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憲法level1その2
48問 • 1年前
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    問題一覧

  • 1

    著名な小説家が執筆した小説によって、交友関係のあった女性がプライバシーを侵害されたとした事件で、当該小説において問題とされている表現内容は、公共の利害に関する事項であり、侵害行為の対象となった人物の社会的地位や侵害行為の性質に留意することなく、侵害行為の差止めを肯認すべきであり、当該小説の出版等の差止め請求は肯認されるとした。

    本肢の事案で、どのような場合に侵害行為の差止めが認められるかについて判例は、侵害行為の対象となった人物の社会的地位や侵害行為の性質に留意しつつ、予想される侵害行為によって受ける被害者側の不利益と侵害行為を差止めることによって受ける侵害者側の不利益とを比較衡量して決すべきとしている。そして、本件小説において問題とされている表現内容は、公共の利害に関する事項ではないとしている。したがって、本肢の「当該小説において~差止め請求は背認されるとした」とする部分が誤りである。

  • 2

    憲法第29条第3項にいう「公共のために用ひる」とは、病院、学校、鉄道、道路等の建設といった、公共事業のために私有財産を用いる場合に限られる。

    誤り。法29条3項の「公共のために用ひる」とは、公共事業のために私有財産を用いる場合に限定されない。戦後の農地買収のように、特定の個人が受益者となる場合であっても、広く社会公共の利益のために私有財産を用いるのであれば、憲法29条3項の「公共のために用ひる」に含まれる。したがって、本記述の「公共事業のために私有財産を用いる場合に限られる」の部分が誤りである。

  • 3

    憲法第29条第3項にいう「正当な補償」とは、財産が一般市場においてもつ客観的な経済価格が補てんされることを意味するから、当該価格を下回る金額の補てんでは、「正当な補償」とはいえない。

    誤り。憲法29条3項にいう「正当な補償」の意味については、①財産について合理的に算出された相当な価額であれば、市場価格を下回っても「正当な補償」であるとする相補償説と、 ②本記述にあるように、財産が一般市場においてもつ客観的な経済価格で補てんされる(財産の客観的な市場価格で全額補償する)ことが「正当な補償」であるとする完全補償説とが存在する。この憲法29条3項の「正当な補償」の意味について、相補償説に依拠する判例と、完全補償説に依拠する判例とがある。したがって、本記述の「当該価格を下回る金額の補てんでは、『正当な補償』とはいえない」の部分が誤りである。

  • 4

    河川附近地制限の制限は、特定の人に対し、特別に財産上の犠牲を強いるものであり、当該制限に対しては正当な補償をすべきであるにもかかわらず、その損失を補償すべき何らの規定もなく、また、別途直接憲法を根拠にして補償請求をする余地も全くなく、同令によって、当該制限の違反者に対する罰則のみを定めているのは、憲法に違反して無効であるとした。

    河川敷地制限について、判例は、「特定の人に対し、特別に財産上の犠牲を強いるものとはいえない」ので、当該制限を課すにあたって損失補償を要件とするものではないとした。また、損失補償が必要であるにもかかわらず、損失補償の規定を欠く場合の根拠についても、同判例は、「直接憲法29条3項を根拠にして、補償請求をする余地が全くないわけではない」から、直ちに違憲無効とはならないとした。したがって、本肢は全体的に誤りである。

  • 5

    森林法の規定が共有森林につき持分価額2分の1以下の共有者に民法所定の分割請求権を否定しているのは、当該規定の立法目的との関係において、合理性と必要性のいずれをも肯定することのできないことが明らかであって、この点に関する立法府の判断は、その合理的裁量の範囲を超えるものであると言わなければならず、当該規定は、憲法に違反し、無効というべきであるとした。

    妥当である。旧森林法186条が共有森林につき持分価額2分の1以下の共有者に分割請求権を否定していたことについて、判例は、「森林法186条の立法目的との関係において、合理性と必要性のいずれをも肯定することのできないことが明らかであって、この点に関する立法府の判断は、その合理的裁量の範囲を超えるものであるといわなければならない。したがって、同条は、憲法29条2項に違反し、無効というべきである」とした。

  • 6

    証券取引法によるインサイダー取引の規制は、一般投資家の信頼を確保するという目的によるものであり、その規制目的は正当であるが、上場会社の役員又は主要株主に対し一定期間内に行われた取引から得た利益の提供請求を認めるような規制手段が必要性又は合理性に久けることが明らかであるから、憲法に違反するとした。

    証券取引法(現金融商品取引法)によるインサイダー取引の規制について、判例は、「証券取引市場の公平性、公正性を維持するとともにこれに対する一般投資家の信頼を確保するという目的による規制を定めるものであるところ、その規制目的は正当であり、規制手段が必要性又は合理性に欠けることが明らかであるとはいえないのであるから、同項は、公共の福社に適合する制限を定めたものであって、憲法29条に違反するものではない」とした。したがって、本肢の「上場会社の役員又は主要株主に対し~憲法に違反する」の部分が誤りである。

  • 7

    土地収用法が、事業認定の告示時における相な価格を近傍類地の取引価格を考慮して算定した上で、権利取得裁決時までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて、権利取得裁決時における土地収用に伴う補償金の額を決定するとしたことは、近傍類地の取引価格に変動が生ずることがあり、その変動率と修正率とは必ずしも一致せず、被収用者は収用の前後を通じてその有する財産価値を等しくさせる補償は受けられないため、同法の規定は憲法に違反するとした。

    事業認定の告示時における相当な価格を近類地の取引価格等を考慮して算定した上で、権利取得裁決時までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて、権利取得裁決時における土地収用に伴う補償金の額を決定する旨を定めた土地収用法71条の規定について、判例は、「十分な合理性があり、これにより、被収用者は、収用の前後を通じて被収用者の有する財産価値を等しくさせるような補償を受けられる」ようにするものであり、憲法に違反するものではないとした。したがって、本肢の「被収用者は収用の前後を通じてその有する財産価値を等しくさせる補償は受けられないため、同法の規定は憲法に違反する」の部分が誤りである。

  • 8

    区分所有法が、1棟建替えにおいて、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で建替え決議ができると定めているのに比べて、団地内全建物一括建替えにおいて、団地内の各建物の区分所有者及び議決権の各3分の2以上の賛成があれば、団地全体の区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数の賛成で一括建替え決議ができると定めているのは、十分な合理性を有しておらず、規制の目的等を比較考量して判断すれば、同法の規定は憲法に違反するとした。

    区分所有法が、1棟建替えにおいて、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で建替え決議ができる(区分所有法62条1項)と定めているのに比べて、団地内全建物一括建替えにおいて、団地内の各建物の区分所有者及び議決権の各3分の2以上の賛成があれば、団地全体の区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数の賛成で一括建替え決議ができる(区分所有法70条1項)と定めていることについて、判例は、「団地全体では同法62条1項の議決要件と同一の議決要件を定め、各建物単位では区分所有者の数及び議決権数の過半数を相当超える議決要件を定めているのであり、同法70条1項の定めは、なお合理性を失うものではない」とし、「規制の目的、必要性、内容、その規制によって制限される財産権の種類、性質及び制限の程度等を比較考量して判断すれば、区分所有法70条は、選法29条に違反するものではない」とした。したがって、本肢の「十分な合理性を有しておらず、規制の目的等を比較考量して判断すれば、同法の規定は憲法に違反する」の部分が誤りである。

