教師の教育の自由については、憲法第23条が保障する学問の自由から導き出されるものであるが、子どもの教育は、教師と子どもとの間の直接の人格的接触を通じ、子どもの個性に応じて弾力的に行わなければならないという教育の本質的要請に照らせば、知識の伝達と能力の開発を主とする普通教育の場においても、大学における教授の自由と同程度の教授の自由が認められる。×
大学の学問の自由と自治は、直接には教授その他の研究者の研究、その結果の発表、研究結果の教授の自由とこれらを保障するための自治とを意味すると解され、これらの自由と自治の効果として、大学の施設が大学当局によって自治的に管理され、学生も学問の自由と施設の利用を認められる。○
報道機関の報道は、国民が国政に関与するにつき、重要な判断の資料を提供し、国民の「知る権利」に奉仕するものであるから、事実の報道の自由も憲法21条の保障の下にある。○
私人間において、当事者の一方が情報の収集、管理、処理につき強い影響力を持つ日刊新聞紙を全国的に発行・発売する者である場合、新聞に取りあげられた他方の当事者には、不法行為の成否にかかわらず、反論文を無修正かつ無料で新聞紙上に掲載することを請求できる権利が憲法21条1項の規定から直接に生じるというべきである。×
各人がさまざまな意見、知識、情報に接し、これを摂取する自由は、憲法21条1項の趣旨、目的からの派生原理である。筆記行為の自由は、同項の規定の精神に照らして尊重されるべきであり、傍聴人が法廷でメモを取ることは、故なく妨げられてはならない。○
公職選挙候補者への批判等に関する出版物の事前差止めは、その表現内容が真実でなく、又は専ら公益目的のものでないことが明白で、かつ被害者が重大で著しく回復困難な損害を被るおそれがあるときは、例外的に許されるとした。○
行列行進又は集団示威活動について、公共の秩序の維持、公共の福祉の侵害防止のためであれば、合理的かつ明確な基準がなくても、公安条例によりあらかじめ許可を受けさせることは違憲ではないとした。×
税関等における書籍等の検査は、関税徴収手続きの一環として行われ、思想内容等それ自体の網羅的審査、規制を目的とはしていないが、国民が書籍等に接する前に規制がなされるものであり、検閲に該当し、違憲であるとした。×
報道機関の報道は国民の知る権利に奉仕するものであり、報道のための取材の自由は、表現の自由を規定した憲法の保障の下にあるため、これを制約することはいかなる場合も許されないとした。×
憲法は、新聞記者に対し、記事の取材源については、公の福祉のため最も重大な司法権の公正な発動につき必要欠くべからざる証言であっても、取材の自由を妨げるとして、それを拒絶する権利を特別に保障しているとした。×
裁判所の許可を得ない限り公判廷における取材活動のための写真撮影を行うことができないとすることは、憲法に違反しない。○
事実の報道の自由は、国民の知る権利に奉仕するものであるものの、憲法第21条によって保証されるわけではなく、報道のための取材の自由も、憲法第21条とは関係しない。×
美観風致の維持及び講習に対する危害防止の目的のために、屋外広告物の表示の場所・方法及び屋外広告物を掲出する物件の設置・維持について必要な規制をすることは、それが営利と関係のないものも含めて規制の対象としていたとしても、公共の福祉のため、表現の自由に対して許された必要かつ合理的な制限であると言える。○
人の名誉を害する文書について、裁判所が、被害者からの請求に基づいて当該文書の出版の差止めを命ずることは、憲法21条2項の定める「検閲」に該当するが、一定の要件の下において例外的に許容される。×
空港建設に反対する集会の開催を目的とした公の施設(市民会館)の使用許可申請を不許可にした処分に関し、市の市民会館条例が不許可事由として定める「公の秩序をみだすおそれがある場合」とは、集会の自由を保障することの重要性よりも、集会が開かれることによって、人の生命、身体又は財産が侵害され、公共の安全が損なわれる危険を回避し、防止することの必要性が優越する場合をいうものと限定して解すべきであり、その危険性の程度としては、単に危険な事態を生ずる蓋然性はあるというだけでは足りず、明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見されることが必要である。○
デモ行進は、思想、主張、感情等の表現を内包するものであるが、純粋の言論と異なって、一定の行動を伴うものであり、その潜在的な力は、甚だしい場合は一瞬にして暴徒と化すことが群集心理の法則と現実の経験に徴して明らかであるから、表現の自由として憲法上保障される要素を有さず、デモ行進の自由は、憲法21条1項によって保障される権利とはいえない。×
集団行動の実施について、都道府県の公安条例をもって、地方的情況その他諸般の事情を十分考慮に入れ、不測の事態に備え、法と秩序を維持するのに必要かつ最小限度の措置を事前に講ずることはやむを得ないから、公安委員会に広範な裁量を与え、不許可の場合を厳格に制限しない、一般的な許可制を定めて集団行動の実施を事前に抑制することも、憲法に違反しない。×
私の公安条例が集団行進についての遵守事項の一つとして「交通秩序を維持すること」と規定している場合、当該規定は、抽象的で立法措置として著しく妥当性を欠くものであるが、集団行進を実施するような特定の判断能力を有する当該集団行進の主催者、指導者、又は煽動者の理解であれば、具体的な場合に当該行為がその適用を受けるものかどうかの判断を可能ならしめる基準が読みとれるから、憲法に違反しない。
×
結社の自由や団結権に基づいて結成された団体は、その構成員に大師、その目的に即して合理的な範囲内での統制権を有するから、地方議会議員の選挙にあたり、労働組合が、統一候補以外の組合員で立候補しようとする者に対し、立候補を思いとどまらせる勧告又は説得の域を超え、立候補を取りやめることを要求し、これに従わないことを理由にその組合員を統制違反者として処分することも、組合の統制権の範囲内の行為として許される。
×
報道関係者の取材源の秘密は、民事訴訟法に規定する職業の秘密にあたり、民事事件において証人となった報道関係者は、保護に値する秘密についてのみ取材源にかかる証言拒絶が認められると解すべきであり、保護に値する秘密であるかどうかは、秘密の公表によって生ずる不利益と証言の拒絶によって犠牲になる真実発見及び裁判の公正との比較衡量により決せられるべきであるとした。
○
夕刊和歌山時事に掲載された記事により名誉が毀損されたとする事件で、刑法は、公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損したものを処罰対象とするが、事実の真否を判断、真実であることの証明があったときは罰しないとするところ、被告人の摘示した事実につき真実である証明がない以上、真実であると誤信したことにつき相当の理由があったとしても名誉毀損の罪責を免れ得ないとした。
×
著名な小説家が執筆した小説によって、交友関係のあった女性がプライバシーを侵害された事件で、当該小説において問題とされている表現内容は、公共の利害に関する事項であり、侵害行為の対象となった人物の社会的地位や侵害行為の性質に留意することなく、侵害行為の差止めを肯認すべきであり、当該小説の出版等の差止め請求は肯認されるとした。
×
公立図書館の図書館職員が閲覧に供されている図書を著作者の思想や信条を理由とするなど不公正な取り扱いによって廃棄することは、当該著作者が著作物によって、その思想、意見等を公衆 に伝達する利益を損なうものであるが、当該利益は、当該図書館が住民の閲覧に供したことによって反射的に生じる事実上の利益にすぎず、法的保護に値する人格的利益であるとはいえない。
