代表取締役は、3ヶ月に1回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。

取締役会は各取締役が招集し、特定の取締役を招集権者とすることはできない。

取締役会の招集権者を定めたときでも、その他の取締役は、招集権者に対して、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。

招集権者に対する取締役会の招集の請求があった日から5日以内に、請求の日から2週間以内の日を取締役会の日とする招集通知が発せられないときは、招集請求をした取締役は、裁判所の許可を得て、取締役会を招集することができる。

取締役会設置会社（監査役設置会社、監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社を除く。）の株主は、一定の場合に取締役に対して、取締役会の招集の請求をすることはできるが、自ら取締役会を招集することはできない。

取締役会の招集通知は、書面でしなければならない。

取締役会を招集する者は、取締役会の2週間前までに、取締役会の招集通知を発しなければならない。

監査役設置会社においては、取締役会の招集通知は、各取締役のほか各監査役に対しても発しなければならない。

取締役会の招集手続を省略することはできない。

取締役は、代理人によって取締役会の議決権を行使することができる。

取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行う。

取締役会の決議の成立に必要な出席取締役の過半数の要件は、定款で定めることにより軽減することも加重することもできる。

取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役であっても、取締役会の議決に加わることができる。

代表取締役を解職する取締役会決議において、その代表取締役は、議決に加わることができない。

取締役会設置会社は、取締役会の決議を省略することはできない。

株主総会の決議があったものとみなすためには、その旨の定款の定めを要しないが、取締役会の決議があったものとみなすためには、その旨の定款の定めを要する。

取締役会設置会社は、取締役会の日から10年間、取締役会議事録をその本店に備え置かなければならない。

取締役会議事録は、本店のほか、支店にも一定期間備え置かなければならない。

取締役会議事録を書面で作成したときは、出席した取締役および監査役は、これに署名し、または記名押印しなければならない。

監査役設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも取締役会議事録の閲覧等を請求することができる。

取締役会設置会社の債権者は、役員または執行役の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、取締役会議事録の閲覧等を請求することができる。

取締役の数が6人以上であり、そのうち1人以上が社外取締役である取締役会設置会社は、特別取締役による議決の定めを設けることができる。

指名委員会等設置会社も、特別取締役による議決の定めを設けることができる。

特別取締役による取締役会においても、定款で定めることにより、書面または電磁的記録による取締役会の決議の省略が認められる。

取締役会設置会社が特別取締役による議決の定めを設けたときは、その定めがある旨のほか、特別取締役の氏名、取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨が登記事項となる。

特別取締役による取締役会の決議を行う旨は、定款で定めなければならない。

成年被後見人が監査役に就任するには、その成年後見人（後見監督人はいないものとする。）が、成年被後見人の同意を得たうえで、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。

非公開会社は、定款の定めにより、監査役の資格を株主に限定することができる。

A社の監査役は、A社の取締役を兼ねることができる。

A社の監査役は、その子会社であるB社の取締役を兼ねることができない。

A社の取締役は、その子会社であるB社の監査役を兼ねることはできない。

会計参与設置会社の監査役は、取締役のほか会計参与の職務の執行も監査する。

監査役は、いつでも、取締役に対して事業の報告を求め、または監査役設置会社の業務および財産の状況の調査をすることができる。

監査役は、取締役会に出席し、必要があるときは意見を述べなければならない。

取締役会設置会社の監査役は、取締役が不正の行為をし、または不正の行為をするおそれがあると認めるときは、株主総会に報告しなければならない。

監査役設置会社以外の株式会社の取締役が、株式会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに、その事実を株主に報告しなければならない。

監査役は、取締役会への報告義務がある場合において必要があると認めるときは、取締役に対して、取締役会の招集を請求することができる。

取締役会の招集請求をした監査役が、自ら取締役会を招集するときは、裁判所の許可を得なければならない。

監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為をし、それによって会社に著しい損害が生じるおそれがあるときは、取締役に対し、その行為をやめることを請求することができる。

監査役の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、取締役の決定または取締役会の決議によって定める。

監査役が、その職務の執行について監査役設置会社に対して費用の前払の請求をしたときは、監査役設置会社は、監査役の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除いて、これを拒むことができない。

非公開会社である大会社は、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。

監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めは、登記事項である。

会計限定監査役は、取締役の行為の差止めの請求をすることができない。

会計限定監査役は、取締役会への出席義務を負わない。

会計限定監査役が取締役会に出席した場合であっても、取締役会議事録に署名または記名押印をすることを要しない。

会計限定監査役は、株式会社と取締役との間の訴訟につき、会社を代表する権限を有しない。

監査役の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までである。

非公開会社であっても、監査役の任期を伸長することはできない。

定款で定めることにより、任期満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期を、退任した監査役の任期の満了時までとすることができる。

