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30問 • 1年前
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    問題一覧

  • 1

    抵当権設定契約の当事者は、抵当権者と抵当権設定者であり、抵当権設定者は債務者に限られる。

    抵当権設定契約の当事者は抵当権者と抵当権設者である。抵当権者は被担保権の債権者に限るが抵当権設定者は一般的には儀務者であるが必ずしも債務者である必要はない。担保物についての処分権を有している限り債務者以外の第三者であってもよい(物上保証人)。したがって、「抵当権設定者は債務者に限られる」の部分が誤りである。

  • 2

    抵当権の設定は、登記又は登録などの公示方法が可能なものに認められ、不動産だけでなく地上権や永小作権上にも設定することができる。

    妥当である。抵当権は、登記・登録などの公示方法が可能なものについて設定することができる。民法上においては不動産だけでなく、地上権や永小作権にも抵当権を設定できる(民法369条2項)。

  • 3

    抵当権者が利息を請求する権利を有するときは、いかなる場合でも、満期となった全期間の利息について、抵当権を実行し優先弁済を受けることができる。

    抵当権実行によって優先弁済を受けることができる被担保債権の範囲は、元本および利息と損害金(遅延損害金)であるが。後者については原則、満期となった最後の2年分に限られる(民法375条)。抵当権者の優先弁済権をある範囲に限定して、後順位抵当権者や一般債権者の利益を保護する趣旨である。したがって、「満期となった全期間の利息について、~優先弁済を受けることができる」の部分が誤りである

  • 4

    抵当権は、抵当権設定者に不動産の使用又は収益権を留保する制度であり、抵当不動産から生じた果実に抵当権の効力が及ぶことは一切ない。

    民法371条において被担保債権が債務不履行となった後で生じた果実(天然果実・法定果実)に抵当権の効力が及ぶとしている。したがって、「抵当不動産から生じた果実に抵当権の効力が及ぶことは一切ない」の部分が誤りである。

  • 5

    抵当不動産に付合した物は、付合の時期を問わず、付加一体物として、原則として抵当権の効力は及ぶが、抵当権設定時に存在した従物には及ばない。

    付合物は、付合の時期を問わず、原則として抵当権の効力は及ぶ。また、抵当権設定時に存在した従物にも、特段の事情がないかぎり、抵当権の効力は及ぶ。 したがって、「抵当権設定時に~及ばない」の部分が誤りである。

  • 6

    買戻特約付売買の買主から目的不動産につき抵当権の設定を受けた者は、抵権に基づく物上代位権の行使として、買戻権の行使により買主が取得した買戻代金債権を差し押さえることができる。

    妥当である。買戻代金は実質的に目的不動産の価値変形物であり、抵当権の「目的物の売却又は滅失によって債務者が受けるべき金銭」(民法372条・304条)にあたる。

  • 7

    土地を目的とする一番抵当権設定当時、土地と地上建物の所有者が異なり、法定地上権成立の要件が充足されていなかった場合でも、土地と建物が同一人の所有に帰した後に後順位抵当権が設定され、その後、抵当権の実行により一番抵当権が消滅したときは、地上建物のための法定地上権が成立する。

    本の場合、法定地上権は成立しない。なぜなら、一番抵当権設定時には、法定地上権成立の要件が充足されていなかったのであり、一番抵当権者はそれを前提に土地の担保価値を把握するのであるから、後に土地と建物が同一人に帰属し、後順位抵当権が設定されたことにより法定地上権が成立するなら、一番抵権者が把握した担保価値が損なわれるからである。したがって、「抵当権の実行により一番抵当権が消滅したときは、地上建物のための法定地上権が成立する」の部分が誤りである。

  • 8

    債権について一般債権者の差押えと抵当権者の物上代位権に基づく差押えが競合した場合には、抵当権設定登記の時期の先後にかかわらず、抵権者の物上代位権に基づく差押えが優先する。

    本肢の場合、両者の優劣は一般債権者の申立てによる差押命令の第三債務者への送達と抵権設定登記の先後によって決せられる。したがって、「抵当権設定登記の時期の先後にかかわらず、抵当権者の物上代位権に基づく差押えが優先する」の部分が誤りである。

  • 9

    債務者がその債務について運帯の責任を負っている間に当事者双方の責めによらない事由によりその債務の履行が不能となったときは、債務者は履行不能による損害賠償責任を負わない。