  • 9

    薬局の開設に適正配置を要求する規制は、国民の生命・健康に対する危険の防止という消極目的の規制であり、適正配置規制を行わなければ、薬局等の偏在や乱立により医薬品の調剤供給に好ましからざる影響を及ぼすため、その必要性と合理性は認められるが、その立法目的は、より緩やかな規制手段によっても十分に達成できることから、憲法第22条第1項に違反する。

    判例は、薬局の開設等の許可基準の一つとして適正配置規制を定めた薬事法6条2項、4項これらを準用する同法26条2項)は、不良医薬品の供給の防止等の目的のために必要かつ合理的な規制を定めたものということができないから、憲法22条1項に違反し、無効であるとしている。したがって、本記述の「適正配置規制を行わなければ、~憲法第22条第1項に違反する」の部分が誤りである。

  • 10

    財産上の権利につき使用、収益、処分の方法に制約を加えることは、公共の福祉に適合する限り、当然になし得るが、私有財産権の内容に規制を加えるには、法律によらなければならないため、ため池の堤とうに農作物を植える行為等を条例によって禁止することは、憲法第29条第2項に違反する。

    判例は、ため池の破損、決かいの原因となるため池の堤とうの使用行為は、憲法でも、民法でも適法な財産権の行使として保障されていないものであって、憲法、民法の保障する財産権の行使の埒外にあるものというべく、したがって、これらの行為を条例をもって禁止、処罰しても憲法および法律に抵触またはこれを逸脱するものとはいえないとしている。したがって、本記述の「憲法第29条第2項に違反する」の部分が誤りである。

  • 11

    憲法第29条第1項は、「財産権は、これを侵してはならない。」と規定しているが、同条第2項は、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」と規定している。したがって、法律で一旦定められた財産権の内容を事後の法律で変更しても、それが公共の福祉に適合するようにされたものである限り、これをもって違憲の立法ということはできない。

    妥当である(最大判昭53年7月1日)。

  • 12

    判例は、憲法第29条第3項を直接の根拠として補償請求をする余地を否定していない。

    正しい。判例は、法令に損失補償に関する規定がない場合であっても、その損失を具体的に立証主張すれば、「直接憲法29条3項を根拠にして、補償請来する余地が全くないわけでない」として、憲法29条3項を直接の根拠にして補償請求できることを認めた。

  • 13

    森林法が共有森林につき持分価額2分の1以下の共有者に民法所定の分割請求権を否定しているのは、森林の細分化を防止することによって森林経営の安定を図るとする森林法の立法目的との関係において、合理性と必要性のいずれをも肯定することができ、この点に関する立法府の判断は、その合理的裁量の範囲内であるというべきであるから、憲法に違反するものではないとした。

    森林法事件において最高裁判所は、分割後の森林面積が必要最小限度の面積を下回るか否かを問うことなく、一律に現物分割を認めないとすることは、立法目的を達成する規制手段として合理性に欠け、必要な限度を超えるとし、また、森林の伐採期等を何ら考慮することなく無期限に分割請求を禁止することも必要な限度を超えた不必要な規制とした上で、立法府の判断も合理的裁量の範囲を超えるものとして意法29条2項に違反する旨、判示している。したがって、「合理性と必要性~憲法に違反するものではない」の部分が誤りである。

  • 14

    憲法第22条第2項が保障する外国に移住する自由には外国へ一時旅行する自由が含まれるが、外国旅行の自由といえども無制限のままに許されるものではなく、公共の福祉のために合理的な制限に服するとするのが判例である。

    妥当である。判例によれば、憲法22条2項の「外国に移住する自由」には外国へ一時旅行する自由が含まれるが、外国旅行の自由といえども無制限のままに許されるものではなく、公共の福祉のために合理的な制限に服する。

  • 15

    酒税法による酒類販売業の許可制は、酔性を有する酒類の販売を規制することで、国民の生命及び健康に対する危険を防止することを目的とする規制であり、当該許可制は、立法目的との関連で必要かつ合理的な措置であるといえ、より緩やかな規制によっては当該目的を十分に達成することができないと認められることから、憲法第22条第1項に違反しないとするのが判例である。

    判例は、本肢における許可制の合憲性を判断するにあたり、まず、審査基準を導きだす過程において、「国民の生命及び健康に対する危険の防止」という酒税法の立法目的の消極目的性には言及していない。そして、審査基準も緩やかな基準を適用しており、薬事法事件のような厳格度の高い審査基準を採っていない。すなわち、判例は、租税の適正かつ確実な賦課徴収という国家の財政目的のための職業の許可制による規制は、その必要性と合理性についての立法府の判断が、裁量の範囲を逸脱し、著しく不合理でない限り、憲法第22条第1項に違反しないとし、結論として本件許可制を合憲としている。本肢は、結論は正しいものの、その理由(判断枠組み)が誤っている。

  • 16

    憲法第29条にいう「財産権」とは、所有権その他の物権や債権といった私法的な権利を指し、水利権や河川利用権といった公法的な権利は含まれない。

    意法29条にいう「財産権」とは、財産的価値を有するすべての権利をいい、水利権や河川利用権のような公法的な権利も含まれる。したがって、「水利権・・といった公法的な権利は含まれない」の部分が誤っている。

  • 17

    財産権に対する規制が憲法第29条第2項にいう公共の福祉に適合するものとして是認されるべきものであるかどうかは、規制の目的、必要性、内容、その規制によって制限される財産権の種類、性質及び制限の程度等を比較考量して判断すべきものであるとするのが判例である。

    妥当である。財産権に対する規制が悪法第29条第2項にいう公共の福祉に適合するものとして是認されるべきものであるかどうかは、規制の目的、必要性、内容、その規制によって制限される財産権の種類、性質及び制限の程度等を比較考量して決すべきである。

  • 18

    具体的権利としては、憲法の規定の趣旨を実現するために制定された生活保護法によって、はじめて与えられているというべきであって、憲法25条1項の規定の趣旨を実現するために制定された生活保護法が、生活に困勢する要保護者又は被保護者に対し具体的な権利として賦与した保護受給権も、時の政府の施政方針によって左右されることのない客観的な最低限度の生活水準に基づく適正な保護基準による保護を受け得る権利である。

    誤り。朝日訴訟において、判例は、憲法25条1項は国の責務を宜言したにとどまり、個々の国民に具体的権利を付与したものではなく、具体的権利としては生活保護法によって与えられているとしている。したがって、本肢の前半は正しい。しかし、同判例は、何が健康で文化的な最低限度の生活であるかの認定判断は、いちおう、厚生大臣の合目的的な裁量に委されており、その判断は、当不当の問題として政府の政治責任が問われることはあっても、直ちに違法の問題を生ずることはないとして、保護基準の設定が時の政府の施政方針によって左右されうることを認めている。したがって、「時の政府の施政方針によって左右されることのない・・・」としている点が誤りである。

  • 19

    厚生労働大臣が、生活保護基準を改定し、生活保護法に基づく生活扶助につき定められていた70歳以上の高齢者を対象とする老齢加算制度を廃止する場合には、老齢加算が支給されることを前提として現に生活設計を立てていた被保護者の期待的利益について特別な配慮をすべきであり、厚生労働大臣がかかる特別な配慮をせずに判断を行ったときは、その裁量権の範囲を逸脱するものであるとするのが判例である。

