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問題一覧
1
宅地建物取引業法(昭和55年法律第56号による改正前のもの)に基づく知事等による宅地建物取引業者への免許の付与又は更新は、同法所定の免許基準に適合しない場合であっても、当該業者との個々の取引関係者に対する関係において直ちに国家賠償法第1条第1項にいう違法な行為に当たるものではない。
妥当である。判例は、「宅地建物取引業法は、免許を付与した宅建業者の人格・資質等を一般的に保障し、ひいては当該業者の不正な行為により個々の取引業者が被る具体的な損害の防止、救済を直接的な目的とするものとはにわかに解しがた」いとして、劣悪な宅建業者に対する免許取消処分をしないことは違法の評価に値しないとしている。
2
営造物の利用の態様及び程度が一定の限度にとどまる限りにおいてはその施設に危害を生じさせる危険性がなくても、これを超える利用によって利用者又は第三者に対して危害を生じさせる危険性がある状況にある場合には、そのような利用に供される限りにおいて、当該営造物には国家賠償法第2条第1項の営造物の設置又は管理の瑕疵がある。
妥当である。判例は、本記述のように述べて、空港周辺住民の騒音被害についても国家賠償の対象になることを認めた(大阪空港訴訟)。
3
国又は公共団体の公務員による一連の職務上の行為の過程において、他人に被害を生じさせたが、それが具体的にどの公務員のどのような違法行為によるものであるかを特定することができない場合、国又は公共団体は加害行為の不特定を理由に損害賠償責任を免れることができないが、このことは、当該一連の行為の中に国又は同一の公共団体の公務員の職務上の行為に該当しない行為が含まれている場合も同様である。
判例は、「一連の行為を組成する各行為のいずれもが国又は同一の公共団体の公務員の職務上の行為にあたる場合に限られ」るとしている。したがって、本記述の「職務上の行為に該当しない行為が含まれている場合も同様である」の部分が誤りである。
4
公の営造物の設置・管理の瑕疵により、国又は公共団体が損害賠償責任を負う場合において、営造物の設置・管理者と費用負担者とが異なるときは、被害者は、設置・管理者と費用負担者のいずれに対しても、賠償請求をすることができる。
妥当である(国家賠償法3条1項)。
5
市町村が設置する中学校の教諭がその職務を行うについて故意又は過失によって違法に生徒に損害を与えた場合、当該教諭の給料その他の給与を負担する都道府県が国家賠償法に従い当該生徒に対して損害を賠償したときは、当該中学校を設置する市町村が国家賠償法にいう内部関係でその損害を賠償する責任ある者であり、当該都道府県は、賠償した損害の全額を当該市町村に対し求償することができるとした。
妥当である。国家賠償法は、行政活動の主体(教育活動をする市)と、その費用負担者(教員の給与を負担する県)とが異なる場合、被害者は、そのいずれに対しても国家賠償請求ができるとした上で(3条1項)、行政主体内部では、「内部関係でその損害を賠償する責任のある者」(最終負担者)の求償義務を定めている(同条2項)。本肢の判例は、県が市に求償をした事案であった。最高裁は、人件費を県が負担しているからといって、賠償義務について県が最終的に負担すべきとは解されないこと、損害賠償義務が「学校の経費」(教育活動に必要な経費)に含まれることを考慮し、市がその最終負担者であるとして、市の求償義務を認めた。
6
都道府県による児童福祉法の措置に基づき社会福祉法人の設置運営する児童養護施設において、国又は公共団体以外の者の被用者が第三者に損害を加えた場合であっても、当該被用者の行為が国又は公共団体の公権力の行使にたるとして国又は公共団体が被害者に対して国家賠償法に基づく損害賠償責任を負う場合には、被用者個人のみならず使用者も民法に基づく損害賠償責任を負わないとした。
妥当である。国家賠償法1条1項が、国又は公共団体がその被害者に対して賠償の責めに任ずる場合には、公務員個人は民事上の損害賠償責任を負わないこととした趣旨からすれば、国又は公共団体以外の者の被用者が第三者に損害を加えた場合であっても、当該被用者の行為が国又は公共団体の公権力の行使に当たるとして国又は公共団体が被害者に対して同項に基づく損害賠償責任を負う場合には、被用者個人が民法 709条に基づく損害賠償責任を負わないのみならず、使用者も同法715条に基づく損害賠償責任を負わない。
7
じん肺法が成立した後、通商産業大臣が石炭鉱山におけるじん発生防止のための鉱山保安法に基づく省令改正権限等の保安規制の権限を直ちに行使しなかったことは、保安措置の内容が多岐にわたる専門的、技術的事項であるため、その趣旨、目的に照らし、著しく合理性を欠くものとはいえず、国家賠償法上、違法とはいえないとした。
