講学上の「行政立法』)を制定する場合の意見公募手続が規定されているが、意見公募手続を実施して命令等を定めた場合には、提出された意見および提出意見を考慮した結果・その理由を正当な理由がない限り公示しなければならない(行政手続法43条)。したがって本肢の「これを公開してはならないこととなっている」の部分が誤りである。

  • 6

    開示請求に対する決定に対して不服申立てがあったときは、当該不服申立てに対する裁決又は決定をすべき行政機関の長は、情報公開・個人情報保護審査会に必ず諮問しなければならない。

    行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下、情報公開法とする)19条において、「①不服申立てが不適法であり、却下するとき」「②裁決又は決定で、不服申立てに係る開示決定等を取り消し又は変更し、当該不服申立てに係る行政文書の全部を開示することとするとき(但し、第三者(情報が記載されている者)から意見書の提出があった場合は除く)」には情報公開・個人情報保護審査会に諮問しなくてもよいとされている。したがって本記述の「必ず諸問しなければならない」の部分が誤りである。

  • 7

    開示請求に係る行政文書に、国、地方公共団体等及び開示請求者以外の第三者の情報が記録されている場合には、開示決定等をするにあたり、行政機関の長は、当該第三者に意見書の提出の機会を与えることができる。

    妥当である。情報公開法13条に規定するとおりである。

  • 8

    情報公開法は、行政文書を「行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)であって、当該行政機関の決裁又は供覧手続を経たもの」と定義している。

    情報公開法2条2項は「行政文書とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているもの」としており、内部決裁(内部承認)や供覧手続(一般に公告する手 税)を経た物であることは要求していない。したがって本記述の「当該行政機関の決済、又は供覧手続を経たもの」の部分が誤りである。

  • 9

    情報公開法に基づいて特定の個人が自己の個人情報の開示を求めた場合には、当該個人のプライバシーが侵害される余地はないから、個人情報であることを理由に不開示情報として開示を拒否することはできない旨が情報公開法に明記されている。

    情報公開法は本人による自己情報の開示請求が原則開示となる旨は規定されていない。したがって本記述の「〜旨が情報公開法に明記されている」の部分が誤りである。なお情報公開法5条1号は「個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの、又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」を不開示としており、自己の個人情報の開示請求であっても上記に該当するものは不開示情報となる。

  • 10

    処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができるときでも、法律に定めがあれば処分庁に対して再調査の請求をすることができ、その場合には審査請求と再調査の請求のいずれを行ってもよい。

    妥当である。行政不服審査法5条1項本文は本肢のように定めている。処分庁に対して再考を求める簡易な手続である再調査の請求は、法律で認めている場合でなければできない。さらに、平成26年の法改正前では、処分庁に対する不服申立ては「異議申立て」としており、審査請求をすることができるが特に法律で異議申立てをすることを認めている場合には、異議申立てを先にしなければならないとされていたが(異議申立前置主義)、法改正により改められたことになる。

  • 11

    不作為についての不服申立てには不服申立期間の制約はなく、また原則として上級行政庁に対する審査請求によることとし、上級行政庁がないときは、不作為庁に対する再調査の請求をすることができる。

    「不作為に対する不服申立てに不服申立期間の制約はない」とする点について、不服申立てができる終期(いつまでできるか)は確かに制約はないが、始期(いつからできるか)は「申請から相当の期間」した後でなければ不服申立ては却下される(行政不服審査法49条)ので、本肢が「不服申立期間の制約はない」というのは誤りである。また、不作為に対する不服申立ては再調査の請求をすることはできず、審査請求(審査庁が処分庁の上級行政庁にあたるか否かは問わない)のみすることができる(行政不服審査法5条1項で再調査請求が認められるのは「当該処分に不服がある者」と限定されている)。したがって、「原則として上級行政庁に対する審査請求による」の部分、および「上級行政庁がないときは不作為庁に対する再調査の請求」の部分が誤りである。

  • 12

    行政不服申立てにおいては、適法・違法だけでなく、当・不当の問題の審査ができ、また不告不理の原則は厳格には適用されないので、事者の主張しない事由を審査し、申立人に不利益になるよう処分を変更することもできる。

    行政不服申立てでは、行政事件訴訟とは異なり、適法・違法の判断だけでなく当・不当の判断もできる点は正しい。また職権証拠調べ以外に職権探知主義も認められている(行政不服審査法33条~36条の解釈)ため「不告不理の原則は厳格には適用されない」とする点も正しい。 しかし、審査請求人の不利益に当該処分を変更するなどの不利益変更は許されない(行政不服審査法48条)。したがって、「申立人に不利益になるよう処分を変更することもできる」とする部分が誤りである。

  • 13

    行政不服申立制度は、行政部内における権利教済の手続ではあるが、意法32条の裁判を受ける権利を具体化したものであるから、不服申立事項について概括主義をとるか列記主義をとるかを立法政策的に決めることは許されない。

    行政不服申立制度は、裁判制度とは異なるため、越法32条の「裁判を受ける権利」に基づく制度ではない。したがってその存在自体も含め、どのような不服申立てを受け付けるかなどの一切の事項は立法政策的に決定することができる。したがって、「概括主義をとるか列記 主義をとるかを立法政策的に決めることは許されない」の部分が誤りである。なお現行の行政不服審査法は一定の例外として不服申立てができない場合のみ記載し、それ以外は広く不服申立てを認める「一般概括主義」(行政不服審査法4条)をとっているが、再調査の請求については法律の定める場合に限定し(行政不服審査法5条)、再審査請求については、これができる場合を行政不服審査法8条に列挙の場合だけに限定しているので(この規定の仕方はとくに限定しているものではないので、「概括列記」と呼ばれる)、すべての不服申立てについて概括主義をとっているものではない。