×
電柱などのビラ貼りを全面的に禁止する大阪市屋外広告物条例の合憲性が争われた事件で、当該条例は、都市の美観風致を維持するために必要な規制をしているものであるとしても、ビラの貼付が何ら営利と関係のない純粋な政治的意見を表示するものである場合、当該規制は公共の福祉のため、表現の自由に対し許された必要かつ合理的な制限であるとはいえないとした。
×
筆記行為の自由は、様々な意見、知識、情報に接し、これを摂取することを補助するものとしてなされる限り、憲法の規定の精神に照らして尊重されるべきであり、裁判の公開が制度として保障されていることに伴い、傍聴人は法廷における裁判を見聞することができるのであるから、傍聴人が法廷においてメモを取ることは、その見聞する裁判を認識、記憶するためになされるものである限り、尊重に値し、故なく妨げられてはならないとした。
○
インターネットの個人利用者による表現行為の場合においては、他の表現手段を利用した場合と区別して考えるべきであり、行為者が摘示した事実を真実であると誤信したことについて、確実な資料、根拠に照らして相当の理由があると認められなくても、名誉毀損罪は成立しないものと解するのが相当であるとした。
×
報道の自由は、憲法が保障する表現の自由のうちでも特に重要なものであるから、報道機関の国政に関する取材行為の手段・方法が、取材対象者の個人としての人格の尊厳を著しく蹂躙する等法秩序全体の精神に照らし社会観念上是認することのできない態様のものである場合であっても、一般の刑罰法令に触れないものであれば、正当な取材活動の範囲を逸脱し違法性を帯びるものとはいえないとした。
×
名誉権に基づく出版物の頒布等の事前差し止めは、その対象が公職選挙の候補者に対する評価等の表現行為に関するものである場合には、その表現が私人の名誉権に優先する社会的価値を含むため原則として許されないが、その表現内容が真実でないことが明白である場合には、被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被るおそれがなくても、例外的に事前差止めが許されるとした。
×
新聞記事に取り上げられた者は、その記事の掲載により名誉ないしプライバシーに重大な影響を及ぼされた場合には、名誉毀損の不法行為が成立しなくても、当該新聞を発行・販売する者に対し、条理又は人格権に基づき、当該記事に対する自己の反論文を無修正かつ無料で掲載することを求めることができるとした。
×
通信の秘密は、公権力による通信内容の探索の可能性を断ち切るために保障されていることから、その保障は、通信の内容にのみ及び、通信の差出人や受取人の住所等の情報には及ばないと一般に解されている。
×
税関検査により輸入を禁止される表現物は、国外においてすでに発表済みのものであるし、税関により没収、廃棄されるわけではないから、発表の機会が事前に全面的に奪われているわけではないこと、税関長の通知がされたときは司法審査の機会が与えられているのであって、行政権の判断が最終的なものとされているわけではないことを踏まえると、税関検査は憲法が絶対的に禁止している検閲には当たらないとするのが判例である。
○
ある行為が、憲法により国及びその機関が行うことが禁止されている宗教的活動に該当するかどうかを検討するにあたっては、当該行為の主宰者が宗教家であるかどうか、その順序作法が宗教の定める方式に則ったものであるかどうかなど当該行為の外形的側面を考慮してはならず、当該行為が行われる場所の近辺に移住する者の当該行為に対する宗教的評価を中心として、当該行為者が当該行為を行うについての意図、目的及び宗教的意識の有無、程度等、諸般の事情を考慮し、社会通念に従って、客観的に判断しなければならないとするのが判例である。
×
報道機関の報道は、民主主義社会において、国民が国政に関与するにつき、重要な判断の資料を提供し、国民の「知る権利」に奉仕するものであるから、思想の表明の自由と並んで、事実の報道の自由は、表現の自由を規定した憲法21条の保障の下にあることはいうまでもなく、また、このような報道機関の報道が正しい内容を持つためには、報道の自由とともに、報道のための取材の自由も、憲法21条の精神に照らし、十分尊重に値するものといわなければならないとするのが判例である。
○
政党間の批判・論評は、表現の自由において特に保障されるべき性質のものであることから、政党は、自己に対する批判的な記事が他の政党の意見広告として新聞に掲載されたという理由のみをもって、具体的な成文法がなくとも、その記事への反論文を掲載することを当該新聞を発行・販売する者に対して求める権利が憲法上認められるとするのが判例である。
×
職業選択の自由は、各人が自己の選択した職業に就くことを国家により妨げられないことを意味し、各人が自己の選択した職業の遂行を国家により妨げられないことを意味するものではない。
×
職業選択の自由に対する規制は、国民の生命、健康に対する危険を防止するために課される積極目的規制と、福祉国家理念に基づいて社会・経済的弱者を保護するために課される消極目的規制とに区別される。
×
小売市場の許可制は、中小企業保護政策としての措置であるが、その目的において合理性が認められず、手段、態様において著しく不合理であることが、明白であるとした。
×
薬局開設の適正配置規制は、国民の生命、健康に対する危険を防止するための規制であるが、その目的はより緩やかな規制手段によっても十分に達成できるので、必要かつ合理的な規制とはいえないとした。
○
酒類販売の免許制は、租税の適正かつ確実な賦課徴収を図るという国家の財政目的による規制であるが、その必要性と合理性についての立法府の判断が裁量の範囲を逸脱し著しく不合理であるとした。
×
小売市場事件では、小売市場解説の許可規制が消極的・警察的目的の規制であると認定したが、規制の目的に対して規制手段は必要以上に制限的でないとして、許可規制の合理性を認めた。
×
薬局距離制限事件では、薬局開設の距離制限が薬局等の経営保護という社会経済政策の一環としての規制であり、目的に合理性が認められ、規制の手段・態様も著しく不合理であるとはいえないとして、距離制限の合理性を認めた。
×
1989年の公衆浴場距離制限事件では、公衆浴場の設立を業者の自由に委ねると偏在のおそれや乱立による過当競争のおそれがあるとし、制限を消極的・警察的目的の規制であるとした上で、距離制限規定は違憲であるとした。
×
酒類販売免許制事件では、租税の適正・確実な賦課徴収のための許可制は、その必要性と合理性について、立法府の政策的・技術的な裁量を逸脱し著しく不合理なものでない限り違憲ではないとの立場から、免許制度の合理性を認めた。
○
西陣ネクタイ事件では、生糸の輸入制限措置は、国内の生糸制限業者の保護という積極目的規制であるとしたが、絹織物製造業者の営業の自由を侵害しており、規制手段が合理的であるとはいえず、違憲であるとした。
×
自家用自動車を有償運輸の用に供することを禁止している道路運送法の規定は、自家用自動車の有償運送行為が無免許営業に発展する危険性の多いものとは認められず、公共の福祉の確保のために必要な制限と解することができないため、憲法に違反するとした。
×
小売商業調整特別措置法の小売市場の開設許可規制は、小売商の共倒れから小売商を保護するために取られた措置であると認められるが、その目的、規制の手段及び態様において著しく不合理であることが明白であり、憲法に違反するとした。
×