監査等委員会または指名委員会等を置く旨の定款の変更をしたときは、定款変更の効力が生じた時に、監査役の任期が満了する。

監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを設ける定款の変更をしたときは、その効力が生じた時に、監査役の任期が満了する。

監査役を解任するためには、株主総会の特別決議によらなければならない。

取締役は、監査役の解任に関する議案を株主総会に提出するときは、監査役の同意を得なければならない。

監査役会設置会社の監査役は3人以上で、そのうち過半数は、社外監査役でなければならない。

監査役会設置会社は、定款または監査役会によって、監査役会の招集権者を定めることができる。

監査役会の決議は、議決に加わることができる監査役の過半数が出席し、その過半数をもって行う。

監査役会設置会社は、書面決議により監査役会の決議の省略をすることができる旨を定款で定めることができる。

監査役会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、監査役会議事録の閲覧等を請求することができる。

公開会社であり、かつ、大会社である監査役会設置会社であって、金融商品取引法の規定により、その発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、社外取締役をおかなければならない。

会計参与は、公認会計士または監査法人、税理士または税理士法人でなければならない。

A社の監査役は、A社の会計参与となることができる。

会計参与は、計算書類等の備置場所を定めなければならない。

監査役設置会社の会計参与は、取締役の職務の執行に関して不正行為を発見したときは、遅滞なく、これを株主に報告しなければならない。

取締役会設置会社の会計参与は、計算書類等を承認する取締役会に出席しなければならない。

税理士は、会計監査人になることができない。

会計監査人の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までである。

会計監査人の任期が満了する定時株主総会で、別段の決議がされなかったときは、その定時株主総会において再任されたものとみなされる。

監査役設置会社においては、株主総会に提出する会計監査人の選任および解任、会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監査役が決定する。

会計監査人が欠けた場合で、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。

監査役会設置会社の会計監査人が職務上の義務に違反したときは、監査役会の決議によって、その会計監査人を解任することができる。

会計監査人は、株式会社の計算書類およびその附属明細書、臨時計算書類、連結計算書類を監査する。

会計監査人が、取締役の職務の執行に関して不正の行為等を発見したときは、遅滞なく、これを株主総会に報告しなければならない。

監査役が複数いる監査役設置会社において、取締役が会計監査人の報酬等を定めるときは、監査役の全員の同意を得なければならない。

指名委員会等設置会社の各委員会の委員は、取締役の中から、株主総会の決議によって選定する。

各委員会の委員の過半数は、社外取締役でなければならない。

監査委員は、指名委員会等設置会社の執行役を兼ねることができない。

監査委員と指名委員を兼ねることはできない。

執行役は、株主総会の決議によって選任する。

未成年者も、指名委員会等設置会社の執行役となることができる。

指名委員会等設置会社は、執行役の資格を株主に限定することができない。

執行役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までである。

非公開会社である指名委員会等設置会社であっても、執行役の任期を伸長することはできない。

執行役は、いつでも自ら取締役会を招集することができる。

執行役は、3ヶ月に1回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならず、代理人によりその報告をすることはできない。

執行役が複数いるときは、執行役の過半数の一致によって代表執行役を選定しなければならない。

指名委員会は、取締役の選任に関する議案の内容を決定するが、解任に関する議案の内容は、取締役会が決定する。

報酬委員会は、執行役および取締役の個人別の報酬等の内容を決定する。

執行役が支配人を兼ねている場合、報酬委員会は、執行役の個人別の報酬等についてのみ決定し、支配人としての報酬等の内容を決定することはできない。

指名委員会等設置会社の募集株式を取締役の個人別の報酬等とするときは、報酬委員会は、報酬等として与える募集株式の数を定めなければならない。

監査委員会は、会計監査人の選任および解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容を決定する。

監査委員は、執行役または取締役が定款に違反する行為をし、それによって、指名委員会等設置会社に著しい損害が生じるおそれがあるときは、執行役または取締役に対し、その行為をやめることを請求することができる。

指名委員会等設置会社の株主が、執行役または取締役の行為の差止めを請求することができるのは、執行役等の行為により、指名委員会等設置会社に回復することができない損害が生ずるおそれがあるときに限る。

指名委員会等設置会社が執行役または取締役に対して訴えを提起するときは、監査委員が訴訟の当事者である場合を除いて、監査委員会が選定する監査委員が指名委員会等設置会社を代表する。

指名委員会等は各委員が招集するが、特定の委員を招集権者と定めることができる。

指名委員会等設置会社は、指名委員会等の日から10年間、その議事録を本店に備え置かなければならないが、支店には備え置くことを要しない。

指名委員会等の決議は、その委員の過半数をもって行う。

指名委員会等設置会社の取締役は、その会社の支配人その他の使用人を兼ねることができない。

指名委員会等設置会社の取締役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までである。