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  • _ Platonic

  • 問題数 14 • 11/14/2024

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  • 1

    債務の弁済として給付をした者は、その時において自己に債務の存在しないことを知っていたときでも、その給付したものを不当利得として返還請求できる。

    「債務の弁済として給付をした者は、その時において債務の存在しないことを知っていたときは、その給付したものの返還を請求することができない」(民法705条)。したがって、本の「その給付したものを不当利得として返還請求できる」の部分が誤りである。

  • 2

    不法な原因に基づいて贈与をし、未登記の不動産を受贈者に引き渡した場合には、その引渡しをもって不法原因給付が成立するので、贈与者は不当利得に基づく返還請求はできないが、そのような贈与は、公序良俗に反し無効となるので、その後に贈与者名義で所有権の保存の登記をすれば、受贈者に対し、所有権に基づく返還請求ができるとするのが判例である

    未登記不動産はその引渡しで給付となるので、贈与者は民法708条により不当利得返還請求をすることができない。また、当該不動産の所有権はその反射的効果として受贈者に帰属するから、贈与者は所有権に基づく返還請求もできない。したがって、本肢の「その後に贈与者名義で所有権の保存の登記をすれば、受贈者に対し、所有権に基づく返還請求ができる」の部分が誤りである。

  • 3

    Aが、建物賃借人であるBとの請負契約に基づき建物の修繕工事をした後にBが無資力となり、AのBに対する請負代金債権の全部又は一部が無価値となった場合において、当該建物の所有者であるCが法律上の原因なく当該修繕工事に要した財産及び労務の提供に相当する利益を受けたといえるのは、BとCの間の賃貸借契約を全体としてみた場合に、Cが対価関係なく利益を受けたときに限られる。

    妥当である。建物賃借人から修繕工事を請け負った者が賃借人の無資力を理由に建物所有者に不当利得の返還を請求する場合、賃貸借契約全体からみて建物所有者が対価関係なく利益を受けたときに限り、民法703条の「利益を受け」たと認められる

  • 4

    法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受けた者は、受益の時点で善意であれば、その利益の現存する範囲で返還する義務を負うので、その後に悪意となったとしても、悪意となった後に受益した物を使用して収益を得た場合など、悪意となった後に受けた利益については返還義務を負わないとするのが判例である。

    不当利得者は、受益の時点で善意であれば、その後に悪意になったとしても、現存利益の範囲で返還義務を負うが、悪意となった後に受益した物を使用して収益を得た場合など、悪意となった後に受けた利益についてはその全部の返還義務を負う。したがって、本肢の「悪意となった後に受益した物を使用して収益を得た場合など、悪意となった後に受けた利益については返還義務を負わない」の部分が誤りである。

  • 5

    債務不履行による損害賠償請求権は、原則として債権者が権利を行使することができることを知った時から10年で消滅時効が完成するが、不法行為による損害賠償請求権は、その損害の内容にかかわりなく、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年で消滅時効が完成する。

    債務不履行による損害賠償請求権の消滅時効は「債権者が権利を行使することができることを知った時から5年」(民法 166条1項1号)又は「権利を行使することができる時から10年」 (民法 166条1項2号)となる。また不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効は、通常の不法行為であれば「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年」(民法724条1号)又は「不法行為の時から20年」(民法724条2号)となるが、人の生命又は身体を害する不法行為であれば「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から5年」(民法724条の2、民法724条1号)又は「不法行為の時から20年」(民法724条2号)となる。したがって、本記述前半の「原則として債権者が権利を行使することができることを知った時から10年」の部分、及び本記述後半の「その損害の内容にかかわりなく~損害及び加害者を知った時から3年」の部分が誤りである。

  • 6

    債務不履行の場合は、債権者が債務者に帰責事由があることを立証しなければならないが、不法行為の場合は、加害者側が自己に帰事由がないことを立証しなければならない

    帰責事由(故意、過失)の立証責任について、債務不履行に基づく損害賠償では債務者が負い、債務者が自分に故意や過失がなかったことを証明しないかぎりは帰責事由があるとされる。また不法行為に基づく損害賠償では、原則、損害賠償請求権の債権者である被害者が立証責任を負い、加害者に故意又は過失があったことを被害者が証明しなければ損害賠償請求ができない。したがって、本記述は立証責任について債務不履行の場合と不法行為の場合が逆になっているため誤りである。

  • 7

    人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権を自働債権とする相殺をすることは、不法行為を理由とする損害賠償請求では禁止されているが、債務不履行を理由とする場合においてはこのような制限はない。

