株式会社を設立するためには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名または記名押印しなければならない。

発起人は、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない。

発起人は自然人でなければならない。

公告する方法は、定款の絶対的記載事項である。

本店の所在地、発起人の氏名または名称および住所は、いずれも定款の絶対的記載事項である。

会社の本店の所在地として、日本国外の地を定款に記載することができる。

定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。

発起設立の場合において、発行可能株式総数を定款で定めていないときは、株式会社の成立の時までに、発起人の過半数の同意によって、定款を変更してその定めを設けなければならない。

発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数を定めるときは、発起人の全員の同意を要する。

募集設立の場合、成立後の株式会社の資本金の額および資本準備金の額に関する事項は、創立総会の決議によって定めなければならない。

株式会社は、その本店の所在地で設立の登記をすることによって成立する。

現物出資に関する事項は、公証人の認証を受ける定款に記載しなければ、その効力を生じない。

募集設立の方法によって設立する場合でも、現物出資をすることができるのは、発起人に限られる。

検査役の調査を要する場合、発起人は、公証人の認証を受ける前に、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。

裁判所が変態設立事項を不当として変更の決定をしたときは、発起人は、その確定後1週間以内に限り、設立時発行株式の引受けの意思表示を取り消すことができる。

裁判所が変態設立事項を変更したことにより、発起人が設立時発行株式の引受けを取り消したときは、一定の期間内に、発起人の過半数の同意によって、変更された事項を廃止する定款の変更をすることができる。

公証人が定款を認証した後、発起人の全員の同意によって、発行可能株式総数の定めを変更したときは、改めて、公証人の認証を受けなければならない。

定款で定めた現物出資および財産引受けの価額の総額が500万円を超えないときは、その事項について検査役の調査を受けることを要しない。

定款に記載した現物出資財産の価額が500万円を超える場合であっても、価額が相当であることの弁護士の証明があるときは、その財産について検査役の調査を受けることを要しない。

定款に記載した変態設立事項が、株式会社の成立により発起人が受ける報酬であるときは、検査役の調査を受けなければならない。

発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、出資に係る金銭の全額を発起人が定めた銀行等の金融機関に払い込まなければならない。

発起人が現物出資をする場合、発起人の過半数の同意があるときは、登記等の第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることができる。

発起人は、出資の履行をすることにより設立時発行株式の株主となる権利を譲渡することはできない。

出資の履行をしていない発起人でも、一定の手続を経なければ、出資の履行により設立時発行株式の株主となる権利を当然に失うことはない。

発起人の権限は、会社設立に必要な行為に限られるため、原始定款に記載されて厳格な要件を満たした財産引受けに当たる場合を除き、発起人は、開業準備行為をすることができない。

設立しようとする株式会社が非公開会社である場合、設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の4分の1を下ることができない。

発起人は、公証人による定款の認証を受けた後、遅滞なく設立時取締役を選任しなければならない。

設立時役員等の選任は、発起人の全員の同意によって決定しなければならない。

定款で設立時取締役を定めたときは、その者は、出資の履行が完了した時に、設立時取締役に選任されたものとみなされる。

定款で定めた設立時役員等を解任することはできない。

設立時取締役は、発起人の議決権の過半数により解任することができる。

設立時監査役は、発起人の議決権の過半数により解任することができる。

設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合、設立時取締役は、選任後遅滞なく、出資の履行が完了していることなどの一定の事項を調査しなければならないが、設立時監査役は調査に加わることを要しない。

設立時取締役は、出資の履行が完了していること等の調査の結果、不当な事項があると認めるときでなくても、調査の結果を発起人に通知しなければならない。

設立しようとする株式会社に特別取締役による議決の定めがある場合、特別取締役の選定は、設立時取締役が行う。

発起人は、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定めるときは、その全員の同意を要する。

払込金額等の設立時募集株式に関する事項は、発起人の全員の同意によって決定しなければならない。

設立時募集株式については、総数引受契約を締結することはできない。

設立時募集株式の引受人が、払込期日に払込金額の全額の払込みをしないときは、設立時募集株式の株主となる権利を当然に失う。

募集設立の場合、発起人は、払込みの取扱いをした銀行等に対し、払込金保管証明書の交付を請求することができる。

創立総会は、発起人が招集する。

創立総会の決議は、創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数を有する設立時株主が出席し、出席した設立時株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う。

創立総会の目的である事項として定められていなくても、定款の変更、株式会社の設立の廃止について決議することができる。

議決制限株式を有する設立時株主であっても、株式会社の設立の廃止については、議決権を行使することができる。

定款に発行可能株式総数を定めていないときは、設立時募集株式の払込期日以後であっても、発起人は、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けることができる。

創立総会において設立時株主から特定の事項の説明を求められたときは、発起人がその説明をしなければならない。

募集設立の方法により株式会社を設立するときは、設立時取締役や設立時監査役等の選任は、創立総会の決議によって行うことを要する。

創立総会では、累積投票によって設立時取締役を選任することはできない。

設立時取締役を解任するときの決議要件と、設立時監査役および設立時監査等委員である設立時取締役を解任するときの決議要件は同じである。

設立時取締役は、創立総会の終結後、設立手続が法令または定款に違反していないこと等の一定の事項を調査しなければならない。

設立時取締役は、設立事項の調査の結果を発起人に報告しなければならない。

創立総会で変態設立事項を変更する定款変更の決議をしたときは、その変更に反対した設立時株主は、決議後2週間以内に限り、設立時発行株式の引受けの意思表示を取り消すことができる。

募集設立によって株式会社を設立する場合において、発行可能株式総数を定款で定めていないときは、株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。

設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後は、錯誤を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。

設立時募集株式の引受人は、株式会社が成立した後は、制限行為能力を理由として、設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。

取締役会設置会社を設置しようとするときは、発起人は、設立時取締役の中から設立時代表取締役を選定しなければならない。

取締役会設置会社を設立する場合の設立時代表取締役の選定および解職は、設立時取締役の過半数をもって決定する。

設立しようとする株式会社が取締役会設置会社であるときは、定款で設立時代表取締役を定めることはできない。

株式会社の成立時の現物出資財産の価額が、定款に記載した価額に著しく不足するときは、発起人および設立時取締役は、株式会社に対し、その不足額を支払わなければならない。

発起設立、募集設立のいずれの場合でも、検査役の調査を受けたときは、設立時取締役は、不足額填補責任を負わない。

発起設立、募集設立のいずれの場合でも、設立時取締役が職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、不足額填補責任を負わない。

募集設立の場合でも、現物出資財産の価額が相当であることを証明した弁護士は、注意を怠らなかったことを証明したときは、不足額填補責任を負わない。

金銭の払込みを仮装した発起人は、職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときでも、払込みを仮装した金銭の全額の支払業務を負う。

発起人が現物出資財産の給付を仮装した場合、株式会社は、給付に代えて、その財産の価額に相当する金銭の支払いを請求することはできない。

金銭の払込みを仮装した発起人は、その金銭の全額の支払いをした後でなければ、株主としての権利を行使することができない。

株式会社の成立につき任務を怠ったことによる株式会社に対する損害賠償の責任は、発起人と設立時取締役のほか設立時監査役も負う。

発起人は、総株主の同意があれば、第三者に対する損害賠償の責任を免れることができる。

株式会社が成立しなかったときは、発起人および設立時取締役は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為の責任等を負う。

会社の設立無効の訴えは、会社の成立の日から6ヶ月以内に、訴えをもってのみ主張することができる。

会社の設立無効の訴えに係る請求認容判決が確定したときは、その判決で無効とされた行為は、将来に向かってその効力を失う。