    判例は、老齢加算の廃止は、これが支給されることを前提として現に生活設計を立てていた被保護者に関しては、保護基準によって具体化されていたその期待的利益の喪失を来す側面があることも否定し得ないところであるとしつつる、厚生労働大臣は「校保護者のこのような期待的利益についても可及的に配慮する」とするにとどめており、本記述のように「特別な配慮をすべき」とはしていない。したがって、「特別な配慮をすべきであり、~その裁量権の範囲を逸脱するものであるとするのが判例である」とする部分が誤りである。

  • 20

    個人の基本的自由を認め、その人格の独立を国政上尊重すべきものとしている憲法の下においては、子供が自由かつ独立の人格として成長することを妨げるような国家的介入、例えば、誤った知識や一方的な観念を子供に植え付けるような内容の教育を施すことを強制することは、憲法第26条、第13条の規定上からも許されないと解されるから、国は、子供の教育内容についてこれを決定する権能を有しないとするのが判例である。

    判例は、旭川学力テスト事件において、国は必要かつ相当と認められる範囲において、教育内容についてもこれを決定する権能を有するとしている。したがって、「国は、子供の教育内容についてこれを決定する権能を有しない」とする部分が誤りである。なお、「個人の基本的自由を認め~許されないと解される」という部分に関しては、同判例のとおりであり妥当である。

  • 21

    労働基本権は、国との関係で労働者に保障されるだけでなく、使用者対労働者という関係において労働者の権利を保護することも目的としている。したがって、労働基本権の保障は私人間の関係にも直接適用される。

    妥当である。労働基本権は、労働者が団結、団体交渉、団体行動をとることについて公権力や使用者から不当に妨げられないという自由権的側面も有している。そのため、労働基本権について定めた憲法28条の規定は私人間においても当然に直接適用されることになる。

  • 22

    国会が「唯一の立法機関」であるとは、国会以外の機関が「法律」の形式で法規範を定立することを禁ずる趣旨であるから、緊急事態における臨時的な対応として、内閣等の機関が独立命令等を制定することを妨げるものではない。

    恋法41条の解釈として、通説は、「立法」とは形式的意味の立法ではなく、実質的意味の立法を指し、「法律」の形式(名称)に限られないと解している。よって、大日本帝国憲法で認められていた緊急や独立命令といった、法形式としては命令に属しても法律と同等の効力が認められる法規範を、国会以外の機関が制定することはできない(国会中心立法の原則)。 したがって、本の「内閣等の機関が独立命令等を制定することを妨げるものではい」の部分が誤りである。

  • 23

    衆議院の解散中に国に緊急の必要がある場合、内閣は参議院の緊急集会を求めることができるが、参議院の緊急集会は、あくまで緊急事態に対処するための臨時的な制度として想定されたものであり、これまで実際に開催されたことはない。

    前半は正しい。しかし、参議院の緊急集会は、昭和27年8月31日および昭和28年3月18日~20日の2回開催され、案件はすべて可決、次の国会で衆議院の同意も得られている。したがって、本肢の「これまでに実際に開催されたことはない」の部分が誤りである。

  • 24

    両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができないとされているが、議員として出席・活動し得ない欠員を議員に含めることは妥当でないことから、国会法は、「総議員」とは、法律で定められた議員数ではなく、現にその任にある議員数によるとしている。

    憲法56条1項の「総議員」について、現に会議に出席しうる状態にある者(死亡・退職・辞任・除名等による欠員を除く)とする説と法律で定められた議員数であるとする説との対立があるが、先例は後者が「総議員」であるとしている。したがって、本肢の「法律で定められた議員数ではなく、現にその任にある議員数によるとしている」の部分が誤りである。

  • 25

    法律案は、両議院で可決した場合に法律となるのが原則であるが、参議院で衆議院と異なった議決をした場合に、両議院の協議会を開いても意見が一致しないときは、衆議院の議決が国会の議決とされる。

    衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、来議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときに、法律となる(憲法59条2項)のであって、予算、条約の承認(恋法60条2項、61条)や内閣総理大臣の指名(67条2項)のように、両院協議会で意見が一致しなかった場合に、そのまま議能の議決が国会の議決となるものではない。なお、法律条の議決における両を総議会の開催は任意である糖法59条3項)。したがって、本肢の「衆議院の議決が国会の議決とされる」の部分が誤りである。

  • 26

    衆議院は、参議院が衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて〇〇日以内に議決せず、その後さらに両院協議会を開いても意見が一致しない場合に限り、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

    参議院が衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて60日以内に議決をしない場合には、衆議院は、その法律案を参議院が否決したものとみなすことができる(憲法59条4項)。そして、衆議院で可決し、参議院で否決した法律案については、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再可決すれば法律になる(憲法59条2項)。この場合、両院協議会を開くかどうかは衆議院の判断に委ねられている(憲法59条3項)。したがって、本肢の「その後さらに両院協議会を開いても意見が一致しない場合に限り」の部分が誤りである。

  • 27

    両議院の議員は、法律の定める場合を除き、国会の会期中は逮捕されないが、会期前に逮捕された場合には、その議院からの要求があっても、会期中に釈放されることはない。

    国会の会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中釈放しなければならない(憲法50条)。したがって、本肢の「その議院からの要求があっても、会期中に釈放されることはない。」の部分が誤りである。

  • 28

    両議院の議決は、憲法に特別の定めのある場合を除いて、出席議員の過半数によるものとされるが、この特別の定めのある場合としては、憲法改正の発議や秘密会を開くための議決などがある。

    妥当である。本記の前半の内容は、両議院の議決に関する原則を定める感法56条2項の規定のとおりであり、妥当である。また、本記述の後半において、憲法56条2項の規定の「この憲法に特別の定のある」場合として例示している「憲法改正の発議」(総議員の3分の2以上の賛成で発議、憲法96条1項)や、「秘密会を開くための議決」(出席議員の3分の2以上の多数で議決、憲法57条1項但書)も、妥当である。

  • 29

    両議院の定足数(議事を開き議決するために必要な最小限の出席者の数)は、いずれも総議員の2分の1と定められている。

    両議院の定足数は、憲法56条1項により、「各々その総議員の3分の1以上の出席がなければ、談事を開き議決することができない」と規定されている。したがって、本記述の「いずれも総議員の2分の1と定められている」の部分が誤りである。

  • 30

    両議院は、会議の記録を保存しなければならないが、その記録を公表し、かつ一般に領布することまでは求められない。

    憲法57条2項は、「両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない」と規定している。したがって、本記述の「その記録を公表し、かつ一般に頒布することまでは求められない」の部分が誤りである。

  • 31

    国政調査権の性質について、国権の最高機関性に基づく国権統括のための独立の権能であるとする説に対し、最高裁判所は、議院に与えられた権能を実効的に行使するために認められた補助的な権能であるとした。

    妥当である。国政調本権の性質については、無法4条の国権の最高機関性に基づく国権統括のための独立の権能であるとする説と、議院に与えられた権能を実効的に行使するために認められた補助的な権能であるとする説がある。国政調査権の性質についての論議は浦和事件を契機に行われた。浦和地方裁判所が下した刑事事件の判決に対し、当時「検察及び裁判の運営に関する調査」を行っていた参議院法務委員会が「量刑が不当(軽すぎる)」との決議を行った。最高裁判所は、参議院に対し、参議院法務委員会の措置は司法権の独立を侵害し国政調査の範囲を逸脱するものとして強く抗議した。これに対し参議院法務委員会は、国権の最高機関性の規定に基づき行使される国政調査権は、司法権に対しても監権を有すると反論した。この論手において、参議院側が独立権能説を、最高裁判所が補助的権能説を主張した。