    履行遅滞に陥っている間に、債務の履行が不能になってしまった場合には、たとえその不能が債権者、債務者双方の責めによらない事由によるものであっても、債務者は、履行不能による損害賠償責任を負わなければならない(民法413条の2第1項)。したがって、本記述の「債務者は履行不能による損害賠償責任を負わない」の部分が誤りである。

  • 10

    債務不履行に対する損害賠償の請求は、通常生ずべき損害の賠償をさせることを目的とするが、特別の事情により生じた損害であっても、当事者がその事情を予見すべきであったときは、債権者は、その賠償を請求することができる。

    生ずべき損害の賠償をさせることを目的とし、2項において、特別の事情によって生じた損害でも、当事者がその事情を予見すべきであったときは、債権者はその賠償を請求することができるとしている。

  • 11

    金銭給付を目的とする債務不履行については、その損害賠償額は、法定利率により定めるが、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率によるものとする。

    妥当である。金銭債務の債務不履行について、その損賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める(民法419条1項本文)。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による(民法419条1項但書)。

  • 12

    債権者は、債権の履行期が到来しない間は、債務者に代わって保存行為について代位権を行使することができない。

    債権者代位権は、原則として被保全債権が履行期になければ行使することができないが、保存行為を行う場合は履行期前でも行使することができる(民法423条2項)。したがって、本肢は全体的に誤りである。

  • 13

    債権者が、代位権の行使として第三債務者に物の引渡しを求める場合、債務者に引き渡すべきことを請求できるが、直接自己へ引き渡すよう請求することは一切できない。

    動産および金銭については、債務者が受領を拒絶することにより、債権者代位権行使の実効性が失われるおそれがあるため、債権者は自己に直接引き渡すことを求めることができる(民法423条の3)。したがって、本の「直接自己へ引き渡すよう請求することは一切できない」の部分が誤りである

  • 14

    債務者自らが権利を行使した後であっても、その行使の方法又は結果が債権者にとって不利益となる場合には、債権者は代位権を行使することができる。

    債務者がすでに権利を行使したときは、たとえそれが債権者にとって不利益であっても、債権者は、債務者と重ねて債権者代位権を行使することはできない。 したがって、本肢は全体的に誤りである

  • 15

    代位権の行使は、債権者が自己の名において債務者の権利を行使するものではなく、債権者が債務者の代理人としてそれを行使するものである。

    債権者代位権は、債権者が自己の名で債務者の権利を債務者に代わって行使するものであり、債務者の代理人として権利行使するものではない。したがって、「自己の名において債務者の権利を行使するものではなく」および「債務者の代理人としてそれを行使するものである」の部分が誤りである

  • 16

    詐害行為取消権は、総債権者の共同担保の保全を目的とするものであるから、詐害行為取消権の行使により、債務者による第三者への不動産譲渡が取り消されたとしても、取消債権者は同不動産について、自己名義への所有権移転登記を請求することはできない。

    妥当である。この場合、債権者は債務者名義への所有権移転登記を請求することができるのみで、自己名義にするよう請求することはできない。

  • 17

    債務の弁済は債務者の義務であるから、債務者が支払不能の時に、特定の債権者と通謀し、他の債権者を害する意図をもって一部の債権者にのみ弁済をした場合であっても、詐害行為にはならない。

    一部の債権者に対する弁済は、債務者が支払不能の時に、債務者がその質権者と通謀し、他の債権者を害する意思をもって弁済したような場合に限り、詐害行為となる(民法424条の3第1項)。したがって、「詐害行為にはならない」の部分が誤りである

  • 18

    詐害行為取消権は、債務者の責任財産保全を目的とする制度であるから、被保全債権は金銭償権でなければならないが、たとえ特定物債権が履行不能となり、金銭債権に変じても、詐害行為取消権は行使できない

    判例は、本のような場合、特定物債権者が詐害行為取消権を行使することを認めている。特定物債権も究極において損害賠償請求権に変じうるものであり、債務者の一般財産によって担保されなければならない点は金銭債権と同様だからである。したがって、本の「詐害行為取消権は行使できない」の部分が誤りであ

  • 19

    債務者の責任財産を保全するという詐害行為取消権の趣旨からすれば、詐害行為取消権の行便は広く認める必要があるから、詐害行為取消権は、裁判外で行使することも認められている。

