債権譲渡は、債権者と譲受人の合意ですることができるため、債務者の承諾は不要である。

譲受人が譲渡制限の意思表示につき悪意または善意重過失だった場合、債務者は履行を拒絶でき、且つ債権者に対して弁済をもって対抗することができる。

譲受人が債務者に対して債権譲渡があったことを対抗するには、債権者から債務者への通知または債務者の承諾が必要である。

｢債権の二重譲渡となった場合、各譲受人が対抗するのに必要なもの｣ ①債権者からの確定日付のある証書による通知 ②債務者の確定日付のある証書による承諾

債権が二重譲渡された場合、上記の①または②を先に備えた方が債務者に債権を行使できる。なお、両方とも確定日付ある通知書を備えていた場合は、先に債務者に届いた方が対抗できる。

確定日付ある証書とは、公正証書・内容証明郵便等である。

債権譲渡があった場合、債務者は対抗要件を備える時より前に取得した譲渡人に対し、債権による相殺を持って対抗できる。

債務者が債務不履行(履行遅滞・履行不能)に陥ると、債権者は損害賠償請求や契約の解除ができる。

不動産の二重譲渡により、第三者が所有権移転登記を備えた場合、負けた買主は売主に対して履行不能による責任追及ができる。

債務不履行に、債務者の責に帰すべき事由がない場合には損害賠償責任を負わない。

債務不履行があった場合に支払う損害賠償の額を、あらかじめ定めておくことができる。(契約と同時に行う必要はない)

上記の額が予定された場合、損害額が予定された額と異なる場合でも、当事者は増減を主張することはできない。

債務不履行に関して債権者にも過失(落度)があった場合、裁判所はこれを考慮して損害賠償の額を決める。

金銭債務の場合、常に履行遅滞となり、履行不能とはならない。

債務者は、履行遅滞が不可抗力であっても、賠償責任を免れることはできない。

債務不履行があった場合、債権者は債務者の帰責事由の有無に関わらず、契約を解除できる。(債権者の場合は解除不可)

法定利率は3年に1度見直しが行われる。

金銭債務の損害額については、法定利率(年３％)によって計算する。

買主の債務不履行により売主が解除した場合、売主は代金に利息を上乗せして買主に返還し、買主は受領物に使用料を上乗せして売主に変換する。(同時に行う)

契約当事者が複数の場合、解消の意思表示は、全員からまたは全員に応じてしなければならない。

｢催告によらない解除ができるケース｣ ◾︎債務の全部が履行不能な時 ◾︎債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示した時 ◾︎債務の履行をせず、催告しても見込みがない時

なお、上記の場合、買主は契約を解除することができるが、損害賠償請求はできない。(主に帰責事由がないため)

建物の売買契約後、引渡し前に天災等で滅失してしまった場合、代金支払義務は消滅しないが、買主は代金の支払いを拒絶することができる。

相対効(個人間でのやり取りの為、もう一方には効果なし)が生じるのは、請求・承認・時効の完成・債務の免除である。