【条例による財産権の制限】
地方公共団体が住民の財産権に制約を課す内容の条例を定めることはできるが、そのためには法律の個別の委任が必要であるとするのが判例である。 ⇒×
【条例による罰則規定】
条例で罰則を定める場合、罪刑法定主義を定めた憲法第31条との関係でも問題となるが、憲法第31条は、必ずしも刑罰が全て法律そのもので定められなければならないとするものではなく、法律の授権によって、それ以下の法令によって定めることもできると解すべきである上、 法律の授権については、包括的な委任があれば足りると解される。 ⇒×
【作為義務の存在①】
母親が、死んでも構わないと思って、生後9日 目の幼児にあえて授乳せず、餓死させた場合には、殺人罪が成立する。 ⇒〇
【作為義務の存在②】
民家近くの空地でたき火をし、後始末をしておかないと火勢が強まって同家に燃え移るおそれ があると思いつつ、それでもかまわないと考えて何らの措置もとらないまま立ち去ったところ、 同家に火が燃え移って全焼した場合には、現住建造物放火罪が成立する。 ⇒〇
【間接正犯の要件】
Aは、知人Bを殺害しようと考え、毒入りの和菓子が入った菓子折を用意し、その事情を知らないAの妻Cに対し、その菓子折をB宅の玄関前に置いてくるよう頼んだが、Aの言動を不審に思ったCは、B宅に向かう途中でその菓子折を川に捨てた。この場合、Aには、殺人未遂罪の間接正犯は成立しない。 ⇒〇
【意思が抑圧された者を利用する場合①】
養父Aに日ごろから暴力をふるわれ、その言動に畏怖し意思が抑圧されている12歳の養女Bに対し、Aが窃盗を指示及び命令して行わせた場合であっても、Bに是非弁別能力があるときは、Aに窃盗罪の間接正犯は成立しない。 ⇒×
【意思が抑圧された者を利用する場合②】
Aは、是非弁別能力はあるものの13歳である息子Bに対し、通行人を刃物で脅して現金を奪って小遣いにすればいいと促し、Bは、小遣い欲しさから、深夜、道を歩いていた女性Cにナイフを突きつけて現金2万円を奪った。この場合、Aには、強盗罪の間接正犯は成立しない。 ⇒〇
【因果関係の判例①】
Aは、Bの鼻口部を布団で圧迫するなどの暴行を加えたところ、Bには心臓に高度の病変があり、そのことがあいまって死亡した。Aは、行為当時、Bに心臓に高度の病変があることを知らず、また、Bの致死を予見することもできなかった。この場合、Аには、傷害致死罪が成立する。 ⇒〇
【因果関係の判例②】
Aは、多数の仲間らと共に、長時間にわたり、激しく、かつ、執ようにBに暴行を加え、隙を見て逃げ出したBを追い掛けて捕まえようとしたところ、極度に畏怖していたBは、交通量の多い幹線道路を横切って逃げようとして、走ってきた自動車に衝突して死亡した。この場合、Aには、傷害致死罪が成立する。 ⇒〇
【未必の故意】
Aは、覚醒剤を所持していたが、これについて、覚醒剤であるとは知らなかったものの、覚醒剤などの身体に有害で違法な薬物かもしれないが、それでも構わないと考えていた。この場合、Aには、覚醒剤所持罪の故意が認められる。 ⇒〇
【具体的事実の錯誤①】
AがBを殺す意図で、Bに対して発砲したところ、弾丸がそれてBの近くにいたCに当たり、Cが死亡した場合、Aには、Bに対する殺人未遂罪とCに対する殺人既遂罪が成立する。 ⇒〇
【具体的事実の錯誤②】
Aは、Bを脅迫しようと考え、パソコン上で「お前を殺してやる」との内容の電子メールを作成し、 これを送信したが、その際、送信先を間違えてCに送信してしまい、Cがこれを読んで畏怖した。この場合、Aには、Cに対する脅迫罪が成立する。 ⇒〇
【具体的事実の錯誤②】
AがBを殺す意図で、Bに対して発砲したところ、弾丸がBを貫通して近くにいたCにも当たり、B、C両名が死亡した場合、Aには、Bに 対する殺人既遂罪とCに対する(重)過失致死罪が成立する。 ⇒×
【抽象的事実の錯誤】
Aは、鹿の狩猟のために山中に入ったところ、山菜採りのために山中に入っていたB(人間)を鹿であると誤信してライフル銃を発射し、その弾がBの脚に当たって重傷を負わせた。この場合、Aには、傷害罪が成立する。 ⇒×
【因果関係の錯誤】
Aは、殺意をもって、Bの頭を鉄パイプで数回殴り、Bが気絶したのを見て、既に死亡したものと誤信し、犯行を隠すためにBを橋の上から川に投げ入れたところ、Bは転落した 際に頭を打って死亡した。この場合、Aには、 殺人罪は成立しない。 ⇒×
【過失の予見可能性】
過失犯における注意義務の内容をなす予見可能性は、結果の発生について、行為者自身が予見できなかった場合には、当該行為者と同じ立場にある通常人が予見できるときであっても、否定される。 ⇒×
【被害者の承諾】
Aは、Bとともに保険金詐欺を企て、Bの同意を得て、Bに対し、故意にAの運転する自動車を衝突させて傷害を負わせた。この場合、Aに は、傷害罪は成立しない。 ⇒×
【将来の侵害】
将来の侵害を予想してあらかじめ自宅周囲に高圧電線をはりめぐらせた場合、その後に侵入者がこれに触れて傷害を負ったとしても、正当防衛は成立しない。 ⇒×
【自招侵害】
Bから攻撃されたAがその反撃として傷害行為に及んだが、Bの攻撃はAの暴行に触発されたものであった場合には、Bの攻撃がAの暴行の程度を大きく超えるものでない事実関係の下では、正当防衛は成立しない。 ⇒〇
【積極的加害意思】
暴走族のメンバーであるAは、当該暴走族の集会に際して対立関係にある暴走族のメンバーであるBらが襲撃してくるのではないかと予想し、 返り討ちにしてやろうと考えて角材を用意 して待ち構えていたところ、Bがバットを手にして向かってきたため、用意していた角材で殴り掛かり、Bに全治1週間程度のけがを負わせた。この場合において、AがBを角材で殴った行為について、正当防衛は成立しない。 ⇒〇
【不正の侵害】
Aが道路を歩いていたところ、Bがその飼犬をAにけしかけたので、Aはこれを避けるためその犬を蹴飛ばしてけがをさせた場合、Aには正当防衛が成立する。 ⇒〇
【防衛の意思】
酒癖の悪いBは、Aに絡み出し、Aの顔面をこぶしで数回殴りつけ、更に殴りかかってきた。A は、自分の身を守ろうと考えるとともに、Bの態度に憤激し、この際、Bを痛い目にあわせてやろうと考え、Bの頭髪を両手でつか んでBを床に引き倒した。この場合、AがBの頭髪を両手でつかんでBを床に引き倒した行為には、正当防衛は成立しない。 ⇒×
【やむを得ずにした行為】
女性であるAは、人通りの少ない夜道を帰宅中、見知らぬ男性Bに絡まれ、腕を強い力でつかまれて暗い脇道に連れ込まれそうになったため、Bの手を振りほどきながら、両手でBの胸部を強く突いたところ、Bは、よろけて転倒し、縁石に頭を打って、全治1週間程度のけがを負った。この場合 において、AがBを突いた行為について、正当防衛は成立しない。 ⇒×
【緊急避難①】
緊急避難が成立するためには、その行為が侵害(危難)を排除するための唯一の方法であることを要する。 ⇒〇