薬事法の薬局の適正配置規制は、国民の生命および健康に対する危険の防止という消極的、警察的目的のための措置ではなく、薬局の経営の保護という社会政策的目的のものであるが、薬局の偏在に伴う過当競争による不良医薬品の供給の危険は、観念上の想定にすぎず、公共の利益のために必要かつ合理的な規制を定めたものということができないから、憲法に違反し、無効であるとした。
×
平成元年の公衆浴場法による公衆浴場の適正配置規制に関する判決では、当該規制は公衆浴場業者が経営の困難から廃業や転業をすることを防止し、国民の保健福祉を維持するという積極的、社会経済政策的な規制目的を有するが、その手段としての必要性と合理性を有していると認められず、憲法に違反し、無効であるとした。
×
法律に別段の定めがある場合を除き、司法書士および公共嘱託登記司法書士協会以外の者が、他人の嘱託を受けて、登記に関する手続きについて代理する業務及び登記申請書類を作成する業務を行うことを禁止し、これに違反したものを処罰する司法書士法の規定は、公共の福祉に合致した合理的なもので憲法に違反するものではないとした。
○
営業の自由は財産権の行使として憲法第29条により保障されるから、憲法第22条が保障する「職業選択の自由」には、営業の自由は含まれない。
×
職業選択の自由を規制する手段としては、届出制、許可制、資格制、特許制などがあるが、国家独占は職業選択の自由を害するものとして認められることはない。
×
職業の許可制は、職業選択の自由に対する強力な制限であるから、その合憲性を肯定し得るためには、原則として、重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置であることを要するが、この要請は、個々の許可条件の合憲性判断においてまで求められるものではない。
×
憲法第22条第1項が「公共の福祉に反しない限り」という留保を伴っているのは、職業活動は社会的相互関連性が大きく、精神的自由と比較して、公権力による規制の要請が強いことを強調する趣旨によるものである。
○
職業選択の自由に対する規制の目的には、主として国民の生命及び健康に対する危険を防止又は除去ないし緩和するために課せられる積極目的規制と、福祉国家の理念に基づいて、経済の調和のとれた発展を確保し、特に社会的、経済的弱者を保護するために、社会経済政策の一環として実施される消極目的規制がある。
×
憲法第22条の保障する居住・移転の自由は、自己の住所又は居所を自由に決定し移動することを内容とするものであり、旅行のような人間の移動の自由は含まれないため、旅行の自由は、国の内外を問わず、同条によってではなく、一般的な自由又は幸福追求権の一部として憲法第13条により保障される。
×
憲法第22条第1項は日本国内における居住・移転の自由を保障するにとどまり、外国人に入国の自由は保障されないが、同条第2項にいう外国居住の自由はその権利の性質上外国人に限って保障しないという理由はなく、出国の自由は外国人にも保障される。
○
職業の許可制は、職業選択の自由そのものに制約を課すもので、職業の自由に対する強力な制限であるから、その合憲性を肯定するためには、原則として、重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置であることを要し、また、それが、自由な職業活動が社会公共に対してもたらす弊害を防止するための消極的、警察的措置ではなく、社会政策ないしは経済政策上の積極的な目的のための措置である場合には、許可制に比べて職業の自由に対するより緩やかな制限である職業活動の内容及び態様に対する規制によっては目的を十分に達成することができないと認められることを要する。
×
法律に別段の定めがある場合を除き、司法書士及び公共嘱託登記司法書士協会以外の者が、他人の嘱託を受けて、登記に関する手続について代理する業務及び登記申請書類を作成する業務を行うことを禁止し、これに違反した者を処罰する司法書士法の規定は、登記制度が国民の権利義務等社会生活上の利益に重大な影響を及ぼすものであることなどに鑑みたものであり、公共の福祉に合致した合理的な規制を定めたものであって、憲法第22条第1項に違反しない。
○
薬局及び医薬品の一般販売業の開設に適正配置を要求する薬事法の規定は、不良医薬品の供給による国民の保険に対する危険を完全に防止するためには、薬局等の乱設による過当競争が生じるのを防ぎ、小企業の多い薬局等の経営の保護を図ることが必要であることなどに鑑みたものであり、公共の福祉に合致した合理的な規制を定めたものであって、憲法第22条第1項に違反しない。
×
居住・移転の自由は、職業選択の自由及び財産権の保障と並んで、資本主義経済の基礎を支えるものとして、経済的自由の性質を有する。
○
居住・移転の自由は、広く人の移動の自由を保障するという意味において、人身の自由と密接に関連するが、精神的自由とは関連性を有しない。
×
海外渡航の自由は、居住・移転の自由に含まれるとして憲法22条1項によって保障されていると解する説(A説)、外国への移住に類似するものとして憲法22条2項によって保障されていると解される説(B説)、憲法13条の幸福追求権の一つとして保障されていると解する説(C説)があるが、最高裁判所の判例は、C説の立場である。
×
最高裁判所の判例は、著しくかつ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者に対して、外務大臣が旅券の発給を拒否できると定める旅券法上の規定につき、公共の福祉のために合理的な制限を定めたものであり、違憲ではないとした。
○
憲法22条2項は国籍離脱の自由を認めているが、ここには、無国籍になる自由も含まれる。
×
憲法第29条は、個人の現に有する具体的な財産上の権利のみならず、個人が財産権を享有し得る法制度を保障している。
○
憲法第29条第3項にいう「公共のために用ひる」とは、病院や道路の建設といった公共事業のための収用を指し、特定個人が受益者となる場合は含まれない。
×
判例は、憲法第29条第3項を直接の根拠として保障請求をする余地を否定していない。
○
財産権保障の意味は、個人の現に有する具体的な財産上の権利を保障することにとどまり、私有財産制を保障することではない。
×
財産権は、公共の福祉による制約を受け、財産権は、内在的制約ばかりではなく、積極目的による規制である政策的制約にも服する。
○
財産権の内容は、法律により定めなければならず、財産権を制限する場合にも法律によることが必要であり、法律の範囲内であっても条例による財産権の制限は認められていない。
×
公共のために私有財産の制限を受けた者が補償を請求するには、法律の具体的な補償規定に基づくことが必要であり、当該法律に保障の規定を欠く場合、憲法を直接根拠に補償請求を行うことはできない。
×
ため池の破損、決壊の原因となるため池の堤とうの使用行為は、憲法、民法の保障する財産権の行使の埒外にあり、これらの行為を条例によって禁止、処罰しても憲法に抵触せず、条例で定めても違憲ではないが、ため池の堤とうを使用する財産上の権利を有する者は、その財産権の行使をほとんど全面的に禁止されることになるから、これによって生じた損失は、憲法によって正当な補償をしなければならないとした。
×
インサイダー取引の規制を定めた証券取引法は、証券取引市場の公平性、公正性を維持するとともにこれに対する一般投資家の信頼を確保するという目的による規制を定める者であるところ、その規制目的は正当であり、上場会社等の役員又は主要株主に対し、一定期間内に行われた取引から得た利益の提供請求を認めることは、立法目的達成のための手段として、必要性又は合理性に欠けることが明らかであるとはいえないのであるから、憲法に違反するものではないとした。