    人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権を受働債権として相殺することは、その原因が債務不履行、不法行為いずれの場合でも原則として禁止されるが(民法509条2号)、自働債権として相殺することは禁止されない。したがって、本記述は全体的に誤りである。

  • 8

    不法行為により財産以外の損害を被った被害者は、損害発生と同時に慰謝料請求権を取得するから、慰謝料請求権を放棄したものと解されるような特別の事情がない限り、慰謝料請求権を行使することができ、慰謝料を請求する意思表示も不要である。また、被害者が死亡したときは、その相続人は当然に慰謝料請求権を相続するとするのが判例である

    妥当である。慰謝料請求権は精神的損害賭償請求(民法710条)にあたり、「被害者による慰謝料請求の意思表示が必要であるか」、「慰謝料は精神的損害賠償であり一身専属性があるので相続の対象になるか」という問題があるが、判例は慰謝料請求権につき、本記述のように判示した。

  • 9

    土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があり、これにより他人に損害が生じたときは、工作物の占有者及び所有者は損害賠償責任を負うが、損害の発生を防止するのに必要な注意をしていたことを立証した占有者及び所有者は免責される。

    土地工作物の設置又は保存の瑕疵による損害賠償責任(民法717条1項)は、まず占有者が負い、占有者が損害の発生を防止するために必要な注意をしたときはその所有者が損害賠償義務を負う。そして所有者が損害賠償責任を負う場合には免責事由がない。したがって、本記述の「工作物の占有者及び所有者は損害賠償責任を負う」の部分、および「損害の発生を防止するのに必要な注意~占有者及び所有者は免責される」の部分が誤りである。

  • 10

    不法行為の被害者に過失があるときは、裁判所は損害賠償額の算定に被害者の過失を考意することができるが、その場合、被害者に責任能力があることが必要である。また、被害者に責任能力がない場合でも、被害者と身分上ないしは生活関係上一体をなすとみられるような関係にある者に過失があれば、過失相殺をすることができるとするのが判例である。

    本記述の前半について、過失相殺(民法722条2項)をするためには、被害者には損害賠償責任を負うための「責任を弁識する能力(責任能力。自己の行為によって損害賠償責任が生じることを認識できる能力。)」までは必要なく、「事理を弁識する能力(過失相殺能力。損害の発生を避けるのに必要な注意をする能力。)」があれば足りるとするのが判例である。したがって、本記述の「被害者に責任能力があることが必要である」の部分が誤りである。 なお後半の内容は正しく、被害者に過失相殺能力がない場合(例えば低年齢の幼児)でも、いわゆる「被害者側の過失」として民法722条2項により損害賠償額を減額することができるとするのが判例である。

  • 11

    婚姻をしようとする者の一方が婚姻適齢に達していない場合、その婚姻の届出が誤って受理されたときであっても、この婚姻は当然に無効である。

    18歳にならなければ、婚姻することができないが(民法731条)、不適齢者の婚姻届が誤って受理された場合は、当然無効になるのではなく、取消しを家庭裁判所に請求することができ(民法744条)、婚姻の取消しの手続きをとらなければ、有効な婚姻として存続する。したがって、「この婚姻は当然に無効である」の部分が誤りである。

  • 12

    養親と婚姻適齢にある養子の間では、離縁によって親族関係が終了した後であれば、婚姻をすることができる。

    「養子、その配得者、直系卑属またはその配者」と「養親またはその直系卑属」との間では、離縁によって親族関係が終了した後でも、婚姻をすることができない(民法736条)。これは、道義的理由に基づくものである。したがって、「離縁によって親族関係が終了した後であれば、婚姻をすることができる」の部分が誤りである。

  • 13

    婚姻関係にある夫婦間で契約をしたときは、その契約は、第三者の権利を書することがない限り、婚姻中、いつでも夫婦の一方からこれを取り消すことができる。

    妥当である。夫婦間で契約したときは、その契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方から ”これを取り消すことができる。ただし、第三者の権利を害することはできない(民法754条)。

  • 14

    詐欺又は強迫による婚姻が裁判所で取り消された場合、その婚姻の効果は、初めから生じなかったものとして扱われる。

    婚姻の取消しの効果は、婚姻取消の判決・審判によってはじめて形成され、遡及効は認められず、将来に向かってのみその効果を生ずる(民法748条1項)。したがって、本肢の「初めから生じなかったものとして扱われる」の部分が誤りである。

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