【緊急避難②】
緊急避難は、その行為から生じた損害が防衛しようとした権利(又は避けようとした損害)の程度を超えないことが成立要件である。 ⇒〇
【責任能力】
心神喪失者の行為は処罰されず、心神耗弱者の行為は、必ずその刑が減軽される。 ⇒〇
【実行の着手(窃盗罪)】
スリ犯が、人込みの中において、スリをする相手方を物色するために、他人のポケット等に手を触れ、金品の存在を確かめるいわゆる「当たり行為」をした場合、それだけでは窃盗罪の実行の着手は認められない。 ⇒〇
【自己の意思により】
Aは、Bを殺害するため、その腹部を包丁で1回突き刺したものの、致命傷を与えるには至らず、 Bが血を流してもがき苦しんでいるのを見て、驚くと同時に怖くなってその後の殺害行為を行わなかった。この場合、Aには、殺人罪の中止未遂が認められる。 ⇒×
【中止行為】
Aは、B宅を全焼させるつもりで、B宅の前に積み上げられている木材に灯油をまいて点火したが、思った以上に燃え上がるのを見て怖くなり、 たまたま近くを通りかかったCに「火を消しておいてくれ。」と頼んで逃走したところ、Cが家屋に燃え移る前に木材の火を消し止めた。 この場合、Aには、現住建造物等放火罪の中止未遂は認められない。 ⇒〇
【予備と中止犯】
Aは、郵便局で強盗を行う計画を立て、その準備行為をしたが、途中で翻意し、強盗の実行に着手することを思いとどまった。 この場合、Aには、強盗予備罪の中止未遂が成立する。 ⇒×
【不能犯】
Aが殺意をもって、Bに対し、硫黄の粉末を混入した飲食物を飲食させた場合、Aには、殺人未遂罪は成立しない。 ⇒〇
【片面的共同正犯】
Aは金品を強取する意思で、Cを縄で縛り上げたが、人の足音が近づいて来るのが聞こえたた め、Cをその場に放置して何も盗らずに逃走した。そこへ偶然通りかかったBが、Cが縄で縛られているのを見て、その懐中から金品を奪い取った場合、Bには強盗罪の共同正犯が成立する。 ⇒×
【共謀共同正犯】
共謀共同正犯の成立要件としての共謀は、必ずしも同一場所に集まってなされる必要はなく、 数人が順次に連絡し合うことによって共通した犯罪意思を形成する態様でもよい。 ⇒〇
【結果的加重犯の共同正犯】
AとBは、Cに対し、それぞれ金属バットを用いて暴行を加えた。その際、Aは、Cを殺害する つもりはなかったが、Bは、Cを殺害するつもりで暴行を加えた。その結果、Cが死亡した場合、殺意がなかったAには、Bとの間で傷害致死罪の共同正犯が成立する。 ⇒〇
【予備罪の共同正犯】
Aは、甲を殺害する意思を持っていたBから、その真意を打ち明けられて甲殺害のための毒薬 の入手方を依頼され、これに応じて毒薬をBに渡したが、Bは、その後、甲の殺害を思いとどまり、その毒薬を廃棄した。この場合、Aには殺人予備罪の共同正犯が成立する。 ⇒〇
【教唆犯の要件①】
既に特定の犯罪を実行することを決意している者に対し、これを知らずに、当該犯罪を実行するよう働きかけた場合でも、教唆犯は成立する。 ⇒×
【教唆犯の要件②】
犯意のない他人を教唆して殺人の決意をさせた場合には、被教唆者がその実行に着手していなくても、殺人教唆罪が成立する。 ⇒×
【教唆犯の要件③】
AがBに対して甲宅に侵入して金品を盗んでくるよう教唆したところ、Bは、甲宅に人がいたので、 甲宅に侵入することをあきらめたが、その後、 金品を盗もうと新たに思い付き、乙宅に侵入して金品を盗んだ。Aには、住居侵入・窃盗罪の教唆犯が成立する。 ⇒×
【物理的幇助】
Aが賭博場を開帳した際に、これを知った友人のBが顧客を誘って賭博を行わせた場合でも、Aがそのことを知らなかったときは、Bについて賭博開帳図利罪の従犯は成立しない。 ⇒×
【65条1項の解釈②】
公務員でない者が公務員と共謀して賄賂を収受しても、収賄罪の共同正犯にはなり得ない。 ⇒×
【二重の身分犯】
顧客からの委託を受けて現金1000万円を業務上占有していた銀行員Aは、業務とは無関係の知人Bと相談し、当該現金を横領しようと考え、Bに当該現金を手渡して横領し、その後、当該現金を二人で折半して費消した。この場合、Bには、業務上横領罪の共同正犯が成立し、65条2項により単純横領罪の刑が科される。 ⇒〇
【共犯の錯誤(共同正犯)】
Aは、Bとの間で、Cに対して暴行を加えて傷害を負わせる旨を共謀したが、殺意を有してはいなかったところ、実行行為を担当するBが、呼び出したCの言動に激高して突発的にCに対する殺意を抱き、持っていた警棒でその頭部を殴り付けてCを殺害した。この場合、Aには、殺人罪の故意が認められ、殺人罪の共同正犯が成立する。 ⇒×
【共犯の錯誤(教唆犯)】
AがBに対して甲宅に侵入して金品を盗んでくるよう教唆したところ、Bは、甲宅に侵入して金品を物色したが、その最中に甲に発見されたので、甲に刃物を突き付けて甲から金品を強取した。この場合、Aには、住居侵入及び強盗の教唆犯が成立する。 ⇒×
【着手前の離脱(例外)】
Aは、強盗を企て、B及びCとともに、「ABCの3人で宝石店に赴き、Aが用意した拳銃で店員を脅して宝石を強取する。」という計画を立てた。A、B及びCは、 計画に従い、宝石店に向けて出発しようとしたところ、 出発直前、Aは、急に怖くなって「俺はやめる」と言い出し、B及びCが仕方なくこれを了承したため、 Aは、その場から立ち去ったが、拳銃を残していったので、B及びCは、そのままAの用意した拳銃を用いて強盗を実行した。この場合、Aは、強盗の共犯の罪責を負わない。 ⇒×
【着手後の離脱】
AとBは、態度が気に入らないCを痛め付けようと考え、それぞれ素手でCの顔面や腹部を殴り 続けていたが、Aは、途中で暴行をやめ、暴行を続けていたBに「俺はもう帰るから。」とだけ言い残してその場を離れた。Bは、その後もCを殴り続けたところ、間もなくCは死亡した。 Cの死亡の原因がAの暴行によるものかBの暴行によるものか不明であった場合、Aには、Bとの間で傷害致死罪の共同正犯は成立する。 ⇒〇
【観念的競合】
盗品と知りながらこれを賄賂として受け取った場合、盗品等無償譲受け罪と収賄罪の観念的競合となる。 ⇒〇
【観念的競合と併合罪の区別】
Aが酒酔い運転をしてBを車ではね、Bを死亡させた場合、Aの危険運転致死罪と道路交通法上の酒酔い運転罪とは観念的競合となる。 ⇒×
【牽連犯と併合罪の区別】
保険金取得の目的で放火の後、保険会社を欺いて保険金を交付させた場合、放火罪と詐欺罪の牽連犯となる。 ⇒×
【暴行罪】
Aは、狭い4畳半の室内においてBの目の前で日本刀の抜き身を多数回にわたり振り回したが、その行為は、Bを傷つけるつもりではなく、 脅かすつもりで行ったものであった。この場合、 Aには、暴行罪は成立しない。 ⇒×
【傷害致死罪】