    詐害行為取消権は、裁判外で行使することはできない(民法424条1項)。したがって、本肢の「裁判外で行使することも認められている」の部分が誤りである。

  • 20

    Aが他の連帯債務者があることを知りながら、B及びCに対して事前の通知をせずに、Xに対して300万円弁済した場合、BがXに対して300万円の債権を有していたとしても、AはBに対して100万円求償することができる。

    他の連帯債務者があることを知りながら、事前の通知を怠った場合、弁済した連帯債務者は、求償の場面において、他の連帯債務者が債権者に対して有していた抗弁事由をその負担部分について対抗されることになる(民法443条1項)。本肢において、Bの負担部分は100万円であるから、この負担部分100万円についてAはBから相殺の抗弁を対抗されることになり、Bに対して100万円求償することができない。したがって、本記述の「AはBに対して100万円求償することができる」の部分が誤りである。

  • 21

    Aが他の連帯債務者があることを知りながら、B及びCに対して事前の通知をせずに、Xに対して300万円弁済したが、事後の通知もしなかった。その後、Bも他の連帯債務者があることを知りながら、A及びCに対して事前の通知をせずに、Xに対して300万円弁済した場合、A及びBは対等の立場に立ち、それぞれ150万円の部分で有効な弁済となるので、A及びBはCに対してそれぞれ50万円求償することができる。

    第1弁済者が他の連帯債務者があることを知りながら事後の通知を怠った場合、善意で弁済をした第2弁済者は自己の弁済を有効とみなすことができるが(民法443条2項)、第2弁済者が事前の通知を怠っているときは、第1弁済が有効となり、第2弁済者は自己の弁済を有効とみなすことはできないとするのが判例である(最判昭57年12月17日)。したがって、本記述の「A及びBは対等の立場に立ち~それぞれ50万円求催することができる」の部分が誤りである。

  • 22

    AがXに対して60万円弁済した場合、AはB及びCに対してそれぞれ20万円来償することができる。

  • 23

    債権者がAに対して150万円の免除をした場合、Aは150万円、B及びCはそれぞれ250万円の連帯債務を負う

    Aは150万円の免除を受けているので、Aの儀務額は全務額300万円から150万円を引いた残りの150万円となる。また連雑貨務者の一人に対して務の一部免除がなされた場合、他の連帯債務者に影響を与えないので(相対効、民法41条)、他の連帯務者は債権者に対し全額300万円の履行義務がある。したがって、本記述の「B及びCはそれぞれ250万円の連帯債務を負う」の部分が誤りである。・Aは150万円の免除を受けているので、Aの儀務額は全務額300万円から150万円を引いた残りの150万円となる。また連帯債務者の一人に対して務の一部免除がなされた場合、他の連帯債務者に影響を与えないので(相対効、民法41条)、他の連帯務者は債権者に対し全額300万円の履行義務がある。したがって、本記述の「B及びCはそれぞれ250万円の連帯債務を負う」の部分が誤りである。

  • 24

    主たる債務が取り消された場合には、附従性により保証債務も効力を失うから、制限行為能力者たる主たる債務者が締結した消費貸借契約が取り消された場合、特約がない限りその契約の保証人は、行為能力の制限につき悪意であったとしても、貸主に対する債務を免れる。

    制限行為能力者たる主たる債務者が締結した契約が取り消された場合でも、保証人が行為能力の制限につき悪意であれば、主たる債務と同一の目的を有する独立の債務を負担すると推定される(民法449条)。したがって、本肢の「行為能力の制限につき悪意であったとしても~債務を免れる」の部分が誤りである。

  • 25

    保証債務の負担が主たる債務の負担よりも重い場合には、主たる債務の限度まで減縮するのが原則であるが、保証債務についてのみ損害賠償の額を約定することにより、主たる債務よりも重い負担となったとしても、当該約定は有効である。

  • 26

    特定物売買契約における売主のために保証をした場合、売主が目的物の引渡しをしないため買主が契約を解除して前払金返還を保証人に求めたとしても、売主の契約上の債務と契約解除によって生じる前払金返還義務は別個独立のものであるから、前払金返還義務に関し保証人の責任は及ばないとするのが判例である。