  • 32

    国政調査権は、国民により選挙された全国民の代表で組織される両議院に特に認められた権能であるため、特別委員会又は常任委員会に調査を委任することはできない。

    衆参両議院が、各々本会議において調査を行うことができるのはもとより、国会法及び議院規則の下、議院の付託または委任により、常任委員会または調査特別委員会が調査を行うことが認められている。実際には、議案審議について委員会中心主義が採られていることとあいまって、専門性、機動性で勝る委員会が、国政調査の主な担い手となっている。したがって、本肢の「特別委員会又は常任委員会に調査を委任することはできない」の部分が誤りである。

  • 33

    日商岩井事件の判決において、検察権との並行調査は、検察権が行政作用に属するため原則として許容されるが、起訴、不起訴について検察権の行使に政治的圧力を加えることが目的と考えられる調査に限り自制が要請されるとした。

    検察権との並行調査について、裁判所は、「行政作用に属する検察権の行使との並行調査は、原則的に許容されているものと解するのが一般的であり、例外的に国政調査権行使の自制が要請されているのは、それがひいては司法権の独立ないし刑事司法の公正に触れる危険性があると認められる場合(たとえば、所論引用の如く、(イ)起訴、不起訴についての検察権の行使に政治的圧力を加えることが目的と考えられるような調査、(ロ起訴事件に直接関係ある捜査及び公訴追行の内容を対象とする調査、(捜査の続行に重大な支障を来たすような方法をもって行われる調査等がこれに該ると説く見解が有力である。)に限定される」とした。したがって、本の「起訴、不起訴について~調査に限り自制が要請される」の部分が誤りである。

  • 34

    両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判するが、当該裁判により議員の資格を失うこととなった者は、これに不服がある場合、その結論を司法裁判所で争うことができる。

    憲法55条は、「両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する」と規定し、その明文上、司法審査が及ばないと解されている。したがって、本肢の「不服がある場合、~争うことができる」の部分が誤りである。

  • 35

    憲法に基づく両議院の議員懲罰権は、議院内部の秩序を乱した議員の懲罰を目的とするものであるから、議場外の行為で会議の運営とは関係のない個人的行為は懲罰の事由とはならない。

    妥当である(憲法58条2項:地方議会の議員懲罰権について、最判昭28年11月20日)。

  • 36

    国会の会期中に議決に至らなかった案件は、原則として後会に継続しない。これを会期不継続の原則といい、憲法上、明文で規定されている。

    会期不継続の原則についての説明は正しい。しかし、憲法にその規定はなく、国会法68条に規定されている。したがって、本肢の「憲法上、明文で規定されている」の部分が誤りである。

  • 37

    内閣総理大臣の指名について、衆議院と参議院とが異なった指名の議決をした場合は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び指名の議決をしたときに限り、衆議院の議決を国会の議決とする。

    内閣総理大臣の指名について、衆議院と参議院が異なった指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて10日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする(憲法67条2項)。したがって、本肢の「衆議院で出席議員の~衆議院の議決を国会の議決とする」の部分が誤りである。

  • 38

    内閣について、衆議院で不信任の決議案を可決し、参議院でその決議案を否決した場合に、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で不信任の決議案を再び可決したときは、内閣は総辞職しなければならない。

    内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない(憲法69条)。内閣不言任決議は参議院には認められておらず、当然、衆議院による再可決もない。したがって、本肢の「参議院でその決議案を否決~内閣は総辞職をしなければならない」の部分が誤りである。

  • 39

    予算について、参議院が衆議院の可決した予算を受け取った後、国会休会中の期間を除いで〇〇日以内に議決しないときは、衆議院は、参議院がその予算案を否決したものとみなし、出席議員の過半数で再びこれを決することができる。

    予算について、参議院で楽議院と異なった議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院が可決した予算を受け取った後、国会休会中の期間を除いて30日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする(憲法60条2項)。したがって、本肢の「衆議院は、参議院がその予算案を~再びこれを決することができる」の部分が誤りである。

  • 40

    常会、臨時会及び特別会の会期は、それぞれ召集の都度、両議院一致の議決で定めなければならない。

    常会の会期は、150日間とする(国会法10条)。臨時会及び特別会の会期は、両議院一致の談決で、これを定める(国会法11条)。したがって、本肢の「常会」の部分が誤りである。

  • 41

    常会、臨時会及び特別会の会期は、両議院一致の議決で延長することができるが、いずれの場合も、会期の延長ができる回数についての制限はない。

    会期の延長は、常会にあっては一回、特別会及び臨時会にあっては二回を超えてはならない(国会法12条2項)。したがって、本肢の「会期の延長ができる回数についての制限はない」の部分が誤りである。

  • 42

    特別会は、衆議院の解散による総選挙の日から〇〇日以内に召集されるが、その召集の時期が常会の召集時期と重なる場合には、常会と併せて召集することができる。

    妥当である。衆議院が解散されたときは、解散の日から40日以内に、衆議院議員の総選挙を行い、その選挙の日から30日以内に、国会を召集しなければならない(憲法54条1項)。特別会は、常会と併せてこれを召集することができる(国会法2条の2)。

  • 43

    両議院は、院内の秩序を乱した議員を懲罰することができるが、選挙によって選ばれた議員の身分を剥奪することは許されないため、懲罰として議員を除名することはできない。

    憲法58条2項は、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる、と規定している。 さらに同項但書で、議員を除名するには、出席議員の3分の2以上の多数による議決を必要とする、と規定している。したがって、本記述の、「懲罰として議員を除名することはできない」の部分が誤りである。

  • 44

    両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定める権能を有するが、憲法上、その権能は憲法及び国会法の規定する内容を除く範囲に明文で限定されている。

    前半部分は正しい(憲法58条)。しかし、議員規則制定権の範囲について、憲法には明記されていない。したがって、「憲法上~明文で限定されている」の部分が誤りである。

  • 45

    両議院の議員は、院内で行った演説、討論又は表決に限り、院内外で責任を問われない。

    憲法51条は「両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。」と定めるため、所属議院による懲罰等、院内で責任を問われる場合がある。したがって、本問の「院内外で責任を問われない」の部分が誤りである。

  • 46

    参議院の緊急集会は、内閣総理大臣から示された案件を審議し、議決するが、議員は、当該案件に関連があるものに限らず、議案を発議することができる。

    参議院の緊急集会では、議員は、内閣総理大臣から示された案件に関連のあるものに限り議案を発議することができる(国会法101条)。したがって、「当該案件に関連があるものに限らず、議案を発議することができる」の部分が誤りである。

  • 47

    参議院の緊急集会を求めることは、国会の召集とは異なり、天皇の国事行為を必要とせず、緊急集会を求める権限は、内閣のみに属し、参議院が自発的に緊急集会を行うことはできない。

    妥当である。参議院の緊急集会については、緊急の必要がある場合に内閣が開催を決定するのみ(憲法54条2項但書、国会法99条1項参照)である。故に、参議院が自発的に緊急集会を行うことはできない。

  • 48

    参議院の緊急集会は、国会の権限を臨時に代行するものであるから、その権限は国会の権限全般に及び、憲法改正の発議や内閣総理大臣の指名を行うこともできる。

    緊急集会での案件について争いはあるものの、少なくとも、憲法改正の発議については、参議院のみで議決をすることは、憲法96条1項で衆議院・参議院の各議院の総議員の3分の2以上の賛成を要するとしている法意に添わないため、行うことはできないとされる。したがって、「その権限は国会の権限全般に及び~できる」の部分が誤りである。