Aは、Bに傷害を負わせるつもりはなかったものの、故意にBを突き飛ばしたところ、これによりBが転倒してしまい、Bは打ち所が悪く、頭部に傷害を負い、その傷害のために死亡した。この場合、Aには、傷害致死罪は成立しな い。 ⇒×
【住居侵入罪①】
Aは、研究所の建物の敷地の周囲に設けられていた、外部との交通を制限し外来者がみだりに出入りすることを禁止するための金網柵を引き倒して、 当該敷地内に立ち入ったが、当該建物自体には立ち入らなかった。この場合、Aには、建造物侵入罪は成立しない。 ⇒×
【住居侵入罪②】
Aは、現金自動預払機が設置された銀行の出張所に、その利用客のカードの暗証番号等を盗撮する目的で、その営業時間中に、一般の利用客と異なるものでない外観で立ち入った。 この場合、Aには、建造物侵入罪は成立しない。 ⇒×
【不法領得の意思①】
駐車場から他人所有の乗用車を数時間にわたって完全に自己の支配下に置く意図の下に、 所有者に無断で乗り出し、4時間余りの間乗り回した後、その乗用車を元の場所に戻した場合、最初から使用後に元の場所に戻しておくつもりであったときは、不法領得の意思が認められず、窃盗罪は成立しない。 ⇒×
【不法領得の意思②】
会社の同僚を困らせる目的で、同僚の机の上に置いてあった重要書類を、会社内の普段は使用されていないロッカー内に隠匿した場合には、不法領得の意思が認められず、窃盗罪は成立しない。 ⇒〇
【他人の財物】
Aは、ゴルファーが誤ってゴルフ場の人工池に打ち込んで放置したいわゆるロストボールを領得して業者に売却しようと考え、周囲をフェンスで囲まれた甲ゴルフ場に忍び込んだ上、甲ゴルフ場内の人工池の底から多数のロストボールをすくい取り、これを甲ゴルフ場外に持ち出した。 甲ゴルフ場では、いずれそのロストボールを回収して再利用することが予定されていた場合、Aには窃盗罪が成立する。 ⇒〇
【「死者の占有」の問題点】
Aは、かねてからうらみを抱いていたBを殺害し、その後、その場所でBの財物を奪取する犯意を抱き、Bの財物を奪取した。この場合、Aには、窃盗罪は成立しない。 ⇒×
【共同占有関係】
Aが、CからBと共同で借りていたC所有のパソコンをBに無断で持ち出し、リサイクルショップで換金した場合、Aには、窃盗罪が成立する。 ⇒〇
【上下・主従関係」】
デパートの電気製品売場の店員であるAが、 売場の主任であるBが食事に行っている隙に、 商品の電気カミソリを自分のカバンに入れて持ち出してこれを質に入れた場合、Aには窃盗罪が成立する。 ⇒〇
【既遂時期】
スーパーマーケットで、ガムを万引きしようとしたが、一般の客を装うために、商品棚から取ったガムをスーパーマーケット備付けの買物かごに入れ、取りあえずレジの方向に向かって一歩踏み出したところ、その場で店長に取り押さえられた場合、レジを通過する前であっても、ガムを買物かごに入れた時点で自己の支配下に置いたといえるから、窃盗既遂罪が成立する。 ⇒×
【親族相盗例】
Aが実母Bの使用するタンスから、Bが友人Cから借りて同タンスに保管していたCのネックレスを窃取したときは、親族間の犯罪に関する特例により、Aの窃盗行為について刑が免除される。 ⇒×
【強盗罪の対象と行為】
Aが、うらみを晴らす目的で、知人Bに対し反抗を抑圧するに足りる程度の暴行を加えた後、この機会に金品を奪おうと考え、抵抗できないでいるBの背広のポケットの中にあった財布を持ち去った場合、Aには、強盗罪が成立する。 ⇒×
【暴行又は脅迫の程度】
Aは、金品を奪う目的でBにナイフを突き付けて金品を要求したところ、Bは、恐怖心は感じたものの、合気道の達人であるので、 反抗ができないわけではないと思ったが、 万が一けがをしてはいけないと考え、自らAに所持金を差し出し、Aは、これを奪った。この場合、Aには、強盗(既遂)罪は成立しない。 ⇒×
【強盗罪の因果関係】
Aは、Bから財物を強取するつもりでBを脅迫し、 反抗を抑圧したところ、Bが所持していた鞄から財布を落としたので、その財布を奪ったが、B は、上記脅迫により畏怖していたため、財布を奪われたことに気付かなかった。この場合、Aには、強盗(既遂)罪は成立しない。 ⇒×
【事後強盗罪の未遂】
Aは、窃盗の目的でB方に侵入し、タンスの引き出しを開けるなどして金品を物色したが、めぼしい金品を発見することができないでいるうちに、帰宅したBに発見されたため、逃走しようと考え、その場でBを殴打してその反抗を抑圧した上、逃走した。この場合、Aには、事後強盗罪の未遂罪が成立する。 ⇒〇
【強盗致死傷罪】
Aは、通行人Bから財物を強取するつもりで暴行を加え、その反抗を抑圧したが、負傷させただけで、財物奪取に失敗した。この場合、 Aには、強盗致傷罪の未遂罪が成立する。 ⇒×
【欺く行為】
Aは、友人から預かったキャッシュカードを悪用しようと考え、その友人の生年月日を暗証番号として銀行の現金自動預払機を操作したところ、番号が偶然一致して現金自動預払機が作動し、現金を引き出すことができた。Aの行為について詐欺罪が成立する。 ⇒×
【錯誤】
Aが、B作成名義の不動産売渡証書その他登記の申請に必要な書類を偽造し、これらを行使して登記官を欺き、B所有の不動産につきBからAに対する所有権移転の登記をさせた場合、Aには、詐欺罪が成立する。 ⇒×
【交付行為】
衣料品店で顧客を装い、上衣を試着したまま便所に行くと偽って逃走した場合、詐欺罪は成立しない。 ⇒〇
【詐欺利得罪①】
Aは、所持金がなく代金を支払う意思もないのにタクシーに乗り、目的地に到着すると、運転手Bのすきを見て何も言わずに逃げた。この場合、Aには、Bに対する詐欺罪が成立する。 ⇒〇
【詐欺利得罪②】
Aは、タクシーで目的地に着き、運転手Bに運賃の支払を求められた際に所持金がないことに気付き、 支払を免れようと考え、「このビル内にいる友人から金を借りてきて、すぐに支払う。」などと嘘を言ったところ、Bは、Aの言葉を信じて運賃を受け取らずにAを降車させた。この場合、Aには、刑法第246条第2項の詐欺罪が成立する。 ⇒〇
【犯意先行型】
Aは、所持金がなく、代金を支払う意思も能力もないのに、飲食店で料理を注文して飲食し、 その後、代金の支払を求められた際、何も言わずに店を出て逃走した。この場合、Aには、刑法第246条第2項の詐欺罪が成立する。 ⇒×
【準詐欺罪】
Aは、14歳のBがふだんから多額の現金を持ち歩いているのを知っていたことから、Bの知識や思慮が足りないことに乗じて現金を手に入れようと考え、Bに対し、借りた現金を返す意思がないのに、返す意思があるかのように装って5万円の借金を申し込み、返してもらえるものと誤信したBから現金5万円の交付を受けた。この場合、Aには、準詐欺罪が成立する。 ⇒×
【横領罪における占有】
Aは、自己が所有し、その旨の登記がされている甲不動産をBに売り渡し、その売買代金を受領した後、Bへの所有権移転登記が完了する前に、甲不動産にCを権利者とする抵当権を設定し、その旨の登記をした。この場合、Aには、 横領罪が成立する。 ⇒〇