  • 14

    処分取消しの訴えは、原則として処分があったことを知った日から3ヶ月、又は処分があった日から1年以内に提起しなければならないが、ここにいう「処分があったことを知った日」とは、現実に知った日、または現実には知らなくても社会通念上知りうべき状態になった場合を指すというのが判例である。

    処分取消しの訴えは「処分があったことを知った日から6ヶ月」または処分があった日から 1年以内に提起しなければならない(行政事件訴訟法14条1項、2項)。また判例は、処分があったことを知った日とは現実に知った日を指し、社会通念上知りうべき状態になった場合には処分があったことを知ったと推定される(よって反対証拠があれば覆すことができる)としている。したがって、「処分があったことを知った日から6ヶ月」の部分、および「処分があったことを知った日」について「現実に知った日、または現実にはらなくても社会通念上知りうべき状態になった場合を指すというのが判例」の部分が誤りである。

  • 15

    処分取消しの訴えの被告は処分を行った処分庁であるが、もし処分庁が処分を行うに際して別の行政庁を被告として処分取消しの訴えを提起するように教示していた場合に、教示されたとおりの行政庁を被告として訴えを提起しても適法な訴えとは認められない。

    処分取消しの訴えの被告は行政主体(国、地方公共団体)であって、行政庁ではない(平成16年の行政事件訴訟法改正によってこのように改正されている)。なお本肢後段は正しく、教示制度(行政事件訴訟法46条)によって処分行政庁が処分に際して行った教示において、被告とすべき行政庁を誤って教示した場合でも、本肢のとおり救済は認められない。したがって、「処分取消しの訴えの被告は処分を行った処分庁である」の部分が誤りである

  • 16

    処分取消しの訴えは、処分の取消しを得ることについて法律上の利益がなければならないが、平成16年の法改正によって、処分の取消しを求める「法律上保護に値する利益」と明記されることとなり、原告適格の実質的拡大が図られた。

    前段は正しい(行政事件訴訟法9条1項)が、後段について、本肢のようなことは明記されていない。なお平成16年の行政事件訴訟法の改正では、9条に2項が追加され、従来の判例理論(最判平元年2月17日 新潟空港訴訟など)による「法律上保護された利益」の判断基準が明記されるようになり、「原告適格の実質的拡大が図られた」とされた。そしてこの法改正によっても判例の「法律上の利益」の解釈は「法律上保護された利益」にとどまり、学説が主張する「法律上保護に値する利益」説は採られていない。したがって、「平成16年の法改正によって、処分の取消しを求める「法律上保護に値する利益』と明記されることとなり」の部分が誤りである。

  • 17

    同一周波の免許をめぐって競願関係にある申請者間において、ある免許申請者に対する拒否処分とほかの免許申請者に対する免許付与とが表裏の関係にある場合であっても、拒否処分の異議申立棄却決定の取消しが然にほかの免許申請者に付与された免許の取消しを招来することになる場合に限り、訴えの利益が認められる。

    判例は、「被上告人(免許付与されなかった事業者)は、自己に対する拒否処分の取消しを請求しうるほか、競願者(訴外A)に対する免許処分の取消しをも訴求しうる」とし、その理由としては、「拒否処分のみの取消しを訴求する場合にも、郵政大臣による再審査の結果によっては、訴外A(免許付与された事業者)に対する免許を取り消し、被上告人に対し免許を付与するということもありうる」からであるとしている。したがって、「拒否処分の異議申立棄却決定の取消が当然に他の免許申請者に付与された免許の取消を招来することになる場合に限り、訴えの利益が認められる」の点が誤りである。

  • 18

    土地改良事業施行の認可が取り消された場合に、事業施行地域を事業施行以前の原状に回復することが、訴訟係属中に土地改良事業計画に係る工事及び換地処分がすべて完了したため、社会的、経済的損失の観点からみて、社会通念上、不可能である場合には、認可処分の取消しを求める原告の法律上の利益が消滅する。

    判例は、土地改良事業施行認可処分に基づく工事及び換地処分が全て完了し、社会通念上、工事完了前の原状に復することが不可能であったとしても、本件認可処分が取り消されたとすれば、これにより換地処分等の法的効力が影響を受けることが明らかであるとして、「回復すべき法律上の利益」が存続し、本件認可処分の取消しを求める上告人の法律上の利益を消滅させるものではないとしている。したがって、「原状に回復することが~社会通念上、不可能である場合には、認可処分の取消しを求める法律上の利益が消滅する」の部分が誤りである。

  • 19

    行政庁の処分とは、公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいい、ごみ焼却場の設置行為は、周辺住民の人格権及び財産権に直接影響を与え、その範囲を確定するものにほかならないから行政庁の処分にあたる。

    判例は、本のごみ焼期場設行為を「事実的行為」として、取訴訟の要件である処分性を否定している。したがって、「周辺住民の~処分にあたる」の部分が誤りである。

  • 20

    運輸大臣から特殊法人である鉄道建設公団に対する工事実施計画書の認可処分は、行政組織内の内部行為ではなく、私法人に対する法的効果を伴うものといえるから、行政庁の処分にあたる。