○
森林法が共有森林につき持分価額2分の1以下の共有者に民法所定の分割請求権を否定しているのは、森林の細分化を防止することによって森林経営の安定を図るとする森林法の立法目的との関係において、合理性と必要性のいずれをも肯定することができ、この点に関する立法府の判断は、その合理的裁量の範囲内であるというべきであるから、憲法に違反するものではないとした。
×
財産上の犠牲が、公共のために必要な制限によるものとはいえ、単に一般的に当然に受認すべきものとされる制限の範囲を超え、特別の犠牲を課したものである場合に、法令に損失補償に関する規定がないからといって、あらゆる場合について一切の損失補償を全く否定する趣旨とまでは解されず、直接憲法を根拠にして、補償請求をする余地が全くないわけではないとした。
○
憲法第29条第1項は、「財産権は、これを侵してはならない。」と規定し、私有財産制度を保障しているのみではなく、社会的経済的活動の基礎をなす国民の個々の財産権につき、これを基本的人権として保障している。
○
憲法第29条第2項は、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める。」と規定しており、私有地に対する個人の権利の内容を法律によらずに条例で規制することは同項に違反する。
×
土地収用法上の収容における損失の補償については、収用の前後を通じて被収用者の財産価値を等しくならしめるような補償をなすべきであり、金銭をもって保障する場合には、被収用者が近傍において被収用地と同等の代替地等を取得することを得るに足りる金額の補償を要する。
○
財産権について、憲法は正当な補償に関して規定するのみで、補償の時期については規定していないが、補償が財産の供与と交換的に同時に履行されるべきことは、憲法の保障するところであるといえる。
×
ある法令が財産権の制限を認める場合に、その法令に損失補償に関する規定がないからといって、その制限によって損失を被った者が、当該損失を具体的に主張立証して、直接、憲法第29条第3項を根拠として補償を請求する余地が全くないとはいえない。
○
関税法違反の被告人の附加刑として、犯罪に関係ある船舶、貨物等で、被告人以外の第三者の所有物を没収する場合、当該第三者に対し、告知、弁解、防御の機会を与えずにその所有権を奪っても、憲法に違反しないとした。
×
憲法の規定する法定手続の保障は、直接には刑事手続に関する者であるが、行政手続についても当然にその保障が及ぶため、行政処分を行う場合には、相手方に事前の告知、弁解、防御の機会を必ず与える必要があるとした。
×
刑罰法規があいまい不明確のため憲法に違反するか否かは、通常の判断能力を有する一般人の理解において、具体的場合にある行為がその適用を受けるか否かの判断を可能とする基準が読み取れるかどうかにより決定すべきとした。
○
刑事裁判の量刑は、被告人の経歴等を考慮して裁判所が決定すべきものであり、起訴されていない犯罪事実を余罪として認定し、実質上これを処罰する趣旨で量刑の際に考慮し、被告人を重く処罰しても憲法に違反しないとした。
×
条例は、公選の議員をもって組織する地方公共団体の議会の議決を経て制定されるので、法律から授権されることなく刑罰を定めても憲法に違反しないが、政令が法律の委任によって刑罰を定めることは、憲法に違反するとした。
×
憲法第31条は、「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」と規定しているが、これは手続が法律で定められることを要求するものであり、法律で定められた手続が適正であることまでを要求するものではないと一般に解されている。
×
憲法第33条は、「何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。」と規定している。このため、たとえ厳格な制約の下に、罪状の重い一定の犯罪のみについて、緊急やむを得ない場合に限り、逮捕後直ちに裁判官の審査を受けて逮捕状を求めることを条件としても、令状なく緊急に被疑者を逮捕することは認められないとするのが判例である。
×
憲法第37条第1項は、「すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。」と規定しているが、個々の刑事事件について、審理の著しい遅延の結果、被告人の迅速な裁判を受ける権利が害されたと認められる異常な事態が生じた場合であっても、裁判所は、これに対処すべき具体的規定がなければ、その審理を打ち切るという非常救済手段を用いることはできないとするのが判例である。
×
旧所得税法に定める検査は、あらかじめ裁判官の発する令状によることを一般的要件としていないところ、検査の性質が刑事責任の追及を目的とするものではなく、所得税の公平確実な賦課徴収を図るという公益上の目的を実現するため不可欠のものであるとしても、強制的に行われ、検査の結果として刑事責任の追及につながる可能性があることから、憲法に定める令状主義に反するとするのが判例である。
×
刑事事件における証人喚問権は、憲法上明文で認められている権利であるが、裁判所は、被告人又は弁護人からした証人申請に基づき全ての証人を喚問し、不必要と思われる証人までをも全て尋問する必要はなく、当該事件の裁判を行うのに必要適切な証人を喚問すればよいとするのが判例である。
○
憲法の定める法定手続の保障は、手続が法律で定められることだけでなく、その法律で定められた手続が適正でなければならないこと、実体もまた法律で定められなければならないことを意味するが、法律で定められた実体規定も適正でなければならないことまで要求するものではない。
×
何人も、理由を直ちに告げられ、かつ、直ちに弁護人に依頼する権利を与えられなければ、抑留または拘禁されず、また、何人も、正当な理由がなければ、抑留されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。
×
何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利が保障されており、住居の捜索や所持品の押収については裁判官が発した令状によりこれを行う必要があるので、令状逮捕の場合以外に住居の捜索や所持品の押収を行うことは許されない。
×
最高裁判所の判例では、憲法の迅速な裁判の保障条項は、迅速な裁判を保障するために必要な措置をとるべきことを要請するにとどまらず、審理の著しい遅延の結果、迅速な裁判を受ける被告人の権利が害されたと認める異常な事態が生じた場合、これに対処すべき具体的規定がある場合に限りその審理を打ち切る非常救済手段がとられるべきことを認める趣旨の規定であるとした。
×
最高裁判所の判例では、憲法の定める法廷手続の保障が、行政手続に及ぶと解すべき場合であっても、一般に行政手続は刑事手続とその性質においておのずから差異があり、また、行政目的に応じて多種多様であるから、行政処分の相手方に事前の告知、弁解、防御の機会を常に必ず与えることを必要とするものではないとした。
○
憲法第37条第1項は、単に迅速な裁判を一般的に保障するために必要な立法上及び司法行政上の措置をとるべきことを要請しているだけでなく、個々の具体的な刑事事件について、当該保障に明らかに反し、審理の著しい保障の結果、迅速な裁判を受ける被告人の権利が害されたと認められる異常な事態が生じた場合には、審理を打ち切ることも認めている趣旨であると解される。