【不法原因給付物】
Aは、Bから、公務員Cに対して賄賂として渡すように依頼された現金を自ら費消した。 この場合、Aには、横領罪が成立する。 ⇒〇
【二重譲渡の事例②】
Aは、A所有の乙不動産をBに売却し、Bから代金を受け取ったが、登記簿上の所有名義がAに残っていたことを奇貨として、乙不動産について、更にCに売却し、Cへの所有権の移転の登記を行った。この場合、Aには、横領罪が成立する。 ⇒〇
【遺失物等横領罪】
Aは、公園を散歩中、放置されていたB所有の自転車を見つけたところ、BはAの知人であったため、Bに届けるため、その自転車に乗った。ところが、しばらく自転車に乗っていたAは、 当該自転車が欲しくなり、そのままA宅に帰ってしまった。なお、当該自転車は、CがB宅から盗み、公園に乗り捨てたものであった。この場合、 Aには、横領罪が成立する。 ⇒×
【具体的危険犯】
AがB所有の自動車に放火して焼損させた場合、それにより公共の危険が発生しなかったときでも、Aには、建造物等以外放火罪が成立する。 ⇒×
【放火罪の焼損】
現に人が住居に使用する木造家屋を燃やす目的で、取り外し可能な雨戸に火を付けた場合には、その雨戸が独立して燃え始めた段階で、現住建造物等放火の既遂罪が成立する。 ⇒×
【現住建造物等放火罪の客体】
Aが、火災保険金を騙し取るため、他の家族全員が旅行に出かけている時に、自宅に放火し て全焼させた場合、Aには、非現住建造物等放火既遂罪が成立する。 ⇒×
【放火罪の罪数】
Aが所有し、居住する甲家屋と、甲家屋に隣接するBが所有し、居住する乙家屋の2棟を燃やす目的で、甲家屋の壁に火を付けて乙家屋に延焼させ、これら2棟を全焼させた場合には、 二つの現住建造物等放火の既遂罪が成立する。 ⇒×
【現住建造物等放火罪の罪数】
現に人が住居に使用する木造家屋を燃やす目的で、当該木造家屋に隣接する物置に火を付けたところ、その住人が発見して消火したため、物置のみを焼損させた場合には、非現住建造物等放火の既遂罪が成立する。 ⇒×
【延焼罪】
Aは、古くなった自己所有の建物を燃やす つもりで放火したところ、思いがけない突風により隣接地のB宅に燃え移り、B宅が全焼した。この場合において、Aに、公共の危険発生の認識がなかったときは、Aには、 延焼罪が成立する。 ⇒〇
【現住者等の同意の効果】
Bが所有し、かつ現にBが一人で居住する、住宅密集地にある木造家屋に、Bの同意を得て、Aが当該木造家屋を放火し全焼させた場合、刑法第109条第2項の既遂罪が成立する。 ⇒〇
【実行の着手(詐欺罪)】
保険金をだまし取る目的で、家屋に放火した場合、まだ保険会社に保険金の支払請求をしていなければ、詐欺罪の実行に着手したとはいえない。 ⇒〇
【実行の着手(放火罪)】
Aは、Bの住居を焼損する目的で、これに接続する犬小屋に火をつけたが、通行人に消し止められて、犬小屋を焼いただけにとどまった。 この場合は、Aは、現住建造物等放火罪の実行に着手したとはいえない。 ⇒×
【放火行為の故意(抽象的事実の錯誤)】
Aは、深夜、1階が空き部屋で、2階にBが一人で住んでいる二階建て木造家屋に放火して全焼させた。火をつける前に、Aが1階の窓から室内をのぞいたところ、誰も住んでいる様子がなく、2階 にも灯りがついていなかったことから、Aは、この建物は空き家だと思っていた。この場合、 Aには、現住建造物等放火罪は成立しない。 ⇒〇
【有価証券偽造罪の偽造】
銀行の代表取締役から支店の業務に関して銀行名義の小切手を振り出す権限を授与されている銀行の支店長が、その権限を濫用して、 自己の負債の支払に当てる目的で銀行名義の小切手を振り出した場合には、有価証券偽造罪が成立する。 ⇒×
【偽造有価証券行使等罪の行為】
偽造有価証券行使罪が成立するためには、偽造された有価証券を流通に置くことを必要とし、単にそれを呈示するだけでは、同罪は成立しない。 ⇒×
【コピーの文書性】
代理人が、本人に示すため、法務局作成に係る供託金受領書の金額欄に虚偽の金額を記入した紙片を当てて複写機によりコピーを作成した場合、公文書偽造罪は成立しない。 ⇒×
【代理名義の冒用】
Aは、Bに対し、Cの代理人であると詐称し、 C所有の土地をBに売り渡す旨の売買契約書に「C代理人A」として署名押印し、完成した文書をBに交付した。この場合、Aに私文書偽造 罪が成立する。 ⇒〇
【肩書の冒用】
Aは、司法書士Aと同姓同名であることを利用し、 司法書士資格がないのに、真正なものとして使用する目的で、「司法書士A」名義の司法書士報酬請求書を作成した。この場合、Aには、私文書偽造罪が成立する。 ⇒〇
【公文書偽造罪の主体】
公文書の作成権限のない公務員が、権限のある公務員の名を使って公文書を作成したときは、公文書偽造罪が成立する。 ⇒〇
【虚偽公文書作成罪の主体】
公文書の作成権限がある公務員がその地位を濫用して公文書を作成した場合に成立し得るのは、無形偽造である。 ⇒〇
【虚偽公文書作成等罪】
公務員でないAは、行使の目的で、虚偽の内容を記載した証明願を市役所の係員である公務員Bに提出し、情を知らないBをして市長名義の内容虚偽の証明書を作成させた。この場合、Aには、虚偽公文書作成罪の間接正犯が成立する。 ⇒×
【公正証書原本不実記載罪の客体】
裁判所書記官に対して虚偽の申立てをし、裁判所書記官をして何ら債務を負担していない第三者を相手方とする支払督促を出させた場合であっても、公正証書原本不実記載罪は成立しない。 ⇒〇
【偽造公文書行使罪】
免許停止処分を受けたAは、Bが作った偽造運転免許証を警察官の求めがあれば提示するつもりで携帯して、自動車を運転したが、結局、提示する機会はなかった。この場合、Aには、偽造公文書行使罪が成立する。 ⇒×
【虚偽診断書作成罪】
開業医であるAは、公務員Bから頼まれて、Bがその勤務先に提出するものであることを知りながら、真実に反する病名を記載した診断書を作成した場合、Aには、虚偽診断書作成罪が成立する。 ⇒〇
【公務執行妨害罪の適法性】
警察官が客観的にみて、現行犯人と認めるに十分な理由がある挙動不審者を現行犯人として逮捕している最中、被逮捕者の友人Aが、当該警察官の顔面を殴打したところ、被逮捕者は、その後の裁判において、現行犯人として逮捕された罪につき、犯罪行為者ではなかったとして無罪判決を受け確定した場合は、公務執行妨害罪は成立しない。 ⇒×
【公務執行妨害罪の職務】
県議会委員長が県議会の特別委員会の休憩を宣言して退出しようとした際に、 県議会委員長に暴行を加えた場合、公務執行妨害罪が成立する。 ⇒〇
【公務執行妨害罪の暴行①】
覚せい剤取締法違反の現行犯人を逮捕した現場で、警察官が証拠品として適法に差し押さえ、 整理中の覚せい剤注射液入アンプルを警察官の面前で踏みつけて損壊すれば、公務執行妨害罪が成立する。 ⇒〇