    判例は、本肢の処分について内部的行為であるとして処分性を否定している。したがって、「行政組織内の~処分にあたる」の部分が誤りである。

  • 21

    都市計画法の規定に基づく用途地域指定の決定が告示され、その効力が生ずると、当該地域内においては、建築物の用途、容積率、建ぺい率等につき従前と異なる基準が適用され、これらの基準に適合しない建築物については、建築確認を受けることができないことになるから、地域指定の決定は、被指定地域の住民等利害関係者に広く一般的な制約を課すものであるとみるのが相当であり、行政庁の処分にあたる。

    判例は、都市計画法に基づく工業地域(用途地城)の指定の処分性を否定している。地域指定の決定は、その地域の不特定多数の者に対する一般的抽象的な効果をもたらすにすぎないからである。したがって、「被指定地域〜処分にあたる」の部分が誤 りである。

  • 22

    関税定率法の規定に基づく輸入禁制品に該当する貨物と認めるのに相当の理由がある旨の税関長による通知は、いわゆる観念の通知とみるべきものであるが、当該通知があった場合には、輸入申告者は貨物を適法に輸入する道を閉ざされるのであって、これは当該通知によって生ずるに至った法律上の効果とみるのが相当であり、当該通知は行政庁の処分にあたる。

    妥当である。判例は、関税定率法に基づく税関長の「輸入禁制品に該当する」旨の通知が「事実上輸入できなくなるという法的効果を発生させるもの」と認め、その通知の処分性を認めている。

  • 23

    行政事訴訟法によれば、法令に基づく申請に対する不作為について義務付け訟を提起する場合には、不作為の違法確認の訴えを併合して提起しなければならないとされている。

    妥当である。義務付け訴訟のうち不作為型では、当該処分にかかる不作為の違法確認の訴えを併合して提起しなければならない。

  • 24

    申請処理の遅延による精神的損害の賠償請求が問題となった事例において、不作為の違法確認訴訟上の不作為の違法の要件と、国家賠償法上の違法の要件は一致するとするのが判例である。

    判例は、申請に対する手続き上の義務(応義務)への違法(=不作為違法確認訴訟での違法)をもって国賠法上の違法(不法行為上の違法)といえるかが争点となった事件であるが、申請に対する応答義務は、申請者の指摘利益の保護に直接向けられたものではないから、その義務違反を持って不法行為法上の違法とすることはできないとし、不作為の違法確認の訴えは認容しつつ国家賠償請求は棄却した。したがって、「不作為の違法確認訴訟上の不作為の違法の要件と、国家賠償法上の違法の要件は一致するとするのが判例」の部分が誤りである。

  • 25

    不作為の違法確認訴訟は、処分又は裁決について申請をした者が提起することができるとされているが、この申請をした者とは、法令に基づく適法な申請行為をした者であると解釈されている。

    不作為の違法確認訴訟は、処分または裁決についての法律に基づく申請をした者に限り、提起することができるが、当該申請行為が手続き上適法であるかどうかは問題とならない。不適法な申請に対しても行政庁は申請の却下義務がその申請制度に含まれており、その限りで、行政庁には応答義務があると解されるからである。したがって、この申請をした者が法令に基づく「適法な申請行為をした者」としている部分が誤りである

  • 26

    公立中学校の課外クラブ活動中では、顧問教諭は何らかの事故の発生する危険性を具体的に予見することが可能であるような特段の事情がある場合を除き、個々の活動に常時立ち合い監視指導すべき義務までを負うものではないので、活動中の生徒が体育館内の器具の使用をめぐる喧嘩が顧問教諭にとって予見可能であっといえるものでないかぎり、顧問教諭がその場に不在であったことを理由に国家賠償法上の過失を認めることはできない。

    妥当である。判例は本のように述べ、課外クラブ活動中の生徒同士のけんかによって傷害を負った者からの国家賠償請求を否定した。

  • 27

    国又は公共団体は、公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったため、他人に損害を生じ賠償をしなければならない場合において、他に損害の原因について責めに任ずべき者があるときでも、この者に対して求償することはできない。

    設置管理の瑕疵のために国・地方公共団体が被害者に損害の賠償をしたときには、その瑕疵の原因となる者(例えば、工事ミスを行った業者)に対して求償をすることができる(国家賠償法3条1項)。

  • 28

    最高裁判所の判例では、営造物が他人に危害を及ぼす危険性がある状態にあっても、その危害は利用者以外の第三者に対するそれを含まないので、空港に離着陸する航空機の騒音等によって、周辺住民に受忍すべき限度を超える被害があっても、国に賠償責任はないとした。

    判例(最判昭56年12月16日大阪空港事件)は、国家賠償法2条1項の営造物の設置または管理の瑕疵を、営造物の利用者に対してのみならず、利用者以外の第三者に対するそれを含むと解すべきである、としている。したがって、「その危害は利用者以外の第三者に対するそれを含まない」とし、周辺住民に対する国家賠償責任を否定している点が誤りである。

  • 29

    普通地方公団体には会を必ず置かなければならないが、特別地方公共団体には議会を置かないこともでき、議会の議員の被選挙権は30才以上の日本国民であり、その地方公共団体に居住しているという住民要件は不要である。