    特定物売買における売主のための保証人は、契約解除によって生じる前払金返還義務についても責任を負うとするのが判例である(最大判昭40年6月30日)。したがって、本の「前払金返還義務は別個独立のものであるから~判例である」の部分が誤りである。

  • 27

    債権者が保証人に債務の履行を請求した場合において、主たる債務者に弁済の資力があり、かつ、執行が容易であることを保証人が証明したときに限り、債権者はまず主たる債務者に催告をすべき旨を保証人が主張することができ、これを「催告の抗弁」という。

  • 28

    主たる債務者に頼まれて保証人となった者が弁済した場合、当該保証人は主たる債務者に対して弁済額の全額を求償することができるが、主たる債務者の意思に反して保証人となった者が弁済した場合、当該保証人は主たる債務者に対して何ら求償することができない。

    主たる債務者の意思に反して保証人となった者が弁済した場合でも、当該保証人は主たる債務者に対して求償時に現存する利益の範囲で求償することができる(民法462条2項)。したがって、本肢の「当該保証人は~何ら求償することができない」の部分が誤りである。

  • 29

    債権が二重に譲渡され、確定日付のある各護渡通知が同時に債務者に到達したときは、譲受人の一人から弁済の請求を受けた債務者は、同順位の譲受人が他に存在することを理由に、弁済の責めを免れることができるとするのが判例である。

    確定日付ある通知が債務者に同時に到達した場合には、各譲受人は債務者に対して、債権全額の弁済を請求することができ、債務者は同順位の譲受人がいることを理由として弁済の責めを免れることはできない(最判昭55年1月11日)。したがって、本肢の「同順位の譲受人が~免れることができる」の部分が誤りである。

  • 30

    債権の譲渡は、債権の譲渡人が当該債権の債務者に対して確定日付のある証書をもって当該譲渡についての通知を行うか、または儀務者が確定日付のある証書をもって当該設渡を承諾しなければ、その効力を生じない。

    確定日付ある証書による通知・承諾を要するのは、第三者に対する対抗要件としてであり、債権譲渡自体の効力とは関係ない。指名債権の譲渡は、譲渡人と譲受人との合意によって生ずる諸成契約である。したがって、本肢の「効力を生じない」の部分が誤りである。

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    問題一覧

  • 1

    抵当権設定契約の当事者は、抵当権者と抵当権設定者であり、抵当権設定者は債務者に限られる。

    抵当権設定契約の当事者は抵当権者と抵当権設者である。抵当権者は被担保権の債権者に限るが抵当権設定者は一般的には儀務者であるが必ずしも債務者である必要はない。担保物についての処分権を有している限り債務者以外の第三者であってもよい(物上保証人)。したがって、「抵当権設定者は債務者に限られる」の部分が誤りである。

  • 2

    抵当権の設定は、登記又は登録などの公示方法が可能なものに認められ、不動産だけでなく地上権や永小作権上にも設定することができる。

    妥当である。抵当権は、登記・登録などの公示方法が可能なものについて設定することができる。民法上においては不動産だけでなく、地上権や永小作権にも抵当権を設定できる(民法369条2項)。

  • 3

    抵当権者が利息を請求する権利を有するときは、いかなる場合でも、満期となった全期間の利息について、抵当権を実行し優先弁済を受けることができる。

    抵当権実行によって優先弁済を受けることができる被担保債権の範囲は、元本および利息と損害金(遅延損害金)であるが。後者については原則、満期となった最後の2年分に限られる(民法375条)。抵当権者の優先弁済権をある範囲に限定して、後順位抵当権者や一般債権者の利益を保護する趣旨である。したがって、「満期となった全期間の利息について、~優先弁済を受けることができる」の部分が誤りである

  • 4

    抵当権は、抵当権設定者に不動産の使用又は収益権を留保する制度であり、抵当不動産から生じた果実に抵当権の効力が及ぶことは一切ない。

    民法371条において被担保債権が債務不履行となった後で生じた果実(天然果実・法定果実)に抵当権の効力が及ぶとしている。したがって、「抵当不動産から生じた果実に抵当権の効力が及ぶことは一切ない」の部分が誤りである。

  • 5

    抵当不動産に付合した物は、付合の時期を問わず、付加一体物として、原則として抵当権の効力は及ぶが、抵当権設定時に存在した従物には及ばない。

    付合物は、付合の時期を問わず、原則として抵当権の効力は及ぶ。また、抵当権設定時に存在した従物にも、特段の事情がないかぎり、抵当権の効力は及ぶ。 したがって、「抵当権設定時に~及ばない」の部分が誤りである。