【条例による財産権の制限】
地方公共団体が住民の財産権に制約を課す内容の条例を定めることはできるが、そのためには法律の個別の委任が必要であるとするのが判例である。 ⇒×
【条例による罰則規定】
条例で罰則を定める場合、罪刑法定主義を定めた憲法第31条との関係でも問題となるが、憲法第31条は、必ずしも刑罰が全て法律そのもので定められなければならないとするものではなく、法律の授権によって、それ以下の法令によって定めることもできると解すべきである上、 法律の授権については、包括的な委任があれば足りると解される。 ⇒×
【作為義務の存在①】
母親が、死んでも構わないと思って、生後9日 目の幼児にあえて授乳せず、餓死させた場合には、殺人罪が成立する。 ⇒〇
【作為義務の存在②】
民家近くの空地でたき火をし、後始末をしておかないと火勢が強まって同家に燃え移るおそれ があると思いつつ、それでもかまわないと考えて何らの措置もとらないまま立ち去ったところ、 同家に火が燃え移って全焼した場合には、現住建造物放火罪が成立する。 ⇒〇
【間接正犯の要件】
Aは、知人Bを殺害しようと考え、毒入りの和菓子が入った菓子折を用意し、その事情を知らないAの妻Cに対し、その菓子折をB宅の玄関前に置いてくるよう頼んだが、Aの言動を不審に思ったCは、B宅に向かう途中でその菓子折を川に捨てた。この場合、Aには、殺人未遂罪の間接正犯は成立しない。 ⇒〇
【意思が抑圧された者を利用する場合①】
養父Aに日ごろから暴力をふるわれ、その言動に畏怖し意思が抑圧されている12歳の養女Bに対し、Aが窃盗を指示及び命令して行わせた場合であっても、Bに是非弁別能力があるときは、Aに窃盗罪の間接正犯は成立しない。 ⇒×
【意思が抑圧された者を利用する場合②】
Aは、是非弁別能力はあるものの13歳である息子Bに対し、通行人を刃物で脅して現金を奪って小遣いにすればいいと促し、Bは、小遣い欲しさから、深夜、道を歩いていた女性Cにナイフを突きつけて現金2万円を奪った。この場合、Aには、強盗罪の間接正犯は成立しない。 ⇒〇
【因果関係の判例①】
Aは、Bの鼻口部を布団で圧迫するなどの暴行を加えたところ、Bには心臓に高度の病変があり、そのことがあいまって死亡した。Aは、行為当時、Bに心臓に高度の病変があることを知らず、また、Bの致死を予見することもできなかった。この場合、Аには、傷害致死罪が成立する。 ⇒〇
【因果関係の判例②】
Aは、多数の仲間らと共に、長時間にわたり、激しく、かつ、執ようにBに暴行を加え、隙を見て逃げ出したBを追い掛けて捕まえようとしたところ、極度に畏怖していたBは、交通量の多い幹線道路を横切って逃げようとして、走ってきた自動車に衝突して死亡した。この場合、Aには、傷害致死罪が成立する。 ⇒〇
【未必の故意】
Aは、覚醒剤を所持していたが、これについて、覚醒剤であるとは知らなかったものの、覚醒剤などの身体に有害で違法な薬物かもしれないが、それでも構わないと考えていた。この場合、Aには、覚醒剤所持罪の故意が認められる。 ⇒〇
【具体的事実の錯誤①】
AがBを殺す意図で、Bに対して発砲したところ、弾丸がそれてBの近くにいたCに当たり、Cが死亡した場合、Aには、Bに対する殺人未遂罪とCに対する殺人既遂罪が成立する。 ⇒〇
【具体的事実の錯誤②】
Aは、Bを脅迫しようと考え、パソコン上で「お前を殺してやる」との内容の電子メールを作成し、 これを送信したが、その際、送信先を間違えてCに送信してしまい、Cがこれを読んで畏怖した。この場合、Aには、Cに対する脅迫罪が成立する。 ⇒〇
【具体的事実の錯誤②】
AがBを殺す意図で、Bに対して発砲したところ、弾丸がBを貫通して近くにいたCにも当たり、B、C両名が死亡した場合、Aには、Bに 対する殺人既遂罪とCに対する(重)過失致死罪が成立する。 ⇒×
【抽象的事実の錯誤】
Aは、鹿の狩猟のために山中に入ったところ、山菜採りのために山中に入っていたB(人間)を鹿であると誤信してライフル銃を発射し、その弾がBの脚に当たって重傷を負わせた。この場合、Aには、傷害罪が成立する。 ⇒×
【因果関係の錯誤】
Aは、殺意をもって、Bの頭を鉄パイプで数回殴り、Bが気絶したのを見て、既に死亡したものと誤信し、犯行を隠すためにBを橋の上から川に投げ入れたところ、Bは転落した 際に頭を打って死亡した。この場合、Aには、 殺人罪は成立しない。 ⇒×
【過失の予見可能性】
過失犯における注意義務の内容をなす予見可能性は、結果の発生について、行為者自身が予見できなかった場合には、当該行為者と同じ立場にある通常人が予見できるときであっても、否定される。 ⇒×
【被害者の承諾】
Aは、Bとともに保険金詐欺を企て、Bの同意を得て、Bに対し、故意にAの運転する自動車を衝突させて傷害を負わせた。この場合、Aに は、傷害罪は成立しない。 ⇒×
【将来の侵害】
将来の侵害を予想してあらかじめ自宅周囲に高圧電線をはりめぐらせた場合、その後に侵入者がこれに触れて傷害を負ったとしても、正当防衛は成立しない。 ⇒×
【自招侵害】
Bから攻撃されたAがその反撃として傷害行為に及んだが、Bの攻撃はAの暴行に触発されたものであった場合には、Bの攻撃がAの暴行の程度を大きく超えるものでない事実関係の下では、正当防衛は成立しない。 ⇒〇
【積極的加害意思】
暴走族のメンバーであるAは、当該暴走族の集会に際して対立関係にある暴走族のメンバーであるBらが襲撃してくるのではないかと予想し、 返り討ちにしてやろうと考えて角材を用意 して待ち構えていたところ、Bがバットを手にして向かってきたため、用意していた角材で殴り掛かり、Bに全治1週間程度のけがを負わせた。この場合において、AがBを角材で殴った行為について、正当防衛は成立しない。 ⇒〇
【不正の侵害】
Aが道路を歩いていたところ、Bがその飼犬をAにけしかけたので、Aはこれを避けるためその犬を蹴飛ばしてけがをさせた場合、Aには正当防衛が成立する。 ⇒〇
【防衛の意思】
酒癖の悪いBは、Aに絡み出し、Aの顔面をこぶしで数回殴りつけ、更に殴りかかってきた。A は、自分の身を守ろうと考えるとともに、Bの態度に憤激し、この際、Bを痛い目にあわせてやろうと考え、Bの頭髪を両手でつか んでBを床に引き倒した。この場合、AがBの頭髪を両手でつかんでBを床に引き倒した行為には、正当防衛は成立しない。 ⇒×
【やむを得ずにした行為】
女性であるAは、人通りの少ない夜道を帰宅中、見知らぬ男性Bに絡まれ、腕を強い力でつかまれて暗い脇道に連れ込まれそうになったため、Bの手を振りほどきながら、両手でBの胸部を強く突いたところ、Bは、よろけて転倒し、縁石に頭を打って、全治1週間程度のけがを負った。この場合 において、AがBを突いた行為について、正当防衛は成立しない。 ⇒×
【緊急避難①】
緊急避難が成立するためには、その行為が侵害(危難)を排除するための唯一の方法であることを要する。 ⇒〇