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    問題一覧

  • 1

    著名な小説家が執筆した小説によって、交友関係のあった女性がプライバシーを侵害されたとした事件で、当該小説において問題とされている表現内容は、公共の利害に関する事項であり、侵害行為の対象となった人物の社会的地位や侵害行為の性質に留意することなく、侵害行為の差止めを肯認すべきであり、当該小説の出版等の差止め請求は肯認されるとした。

    本肢の事案で、どのような場合に侵害行為の差止めが認められるかについて判例は、侵害行為の対象となった人物の社会的地位や侵害行為の性質に留意しつつ、予想される侵害行為によって受ける被害者側の不利益と侵害行為を差止めることによって受ける侵害者側の不利益とを比較衡量して決すべきとしている。そして、本件小説において問題とされている表現内容は、公共の利害に関する事項ではないとしている。したがって、本肢の「当該小説において~差止め請求は背認されるとした」とする部分が誤りである。

  • 2

    憲法第29条第3項にいう「公共のために用ひる」とは、病院、学校、鉄道、道路等の建設といった、公共事業のために私有財産を用いる場合に限られる。

    誤り。法29条3項の「公共のために用ひる」とは、公共事業のために私有財産を用いる場合に限定されない。戦後の農地買収のように、特定の個人が受益者となる場合であっても、広く社会公共の利益のために私有財産を用いるのであれば、憲法29条3項の「公共のために用ひる」に含まれる。したがって、本記述の「公共事業のために私有財産を用いる場合に限られる」の部分が誤りである。

  • 3

    憲法第29条第3項にいう「正当な補償」とは、財産が一般市場においてもつ客観的な経済価格が補てんされることを意味するから、当該価格を下回る金額の補てんでは、「正当な補償」とはいえない。

    誤り。憲法29条3項にいう「正当な補償」の意味については、①財産について合理的に算出された相当な価額であれば、市場価格を下回っても「正当な補償」であるとする相補償説と、 ②本記述にあるように、財産が一般市場においてもつ客観的な経済価格で補てんされる(財産の客観的な市場価格で全額補償する)ことが「正当な補償」であるとする完全補償説とが存在する。この憲法29条3項の「正当な補償」の意味について、相補償説に依拠する判例と、完全補償説に依拠する判例とがある。したがって、本記述の「当該価格を下回る金額の補てんでは、『正当な補償』とはいえない」の部分が誤りである。

  • 4

    河川附近地制限の制限は、特定の人に対し、特別に財産上の犠牲を強いるものであり、当該制限に対しては正当な補償をすべきであるにもかかわらず、その損失を補償すべき何らの規定もなく、また、別途直接憲法を根拠にして補償請求をする余地も全くなく、同令によって、当該制限の違反者に対する罰則のみを定めているのは、憲法に違反して無効であるとした。

    河川敷地制限について、判例は、「特定の人に対し、特別に財産上の犠牲を強いるものとはいえない」ので、当該制限を課すにあたって損失補償を要件とするものではないとした。また、損失補償が必要であるにもかかわらず、損失補償の規定を欠く場合の根拠についても、同判例は、「直接憲法29条3項を根拠にして、補償請求をする余地が全くないわけではない」から、直ちに違憲無効とはならないとした。したがって、本肢は全体的に誤りである。

  • 5

    森林法の規定が共有森林につき持分価額2分の1以下の共有者に民法所定の分割請求権を否定しているのは、当該規定の立法目的との関係において、合理性と必要性のいずれをも肯定することのできないことが明らかであって、この点に関する立法府の判断は、その合理的裁量の範囲を超えるものであると言わなければならず、当該規定は、憲法に違反し、無効というべきであるとした。

    妥当である。旧森林法186条が共有森林につき持分価額2分の1以下の共有者に分割請求権を否定していたことについて、判例は、「森林法186条の立法目的との関係において、合理性と必要性のいずれをも肯定することのできないことが明らかであって、この点に関する立法府の判断は、その合理的裁量の範囲を超えるものであるといわなければならない。したがって、同条は、憲法29条2項に違反し、無効というべきである」とした。

  • 6

    証券取引法によるインサイダー取引の規制は、一般投資家の信頼を確保するという目的によるものであり、その規制目的は正当であるが、上場会社の役員又は主要株主に対し一定期間内に行われた取引から得た利益の提供請求を認めるような規制手段が必要性又は合理性に久けることが明らかであるから、憲法に違反するとした。

    証券取引法(現金融商品取引法)によるインサイダー取引の規制について、判例は、「証券取引市場の公平性、公正性を維持するとともにこれに対する一般投資家の信頼を確保するという目的による規制を定めるものであるところ、その規制目的は正当であり、規制手段が必要性又は合理性に欠けることが明らかであるとはいえないのであるから、同項は、公共の福社に適合する制限を定めたものであって、憲法29条に違反するものではない」とした。したがって、本肢の「上場会社の役員又は主要株主に対し~憲法に違反する」の部分が誤りである。

  • 7

    土地収用法が、事業認定の告示時における相な価格を近傍類地の取引価格を考慮して算定した上で、権利取得裁決時までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて、権利取得裁決時における土地収用に伴う補償金の額を決定するとしたことは、近傍類地の取引価格に変動が生ずることがあり、その変動率と修正率とは必ずしも一致せず、被収用者は収用の前後を通じてその有する財産価値を等しくさせる補償は受けられないため、同法の規定は憲法に違反するとした。

    事業認定の告示時における相当な価格を近類地の取引価格等を考慮して算定した上で、権利取得裁決時までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて、権利取得裁決時における土地収用に伴う補償金の額を決定する旨を定めた土地収用法71条の規定について、判例は、「十分な合理性があり、これにより、被収用者は、収用の前後を通じて被収用者の有する財産価値を等しくさせるような補償を受けられる」ようにするものであり、憲法に違反するものではないとした。したがって、本肢の「被収用者は収用の前後を通じてその有する財産価値を等しくさせる補償は受けられないため、同法の規定は憲法に違反する」の部分が誤りである。

  • 8

    区分所有法が、1棟建替えにおいて、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で建替え決議ができると定めているのに比べて、団地内全建物一括建替えにおいて、団地内の各建物の区分所有者及び議決権の各3分の2以上の賛成があれば、団地全体の区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数の賛成で一括建替え決議ができると定めているのは、十分な合理性を有しておらず、規制の目的等を比較考量して判断すれば、同法の規定は憲法に違反するとした。

    区分所有法が、1棟建替えにおいて、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で建替え決議ができる(区分所有法62条1項)と定めているのに比べて、団地内全建物一括建替えにおいて、団地内の各建物の区分所有者及び議決権の各3分の2以上の賛成があれば、団地全体の区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数の賛成で一括建替え決議ができる(区分所有法70条1項)と定めていることについて、判例は、「団地全体では同法62条1項の議決要件と同一の議決要件を定め、各建物単位では区分所有者の数及び議決権数の過半数を相当超える議決要件を定めているのであり、同法70条1項の定めは、なお合理性を失うものではない」とし、「規制の目的、必要性、内容、その規制によって制限される財産権の種類、性質及び制限の程度等を比較考量して判断すれば、区分所有法70条は、選法29条に違反するものではない」とした。したがって、本肢の「十分な合理性を有しておらず、規制の目的等を比較考量して判断すれば、同法の規定は憲法に違反する」の部分が誤りである。