    普通地方公団体では議会が置かれるが(地方自治法8条)、町・村においては議会の代わりに町村総会を設けることができる(地方自治法94条)。したがって本肢が「普通地方公期間体は必ず議会を置かなければならない」とする点が誤りである。さらに酸会の議員の被選挙権は25才以上で当該地方公共団体の選挙権を有する者、すなわち当該地方公共団体に引き続き 3ヶ月以上住所を有しているという住民要件が必要である(公職選挙法10条1項3号・5号、9条2項)。したがって、「議会の議員の選挙権は30才以上の日本国民」とし「住民要件は不要」 の部分が誤りである。 なお本肢が「特別地方公共団体には議会を置かないこともでき」とする点は正しい。特別地方公共団体のうち特別区では議会を置かなければならないが(地方自治法283条1項による地方自治法89条の準用、および「町・村」が置かれないために地方自治法94条による町村議会も置かれない)、他の特別地方公共団体では議会を置くことは任意である。

  • 30

    地方公共団体の議会は当該地方公共団体の長に対する不信任決議をすることができる。この決議を受けた長は、その通知を受けた日から10日以内に議会を解散することができ、期間内にこれを行わないときは失職する。

    妥当である。地方公共団体の議会は長に対する不信任決議をすることができる。この決議を受けた長はその通知を受けた日から10日以内に議会を解散することができ、期間内にこれを行わないときは失職する。また、長が解散をし、その後招集された議会において再度不信任決議がされた場合には、長は当然に失職する。なお不任決議をするための議決要件は、定定数は議員数の2/3、議決数は出席議員の3/4であるが、解散・議会議員選挙後の再度の不信任決議では過半数の賛成で足りる(地方自治法178条)。

  • 31

    地方公共団体の長は議会に対して条例案や予算案を提出することができないが、議会の条例の制定・改廃の議決や予算に関する議決に対して長は拒否権を行使することができる。ただし議会がそれらについて再度同様の議決を出席議員の過半数で行ったときは、その議決は確定する。

    地方公共団体の長は議会に対し条例案や予算案を提出することができる(地方自治法149条)。したがって、これらを「提出することができない」とする点で誤りである。また、これらについて、長が本肢の拒否権(地方自治法176条1項)を行使しても、議会で再議し出席議員の2/3以上で同様の議決がなされた場合には、その議決は確定する(地方自治法176条2項、3項)。したがって、「再度同様の議決を出席議員の過半数で行ったときは」としている点が誤りである。

  • 32

    地方公共団体の議会は当該地方公共団体のみに適用される条例を制定することができ、法律の範囲外の条例であれば罰則を設けることはできないが、国会が制定した法律の具体的委任を受けた条例では、条例に罰則を設けることができる。

    地方公共団体の議会は法律の範囲内でのみ条例を制定することができるので(憲法94条)、そもそも法律の範囲外の条例は制定できない。さらに、国会が制定した法律の具体的委任がなくても、地方自治法上条例に2年以下の懲役、禁錮等の罰則を設けることが認められており (地方自治法14条3項)、条例に罰則を設けることは法律の具体的委任がある場合に限られない。 したがって、「法律の範囲外の条例であれば」としている部分が前提として誤りであることと、「国会が制定した法律の具体的委任を受けた条例では、条例に罰則を設けることができる」の部分が誤りである。

  • 33

    国は普通地方公共団体に対し、地方自治法に基づく関与として、助言・勧告の強制力のないものは法律の根拠なくすることができるが、許可、認可等の処分等では法律に基づく限りすることができる。ただし、法定受託事務、自治事務を問わず地方公共団体の権限とされる事務について国は代執行を行うことはできない。

    国から地方公共団体に対する関与(なお都道府県から市町村に対してという地方公共団体相互の関与もある)について、「送又は法律に基づく政合の根拠」があれば可能である(地方自治法245条の2)。したがって、「強制力のないものは法律の製拠なくすることができる」とする点、および「許可、設可等の処分等では法律に基づく限り」の部分が誤りである。さらに、代執行も関与の一種として法定されている(地方自治法245条1号ト)。なお、代執行がてきるのは、法定受託事務について、地方公団体の事務処理が法令違反 または事務処理を怠っているときに可能である(地方自治法245条の8第項)。

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    問題一覧

  • 1

    通達は、原則として、法規の性質を持つものではなく、上級行政機関が関係下級行政機関及び職員に対してその職務権限の行使を指揮し、職務に関して命令するために発するものであり、このような通達は関係下行政機関及び職員に対する行政組織内部における命令にすぎないから、これらのものがその通達に拘束されることはあっても、一般の国民は直接これに拘束されるものではなく、このことは、通達の内容が、法令の解釈や取扱いに関するもので、国民の権利義務に重大なかかわりを持つようなものである場合においても別段異なるところはないとするのが判例である。

    妥当である。判例は本記述のように判断し、通達は下級行政機関を拘束するが、対国民との関係では拘束力を持たず、その意味で外部的効果を持つものではない、とした。

  • 2

    行政庁がその裁量に任された事項について裁量権行使の準則を定めた場合、このような準則は、本来、行政庁の処分の妥当性を確保するためのものであるが、これに違背する処分が行われたときは、当不当の問題を生ずるにとどまらず、原則としてその処分は違法となるとするのが判例である。

    裁量権行使の準則(裁量基準)は内部的基準であるので、行政規則としての性格を備えたものであり、その設定には法律の根拠を必要とせず、また、その定められた裁量基準に反した決定をしたからといって当然にその決定が違法となるものではない。最大判昭53年10月4日 も「行政庁がその裁量に任された事項について裁量権行便の準則を定めることがあっても、このような準則は、本来、行政庁の処分の妥当性を確保するためのものなのであるから、処分が右準則に違背して行われたとしても、原則として当不当の問題を生ずるにとどまり、当然に違法となるものではない」としている。したがって、本記述の「当不当の問題を生ずるにとどまらず、原則として違法となるとするのが判例である」の部分が誤りである。