【緊急避難②】
緊急避難は、その行為から生じた損害が防衛しようとした権利(又は避けようとした損害)の程度を超えないことが成立要件である。 ⇒〇
【責任能力】
心神喪失者の行為は処罰されず、心神耗弱者の行為は、必ずその刑が減軽される。 ⇒〇
【実行の着手(窃盗罪)】
スリ犯が、人込みの中において、スリをする相手方を物色するために、他人のポケット等に手を触れ、金品の存在を確かめるいわゆる「当たり行為」をした場合、それだけでは窃盗罪の実行の着手は認められない。 ⇒〇
【自己の意思により】
Aは、Bを殺害するため、その腹部を包丁で1回突き刺したものの、致命傷を与えるには至らず、 Bが血を流してもがき苦しんでいるのを見て、驚くと同時に怖くなってその後の殺害行為を行わなかった。この場合、Aには、殺人罪の中止未遂が認められる。 ⇒×
【中止行為】
Aは、B宅を全焼させるつもりで、B宅の前に積み上げられている木材に灯油をまいて点火したが、思った以上に燃え上がるのを見て怖くなり、 たまたま近くを通りかかったCに「火を消しておいてくれ。」と頼んで逃走したところ、Cが家屋に燃え移る前に木材の火を消し止めた。 この場合、Aには、現住建造物等放火罪の中止未遂は認められない。 ⇒〇
【予備と中止犯】
Aは、郵便局で強盗を行う計画を立て、その準備行為をしたが、途中で翻意し、強盗の実行に着手することを思いとどまった。 この場合、Aには、強盗予備罪の中止未遂が成立する。 ⇒×
【不能犯】
Aが殺意をもって、Bに対し、硫黄の粉末を混入した飲食物を飲食させた場合、Aには、殺人未遂罪は成立しない。 ⇒〇
【片面的共同正犯】
Aは金品を強取する意思で、Cを縄で縛り上げたが、人の足音が近づいて来るのが聞こえたた め、Cをその場に放置して何も盗らずに逃走した。そこへ偶然通りかかったBが、Cが縄で縛られているのを見て、その懐中から金品を奪い取った場合、Bには強盗罪の共同正犯が成立する。 ⇒×
【共謀共同正犯】
共謀共同正犯の成立要件としての共謀は、必ずしも同一場所に集まってなされる必要はなく、 数人が順次に連絡し合うことによって共通した犯罪意思を形成する態様でもよい。 ⇒〇
【結果的加重犯の共同正犯】
AとBは、Cに対し、それぞれ金属バットを用いて暴行を加えた。その際、Aは、Cを殺害する つもりはなかったが、Bは、Cを殺害するつもりで暴行を加えた。その結果、Cが死亡した場合、殺意がなかったAには、Bとの間で傷害致死罪の共同正犯が成立する。 ⇒〇
【予備罪の共同正犯】
Aは、甲を殺害する意思を持っていたBから、その真意を打ち明けられて甲殺害のための毒薬 の入手方を依頼され、これに応じて毒薬をBに渡したが、Bは、その後、甲の殺害を思いとどまり、その毒薬を廃棄した。この場合、Aには殺人予備罪の共同正犯が成立する。 ⇒〇
【教唆犯の要件①】
既に特定の犯罪を実行することを決意している者に対し、これを知らずに、当該犯罪を実行するよう働きかけた場合でも、教唆犯は成立する。 ⇒×
【教唆犯の要件②】
犯意のない他人を教唆して殺人の決意をさせた場合には、被教唆者がその実行に着手していなくても、殺人教唆罪が成立する。 ⇒×
【教唆犯の要件③】
AがBに対して甲宅に侵入して金品を盗んでくるよう教唆したところ、Bは、甲宅に人がいたので、 甲宅に侵入することをあきらめたが、その後、 金品を盗もうと新たに思い付き、乙宅に侵入して金品を盗んだ。Aには、住居侵入・窃盗罪の教唆犯が成立する。 ⇒×
【物理的幇助】
Aが賭博場を開帳した際に、これを知った友人のBが顧客を誘って賭博を行わせた場合でも、Aがそのことを知らなかったときは、Bについて賭博開帳図利罪の従犯は成立しない。 ⇒×
【65条1項の解釈②】
公務員でない者が公務員と共謀して賄賂を収受しても、収賄罪の共同正犯にはなり得ない。 ⇒×
【二重の身分犯】
顧客からの委託を受けて現金1000万円を業務上占有していた銀行員Aは、業務とは無関係の知人Bと相談し、当該現金を横領しようと考え、Bに当該現金を手渡して横領し、その後、当該現金を二人で折半して費消した。この場合、Bには、業務上横領罪の共同正犯が成立し、65条2項により単純横領罪の刑が科される。 ⇒〇
【共犯の錯誤(共同正犯)】
Aは、Bとの間で、Cに対して暴行を加えて傷害を負わせる旨を共謀したが、殺意を有してはいなかったところ、実行行為を担当するBが、呼び出したCの言動に激高して突発的にCに対する殺意を抱き、持っていた警棒でその頭部を殴り付けてCを殺害した。この場合、Aには、殺人罪の故意が認められ、殺人罪の共同正犯が成立する。 ⇒×
【共犯の錯誤(教唆犯)】
AがBに対して甲宅に侵入して金品を盗んでくるよう教唆したところ、Bは、甲宅に侵入して金品を物色したが、その最中に甲に発見されたので、甲に刃物を突き付けて甲から金品を強取した。この場合、Aには、住居侵入及び強盗の教唆犯が成立する。 ⇒×
【着手前の離脱(例外)】
Aは、強盗を企て、B及びCとともに、「ABCの3人で宝石店に赴き、Aが用意した拳銃で店員を脅して宝石を強取する。」という計画を立てた。A、B及びCは、 計画に従い、宝石店に向けて出発しようとしたところ、 出発直前、Aは、急に怖くなって「俺はやめる」と言い出し、B及びCが仕方なくこれを了承したため、 Aは、その場から立ち去ったが、拳銃を残していったので、B及びCは、そのままAの用意した拳銃を用いて強盗を実行した。この場合、Aは、強盗の共犯の罪責を負わない。 ⇒×
【着手後の離脱】
AとBは、態度が気に入らないCを痛め付けようと考え、それぞれ素手でCの顔面や腹部を殴り 続けていたが、Aは、途中で暴行をやめ、暴行を続けていたBに「俺はもう帰るから。」とだけ言い残してその場を離れた。Bは、その後もCを殴り続けたところ、間もなくCは死亡した。 Cの死亡の原因がAの暴行によるものかBの暴行によるものか不明であった場合、Aには、Bとの間で傷害致死罪の共同正犯は成立する。 ⇒〇
【観念的競合】
盗品と知りながらこれを賄賂として受け取った場合、盗品等無償譲受け罪と収賄罪の観念的競合となる。 ⇒〇
【観念的競合と併合罪の区別】
Aが酒酔い運転をしてBを車ではね、Bを死亡させた場合、Aの危険運転致死罪と道路交通法上の酒酔い運転罪とは観念的競合となる。 ⇒×
【牽連犯と併合罪の区別】
保険金取得の目的で放火の後、保険会社を欺いて保険金を交付させた場合、放火罪と詐欺罪の牽連犯となる。 ⇒×
【暴行罪】
Aは、狭い4畳半の室内においてBの目の前で日本刀の抜き身を多数回にわたり振り回したが、その行為は、Bを傷つけるつもりではなく、 脅かすつもりで行ったものであった。この場合、 Aには、暴行罪は成立しない。 ⇒×
【傷害致死罪】