○
憲法第31上の定める法廷手続の保障は、直接には刑事手続に関するものであるが、行政手続についても人権保障の観点からそのすべてについて同条による保障が及ぶため、行政処分を行う際は、必ず事前の告知、弁解、防御の機会を与えなければならない。
×
いわゆる緊急逮捕に関して、刑事訴訟法第210条に規定される厳格な制約の下に、罪状の重い一定の犯罪のみについて、緊急やむを得ない場合に限り、逮捕後直ちに裁判官の審査を受けて逮捕状の発行を求めることを条件として、被疑者の逮捕を認めることは、憲法第33条の趣旨に反するものではない。
○
旧道路交通取締法に基づく自動車運転者に係る交通事故の報告義務について、報告を要求される事故の内容には刑事上の責任を問われるおそれのある事故の原因その他の事項は含まれていないとしても、結果的に自己の犯罪発覚につながる情報提供を義務付けることになるから、当該報告義務を課すことは憲法第38条第1項に違反する。
×
公判廷における被告人の自白は、裁判所の自由心証によって真実に合致するのと認められる場合には、さらにほかの補強証拠を必要としないで犯罪事実の認定をすることができ、憲法38条第3項の「本人の自白」には含まれない。
○
教師の教育の自由については、憲法第23条が保障する学問の自由から導き出されるものであるが、子どもの教育は、教師と子どもとの間の直接の人格的接触を通じ、子どもの個性に応じて弾力的に行わなければならないという教育の本質的要請に照らせば、知識の伝達と能力の開発を主とする普通教育の場においても、大学における教授の自由と同程度の教授の自由が認められる。×
大学の学問の自由と自治は、直接には教授その他の研究者の研究、その結果の発表、研究結果の教授の自由とこれらを保障するための自治とを意味すると解され、これらの自由と自治の効果として、大学の施設が大学当局によって自治的に管理され、学生も学問の自由と施設の利用を認められる。○
報道機関の報道は、国民が国政に関与するにつき、重要な判断の資料を提供し、国民の「知る権利」に奉仕するものであるから、事実の報道の自由も憲法21条の保障の下にある。○
私人間において、当事者の一方が情報の収集、管理、処理につき強い影響力を持つ日刊新聞紙を全国的に発行・発売する者である場合、新聞に取りあげられた他方の当事者には、不法行為の成否にかかわらず、反論文を無修正かつ無料で新聞紙上に掲載することを請求できる権利が憲法21条1項の規定から直接に生じるというべきである。×
各人がさまざまな意見、知識、情報に接し、これを摂取する自由は、憲法21条1項の趣旨、目的からの派生原理である。筆記行為の自由は、同項の規定の精神に照らして尊重されるべきであり、傍聴人が法廷でメモを取ることは、故なく妨げられてはならない。○
公職選挙候補者への批判等に関する出版物の事前差止めは、その表現内容が真実でなく、又は専ら公益目的のものでないことが明白で、かつ被害者が重大で著しく回復困難な損害を被るおそれがあるときは、例外的に許されるとした。○
行列行進又は集団示威活動について、公共の秩序の維持、公共の福祉の侵害防止のためであれば、合理的かつ明確な基準がなくても、公安条例によりあらかじめ許可を受けさせることは違憲ではないとした。×
税関等における書籍等の検査は、関税徴収手続きの一環として行われ、思想内容等それ自体の網羅的審査、規制を目的とはしていないが、国民が書籍等に接する前に規制がなされるものであり、検閲に該当し、違憲であるとした。×
報道機関の報道は国民の知る権利に奉仕するものであり、報道のための取材の自由は、表現の自由を規定した憲法の保障の下にあるため、これを制約することはいかなる場合も許されないとした。×
憲法は、新聞記者に対し、記事の取材源については、公の福祉のため最も重大な司法権の公正な発動につき必要欠くべからざる証言であっても、取材の自由を妨げるとして、それを拒絶する権利を特別に保障しているとした。×
裁判所の許可を得ない限り公判廷における取材活動のための写真撮影を行うことができないとすることは、憲法に違反しない。○
事実の報道の自由は、国民の知る権利に奉仕するものであるものの、憲法第21条によって保証されるわけではなく、報道のための取材の自由も、憲法第21条とは関係しない。×
美観風致の維持及び講習に対する危害防止の目的のために、屋外広告物の表示の場所・方法及び屋外広告物を掲出する物件の設置・維持について必要な規制をすることは、それが営利と関係のないものも含めて規制の対象としていたとしても、公共の福祉のため、表現の自由に対して許された必要かつ合理的な制限であると言える。○
人の名誉を害する文書について、裁判所が、被害者からの請求に基づいて当該文書の出版の差止めを命ずることは、憲法21条2項の定める「検閲」に該当するが、一定の要件の下において例外的に許容される。×
空港建設に反対する集会の開催を目的とした公の施設(市民会館)の使用許可申請を不許可にした処分に関し、市の市民会館条例が不許可事由として定める「公の秩序をみだすおそれがある場合」とは、集会の自由を保障することの重要性よりも、集会が開かれることによって、人の生命、身体又は財産が侵害され、公共の安全が損なわれる危険を回避し、防止することの必要性が優越する場合をいうものと限定して解すべきであり、その危険性の程度としては、単に危険な事態を生ずる蓋然性はあるというだけでは足りず、明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見されることが必要である。○
デモ行進は、思想、主張、感情等の表現を内包するものであるが、純粋の言論と異なって、一定の行動を伴うものであり、その潜在的な力は、甚だしい場合は一瞬にして暴徒と化すことが群集心理の法則と現実の経験に徴して明らかであるから、表現の自由として憲法上保障される要素を有さず、デモ行進の自由は、憲法21条1項によって保障される権利とはいえない。×
集団行動の実施について、都道府県の公安条例をもって、地方的情況その他諸般の事情を十分考慮に入れ、不測の事態に備え、法と秩序を維持するのに必要かつ最小限度の措置を事前に講ずることはやむを得ないから、公安委員会に広範な裁量を与え、不許可の場合を厳格に制限しない、一般的な許可制を定めて集団行動の実施を事前に抑制することも、憲法に違反しない。×
私の公安条例が集団行進についての遵守事項の一つとして「交通秩序を維持すること」と規定している場合、当該規定は、抽象的で立法措置として著しく妥当性を欠くものであるが、集団行進を実施するような特定の判断能力を有する当該集団行進の主催者、指導者、又は煽動者の理解であれば、具体的な場合に当該行為がその適用を受けるものかどうかの判断を可能ならしめる基準が読みとれるから、憲法に違反しない。
×
結社の自由や団結権に基づいて結成された団体は、その構成員に大師、その目的に即して合理的な範囲内での統制権を有するから、地方議会議員の選挙にあたり、労働組合が、統一候補以外の組合員で立候補しようとする者に対し、立候補を思いとどまらせる勧告又は説得の域を超え、立候補を取りやめることを要求し、これに従わないことを理由にその組合員を統制違反者として処分することも、組合の統制権の範囲内の行為として許される。
×
報道関係者の取材源の秘密は、民事訴訟法に規定する職業の秘密にあたり、民事事件において証人となった報道関係者は、保護に値する秘密についてのみ取材源にかかる証言拒絶が認められると解すべきであり、保護に値する秘密であるかどうかは、秘密の公表によって生ずる不利益と証言の拒絶によって犠牲になる真実発見及び裁判の公正との比較衡量により決せられるべきであるとした。