  • 3

    申請に対する処分については、当該処分により具体的に影響を受ける申請者以外の者の手続的参加権を保障するため、行政庁は、公聴会その他の方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けなければならないとされている。

    公聴会の開催などは努力義務である(行政手続法10条)。したがって本肢の「行政庁は、公聴会その他の方法により~設けなければならないとされている」の部分が誤りである。

  • 4

    不利益処分をする場合、書面で行う処分かどうかを問わず、行政庁は、原則として名あて人に対して処分と同時に処分理由を提示しなければならないとされているが、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合はこの限りでないとされている。

    妥当である。不利益処分と同時の理由の提示は書面で行わない処分でも義務であり(行政手続法14条1項)、書面で不利益処分を行う場合には書面で理由を附記しなければならない(行政手続法14条3項)。ただし、本肢のような例外では、同時に理由を提示する必要はないとされ(行政手続法14条1項但書)、その場合でも一部の例外を除いては相当期間内に理由を提示しなければならない(行政手続法14条2項)。

  • 5

    命令等を定める際の意見公募手続において国民から提出された意見はこれを十分に考慮しなければならないが、提出された意見自体については提出者の権利保護の趣旨から、これを公開してはならないこととなっている。

    平成17年改正により命令等(講学上の「行政立法』)を制定する場合の意見公募手続が規定されているが、意見公募手続を実施して命令等を定めた場合には、提出された意見および提出意見を考慮した結果・その理由を正当な理由がない限り公示しなければならない(行政手続法43条)。したがって本肢の「これを公開してはならないこととなっている」の部分が誤りである。

  • 6

    開示請求に対する決定に対して不服申立てがあったときは、当該不服申立てに対する裁決又は決定をすべき行政機関の長は、情報公開・個人情報保護審査会に必ず諮問しなければならない。

    行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下、情報公開法とする)19条において、「①不服申立てが不適法であり、却下するとき」「②裁決又は決定で、不服申立てに係る開示決定等を取り消し又は変更し、当該不服申立てに係る行政文書の全部を開示することとするとき(但し、第三者(情報が記載されている者)から意見書の提出があった場合は除く)」には情報公開・個人情報保護審査会に諮問しなくてもよいとされている。したがって本記述の「必ず諸問しなければならない」の部分が誤りである。

  • 7

    開示請求に係る行政文書に、国、地方公共団体等及び開示請求者以外の第三者の情報が記録されている場合には、開示決定等をするにあたり、行政機関の長は、当該第三者に意見書の提出の機会を与えることができる。

    妥当である。情報公開法13条に規定するとおりである。

  • 8

    情報公開法は、行政文書を「行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)であって、当該行政機関の決裁又は供覧手続を経たもの」と定義している。

    情報公開法2条2項は「行政文書とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているもの」としており、内部決裁(内部承認)や供覧手続(一般に公告する手 税)を経た物であることは要求していない。したがって本記述の「当該行政機関の決済、又は供覧手続を経たもの」の部分が誤りである。

  • 9

    情報公開法に基づいて特定の個人が自己の個人情報の開示を求めた場合には、当該個人のプライバシーが侵害される余地はないから、個人情報であることを理由に不開示情報として開示を拒否することはできない旨が情報公開法に明記されている。

    情報公開法は本人による自己情報の開示請求が原則開示となる旨は規定されていない。したがって本記述の「〜旨が情報公開法に明記されている」の部分が誤りである。なお情報公開法5条1号は「個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの、又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」を不開示としており、自己の個人情報の開示請求であっても上記に該当するものは不開示情報となる。

  • 10

    処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができるときでも、法律に定めがあれば処分庁に対して再調査の請求をすることができ、その場合には審査請求と再調査の請求のいずれを行ってもよい。

    妥当である。行政不服審査法5条1項本文は本肢のように定めている。処分庁に対して再考を求める簡易な手続である再調査の請求は、法律で認めている場合でなければできない。さらに、平成26年の法改正前では、処分庁に対する不服申立ては「異議申立て」としており、審査請求をすることができるが特に法律で異議申立てをすることを認めている場合には、異議申立てを先にしなければならないとされていたが(異議申立前置主義)、法改正により改められたことになる。

  • 11

    不作為についての不服申立てには不服申立期間の制約はなく、また原則として上級行政庁に対する審査請求によることとし、上級行政庁がないときは、不作為庁に対する再調査の請求をすることができる。

    「不作為に対する不服申立てに不服申立期間の制約はない」とする点について、不服申立てができる終期(いつまでできるか)は確かに制約はないが、始期(いつからできるか)は「申請から相当の期間」した後でなければ不服申立ては却下される(行政不服審査法49条)ので、本肢が「不服申立期間の制約はない」というのは誤りである。また、不作為に対する不服申立ては再調査の請求をすることはできず、審査請求(審査庁が処分庁の上級行政庁にあたるか否かは問わない)のみすることができる(行政不服審査法5条1項で再調査請求が認められるのは「当該処分に不服がある者」と限定されている)。したがって、「原則として上級行政庁に対する審査請求による」の部分、および「上級行政庁がないときは不作為庁に対する再調査の請求」の部分が誤りである。