Aは、Bに傷害を負わせるつもりはなかったものの、故意にBを突き飛ばしたところ、これによりBが転倒してしまい、Bは打ち所が悪く、頭部に傷害を負い、その傷害のために死亡した。この場合、Aには、傷害致死罪は成立しな い。 ⇒×
【住居侵入罪①】
Aは、研究所の建物の敷地の周囲に設けられていた、外部との交通を制限し外来者がみだりに出入りすることを禁止するための金網柵を引き倒して、 当該敷地内に立ち入ったが、当該建物自体には立ち入らなかった。この場合、Aには、建造物侵入罪は成立しない。 ⇒×
【住居侵入罪②】
Aは、現金自動預払機が設置された銀行の出張所に、その利用客のカードの暗証番号等を盗撮する目的で、その営業時間中に、一般の利用客と異なるものでない外観で立ち入った。 この場合、Aには、建造物侵入罪は成立しない。 ⇒×
【不法領得の意思①】
駐車場から他人所有の乗用車を数時間にわたって完全に自己の支配下に置く意図の下に、 所有者に無断で乗り出し、4時間余りの間乗り回した後、その乗用車を元の場所に戻した場合、最初から使用後に元の場所に戻しておくつもりであったときは、不法領得の意思が認められず、窃盗罪は成立しない。 ⇒×
【不法領得の意思②】
会社の同僚を困らせる目的で、同僚の机の上に置いてあった重要書類を、会社内の普段は使用されていないロッカー内に隠匿した場合には、不法領得の意思が認められず、窃盗罪は成立しない。 ⇒〇
【他人の財物】
Aは、ゴルファーが誤ってゴルフ場の人工池に打ち込んで放置したいわゆるロストボールを領得して業者に売却しようと考え、周囲をフェンスで囲まれた甲ゴルフ場に忍び込んだ上、甲ゴルフ場内の人工池の底から多数のロストボールをすくい取り、これを甲ゴルフ場外に持ち出した。 甲ゴルフ場では、いずれそのロストボールを回収して再利用することが予定されていた場合、Aには窃盗罪が成立する。 ⇒〇
【「死者の占有」の問題点】
Aは、かねてからうらみを抱いていたBを殺害し、その後、その場所でBの財物を奪取する犯意を抱き、Bの財物を奪取した。この場合、Aには、窃盗罪は成立しない。 ⇒×
【共同占有関係】
Aが、CからBと共同で借りていたC所有のパソコンをBに無断で持ち出し、リサイクルショップで換金した場合、Aには、窃盗罪が成立する。 ⇒〇
【上下・主従関係」】
デパートの電気製品売場の店員であるAが、 売場の主任であるBが食事に行っている隙に、 商品の電気カミソリを自分のカバンに入れて持ち出してこれを質に入れた場合、Aには窃盗罪が成立する。 ⇒〇
【既遂時期】
スーパーマーケットで、ガムを万引きしようとしたが、一般の客を装うために、商品棚から取ったガムをスーパーマーケット備付けの買物かごに入れ、取りあえずレジの方向に向かって一歩踏み出したところ、その場で店長に取り押さえられた場合、レジを通過する前であっても、ガムを買物かごに入れた時点で自己の支配下に置いたといえるから、窃盗既遂罪が成立する。 ⇒×
【親族相盗例】
Aが実母Bの使用するタンスから、Bが友人Cから借りて同タンスに保管していたCのネックレスを窃取したときは、親族間の犯罪に関する特例により、Aの窃盗行為について刑が免除される。 ⇒×
【強盗罪の対象と行為】
Aが、うらみを晴らす目的で、知人Bに対し反抗を抑圧するに足りる程度の暴行を加えた後、この機会に金品を奪おうと考え、抵抗できないでいるBの背広のポケットの中にあった財布を持ち去った場合、Aには、強盗罪が成立する。 ⇒×
【暴行又は脅迫の程度】
Aは、金品を奪う目的でBにナイフを突き付けて金品を要求したところ、Bは、恐怖心は感じたものの、合気道の達人であるので、 反抗ができないわけではないと思ったが、 万が一けがをしてはいけないと考え、自らAに所持金を差し出し、Aは、これを奪った。この場合、Aには、強盗(既遂)罪は成立しない。 ⇒×
【強盗罪の因果関係】
Aは、Bから財物を強取するつもりでBを脅迫し、 反抗を抑圧したところ、Bが所持していた鞄から財布を落としたので、その財布を奪ったが、B は、上記脅迫により畏怖していたため、財布を奪われたことに気付かなかった。この場合、Aには、強盗(既遂)罪は成立しない。 ⇒×
【事後強盗罪の未遂】
Aは、窃盗の目的でB方に侵入し、タンスの引き出しを開けるなどして金品を物色したが、めぼしい金品を発見することができないでいるうちに、帰宅したBに発見されたため、逃走しようと考え、その場でBを殴打してその反抗を抑圧した上、逃走した。この場合、Aには、事後強盗罪の未遂罪が成立する。 ⇒〇
【強盗致死傷罪】
Aは、通行人Bから財物を強取するつもりで暴行を加え、その反抗を抑圧したが、負傷させただけで、財物奪取に失敗した。この場合、 Aには、強盗致傷罪の未遂罪が成立する。 ⇒×
【欺く行為】
Aは、友人から預かったキャッシュカードを悪用しようと考え、その友人の生年月日を暗証番号として銀行の現金自動預払機を操作したところ、番号が偶然一致して現金自動預払機が作動し、現金を引き出すことができた。Aの行為について詐欺罪が成立する。 ⇒×
【錯誤】
Aが、B作成名義の不動産売渡証書その他登記の申請に必要な書類を偽造し、これらを行使して登記官を欺き、B所有の不動産につきBからAに対する所有権移転の登記をさせた場合、Aには、詐欺罪が成立する。 ⇒×
【交付行為】
衣料品店で顧客を装い、上衣を試着したまま便所に行くと偽って逃走した場合、詐欺罪は成立しない。 ⇒〇
【詐欺利得罪①】
Aは、所持金がなく代金を支払う意思もないのにタクシーに乗り、目的地に到着すると、運転手Bのすきを見て何も言わずに逃げた。この場合、Aには、Bに対する詐欺罪が成立する。 ⇒〇
【詐欺利得罪②】
Aは、タクシーで目的地に着き、運転手Bに運賃の支払を求められた際に所持金がないことに気付き、 支払を免れようと考え、「このビル内にいる友人から金を借りてきて、すぐに支払う。」などと嘘を言ったところ、Bは、Aの言葉を信じて運賃を受け取らずにAを降車させた。この場合、Aには、刑法第246条第2項の詐欺罪が成立する。 ⇒〇
【犯意先行型】
Aは、所持金がなく、代金を支払う意思も能力もないのに、飲食店で料理を注文して飲食し、 その後、代金の支払を求められた際、何も言わずに店を出て逃走した。この場合、Aには、刑法第246条第2項の詐欺罪が成立する。 ⇒×
【準詐欺罪】
Aは、14歳のBがふだんから多額の現金を持ち歩いているのを知っていたことから、Bの知識や思慮が足りないことに乗じて現金を手に入れようと考え、Bに対し、借りた現金を返す意思がないのに、返す意思があるかのように装って5万円の借金を申し込み、返してもらえるものと誤信したBから現金5万円の交付を受けた。この場合、Aには、準詐欺罪が成立する。 ⇒×
【横領罪における占有】
Aは、自己が所有し、その旨の登記がされている甲不動産をBに売り渡し、その売買代金を受領した後、Bへの所有権移転登記が完了する前に、甲不動産にCを権利者とする抵当権を設定し、その旨の登記をした。この場合、Aには、 横領罪が成立する。 ⇒〇