○
夕刊和歌山時事に掲載された記事により名誉が毀損されたとする事件で、刑法は、公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損したものを処罰対象とするが、事実の真否を判断、真実であることの証明があったときは罰しないとするところ、被告人の摘示した事実につき真実である証明がない以上、真実であると誤信したことにつき相当の理由があったとしても名誉毀損の罪責を免れ得ないとした。
×
著名な小説家が執筆した小説によって、交友関係のあった女性がプライバシーを侵害された事件で、当該小説において問題とされている表現内容は、公共の利害に関する事項であり、侵害行為の対象となった人物の社会的地位や侵害行為の性質に留意することなく、侵害行為の差止めを肯認すべきであり、当該小説の出版等の差止め請求は肯認されるとした。
×
公立図書館の図書館職員が閲覧に供されている図書を著作者の思想や信条を理由とするなど不公正な取り扱いによって廃棄することは、当該著作者が著作物によって、その思想、意見等を公衆 に伝達する利益を損なうものであるが、当該利益は、当該図書館が住民の閲覧に供したことによって反射的に生じる事実上の利益にすぎず、法的保護に値する人格的利益であるとはいえない。
×
電柱などのビラ貼りを全面的に禁止する大阪市屋外広告物条例の合憲性が争われた事件で、当該条例は、都市の美観風致を維持するために必要な規制をしているものであるとしても、ビラの貼付が何ら営利と関係のない純粋な政治的意見を表示するものである場合、当該規制は公共の福祉のため、表現の自由に対し許された必要かつ合理的な制限であるとはいえないとした。
×
筆記行為の自由は、様々な意見、知識、情報に接し、これを摂取することを補助するものとしてなされる限り、憲法の規定の精神に照らして尊重されるべきであり、裁判の公開が制度として保障されていることに伴い、傍聴人は法廷における裁判を見聞することができるのであるから、傍聴人が法廷においてメモを取ることは、その見聞する裁判を認識、記憶するためになされるものである限り、尊重に値し、故なく妨げられてはならないとした。
○
インターネットの個人利用者による表現行為の場合においては、他の表現手段を利用した場合と区別して考えるべきであり、行為者が摘示した事実を真実であると誤信したことについて、確実な資料、根拠に照らして相当の理由があると認められなくても、名誉毀損罪は成立しないものと解するのが相当であるとした。
×
報道の自由は、憲法が保障する表現の自由のうちでも特に重要なものであるから、報道機関の国政に関する取材行為の手段・方法が、取材対象者の個人としての人格の尊厳を著しく蹂躙する等法秩序全体の精神に照らし社会観念上是認することのできない態様のものである場合であっても、一般の刑罰法令に触れないものであれば、正当な取材活動の範囲を逸脱し違法性を帯びるものとはいえないとした。
×
名誉権に基づく出版物の頒布等の事前差し止めは、その対象が公職選挙の候補者に対する評価等の表現行為に関するものである場合には、その表現が私人の名誉権に優先する社会的価値を含むため原則として許されないが、その表現内容が真実でないことが明白である場合には、被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被るおそれがなくても、例外的に事前差止めが許されるとした。
×
新聞記事に取り上げられた者は、その記事の掲載により名誉ないしプライバシーに重大な影響を及ぼされた場合には、名誉毀損の不法行為が成立しなくても、当該新聞を発行・販売する者に対し、条理又は人格権に基づき、当該記事に対する自己の反論文を無修正かつ無料で掲載することを求めることができるとした。
×
通信の秘密は、公権力による通信内容の探索の可能性を断ち切るために保障されていることから、その保障は、通信の内容にのみ及び、通信の差出人や受取人の住所等の情報には及ばないと一般に解されている。
×
税関検査により輸入を禁止される表現物は、国外においてすでに発表済みのものであるし、税関により没収、廃棄されるわけではないから、発表の機会が事前に全面的に奪われているわけではないこと、税関長の通知がされたときは司法審査の機会が与えられているのであって、行政権の判断が最終的なものとされているわけではないことを踏まえると、税関検査は憲法が絶対的に禁止している検閲には当たらないとするのが判例である。
○
ある行為が、憲法により国及びその機関が行うことが禁止されている宗教的活動に該当するかどうかを検討するにあたっては、当該行為の主宰者が宗教家であるかどうか、その順序作法が宗教の定める方式に則ったものであるかどうかなど当該行為の外形的側面を考慮してはならず、当該行為が行われる場所の近辺に移住する者の当該行為に対する宗教的評価を中心として、当該行為者が当該行為を行うについての意図、目的及び宗教的意識の有無、程度等、諸般の事情を考慮し、社会通念に従って、客観的に判断しなければならないとするのが判例である。
×
報道機関の報道は、民主主義社会において、国民が国政に関与するにつき、重要な判断の資料を提供し、国民の「知る権利」に奉仕するものであるから、思想の表明の自由と並んで、事実の報道の自由は、表現の自由を規定した憲法21条の保障の下にあることはいうまでもなく、また、このような報道機関の報道が正しい内容を持つためには、報道の自由とともに、報道のための取材の自由も、憲法21条の精神に照らし、十分尊重に値するものといわなければならないとするのが判例である。
○
政党間の批判・論評は、表現の自由において特に保障されるべき性質のものであることから、政党は、自己に対する批判的な記事が他の政党の意見広告として新聞に掲載されたという理由のみをもって、具体的な成文法がなくとも、その記事への反論文を掲載することを当該新聞を発行・販売する者に対して求める権利が憲法上認められるとするのが判例である。
×
職業選択の自由は、各人が自己の選択した職業に就くことを国家により妨げられないことを意味し、各人が自己の選択した職業の遂行を国家により妨げられないことを意味するものではない。
×
職業選択の自由に対する規制は、国民の生命、健康に対する危険を防止するために課される積極目的規制と、福祉国家理念に基づいて社会・経済的弱者を保護するために課される消極目的規制とに区別される。
×
小売市場の許可制は、中小企業保護政策としての措置であるが、その目的において合理性が認められず、手段、態様において著しく不合理であることが、明白であるとした。
×
薬局開設の適正配置規制は、国民の生命、健康に対する危険を防止するための規制であるが、その目的はより緩やかな規制手段によっても十分に達成できるので、必要かつ合理的な規制とはいえないとした。
○
酒類販売の免許制は、租税の適正かつ確実な賦課徴収を図るという国家の財政目的による規制であるが、その必要性と合理性についての立法府の判断が裁量の範囲を逸脱し著しく不合理であるとした。
×
小売市場事件では、小売市場解説の許可規制が消極的・警察的目的の規制であると認定したが、規制の目的に対して規制手段は必要以上に制限的でないとして、許可規制の合理性を認めた。
×
薬局距離制限事件では、薬局開設の距離制限が薬局等の経営保護という社会経済政策の一環としての規制であり、目的に合理性が認められ、規制の手段・態様も著しく不合理であるとはいえないとして、距離制限の合理性を認めた。
×