  • 6

    買戻特約付売買の買主から目的不動産につき抵当権の設定を受けた者は、抵権に基づく物上代位権の行使として、買戻権の行使により買主が取得した買戻代金債権を差し押さえることができる。

    妥当である。買戻代金は実質的に目的不動産の価値変形物であり、抵当権の「目的物の売却又は滅失によって債務者が受けるべき金銭」(民法372条・304条)にあたる。

  • 7

    土地を目的とする一番抵当権設定当時、土地と地上建物の所有者が異なり、法定地上権成立の要件が充足されていなかった場合でも、土地と建物が同一人の所有に帰した後に後順位抵当権が設定され、その後、抵当権の実行により一番抵当権が消滅したときは、地上建物のための法定地上権が成立する。

    本の場合、法定地上権は成立しない。なぜなら、一番抵当権設定時には、法定地上権成立の要件が充足されていなかったのであり、一番抵当権者はそれを前提に土地の担保価値を把握するのであるから、後に土地と建物が同一人に帰属し、後順位抵当権が設定されたことにより法定地上権が成立するなら、一番抵権者が把握した担保価値が損なわれるからである。したがって、「抵当権の実行により一番抵当権が消滅したときは、地上建物のための法定地上権が成立する」の部分が誤りである。

  • 8

    債権について一般債権者の差押えと抵当権者の物上代位権に基づく差押えが競合した場合には、抵当権設定登記の時期の先後にかかわらず、抵権者の物上代位権に基づく差押えが優先する。

    本肢の場合、両者の優劣は一般債権者の申立てによる差押命令の第三債務者への送達と抵権設定登記の先後によって決せられる。したがって、「抵当権設定登記の時期の先後にかかわらず、抵当権者の物上代位権に基づく差押えが優先する」の部分が誤りである。

  • 9

    債務者がその債務について運帯の責任を負っている間に当事者双方の責めによらない事由によりその債務の履行が不能となったときは、債務者は履行不能による損害賠償責任を負わない。

    履行遅滞に陥っている間に、債務の履行が不能になってしまった場合には、たとえその不能が債権者、債務者双方の責めによらない事由によるものであっても、債務者は、履行不能による損害賠償責任を負わなければならない(民法413条の2第1項)。したがって、本記述の「債務者は履行不能による損害賠償責任を負わない」の部分が誤りである。

  • 10

    債務不履行に対する損害賠償の請求は、通常生ずべき損害の賠償をさせることを目的とするが、特別の事情により生じた損害であっても、当事者がその事情を予見すべきであったときは、債権者は、その賠償を請求することができる。

    生ずべき損害の賠償をさせることを目的とし、2項において、特別の事情によって生じた損害でも、当事者がその事情を予見すべきであったときは、債権者はその賠償を請求することができるとしている。

  • 11

    金銭給付を目的とする債務不履行については、その損害賠償額は、法定利率により定めるが、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率によるものとする。

    妥当である。金銭債務の債務不履行について、その損賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める(民法419条1項本文)。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による(民法419条1項但書)。

  • 12

    債権者は、債権の履行期が到来しない間は、債務者に代わって保存行為について代位権を行使することができない。

    債権者代位権は、原則として被保全債権が履行期になければ行使することができないが、保存行為を行う場合は履行期前でも行使することができる(民法423条2項)。したがって、本肢は全体的に誤りである。

  • 13

    債権者が、代位権の行使として第三債務者に物の引渡しを求める場合、債務者に引き渡すべきことを請求できるが、直接自己へ引き渡すよう請求することは一切できない。

    動産および金銭については、債務者が受領を拒絶することにより、債権者代位権行使の実効性が失われるおそれがあるため、債権者は自己に直接引き渡すことを求めることができる(民法423条の3)。したがって、本の「直接自己へ引き渡すよう請求することは一切できない」の部分が誤りである

  • 14

    債務者自らが権利を行使した後であっても、その行使の方法又は結果が債権者にとって不利益となる場合には、債権者は代位権を行使することができる。

    債務者がすでに権利を行使したときは、たとえそれが債権者にとって不利益であっても、債権者は、債務者と重ねて債権者代位権を行使することはできない。 したがって、本肢は全体的に誤りである