【不法原因給付物】
Aは、Bから、公務員Cに対して賄賂として渡すように依頼された現金を自ら費消した。 この場合、Aには、横領罪が成立する。 ⇒〇
【二重譲渡の事例②】
Aは、A所有の乙不動産をBに売却し、Bから代金を受け取ったが、登記簿上の所有名義がAに残っていたことを奇貨として、乙不動産について、更にCに売却し、Cへの所有権の移転の登記を行った。この場合、Aには、横領罪が成立する。 ⇒〇
【遺失物等横領罪】
Aは、公園を散歩中、放置されていたB所有の自転車を見つけたところ、BはAの知人であったため、Bに届けるため、その自転車に乗った。ところが、しばらく自転車に乗っていたAは、 当該自転車が欲しくなり、そのままA宅に帰ってしまった。なお、当該自転車は、CがB宅から盗み、公園に乗り捨てたものであった。この場合、 Aには、横領罪が成立する。 ⇒×
【具体的危険犯】
AがB所有の自動車に放火して焼損させた場合、それにより公共の危険が発生しなかったときでも、Aには、建造物等以外放火罪が成立する。 ⇒×
【放火罪の焼損】
現に人が住居に使用する木造家屋を燃やす目的で、取り外し可能な雨戸に火を付けた場合には、その雨戸が独立して燃え始めた段階で、現住建造物等放火の既遂罪が成立する。 ⇒×
【現住建造物等放火罪の客体】
Aが、火災保険金を騙し取るため、他の家族全員が旅行に出かけている時に、自宅に放火し て全焼させた場合、Aには、非現住建造物等放火既遂罪が成立する。 ⇒×
【放火罪の罪数】
Aが所有し、居住する甲家屋と、甲家屋に隣接するBが所有し、居住する乙家屋の2棟を燃やす目的で、甲家屋の壁に火を付けて乙家屋に延焼させ、これら2棟を全焼させた場合には、 二つの現住建造物等放火の既遂罪が成立する。 ⇒×
【現住建造物等放火罪の罪数】
現に人が住居に使用する木造家屋を燃やす目的で、当該木造家屋に隣接する物置に火を付けたところ、その住人が発見して消火したため、物置のみを焼損させた場合には、非現住建造物等放火の既遂罪が成立する。 ⇒×
【延焼罪】
Aは、古くなった自己所有の建物を燃やす つもりで放火したところ、思いがけない突風により隣接地のB宅に燃え移り、B宅が全焼した。この場合において、Aに、公共の危険発生の認識がなかったときは、Aには、 延焼罪が成立する。 ⇒〇
【現住者等の同意の効果】
Bが所有し、かつ現にBが一人で居住する、住宅密集地にある木造家屋に、Bの同意を得て、Aが当該木造家屋を放火し全焼させた場合、刑法第109条第2項の既遂罪が成立する。 ⇒〇
【実行の着手(詐欺罪)】
保険金をだまし取る目的で、家屋に放火した場合、まだ保険会社に保険金の支払請求をしていなければ、詐欺罪の実行に着手したとはいえない。 ⇒〇
【実行の着手(放火罪)】
Aは、Bの住居を焼損する目的で、これに接続する犬小屋に火をつけたが、通行人に消し止められて、犬小屋を焼いただけにとどまった。 この場合は、Aは、現住建造物等放火罪の実行に着手したとはいえない。 ⇒×
【放火行為の故意(抽象的事実の錯誤)】
Aは、深夜、1階が空き部屋で、2階にBが一人で住んでいる二階建て木造家屋に放火して全焼させた。火をつける前に、Aが1階の窓から室内をのぞいたところ、誰も住んでいる様子がなく、2階 にも灯りがついていなかったことから、Aは、この建物は空き家だと思っていた。この場合、 Aには、現住建造物等放火罪は成立しない。 ⇒〇
【有価証券偽造罪の偽造】
銀行の代表取締役から支店の業務に関して銀行名義の小切手を振り出す権限を授与されている銀行の支店長が、その権限を濫用して、 自己の負債の支払に当てる目的で銀行名義の小切手を振り出した場合には、有価証券偽造罪が成立する。 ⇒×
【偽造有価証券行使等罪の行為】
偽造有価証券行使罪が成立するためには、偽造された有価証券を流通に置くことを必要とし、単にそれを呈示するだけでは、同罪は成立しない。 ⇒×
【コピーの文書性】
代理人が、本人に示すため、法務局作成に係る供託金受領書の金額欄に虚偽の金額を記入した紙片を当てて複写機によりコピーを作成した場合、公文書偽造罪は成立しない。 ⇒×
【代理名義の冒用】
Aは、Bに対し、Cの代理人であると詐称し、 C所有の土地をBに売り渡す旨の売買契約書に「C代理人A」として署名押印し、完成した文書をBに交付した。この場合、Aに私文書偽造 罪が成立する。 ⇒〇
【肩書の冒用】
Aは、司法書士Aと同姓同名であることを利用し、 司法書士資格がないのに、真正なものとして使用する目的で、「司法書士A」名義の司法書士報酬請求書を作成した。この場合、Aには、私文書偽造罪が成立する。 ⇒〇
【公文書偽造罪の主体】
公文書の作成権限のない公務員が、権限のある公務員の名を使って公文書を作成したときは、公文書偽造罪が成立する。 ⇒〇
【虚偽公文書作成罪の主体】
公文書の作成権限がある公務員がその地位を濫用して公文書を作成した場合に成立し得るのは、無形偽造である。 ⇒〇
【虚偽公文書作成等罪】
公務員でないAは、行使の目的で、虚偽の内容を記載した証明願を市役所の係員である公務員Bに提出し、情を知らないBをして市長名義の内容虚偽の証明書を作成させた。この場合、Aには、虚偽公文書作成罪の間接正犯が成立する。 ⇒×
【公正証書原本不実記載罪の客体】
裁判所書記官に対して虚偽の申立てをし、裁判所書記官をして何ら債務を負担していない第三者を相手方とする支払督促を出させた場合であっても、公正証書原本不実記載罪は成立しない。 ⇒〇
【偽造公文書行使罪】
免許停止処分を受けたAは、Bが作った偽造運転免許証を警察官の求めがあれば提示するつもりで携帯して、自動車を運転したが、結局、提示する機会はなかった。この場合、Aには、偽造公文書行使罪が成立する。 ⇒×
【虚偽診断書作成罪】
開業医であるAは、公務員Bから頼まれて、Bがその勤務先に提出するものであることを知りながら、真実に反する病名を記載した診断書を作成した場合、Aには、虚偽診断書作成罪が成立する。 ⇒〇
【公務執行妨害罪の適法性】
警察官が客観的にみて、現行犯人と認めるに十分な理由がある挙動不審者を現行犯人として逮捕している最中、被逮捕者の友人Aが、当該警察官の顔面を殴打したところ、被逮捕者は、その後の裁判において、現行犯人として逮捕された罪につき、犯罪行為者ではなかったとして無罪判決を受け確定した場合は、公務執行妨害罪は成立しない。 ⇒×
【公務執行妨害罪の職務】
県議会委員長が県議会の特別委員会の休憩を宣言して退出しようとした際に、 県議会委員長に暴行を加えた場合、公務執行妨害罪が成立する。 ⇒〇
【公務執行妨害罪の暴行①】
覚せい剤取締法違反の現行犯人を逮捕した現場で、警察官が証拠品として適法に差し押さえ、 整理中の覚せい剤注射液入アンプルを警察官の面前で踏みつけて損壊すれば、公務執行妨害罪が成立する。 ⇒〇