  • 9

    薬局の開設に適正配置を要求する規制は、国民の生命・健康に対する危険の防止という消極目的の規制であり、適正配置規制を行わなければ、薬局等の偏在や乱立により医薬品の調剤供給に好ましからざる影響を及ぼすため、その必要性と合理性は認められるが、その立法目的は、より緩やかな規制手段によっても十分に達成できることから、憲法第22条第1項に違反する。

    判例は、薬局の開設等の許可基準の一つとして適正配置規制を定めた薬事法6条2項、4項これらを準用する同法26条2項)は、不良医薬品の供給の防止等の目的のために必要かつ合理的な規制を定めたものということができないから、憲法22条1項に違反し、無効であるとしている。したがって、本記述の「適正配置規制を行わなければ、~憲法第22条第1項に違反する」の部分が誤りである。

  • 10

    財産上の権利につき使用、収益、処分の方法に制約を加えることは、公共の福祉に適合する限り、当然になし得るが、私有財産権の内容に規制を加えるには、法律によらなければならないため、ため池の堤とうに農作物を植える行為等を条例によって禁止することは、憲法第29条第2項に違反する。

    判例は、ため池の破損、決かいの原因となるため池の堤とうの使用行為は、憲法でも、民法でも適法な財産権の行使として保障されていないものであって、憲法、民法の保障する財産権の行使の埒外にあるものというべく、したがって、これらの行為を条例をもって禁止、処罰しても憲法および法律に抵触またはこれを逸脱するものとはいえないとしている。したがって、本記述の「憲法第29条第2項に違反する」の部分が誤りである。

  • 11

    憲法第29条第1項は、「財産権は、これを侵してはならない。」と規定しているが、同条第2項は、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」と規定している。したがって、法律で一旦定められた財産権の内容を事後の法律で変更しても、それが公共の福祉に適合するようにされたものである限り、これをもって違憲の立法ということはできない。

    妥当である(最大判昭53年7月1日)。

  • 12

    判例は、憲法第29条第3項を直接の根拠として補償請求をする余地を否定していない。

    正しい。判例は、法令に損失補償に関する規定がない場合であっても、その損失を具体的に立証主張すれば、「直接憲法29条3項を根拠にして、補償請来する余地が全くないわけでない」として、憲法29条3項を直接の根拠にして補償請求できることを認めた。

  • 13

    森林法が共有森林につき持分価額2分の1以下の共有者に民法所定の分割請求権を否定しているのは、森林の細分化を防止することによって森林経営の安定を図るとする森林法の立法目的との関係において、合理性と必要性のいずれをも肯定することができ、この点に関する立法府の判断は、その合理的裁量の範囲内であるというべきであるから、憲法に違反するものではないとした。

    森林法事件において最高裁判所は、分割後の森林面積が必要最小限度の面積を下回るか否かを問うことなく、一律に現物分割を認めないとすることは、立法目的を達成する規制手段として合理性に欠け、必要な限度を超えるとし、また、森林の伐採期等を何ら考慮することなく無期限に分割請求を禁止することも必要な限度を超えた不必要な規制とした上で、立法府の判断も合理的裁量の範囲を超えるものとして意法29条2項に違反する旨、判示している。したがって、「合理性と必要性~憲法に違反するものではない」の部分が誤りである。

  • 14

    憲法第22条第2項が保障する外国に移住する自由には外国へ一時旅行する自由が含まれるが、外国旅行の自由といえども無制限のままに許されるものではなく、公共の福祉のために合理的な制限に服するとするのが判例である。

    妥当である。判例によれば、憲法22条2項の「外国に移住する自由」には外国へ一時旅行する自由が含まれるが、外国旅行の自由といえども無制限のままに許されるものではなく、公共の福祉のために合理的な制限に服する。

  • 15

    酒税法による酒類販売業の許可制は、酔性を有する酒類の販売を規制することで、国民の生命及び健康に対する危険を防止することを目的とする規制であり、当該許可制は、立法目的との関連で必要かつ合理的な措置であるといえ、より緩やかな規制によっては当該目的を十分に達成することができないと認められることから、憲法第22条第1項に違反しないとするのが判例である。

    判例は、本肢における許可制の合憲性を判断するにあたり、まず、審査基準を導きだす過程において、「国民の生命及び健康に対する危険の防止」という酒税法の立法目的の消極目的性には言及していない。そして、審査基準も緩やかな基準を適用しており、薬事法事件のような厳格度の高い審査基準を採っていない。すなわち、判例は、租税の適正かつ確実な賦課徴収という国家の財政目的のための職業の許可制による規制は、その必要性と合理性についての立法府の判断が、裁量の範囲を逸脱し、著しく不合理でない限り、憲法第22条第1項に違反しないとし、結論として本件許可制を合憲としている。本肢は、結論は正しいものの、その理由(判断枠組み)が誤っている。

  • 16

    憲法第29条にいう「財産権」とは、所有権その他の物権や債権といった私法的な権利を指し、水利権や河川利用権といった公法的な権利は含まれない。

    意法29条にいう「財産権」とは、財産的価値を有するすべての権利をいい、水利権や河川利用権のような公法的な権利も含まれる。したがって、「水利権・・といった公法的な権利は含まれない」の部分が誤っている。

  • 17

    財産権に対する規制が憲法第29条第2項にいう公共の福祉に適合するものとして是認されるべきものであるかどうかは、規制の目的、必要性、内容、その規制によって制限される財産権の種類、性質及び制限の程度等を比較考量して判断すべきものであるとするのが判例である。

    妥当である。財産権に対する規制が悪法第29条第2項にいう公共の福祉に適合するものとして是認されるべきものであるかどうかは、規制の目的、必要性、内容、その規制によって制限される財産権の種類、性質及び制限の程度等を比較考量して決すべきである。

  • 18

    具体的権利としては、憲法の規定の趣旨を実現するために制定された生活保護法によって、はじめて与えられているというべきであって、憲法25条1項の規定の趣旨を実現するために制定された生活保護法が、生活に困勢する要保護者又は被保護者に対し具体的な権利として賦与した保護受給権も、時の政府の施政方針によって左右されることのない客観的な最低限度の生活水準に基づく適正な保護基準による保護を受け得る権利である。

    誤り。朝日訴訟において、判例は、憲法25条1項は国の責務を宜言したにとどまり、個々の国民に具体的権利を付与したものではなく、具体的権利としては生活保護法によって与えられているとしている。したがって、本肢の前半は正しい。しかし、同判例は、何が健康で文化的な最低限度の生活であるかの認定判断は、いちおう、厚生大臣の合目的的な裁量に委されており、その判断は、当不当の問題として政府の政治責任が問われることはあっても、直ちに違法の問題を生ずることはないとして、保護基準の設定が時の政府の施政方針によって左右されうることを認めている。したがって、「時の政府の施政方針によって左右されることのない・・・」としている点が誤りである。

  • 19

    厚生労働大臣が、生活保護基準を改定し、生活保護法に基づく生活扶助につき定められていた70歳以上の高齢者を対象とする老齢加算制度を廃止する場合には、老齢加算が支給されることを前提として現に生活設計を立てていた被保護者の期待的利益について特別な配慮をすべきであり、厚生労働大臣がかかる特別な配慮をせずに判断を行ったときは、その裁量権の範囲を逸脱するものであるとするのが判例である。