1989年の公衆浴場距離制限事件では、公衆浴場の設立を業者の自由に委ねると偏在のおそれや乱立による過当競争のおそれがあるとし、制限を消極的・警察的目的の規制であるとした上で、距離制限規定は違憲であるとした。
×
酒類販売免許制事件では、租税の適正・確実な賦課徴収のための許可制は、その必要性と合理性について、立法府の政策的・技術的な裁量を逸脱し著しく不合理なものでない限り違憲ではないとの立場から、免許制度の合理性を認めた。
○
西陣ネクタイ事件では、生糸の輸入制限措置は、国内の生糸制限業者の保護という積極目的規制であるとしたが、絹織物製造業者の営業の自由を侵害しており、規制手段が合理的であるとはいえず、違憲であるとした。
×
自家用自動車を有償運輸の用に供することを禁止している道路運送法の規定は、自家用自動車の有償運送行為が無免許営業に発展する危険性の多いものとは認められず、公共の福祉の確保のために必要な制限と解することができないため、憲法に違反するとした。
×
小売商業調整特別措置法の小売市場の開設許可規制は、小売商の共倒れから小売商を保護するために取られた措置であると認められるが、その目的、規制の手段及び態様において著しく不合理であることが明白であり、憲法に違反するとした。
×
薬事法の薬局の適正配置規制は、国民の生命および健康に対する危険の防止という消極的、警察的目的のための措置ではなく、薬局の経営の保護という社会政策的目的のものであるが、薬局の偏在に伴う過当競争による不良医薬品の供給の危険は、観念上の想定にすぎず、公共の利益のために必要かつ合理的な規制を定めたものということができないから、憲法に違反し、無効であるとした。
×
平成元年の公衆浴場法による公衆浴場の適正配置規制に関する判決では、当該規制は公衆浴場業者が経営の困難から廃業や転業をすることを防止し、国民の保健福祉を維持するという積極的、社会経済政策的な規制目的を有するが、その手段としての必要性と合理性を有していると認められず、憲法に違反し、無効であるとした。
×
法律に別段の定めがある場合を除き、司法書士および公共嘱託登記司法書士協会以外の者が、他人の嘱託を受けて、登記に関する手続きについて代理する業務及び登記申請書類を作成する業務を行うことを禁止し、これに違反したものを処罰する司法書士法の規定は、公共の福祉に合致した合理的なもので憲法に違反するものではないとした。
○
営業の自由は財産権の行使として憲法第29条により保障されるから、憲法第22条が保障する「職業選択の自由」には、営業の自由は含まれない。
×
職業選択の自由を規制する手段としては、届出制、許可制、資格制、特許制などがあるが、国家独占は職業選択の自由を害するものとして認められることはない。
×
職業の許可制は、職業選択の自由に対する強力な制限であるから、その合憲性を肯定し得るためには、原則として、重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置であることを要するが、この要請は、個々の許可条件の合憲性判断においてまで求められるものではない。
×
憲法第22条第1項が「公共の福祉に反しない限り」という留保を伴っているのは、職業活動は社会的相互関連性が大きく、精神的自由と比較して、公権力による規制の要請が強いことを強調する趣旨によるものである。
○
職業選択の自由に対する規制の目的には、主として国民の生命及び健康に対する危険を防止又は除去ないし緩和するために課せられる積極目的規制と、福祉国家の理念に基づいて、経済の調和のとれた発展を確保し、特に社会的、経済的弱者を保護するために、社会経済政策の一環として実施される消極目的規制がある。
×
憲法第22条の保障する居住・移転の自由は、自己の住所又は居所を自由に決定し移動することを内容とするものであり、旅行のような人間の移動の自由は含まれないため、旅行の自由は、国の内外を問わず、同条によってではなく、一般的な自由又は幸福追求権の一部として憲法第13条により保障される。
×
憲法第22条第1項は日本国内における居住・移転の自由を保障するにとどまり、外国人に入国の自由は保障されないが、同条第2項にいう外国居住の自由はその権利の性質上外国人に限って保障しないという理由はなく、出国の自由は外国人にも保障される。
○
職業の許可制は、職業選択の自由そのものに制約を課すもので、職業の自由に対する強力な制限であるから、その合憲性を肯定するためには、原則として、重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置であることを要し、また、それが、自由な職業活動が社会公共に対してもたらす弊害を防止するための消極的、警察的措置ではなく、社会政策ないしは経済政策上の積極的な目的のための措置である場合には、許可制に比べて職業の自由に対するより緩やかな制限である職業活動の内容及び態様に対する規制によっては目的を十分に達成することができないと認められることを要する。
×
法律に別段の定めがある場合を除き、司法書士及び公共嘱託登記司法書士協会以外の者が、他人の嘱託を受けて、登記に関する手続について代理する業務及び登記申請書類を作成する業務を行うことを禁止し、これに違反した者を処罰する司法書士法の規定は、登記制度が国民の権利義務等社会生活上の利益に重大な影響を及ぼすものであることなどに鑑みたものであり、公共の福祉に合致した合理的な規制を定めたものであって、憲法第22条第1項に違反しない。
○
薬局及び医薬品の一般販売業の開設に適正配置を要求する薬事法の規定は、不良医薬品の供給による国民の保険に対する危険を完全に防止するためには、薬局等の乱設による過当競争が生じるのを防ぎ、小企業の多い薬局等の経営の保護を図ることが必要であることなどに鑑みたものであり、公共の福祉に合致した合理的な規制を定めたものであって、憲法第22条第1項に違反しない。
×
居住・移転の自由は、職業選択の自由及び財産権の保障と並んで、資本主義経済の基礎を支えるものとして、経済的自由の性質を有する。
○
居住・移転の自由は、広く人の移動の自由を保障するという意味において、人身の自由と密接に関連するが、精神的自由とは関連性を有しない。
×
海外渡航の自由は、居住・移転の自由に含まれるとして憲法22条1項によって保障されていると解する説(A説)、外国への移住に類似するものとして憲法22条2項によって保障されていると解される説(B説)、憲法13条の幸福追求権の一つとして保障されていると解する説(C説)があるが、最高裁判所の判例は、C説の立場である。
×
最高裁判所の判例は、著しくかつ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者に対して、外務大臣が旅券の発給を拒否できると定める旅券法上の規定につき、公共の福祉のために合理的な制限を定めたものであり、違憲ではないとした。
○
憲法22条2項は国籍離脱の自由を認めているが、ここには、無国籍になる自由も含まれる。
×
憲法第29条は、個人の現に有する具体的な財産上の権利のみならず、個人が財産権を享有し得る法制度を保障している。
○
憲法第29条第3項にいう「公共のために用ひる」とは、病院や道路の建設といった公共事業のための収用を指し、特定個人が受益者となる場合は含まれない。
×
判例は、憲法第29条第3項を直接の根拠として保障請求をする余地を否定していない。
○
財産権保障の意味は、個人の現に有する具体的な財産上の権利を保障することにとどまり、私有財産制を保障することではない。
×
財産権は、公共の福祉による制約を受け、財産権は、内在的制約ばかりではなく、積極目的による規制である政策的制約にも服する。
○