  • 15

    代位権の行使は、債権者が自己の名において債務者の権利を行使するものではなく、債権者が債務者の代理人としてそれを行使するものである。

    債権者代位権は、債権者が自己の名で債務者の権利を債務者に代わって行使するものであり、債務者の代理人として権利行使するものではない。したがって、「自己の名において債務者の権利を行使するものではなく」および「債務者の代理人としてそれを行使するものである」の部分が誤りである

  • 16

    詐害行為取消権は、総債権者の共同担保の保全を目的とするものであるから、詐害行為取消権の行使により、債務者による第三者への不動産譲渡が取り消されたとしても、取消債権者は同不動産について、自己名義への所有権移転登記を請求することはできない。

    妥当である。この場合、債権者は債務者名義への所有権移転登記を請求することができるのみで、自己名義にするよう請求することはできない。

  • 17

    債務の弁済は債務者の義務であるから、債務者が支払不能の時に、特定の債権者と通謀し、他の債権者を害する意図をもって一部の債権者にのみ弁済をした場合であっても、詐害行為にはならない。

    一部の債権者に対する弁済は、債務者が支払不能の時に、債務者がその質権者と通謀し、他の債権者を害する意思をもって弁済したような場合に限り、詐害行為となる(民法424条の3第1項)。したがって、「詐害行為にはならない」の部分が誤りである

  • 18

    詐害行為取消権は、債務者の責任財産保全を目的とする制度であるから、被保全債権は金銭償権でなければならないが、たとえ特定物債権が履行不能となり、金銭債権に変じても、詐害行為取消権は行使できない

    判例は、本のような場合、特定物債権者が詐害行為取消権を行使することを認めている。特定物債権も究極において損害賠償請求権に変じうるものであり、債務者の一般財産によって担保されなければならない点は金銭債権と同様だからである。したがって、本の「詐害行為取消権は行使できない」の部分が誤りであ

  • 19

    債務者の責任財産を保全するという詐害行為取消権の趣旨からすれば、詐害行為取消権の行便は広く認める必要があるから、詐害行為取消権は、裁判外で行使することも認められている。

    詐害行為取消権は、裁判外で行使することはできない(民法424条1項)。したがって、本肢の「裁判外で行使することも認められている」の部分が誤りである。

  • 20

    Aが他の連帯債務者があることを知りながら、B及びCに対して事前の通知をせずに、Xに対して300万円弁済した場合、BがXに対して300万円の債権を有していたとしても、AはBに対して100万円求償することができる。

    他の連帯債務者があることを知りながら、事前の通知を怠った場合、弁済した連帯債務者は、求償の場面において、他の連帯債務者が債権者に対して有していた抗弁事由をその負担部分について対抗されることになる(民法443条1項)。本肢において、Bの負担部分は100万円であるから、この負担部分100万円についてAはBから相殺の抗弁を対抗されることになり、Bに対して100万円求償することができない。したがって、本記述の「AはBに対して100万円求償することができる」の部分が誤りである。

  • 21

    Aが他の連帯債務者があることを知りながら、B及びCに対して事前の通知をせずに、Xに対して300万円弁済したが、事後の通知もしなかった。その後、Bも他の連帯債務者があることを知りながら、A及びCに対して事前の通知をせずに、Xに対して300万円弁済した場合、A及びBは対等の立場に立ち、それぞれ150万円の部分で有効な弁済となるので、A及びBはCに対してそれぞれ50万円求償することができる。

    第1弁済者が他の連帯債務者があることを知りながら事後の通知を怠った場合、善意で弁済をした第2弁済者は自己の弁済を有効とみなすことができるが(民法443条2項)、第2弁済者が事前の通知を怠っているときは、第1弁済が有効となり、第2弁済者は自己の弁済を有効とみなすことはできないとするのが判例である(最判昭57年12月17日)。したがって、本記述の「A及びBは対等の立場に立ち~それぞれ50万円求催することができる」の部分が誤りである。

