会計とは、特定の経済主体がその利害関係者の経済的意思決定に役立つように、その経済主体の経済活動を認識し、測定し、伝達するプロセスである。

会計は、会計情報を提供することによって、利害関係者の経済的意思決定に役立つ。

会計の機能は経済主体の経済活動を認識し、測定し、伝達することである。ここにいう認識とは測定された経済活動に数値（金額）を当てはめる機能であり、測定とは経済主体の経済活動のうち、会計が取り扱うものを識別する機能である。

企業会計は、情報利用者の相違によって、財務会計と管理会計に分類される。管理会計は内部利用者（内部利害関係者）のための企業会計であり、内部利用者には経営者と従業員が含まれる。

財務会計は、企業が、その外部利害関係者（外部利用者）の経済的意思決定に役立つように、その経済活動を認識し、測定し、伝達するプロセスである。

委託者と受託者の間には委託受託関係が成立する。この関係においては、委託者は受託者に、経済的資源とその使用管理に関する権限を委託し、受託者は委託者に対して受託責任を負う。

受託責任は保全管理責任と会計責任からなる。会計責任とは、受託された経済資源を不正、誤謬および盗難より保全し適切に管理する責任、さらに発達した段階で非能率より保全し適切に管理する責任である。

会計の成立基盤を委託受託関係であると考えると、財務会計は、受託責任、とりわけ会計責任に関する情報要求に応えようとする会計、すなわち会計責任会計たる性格をもつ。

現行の制度会計は、資金をめぐる株主または債権者と経営者との委託受託関係を実質的基盤として成立しつつ、企業の各種の利害関係者間の利害を調整することに主眼を置くようになってきている。