  • 12

    行政不服申立てにおいては、適法・違法だけでなく、当・不当の問題の審査ができ、また不告不理の原則は厳格には適用されないので、事者の主張しない事由を審査し、申立人に不利益になるよう処分を変更することもできる。

    行政不服申立てでは、行政事件訴訟とは異なり、適法・違法の判断だけでなく当・不当の判断もできる点は正しい。また職権証拠調べ以外に職権探知主義も認められている(行政不服審査法33条~36条の解釈)ため「不告不理の原則は厳格には適用されない」とする点も正しい。 しかし、審査請求人の不利益に当該処分を変更するなどの不利益変更は許されない(行政不服審査法48条)。したがって、「申立人に不利益になるよう処分を変更することもできる」とする部分が誤りである。

  • 13

    行政不服申立制度は、行政部内における権利教済の手続ではあるが、意法32条の裁判を受ける権利を具体化したものであるから、不服申立事項について概括主義をとるか列記主義をとるかを立法政策的に決めることは許されない。

    行政不服申立制度は、裁判制度とは異なるため、越法32条の「裁判を受ける権利」に基づく制度ではない。したがってその存在自体も含め、どのような不服申立てを受け付けるかなどの一切の事項は立法政策的に決定することができる。したがって、「概括主義をとるか列記 主義をとるかを立法政策的に決めることは許されない」の部分が誤りである。なお現行の行政不服審査法は一定の例外として不服申立てができない場合のみ記載し、それ以外は広く不服申立てを認める「一般概括主義」(行政不服審査法4条)をとっているが、再調査の請求については法律の定める場合に限定し(行政不服審査法5条)、再審査請求については、これができる場合を行政不服審査法8条に列挙の場合だけに限定しているので(この規定の仕方はとくに限定しているものではないので、「概括列記」と呼ばれる)、すべての不服申立てについて概括主義をとっているものではない。

  • 14

    処分取消しの訴えは、原則として処分があったことを知った日から3ヶ月、又は処分があった日から1年以内に提起しなければならないが、ここにいう「処分があったことを知った日」とは、現実に知った日、または現実には知らなくても社会通念上知りうべき状態になった場合を指すというのが判例である。

    処分取消しの訴えは「処分があったことを知った日から6ヶ月」または処分があった日から 1年以内に提起しなければならない(行政事件訴訟法14条1項、2項)。また判例は、処分があったことを知った日とは現実に知った日を指し、社会通念上知りうべき状態になった場合には処分があったことを知ったと推定される(よって反対証拠があれば覆すことができる)としている。したがって、「処分があったことを知った日から6ヶ月」の部分、および「処分があったことを知った日」について「現実に知った日、または現実にはらなくても社会通念上知りうべき状態になった場合を指すというのが判例」の部分が誤りである。

  • 15

    処分取消しの訴えの被告は処分を行った処分庁であるが、もし処分庁が処分を行うに際して別の行政庁を被告として処分取消しの訴えを提起するように教示していた場合に、教示されたとおりの行政庁を被告として訴えを提起しても適法な訴えとは認められない。

    処分取消しの訴えの被告は行政主体(国、地方公共団体)であって、行政庁ではない(平成16年の行政事件訴訟法改正によってこのように改正されている)。なお本肢後段は正しく、教示制度(行政事件訴訟法46条)によって処分行政庁が処分に際して行った教示において、被告とすべき行政庁を誤って教示した場合でも、本肢のとおり救済は認められない。したがって、「処分取消しの訴えの被告は処分を行った処分庁である」の部分が誤りである

  • 16

    処分取消しの訴えは、処分の取消しを得ることについて法律上の利益がなければならないが、平成16年の法改正によって、処分の取消しを求める「法律上保護に値する利益」と明記されることとなり、原告適格の実質的拡大が図られた。

    前段は正しい(行政事件訴訟法9条1項)が、後段について、本肢のようなことは明記されていない。なお平成16年の行政事件訴訟法の改正では、9条に2項が追加され、従来の判例理論(最判平元年2月17日 新潟空港訴訟など)による「法律上保護された利益」の判断基準が明記されるようになり、「原告適格の実質的拡大が図られた」とされた。そしてこの法改正によっても判例の「法律上の利益」の解釈は「法律上保護された利益」にとどまり、学説が主張する「法律上保護に値する利益」説は採られていない。したがって、「平成16年の法改正によって、処分の取消しを求める「法律上保護に値する利益』と明記されることとなり」の部分が誤りである。

  • 17

    同一周波の免許をめぐって競願関係にある申請者間において、ある免許申請者に対する拒否処分とほかの免許申請者に対する免許付与とが表裏の関係にある場合であっても、拒否処分の異議申立棄却決定の取消しが然にほかの免許申請者に付与された免許の取消しを招来することになる場合に限り、訴えの利益が認められる。

    判例は、「被上告人(免許付与されなかった事業者)は、自己に対する拒否処分の取消しを請求しうるほか、競願者(訴外A)に対する免許処分の取消しをも訴求しうる」とし、その理由としては、「拒否処分のみの取消しを訴求する場合にも、郵政大臣による再審査の結果によっては、訴外A(免許付与された事業者)に対する免許を取り消し、被上告人に対し免許を付与するということもありうる」からであるとしている。したがって、「拒否処分の異議申立棄却決定の取消が当然に他の免許申請者に付与された免許の取消を招来することになる場合に限り、訴えの利益が認められる」の点が誤りである。