  • 22

    AがXに対して60万円弁済した場合、AはB及びCに対してそれぞれ20万円来償することができる。

  • 23

    債権者がAに対して150万円の免除をした場合、Aは150万円、B及びCはそれぞれ250万円の連帯債務を負う

    Aは150万円の免除を受けているので、Aの儀務額は全務額300万円から150万円を引いた残りの150万円となる。また連雑貨務者の一人に対して務の一部免除がなされた場合、他の連帯債務者に影響を与えないので(相対効、民法41条)、他の連帯務者は債権者に対し全額300万円の履行義務がある。したがって、本記述の「B及びCはそれぞれ250万円の連帯債務を負う」の部分が誤りである。・Aは150万円の免除を受けているので、Aの儀務額は全務額300万円から150万円を引いた残りの150万円となる。また連帯債務者の一人に対して務の一部免除がなされた場合、他の連帯債務者に影響を与えないので(相対効、民法41条)、他の連帯務者は債権者に対し全額300万円の履行義務がある。したがって、本記述の「B及びCはそれぞれ250万円の連帯債務を負う」の部分が誤りである。

  • 24

    主たる債務が取り消された場合には、附従性により保証債務も効力を失うから、制限行為能力者たる主たる債務者が締結した消費貸借契約が取り消された場合、特約がない限りその契約の保証人は、行為能力の制限につき悪意であったとしても、貸主に対する債務を免れる。

    制限行為能力者たる主たる債務者が締結した契約が取り消された場合でも、保証人が行為能力の制限につき悪意であれば、主たる債務と同一の目的を有する独立の債務を負担すると推定される(民法449条)。したがって、本肢の「行為能力の制限につき悪意であったとしても~債務を免れる」の部分が誤りである。

  • 25

    保証債務の負担が主たる債務の負担よりも重い場合には、主たる債務の限度まで減縮するのが原則であるが、保証債務についてのみ損害賠償の額を約定することにより、主たる債務よりも重い負担となったとしても、当該約定は有効である。

  • 26

    特定物売買契約における売主のために保証をした場合、売主が目的物の引渡しをしないため買主が契約を解除して前払金返還を保証人に求めたとしても、売主の契約上の債務と契約解除によって生じる前払金返還義務は別個独立のものであるから、前払金返還義務に関し保証人の責任は及ばないとするのが判例である。

    特定物売買における売主のための保証人は、契約解除によって生じる前払金返還義務についても責任を負うとするのが判例である(最大判昭40年6月30日)。したがって、本の「前払金返還義務は別個独立のものであるから~判例である」の部分が誤りである。

  • 27

    債権者が保証人に債務の履行を請求した場合において、主たる債務者に弁済の資力があり、かつ、執行が容易であることを保証人が証明したときに限り、債権者はまず主たる債務者に催告をすべき旨を保証人が主張することができ、これを「催告の抗弁」という。

  • 28

    主たる債務者に頼まれて保証人となった者が弁済した場合、当該保証人は主たる債務者に対して弁済額の全額を求償することができるが、主たる債務者の意思に反して保証人となった者が弁済した場合、当該保証人は主たる債務者に対して何ら求償することができない。

    主たる債務者の意思に反して保証人となった者が弁済した場合でも、当該保証人は主たる債務者に対して求償時に現存する利益の範囲で求償することができる(民法462条2項)。したがって、本肢の「当該保証人は~何ら求償することができない」の部分が誤りである。

  • 29

    債権が二重に譲渡され、確定日付のある各護渡通知が同時に債務者に到達したときは、譲受人の一人から弁済の請求を受けた債務者は、同順位の譲受人が他に存在することを理由に、弁済の責めを免れることができるとするのが判例である。

    確定日付ある通知が債務者に同時に到達した場合には、各譲受人は債務者に対して、債権全額の弁済を請求することができ、債務者は同順位の譲受人がいることを理由として弁済の責めを免れることはできない(最判昭55年1月11日)。したがって、本肢の「同順位の譲受人が~免れることができる」の部分が誤りである。

  • 30

    債権の譲渡は、債権の譲渡人が当該債権の債務者に対して確定日付のある証書をもって当該譲渡についての通知を行うか、または儀務者が確定日付のある証書をもって当該設渡を承諾しなければ、その効力を生じない。

    確定日付ある証書による通知・承諾を要するのは、第三者に対する対抗要件としてであり、債権譲渡自体の効力とは関係ない。指名債権の譲渡は、譲渡人と譲受人との合意によって生ずる諸成契約である。したがって、本肢の「効力を生じない」の部分が誤りである。