成年後見人は、取消権・追認権・代理権はあるが、同意権はない。

保佐人は、取消権・同意権・追認権はあり、代理権は本人の同意があればオプションで付けてもらえる。

成年後見人が成年被後見人の居住用建物またはその敷地を処分する場合、家庭裁判所の許可が必要である。

心理留保は、相手方が悪意または善意有過失の時は無効となる。

心裡留保による無効は、善意の第三者には対抗できない。

虚偽表示の無効は、善意の第三者であれば対抗できない。(過失の有無や登記は必要ない)

虚偽表示において転得者がいる場合、善意が1人でもいたら無効を主張することができない。

表意者に重大な過失があった場合でも、悪意・善意有過失・同一の錯誤に陥っている場合は、錯誤による取り消しができる。

錯誤による意思表示の取消しは、善意無過失の第三者には対抗できない。

詐欺にあったものは、契約の取り消しを善意無過失の第三者に対抗することができない。

善意・悪意を問わず第三者に対抗できるのは、公序良俗違反の無効主張・強迫による取消しの場合である。

取消権は、追認できる時から5年間行使しない場合と、行為の時から20年間行使しない場合に消滅する。

代理人が顕名をせずに契約した場合でも、相手方が悪意・善意有過失の場合は有効な代理行為(効果が本人に帰属)となる。

制限行為能力者を代理人として選任した場合、本人は制限行為能力者を理由に代理人がした行為を取消すことはできない。

本人において代理権が消滅に該当するのは、死亡・破産である。

代理人において代理権の消滅に該当するのは、死亡・破産・後見開始の審判があった場合である。

無権代理人が死亡し本人が相続した場合は、無権代理行為は有効とならず、本人は追認を拒絶できる。

本人が死亡し無権代理人が単独で相続した場合は、無権代理行為は有効となり、追認を拒絶できない。

｢無権代理人と取引をした相手方の手段｣ ①催告権は、相手方の善意・悪意は問わず本人に催告できる。

②取消権は、相手方が善意で、本人が追認していないことが要件。無限代理の効果は本人に帰属しない。

③責任追及権は、相手方が善意無過失で、無権代理人が制限行為能力者でないことが要件。履行の責任または損害賠償責任を負う。

④表見代理の主張は、相手方が善意無過失であることが要件。本人に無権代理行為が有効であることを主張できる。

上記の4つを踏まえ、相手方は本人に対しては催告と表見代理の主張ができ、無権代理人に対しては取消しと責任追及ができる。

表見代理3類型の共通事項は、相手方が善意無過失であること。

代理権授与表示の表見代理の要件は、委任状を用意して代理人がいるように伝えたが、実際には代理権を与えていなかった場合。

権限外の行為の表現代理の要件は、何らかの代理権を与えていたり、代理権を与えたが売買契約を締結した場合。(範囲外の行為)

代理権消滅後の表現代理の要件は、代理人の代理権が消滅した後、委任状を提示し契約を締結した場合など。

占有は、相続や売買等においても承継される。

消滅時効に該当するのは、権利を行使できることを知った時から5年間行使しなかった場合と、権利を行使できる時から10年間行使しなかった場合。

裁判所の請求や支払督促がある場合、その事由が終了するまでの間は時効の完成が猶予される。 そして、確定判決等により権利が確定した時は時効が更新される。

権利(債務)の承認があると時効が更新される。

催告した時から、6ヶ月を経過するまでの間は時効の完成が猶予される。

時効の利益は、時効完成前にあらかじめ放棄することはできない。

債務者が消滅時効完成後、時効完成に気づかず借金を返済し権利の承認をした場合、消滅時効の援用はできない。

｢停止条件のポイント｣ ①期待権を侵害された場合には、損害賠償請求が可能となる ②条件付権利であっても、処分できたり、相続の対象となる

｢停止条件のポイント②｣ ◾︎故意にの条件の成就を妨げた時は、条件を成就したものとみなす ◾︎停止条件付契約は、停止条件が成就した時から効力を生じる

電気・ガス・水道・水の供給等の継続的給付を受けることができない時は、必要な範囲内で設備設置権や設備使用権が与えられる。

袋地の所有者は、囲繞地を通行することができるが、必要性が高く、損害が最小なものを選ばなければならない。

通行権者は、通行地の損害に対して償金を支払う必要がある。

共有物分の割や一部譲渡により袋地が生じた場合、袋地の所有者は他の分割者の土地または譲渡人の土地のみを通行することができるため、償金の支払いは不要である。

土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で境界標を設けることができる。

境界標を設けた場合、境界票の設置及び保存の費用は相隣者が等しい割合で負担するが、測量の費用は土地の広狭に応じて負担する

隣地の竹木の枝が境界線を越える時は、竹木の所有者にその枝を切除させることができる。

｢自ら勝手に近所の枝を切り取ることができるケース｣ ◾︎催告した期間内に切除していない時 ◾︎所有権の所在が不明 ◾︎急迫の事情がある時

隣地の竹木の根が境界線を超える時は、根を切り取ることができる。

持分は他の共有者の同意なしで自由に処分(譲渡・放棄・抵当権設定)することができる。

｢共有者の持分が他の共有者に帰属する場合｣ ◾︎共有者の1人が持分を放棄した ◾︎相続人・特別縁故者がいない

各共有者は、共有物全体につきその持ち分に応じた使用することができる。(善管注意義務を負う)

共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合は除き、他の共有者に対し自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。

｢保存行為の要件と具体例｣ 共有者が単独で可能 ⇒ 修繕行為・妨害排除請求(明渡し)・損害賠償請求

｢管理行為の要件と具体例｣ 共有者の持分の過半数で決める ⇒ ◾︎土地5年以下、建物3年以下の賃借権等の設定・貸借契約の解除 ・管理者の選任および解任

｢変更行為・重大な変更の要件と具体例｣ 共有者全員の合意が必要 ⇒ 地目の変更・売却・建替え・抵当権設定

各共有者は、いつでも分割の請求ができるが、全員の合意によって最長で5年間分割しない旨の契約をすることができる。この契約は更新が可能だが、5年を超えてはならない。

現物分割・代金分割・賠償分割は、共有者全員の合意によって決めるが、協議が整わない時は裁判所に分割を請求することができる。

｢裁判所が共有者の請求により裁判できるもの｣ ①請求した共有者に所在地不明共有者の持分を取得させる旨の裁判 ②共有者の全員が持分の全部を譲渡

物権変動は、当事者の意思表示のみで生じるが、第三者に物権変動を主張するためには対抗要件が必要となる。

不動産の二重譲渡(対抗関係)があった場合、先に登記をした方が所有権を主張できる。

登記がなくても所有権を主張できるのは、不法占拠者・背信的悪意者・無権利者・転々譲渡の場合である。

転得者が背信的悪意者でない場合は、登記がないと対抗できない。

｢第三者との関係｣ 取消(錯誤＆詐欺)前は、善意無過失の第三者には対抗できない

取消(脅迫)前は、善意・悪意を問わず全ての第三者に対抗できる。

時効前は、当事者の関係である。

解除前は、対抗関係である。