    判例は、老齢加算の廃止は、これが支給されることを前提として現に生活設計を立てていた被保護者に関しては、保護基準によって具体化されていたその期待的利益の喪失を来す側面があることも否定し得ないところであるとしつつる、厚生労働大臣は「校保護者のこのような期待的利益についても可及的に配慮する」とするにとどめており、本記述のように「特別な配慮をすべき」とはしていない。したがって、「特別な配慮をすべきであり、~その裁量権の範囲を逸脱するものであるとするのが判例である」とする部分が誤りである。

  • 20

    個人の基本的自由を認め、その人格の独立を国政上尊重すべきものとしている憲法の下においては、子供が自由かつ独立の人格として成長することを妨げるような国家的介入、例えば、誤った知識や一方的な観念を子供に植え付けるような内容の教育を施すことを強制することは、憲法第26条、第13条の規定上からも許されないと解されるから、国は、子供の教育内容についてこれを決定する権能を有しないとするのが判例である。

    判例は、旭川学力テスト事件において、国は必要かつ相当と認められる範囲において、教育内容についてもこれを決定する権能を有するとしている。したがって、「国は、子供の教育内容についてこれを決定する権能を有しない」とする部分が誤りである。なお、「個人の基本的自由を認め~許されないと解される」という部分に関しては、同判例のとおりであり妥当である。

  • 21

    労働基本権は、国との関係で労働者に保障されるだけでなく、使用者対労働者という関係において労働者の権利を保護することも目的としている。したがって、労働基本権の保障は私人間の関係にも直接適用される。

    妥当である。労働基本権は、労働者が団結、団体交渉、団体行動をとることについて公権力や使用者から不当に妨げられないという自由権的側面も有している。そのため、労働基本権について定めた憲法28条の規定は私人間においても当然に直接適用されることになる。

  • 22

    国会が「唯一の立法機関」であるとは、国会以外の機関が「法律」の形式で法規範を定立することを禁ずる趣旨であるから、緊急事態における臨時的な対応として、内閣等の機関が独立命令等を制定することを妨げるものではない。

    恋法41条の解釈として、通説は、「立法」とは形式的意味の立法ではなく、実質的意味の立法を指し、「法律」の形式(名称)に限られないと解している。よって、大日本帝国憲法で認められていた緊急や独立命令といった、法形式としては命令に属しても法律と同等の効力が認められる法規範を、国会以外の機関が制定することはできない(国会中心立法の原則)。 したがって、本の「内閣等の機関が独立命令等を制定することを妨げるものではい」の部分が誤りである。

  • 23

    衆議院の解散中に国に緊急の必要がある場合、内閣は参議院の緊急集会を求めることができるが、参議院の緊急集会は、あくまで緊急事態に対処するための臨時的な制度として想定されたものであり、これまで実際に開催されたことはない。

    前半は正しい。しかし、参議院の緊急集会は、昭和27年8月31日および昭和28年3月18日~20日の2回開催され、案件はすべて可決、次の国会で衆議院の同意も得られている。したがって、本肢の「これまでに実際に開催されたことはない」の部分が誤りである。

  • 24

    両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができないとされているが、議員として出席・活動し得ない欠員を議員に含めることは妥当でないことから、国会法は、「総議員」とは、法律で定められた議員数ではなく、現にその任にある議員数によるとしている。

    憲法56条1項の「総議員」について、現に会議に出席しうる状態にある者(死亡・退職・辞任・除名等による欠員を除く)とする説と法律で定められた議員数であるとする説との対立があるが、先例は後者が「総議員」であるとしている。したがって、本肢の「法律で定められた議員数ではなく、現にその任にある議員数によるとしている」の部分が誤りである。

  • 25

    法律案は、両議院で可決した場合に法律となるのが原則であるが、参議院で衆議院と異なった議決をした場合に、両議院の協議会を開いても意見が一致しないときは、衆議院の議決が国会の議決とされる。

    衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、来議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときに、法律となる(憲法59条2項)のであって、予算、条約の承認(恋法60条2項、61条)や内閣総理大臣の指名(67条2項)のように、両院協議会で意見が一致しなかった場合に、そのまま議能の議決が国会の議決となるものではない。なお、法律条の議決における両を総議会の開催は任意である糖法59条3項)。したがって、本肢の「衆議院の議決が国会の議決とされる」の部分が誤りである。

  • 26

    衆議院は、参議院が衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて〇〇日以内に議決せず、その後さらに両院協議会を開いても意見が一致しない場合に限り、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

    参議院が衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて60日以内に議決をしない場合には、衆議院は、その法律案を参議院が否決したものとみなすことができる(憲法59条4項)。そして、衆議院で可決し、参議院で否決した法律案については、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再可決すれば法律になる(憲法59条2項)。この場合、両院協議会を開くかどうかは衆議院の判断に委ねられている(憲法59条3項)。したがって、本肢の「その後さらに両院協議会を開いても意見が一致しない場合に限り」の部分が誤りである。

  • 27

    両議院の議員は、法律の定める場合を除き、国会の会期中は逮捕されないが、会期前に逮捕された場合には、その議院からの要求があっても、会期中に釈放されることはない。

    国会の会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中釈放しなければならない(憲法50条)。したがって、本肢の「その議院からの要求があっても、会期中に釈放されることはない。」の部分が誤りである。

  • 28

    両議院の議決は、憲法に特別の定めのある場合を除いて、出席議員の過半数によるものとされるが、この特別の定めのある場合としては、憲法改正の発議や秘密会を開くための議決などがある。

    妥当である。本記の前半の内容は、両議院の議決に関する原則を定める感法56条2項の規定のとおりであり、妥当である。また、本記述の後半において、憲法56条2項の規定の「この憲法に特別の定のある」場合として例示している「憲法改正の発議」(総議員の3分の2以上の賛成で発議、憲法96条1項)や、「秘密会を開くための議決」(出席議員の3分の2以上の多数で議決、憲法57条1項但書)も、妥当である。

  • 29

    両議院の定足数(議事を開き議決するために必要な最小限の出席者の数)は、いずれも総議員の2分の1と定められている。

    両議院の定足数は、憲法56条1項により、「各々その総議員の3分の1以上の出席がなければ、談事を開き議決することができない」と規定されている。したがって、本記述の「いずれも総議員の2分の1と定められている」の部分が誤りである。

  • 30

    両議院は、会議の記録を保存しなければならないが、その記録を公表し、かつ一般に領布することまでは求められない。

    憲法57条2項は、「両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない」と規定している。したがって、本記述の「その記録を公表し、かつ一般に頒布することまでは求められない」の部分が誤りである。

  • 31

    国政調査権の性質について、国権の最高機関性に基づく国権統括のための独立の権能であるとする説に対し、最高裁判所は、議院に与えられた権能を実効的に行使するために認められた補助的な権能であるとした。

    妥当である。国政調本権の性質については、無法4条の国権の最高機関性に基づく国権統括のための独立の権能であるとする説と、議院に与えられた権能を実効的に行使するために認められた補助的な権能であるとする説がある。国政調査権の性質についての論議は浦和事件を契機に行われた。浦和地方裁判所が下した刑事事件の判決に対し、当時「検察及び裁判の運営に関する調査」を行っていた参議院法務委員会が「量刑が不当(軽すぎる)」との決議を行った。最高裁判所は、参議院に対し、参議院法務委員会の措置は司法権の独立を侵害し国政調査の範囲を逸脱するものとして強く抗議した。これに対し参議院法務委員会は、国権の最高機関性の規定に基づき行使される国政調査権は、司法権に対しても監権を有すると反論した。この論手において、参議院側が独立権能説を、最高裁判所が補助的権能説を主張した。