  • 18

    土地改良事業施行の認可が取り消された場合に、事業施行地域を事業施行以前の原状に回復することが、訴訟係属中に土地改良事業計画に係る工事及び換地処分がすべて完了したため、社会的、経済的損失の観点からみて、社会通念上、不可能である場合には、認可処分の取消しを求める原告の法律上の利益が消滅する。

    判例は、土地改良事業施行認可処分に基づく工事及び換地処分が全て完了し、社会通念上、工事完了前の原状に復することが不可能であったとしても、本件認可処分が取り消されたとすれば、これにより換地処分等の法的効力が影響を受けることが明らかであるとして、「回復すべき法律上の利益」が存続し、本件認可処分の取消しを求める上告人の法律上の利益を消滅させるものではないとしている。したがって、「原状に回復することが~社会通念上、不可能である場合には、認可処分の取消しを求める法律上の利益が消滅する」の部分が誤りである。

  • 19

    行政庁の処分とは、公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいい、ごみ焼却場の設置行為は、周辺住民の人格権及び財産権に直接影響を与え、その範囲を確定するものにほかならないから行政庁の処分にあたる。

    判例は、本のごみ焼期場設行為を「事実的行為」として、取訴訟の要件である処分性を否定している。したがって、「周辺住民の~処分にあたる」の部分が誤りである。

  • 20

    運輸大臣から特殊法人である鉄道建設公団に対する工事実施計画書の認可処分は、行政組織内の内部行為ではなく、私法人に対する法的効果を伴うものといえるから、行政庁の処分にあたる。

    判例は、本肢の処分について内部的行為であるとして処分性を否定している。したがって、「行政組織内の~処分にあたる」の部分が誤りである。

  • 21

    都市計画法の規定に基づく用途地域指定の決定が告示され、その効力が生ずると、当該地域内においては、建築物の用途、容積率、建ぺい率等につき従前と異なる基準が適用され、これらの基準に適合しない建築物については、建築確認を受けることができないことになるから、地域指定の決定は、被指定地域の住民等利害関係者に広く一般的な制約を課すものであるとみるのが相当であり、行政庁の処分にあたる。

    判例は、都市計画法に基づく工業地域(用途地城)の指定の処分性を否定している。地域指定の決定は、その地域の不特定多数の者に対する一般的抽象的な効果をもたらすにすぎないからである。したがって、「被指定地域〜処分にあたる」の部分が誤 りである。

  • 22

    関税定率法の規定に基づく輸入禁制品に該当する貨物と認めるのに相当の理由がある旨の税関長による通知は、いわゆる観念の通知とみるべきものであるが、当該通知があった場合には、輸入申告者は貨物を適法に輸入する道を閉ざされるのであって、これは当該通知によって生ずるに至った法律上の効果とみるのが相当であり、当該通知は行政庁の処分にあたる。

    妥当である。判例は、関税定率法に基づく税関長の「輸入禁制品に該当する」旨の通知が「事実上輸入できなくなるという法的効果を発生させるもの」と認め、その通知の処分性を認めている。

  • 23

    行政事訴訟法によれば、法令に基づく申請に対する不作為について義務付け訟を提起する場合には、不作為の違法確認の訴えを併合して提起しなければならないとされている。

    妥当である。義務付け訴訟のうち不作為型では、当該処分にかかる不作為の違法確認の訴えを併合して提起しなければならない。

  • 24

    申請処理の遅延による精神的損害の賠償請求が問題となった事例において、不作為の違法確認訴訟上の不作為の違法の要件と、国家賠償法上の違法の要件は一致するとするのが判例である。

    判例は、申請に対する手続き上の義務(応義務)への違法(=不作為違法確認訴訟での違法)をもって国賠法上の違法(不法行為上の違法)といえるかが争点となった事件であるが、申請に対する応答義務は、申請者の指摘利益の保護に直接向けられたものではないから、その義務違反を持って不法行為法上の違法とすることはできないとし、不作為の違法確認の訴えは認容しつつ国家賠償請求は棄却した。したがって、「不作為の違法確認訴訟上の不作為の違法の要件と、国家賠償法上の違法の要件は一致するとするのが判例」の部分が誤りである。

  • 25

    不作為の違法確認訴訟は、処分又は裁決について申請をした者が提起することができるとされているが、この申請をした者とは、法令に基づく適法な申請行為をした者であると解釈されている。

    不作為の違法確認訴訟は、処分または裁決についての法律に基づく申請をした者に限り、提起することができるが、当該申請行為が手続き上適法であるかどうかは問題とならない。不適法な申請に対しても行政庁は申請の却下義務がその申請制度に含まれており、その限りで、行政庁には応答義務があると解されるからである。したがって、この申請をした者が法令に基づく「適法な申請行為をした者」としている部分が誤りである

  • 26

    公立中学校の課外クラブ活動中では、顧問教諭は何らかの事故の発生する危険性を具体的に予見することが可能であるような特段の事情がある場合を除き、個々の活動に常時立ち合い監視指導すべき義務までを負うものではないので、活動中の生徒が体育館内の器具の使用をめぐる喧嘩が顧問教諭にとって予見可能であっといえるものでないかぎり、顧問教諭がその場に不在であったことを理由に国家賠償法上の過失を認めることはできない。

    妥当である。判例は本のように述べ、課外クラブ活動中の生徒同士のけんかによって傷害を負った者からの国家賠償請求を否定した。

  • 27

    国又は公共団体は、公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったため、他人に損害を生じ賠償をしなければならない場合において、他に損害の原因について責めに任ずべき者があるときでも、この者に対して求償することはできない。