判例は、通商大臣が鉱山保安法に基づく保安規制の権限を直ちに行使しなかったことは、その趣旨、目的に照らし、著しく合理性を欠くものであって、国賠法上違法であるとする。よって、「・・著しく合理性を欠くものとはいえず・・違法とはいえない」の部分が誤りである。
8
外国人が被害者である場合には、国家賠償法第1条では、相互の保証があるときに限り、国又は公共団体が損害賠償責任を負うが、同法第2条の責任については、相互の保証がないときであっても、被害者である外国人に対する国家賠償責任が生ずる。
相互保証主義は1条責任、2条責任いずれでも採用されている(国家賠償法6条)。したがって、本記述の「同法第2条の~生ずる」の部分が誤りである。
9
国又は公共団体の不作為は、国家賠償法第1条の「公権力の行使」とはいえないが、権限の不行使が著しく不合理と認められる場合は、民法上の不法行為責任を免れるものではない。
「公権力の行使」には不作為も含まれる。たとえば、判例には他人の生命または身体に危害を及ぼす蓋然性の高い者の所持するナイフについての警察官の一時保管措置の懈怠は「公権力の行使」にあたるとしている。したがって、本記述の「国又は公共団体の不作為は~とはいえないが」の部分が誤りである。
10
国家賠償法第2条の「公の営造物」には、不動産だけでなく動産も含まれ、同条に基づく賠償請求権の成立については故意・過失の存在は必要とされないが、不可抗力又は回避可能性のない場合は免責される。
妥当である。「公の営造物」には動産も含まれ、また、国家賠償法2条の責任は無過失責任である。ただし、不可抗力または回避可能性がない場合は免責される。
11
国又は公共団体に属する一人又は数人の公務員による一連の職務上の行為の過程において他人に被害を生ぜしめた場合において、それが具体的にどの公務員のどのような違法行為によるものであるかを特定することができなくても、当該一連の行為のうちのいずれかに故意又は過失による違法行為があったのでなければ被害が生ずることはなかったであろうと認められ、かつ、それがどの行為であるにせよ、これによる被害につき専ら国又は公共団体が国家賠償法上又は民法上賠償責任を負うべき関係が存在するときは、国又は公共団体は、加害行為の不特定の故をもって損害賠償責任を免れることはできない。
妥当である。ただし、同判例は本の法理を述べた上で、「しかしながら、この法理が肯定されるのは、それらの一連の行為を組成する各行為のいずれもが国又は同一の公共団体の公務員の職務上の行為にあたる場合に限られ、一部にこれに該当しない行為が含まれている場合」には、この法理は妥当しないとしている点は注意が必要である。
12
国家賠償法第2条第1項にいう営造物の設置又は管理の瑕疵があったとみられるかどうかは、当該営造物の構造、用法、場所的環境及び利用状況等諸般の事情を総合考慮して判断すべきものであり、道路のガードレール上で遊んでいた子供が転落してけがをした場合、当該ガードレールには本来有すべき安全性に欠けるところがなく、それが当該ガードレールの通常の用法に即しない行動の結果生じたものであっても、営造物の設置又は管理に瑕疵があったとして、その設置管理者は損害賠償責任を負う。
前半の記述は正しい。後半の事例につき同判例は、本件防護柵(ガードレール)は、その材質、高さその他その構造にし、安全性に欠けるところがなく、また、本件転落事故は、危険性の判断能力に乏しい6歳の幼児によるものであっても、道路及び防護柵の設置管理者である国及び公共団体において通常予測することのできない行動に起因するものであったということができ、このような通常の用法に即しない行動の結果生じた事故につき、損害賠償責任を負うべき理由はないとしている。したがって、結論の部分が誤りである。
13
国家賠償法第2条第1項の営造物の設置又は管理の瑕疵とは、管造物が通常有すべき安全性を欠いている状態をいい、その営造物を構成する物的施設自体に存する物理的、外形的な欠陥ないし不備によって危害を生ぜしめる危険性がある場合を指すが、その営造物が供用目的に沿って利用されることとの関連において危害を生ぜしめる危険性がある場合は含まれない。
前半の記述は正しい。後半について、判例(大阪空港訴訟)は、営造物を構成する物的施設自体に存する物理的、外形的な欠陥ないし不備によって危害を生ぜしめる危険性がある場合だけでなく、その営造物が供用目的に沿って利用されることとの関連において危害を生ぜしめる危険性がある場合も「営造物の設置又は管理の瑕疵」に含まれるとする。したがって、結論の部分が誤りである。
14
財産上の犠牲が単に一般的に当然に受忍すべきものとされる制限の範囲を超え、特別の犠牲を課したものである場合には、これについて損失補償に関する規定がなくても、憲法第29条第3項を直接の根拠にして、補償請求をする余地がないわけではない。
妥当である。判例(河川附近地制限事件)は、本記述のように述べて、補償規定を欠く法令も合憲であるとした。
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