  • 32

    国政調査権は、国民により選挙された全国民の代表で組織される両議院に特に認められた権能であるため、特別委員会又は常任委員会に調査を委任することはできない。

    衆参両議院が、各々本会議において調査を行うことができるのはもとより、国会法及び議院規則の下、議院の付託または委任により、常任委員会または調査特別委員会が調査を行うことが認められている。実際には、議案審議について委員会中心主義が採られていることとあいまって、専門性、機動性で勝る委員会が、国政調査の主な担い手となっている。したがって、本肢の「特別委員会又は常任委員会に調査を委任することはできない」の部分が誤りである。

  • 33

    日商岩井事件の判決において、検察権との並行調査は、検察権が行政作用に属するため原則として許容されるが、起訴、不起訴について検察権の行使に政治的圧力を加えることが目的と考えられる調査に限り自制が要請されるとした。

    検察権との並行調査について、裁判所は、「行政作用に属する検察権の行使との並行調査は、原則的に許容されているものと解するのが一般的であり、例外的に国政調査権行使の自制が要請されているのは、それがひいては司法権の独立ないし刑事司法の公正に触れる危険性があると認められる場合(たとえば、所論引用の如く、(イ)起訴、不起訴についての検察権の行使に政治的圧力を加えることが目的と考えられるような調査、(ロ起訴事件に直接関係ある捜査及び公訴追行の内容を対象とする調査、(捜査の続行に重大な支障を来たすような方法をもって行われる調査等がこれに該ると説く見解が有力である。)に限定される」とした。したがって、本の「起訴、不起訴について~調査に限り自制が要請される」の部分が誤りである。

  • 34

    両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判するが、当該裁判により議員の資格を失うこととなった者は、これに不服がある場合、その結論を司法裁判所で争うことができる。

    憲法55条は、「両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する」と規定し、その明文上、司法審査が及ばないと解されている。したがって、本肢の「不服がある場合、~争うことができる」の部分が誤りである。

  • 35

    憲法に基づく両議院の議員懲罰権は、議院内部の秩序を乱した議員の懲罰を目的とするものであるから、議場外の行為で会議の運営とは関係のない個人的行為は懲罰の事由とはならない。

    妥当である(憲法58条2項:地方議会の議員懲罰権について、最判昭28年11月20日)。

  • 36

    国会の会期中に議決に至らなかった案件は、原則として後会に継続しない。これを会期不継続の原則といい、憲法上、明文で規定されている。

    会期不継続の原則についての説明は正しい。しかし、憲法にその規定はなく、国会法68条に規定されている。したがって、本肢の「憲法上、明文で規定されている」の部分が誤りである。

  • 37

    内閣総理大臣の指名について、衆議院と参議院とが異なった指名の議決をした場合は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び指名の議決をしたときに限り、衆議院の議決を国会の議決とする。

    内閣総理大臣の指名について、衆議院と参議院が異なった指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて10日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする(憲法67条2項)。したがって、本肢の「衆議院で出席議員の~衆議院の議決を国会の議決とする」の部分が誤りである。

  • 38

    内閣について、衆議院で不信任の決議案を可決し、参議院でその決議案を否決した場合に、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で不信任の決議案を再び可決したときは、内閣は総辞職しなければならない。

    内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない(憲法69条)。内閣不言任決議は参議院には認められておらず、当然、衆議院による再可決もない。したがって、本肢の「参議院でその決議案を否決~内閣は総辞職をしなければならない」の部分が誤りである。

  • 39

    予算について、参議院が衆議院の可決した予算を受け取った後、国会休会中の期間を除いで〇〇日以内に議決しないときは、衆議院は、参議院がその予算案を否決したものとみなし、出席議員の過半数で再びこれを決することができる。

    予算について、参議院で楽議院と異なった議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院が可決した予算を受け取った後、国会休会中の期間を除いて30日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする(憲法60条2項)。したがって、本肢の「衆議院は、参議院がその予算案を~再びこれを決することができる」の部分が誤りである。

  • 40

    常会、臨時会及び特別会の会期は、それぞれ召集の都度、両議院一致の議決で定めなければならない。

    常会の会期は、150日間とする(国会法10条)。臨時会及び特別会の会期は、両議院一致の談決で、これを定める(国会法11条)。したがって、本肢の「常会」の部分が誤りである。

  • 41

    常会、臨時会及び特別会の会期は、両議院一致の議決で延長することができるが、いずれの場合も、会期の延長ができる回数についての制限はない。

    会期の延長は、常会にあっては一回、特別会及び臨時会にあっては二回を超えてはならない(国会法12条2項)。したがって、本肢の「会期の延長ができる回数についての制限はない」の部分が誤りである。

  • 42

    特別会は、衆議院の解散による総選挙の日から〇〇日以内に召集されるが、その召集の時期が常会の召集時期と重なる場合には、常会と併せて召集することができる。

    妥当である。衆議院が解散されたときは、解散の日から40日以内に、衆議院議員の総選挙を行い、その選挙の日から30日以内に、国会を召集しなければならない(憲法54条1項)。特別会は、常会と併せてこれを召集することができる(国会法2条の2)。

  • 43

    両議院は、院内の秩序を乱した議員を懲罰することができるが、選挙によって選ばれた議員の身分を剥奪することは許されないため、懲罰として議員を除名することはできない。

    憲法58条2項は、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる、と規定している。 さらに同項但書で、議員を除名するには、出席議員の3分の2以上の多数による議決を必要とする、と規定している。したがって、本記述の、「懲罰として議員を除名することはできない」の部分が誤りである。

  • 44

    両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定める権能を有するが、憲法上、その権能は憲法及び国会法の規定する内容を除く範囲に明文で限定されている。

    前半部分は正しい(憲法58条)。しかし、議員規則制定権の範囲について、憲法には明記されていない。したがって、「憲法上~明文で限定されている」の部分が誤りである。

  • 45

    両議院の議員は、院内で行った演説、討論又は表決に限り、院内外で責任を問われない。

    憲法51条は「両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。」と定めるため、所属議院による懲罰等、院内で責任を問われる場合がある。したがって、本問の「院内外で責任を問われない」の部分が誤りである。

  • 46

    参議院の緊急集会は、内閣総理大臣から示された案件を審議し、議決するが、議員は、当該案件に関連があるものに限らず、議案を発議することができる。

    参議院の緊急集会では、議員は、内閣総理大臣から示された案件に関連のあるものに限り議案を発議することができる(国会法101条)。したがって、「当該案件に関連があるものに限らず、議案を発議することができる」の部分が誤りである。

  • 47

    参議院の緊急集会を求めることは、国会の召集とは異なり、天皇の国事行為を必要とせず、緊急集会を求める権限は、内閣のみに属し、参議院が自発的に緊急集会を行うことはできない。

    妥当である。参議院の緊急集会については、緊急の必要がある場合に内閣が開催を決定するのみ(憲法54条2項但書、国会法99条1項参照)である。故に、参議院が自発的に緊急集会を行うことはできない。

  • 48

    参議院の緊急集会は、国会の権限を臨時に代行するものであるから、その権限は国会の権限全般に及び、憲法改正の発議や内閣総理大臣の指名を行うこともできる。

    緊急集会での案件について争いはあるものの、少なくとも、憲法改正の発議については、参議院のみで議決をすることは、憲法96条1項で衆議院・参議院の各議院の総議員の3分の2以上の賛成を要するとしている法意に添わないため、行うことはできないとされる。したがって、「その権限は国会の権限全般に及び~できる」の部分が誤りである。