物的確認につき、同一の不動産の再評価を行う場合には、過去に関与不動産鑑定士として自ら内覧の実施を含めた実地調査を行ったことがあり、かつ、当該不動産の個別的要因について、直近に行った鑑定評価の価格時点と比較して重要な変化がないと客観的に認められる場合は、内覧の全部または一部を省略することができるが、実地調査は行わなければならない。

処理計画の策定にあたって、鑑定評価の基本的事項、依頼者および提出先ならびに利害関係者のほか、依頼者に対し、ほかの専門家による調査結果の活用の要否、立会の有無（立会人の氏名・職業を含む）を明瞭に確認しなければならない。

試算価格の調整とは、鑑定評価の複数の手法により求められた各資産価格の再吟味を行い、鑑定評価における最終判断である鑑定評価額に決定に導く作業をいうが、各試算価格に開差が生じている場合に限り、各試算価格が有する説得力に係る判断も行う必要がある。

専門職業家としての注意を尽くしてもなお対象不動産の価格形成い重大な影響を与える土壌汚染に係る要因が十分に判明しない場合には、原因として他の専門家が行った調査結果等を活用することが必要であるが、依頼者の事情による制約がある場合には、依頼者の同意を得て、調査範囲条件を設定して鑑定評価を行うこともできる。

一般資料は、平素からできるだけ広く組織的に取集すべきであり、地域資料および個別資料は、対象不動産の種類、対象確定条件等、案件の相違に応じて収集すべきである。

価格形成要因について、不動産鑑定士の調査分析能力の範囲内で当該要因に係る価格形成上の影響の程度を推定して鑑定評価を行う場合、事前に依頼者に同意を得る必要がある。