    設置管理の瑕疵のために国・地方公共団体が被害者に損害の賠償をしたときには、その瑕疵の原因となる者(例えば、工事ミスを行った業者)に対して求償をすることができる(国家賠償法3条1項)。

  • 28

    最高裁判所の判例では、営造物が他人に危害を及ぼす危険性がある状態にあっても、その危害は利用者以外の第三者に対するそれを含まないので、空港に離着陸する航空機の騒音等によって、周辺住民に受忍すべき限度を超える被害があっても、国に賠償責任はないとした。

    判例(最判昭56年12月16日大阪空港事件)は、国家賠償法2条1項の営造物の設置または管理の瑕疵を、営造物の利用者に対してのみならず、利用者以外の第三者に対するそれを含むと解すべきである、としている。したがって、「その危害は利用者以外の第三者に対するそれを含まない」とし、周辺住民に対する国家賠償責任を否定している点が誤りである。

  • 29

    普通地方公団体には会を必ず置かなければならないが、特別地方公共団体には議会を置かないこともでき、議会の議員の被選挙権は30才以上の日本国民であり、その地方公共団体に居住しているという住民要件は不要である。

    普通地方公団体では議会が置かれるが(地方自治法8条)、町・村においては議会の代わりに町村総会を設けることができる(地方自治法94条)。したがって本肢が「普通地方公期間体は必ず議会を置かなければならない」とする点が誤りである。さらに酸会の議員の被選挙権は25才以上で当該地方公共団体の選挙権を有する者、すなわち当該地方公共団体に引き続き 3ヶ月以上住所を有しているという住民要件が必要である(公職選挙法10条1項3号・5号、9条2項)。したがって、「議会の議員の選挙権は30才以上の日本国民」とし「住民要件は不要」 の部分が誤りである。 なお本肢が「特別地方公共団体には議会を置かないこともでき」とする点は正しい。特別地方公共団体のうち特別区では議会を置かなければならないが(地方自治法283条1項による地方自治法89条の準用、および「町・村」が置かれないために地方自治法94条による町村議会も置かれない)、他の特別地方公共団体では議会を置くことは任意である。

  • 30

    地方公共団体の議会は当該地方公共団体の長に対する不信任決議をすることができる。この決議を受けた長は、その通知を受けた日から10日以内に議会を解散することができ、期間内にこれを行わないときは失職する。

    妥当である。地方公共団体の議会は長に対する不信任決議をすることができる。この決議を受けた長はその通知を受けた日から10日以内に議会を解散することができ、期間内にこれを行わないときは失職する。また、長が解散をし、その後招集された議会において再度不信任決議がされた場合には、長は当然に失職する。なお不任決議をするための議決要件は、定定数は議員数の2/3、議決数は出席議員の3/4であるが、解散・議会議員選挙後の再度の不信任決議では過半数の賛成で足りる(地方自治法178条)。

  • 31

    地方公共団体の長は議会に対して条例案や予算案を提出することができないが、議会の条例の制定・改廃の議決や予算に関する議決に対して長は拒否権を行使することができる。ただし議会がそれらについて再度同様の議決を出席議員の過半数で行ったときは、その議決は確定する。

    地方公共団体の長は議会に対し条例案や予算案を提出することができる(地方自治法149条)。したがって、これらを「提出することができない」とする点で誤りである。また、これらについて、長が本肢の拒否権(地方自治法176条1項)を行使しても、議会で再議し出席議員の2/3以上で同様の議決がなされた場合には、その議決は確定する(地方自治法176条2項、3項)。したがって、「再度同様の議決を出席議員の過半数で行ったときは」としている点が誤りである。

  • 32

    地方公共団体の議会は当該地方公共団体のみに適用される条例を制定することができ、法律の範囲外の条例であれば罰則を設けることはできないが、国会が制定した法律の具体的委任を受けた条例では、条例に罰則を設けることができる。

    地方公共団体の議会は法律の範囲内でのみ条例を制定することができるので(憲法94条)、そもそも法律の範囲外の条例は制定できない。さらに、国会が制定した法律の具体的委任がなくても、地方自治法上条例に2年以下の懲役、禁錮等の罰則を設けることが認められており (地方自治法14条3項)、条例に罰則を設けることは法律の具体的委任がある場合に限られない。 したがって、「法律の範囲外の条例であれば」としている部分が前提として誤りであることと、「国会が制定した法律の具体的委任を受けた条例では、条例に罰則を設けることができる」の部分が誤りである。

  • 33

    国は普通地方公共団体に対し、地方自治法に基づく関与として、助言・勧告の強制力のないものは法律の根拠なくすることができるが、許可、認可等の処分等では法律に基づく限りすることができる。ただし、法定受託事務、自治事務を問わず地方公共団体の権限とされる事務について国は代執行を行うことはできない。

    国から地方公共団体に対する関与(なお都道府県から市町村に対してという地方公共団体相互の関与もある)について、「送又は法律に基づく政合の根拠」があれば可能である(地方自治法245条の2)。したがって、「強制力のないものは法律の製拠なくすることができる」とする点、および「許可、設可等の処分等では法律に基づく限り」の部分が誤りである。さらに、代執行も関与の一種として法定されている(地方自治法245条1号ト)。なお、代執行がてきるのは、法定受託事務について、地方公団体の事務処理が法令違反 または事務処理を怠っているときに可能である(地方自治法245条の8第項)。