財産権の内容は、法律により定めなければならず、財産権を制限する場合にも法律によることが必要であり、法律の範囲内であっても条例による財産権の制限は認められていない。
×
公共のために私有財産の制限を受けた者が補償を請求するには、法律の具体的な補償規定に基づくことが必要であり、当該法律に保障の規定を欠く場合、憲法を直接根拠に補償請求を行うことはできない。
×
ため池の破損、決壊の原因となるため池の堤とうの使用行為は、憲法、民法の保障する財産権の行使の埒外にあり、これらの行為を条例によって禁止、処罰しても憲法に抵触せず、条例で定めても違憲ではないが、ため池の堤とうを使用する財産上の権利を有する者は、その財産権の行使をほとんど全面的に禁止されることになるから、これによって生じた損失は、憲法によって正当な補償をしなければならないとした。
×
インサイダー取引の規制を定めた証券取引法は、証券取引市場の公平性、公正性を維持するとともにこれに対する一般投資家の信頼を確保するという目的による規制を定める者であるところ、その規制目的は正当であり、上場会社等の役員又は主要株主に対し、一定期間内に行われた取引から得た利益の提供請求を認めることは、立法目的達成のための手段として、必要性又は合理性に欠けることが明らかであるとはいえないのであるから、憲法に違反するものではないとした。
○
森林法が共有森林につき持分価額2分の1以下の共有者に民法所定の分割請求権を否定しているのは、森林の細分化を防止することによって森林経営の安定を図るとする森林法の立法目的との関係において、合理性と必要性のいずれをも肯定することができ、この点に関する立法府の判断は、その合理的裁量の範囲内であるというべきであるから、憲法に違反するものではないとした。
×
財産上の犠牲が、公共のために必要な制限によるものとはいえ、単に一般的に当然に受認すべきものとされる制限の範囲を超え、特別の犠牲を課したものである場合に、法令に損失補償に関する規定がないからといって、あらゆる場合について一切の損失補償を全く否定する趣旨とまでは解されず、直接憲法を根拠にして、補償請求をする余地が全くないわけではないとした。
○
憲法第29条第1項は、「財産権は、これを侵してはならない。」と規定し、私有財産制度を保障しているのみではなく、社会的経済的活動の基礎をなす国民の個々の財産権につき、これを基本的人権として保障している。
○
憲法第29条第2項は、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める。」と規定しており、私有地に対する個人の権利の内容を法律によらずに条例で規制することは同項に違反する。
×
土地収用法上の収容における損失の補償については、収用の前後を通じて被収用者の財産価値を等しくならしめるような補償をなすべきであり、金銭をもって保障する場合には、被収用者が近傍において被収用地と同等の代替地等を取得することを得るに足りる金額の補償を要する。
○
財産権について、憲法は正当な補償に関して規定するのみで、補償の時期については規定していないが、補償が財産の供与と交換的に同時に履行されるべきことは、憲法の保障するところであるといえる。
×
ある法令が財産権の制限を認める場合に、その法令に損失補償に関する規定がないからといって、その制限によって損失を被った者が、当該損失を具体的に主張立証して、直接、憲法第29条第3項を根拠として補償を請求する余地が全くないとはいえない。
○
関税法違反の被告人の附加刑として、犯罪に関係ある船舶、貨物等で、被告人以外の第三者の所有物を没収する場合、当該第三者に対し、告知、弁解、防御の機会を与えずにその所有権を奪っても、憲法に違反しないとした。
×
憲法の規定する法定手続の保障は、直接には刑事手続に関する者であるが、行政手続についても当然にその保障が及ぶため、行政処分を行う場合には、相手方に事前の告知、弁解、防御の機会を必ず与える必要があるとした。
×
刑罰法規があいまい不明確のため憲法に違反するか否かは、通常の判断能力を有する一般人の理解において、具体的場合にある行為がその適用を受けるか否かの判断を可能とする基準が読み取れるかどうかにより決定すべきとした。
○
刑事裁判の量刑は、被告人の経歴等を考慮して裁判所が決定すべきものであり、起訴されていない犯罪事実を余罪として認定し、実質上これを処罰する趣旨で量刑の際に考慮し、被告人を重く処罰しても憲法に違反しないとした。
×
条例は、公選の議員をもって組織する地方公共団体の議会の議決を経て制定されるので、法律から授権されることなく刑罰を定めても憲法に違反しないが、政令が法律の委任によって刑罰を定めることは、憲法に違反するとした。
×
憲法第31条は、「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」と規定しているが、これは手続が法律で定められることを要求するものであり、法律で定められた手続が適正であることまでを要求するものではないと一般に解されている。
×
憲法第33条は、「何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。」と規定している。このため、たとえ厳格な制約の下に、罪状の重い一定の犯罪のみについて、緊急やむを得ない場合に限り、逮捕後直ちに裁判官の審査を受けて逮捕状を求めることを条件としても、令状なく緊急に被疑者を逮捕することは認められないとするのが判例である。
×
憲法第37条第1項は、「すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。」と規定しているが、個々の刑事事件について、審理の著しい遅延の結果、被告人の迅速な裁判を受ける権利が害されたと認められる異常な事態が生じた場合であっても、裁判所は、これに対処すべき具体的規定がなければ、その審理を打ち切るという非常救済手段を用いることはできないとするのが判例である。
×
旧所得税法に定める検査は、あらかじめ裁判官の発する令状によることを一般的要件としていないところ、検査の性質が刑事責任の追及を目的とするものではなく、所得税の公平確実な賦課徴収を図るという公益上の目的を実現するため不可欠のものであるとしても、強制的に行われ、検査の結果として刑事責任の追及につながる可能性があることから、憲法に定める令状主義に反するとするのが判例である。
×
刑事事件における証人喚問権は、憲法上明文で認められている権利であるが、裁判所は、被告人又は弁護人からした証人申請に基づき全ての証人を喚問し、不必要と思われる証人までをも全て尋問する必要はなく、当該事件の裁判を行うのに必要適切な証人を喚問すればよいとするのが判例である。
○
憲法の定める法定手続の保障は、手続が法律で定められることだけでなく、その法律で定められた手続が適正でなければならないこと、実体もまた法律で定められなければならないことを意味するが、法律で定められた実体規定も適正でなければならないことまで要求するものではない。
×
何人も、理由を直ちに告げられ、かつ、直ちに弁護人に依頼する権利を与えられなければ、抑留または拘禁されず、また、何人も、正当な理由がなければ、抑留されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。
×
何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利が保障されており、住居の捜索や所持品の押収については裁判官が発した令状によりこれを行う必要があるので、令状逮捕の場合以外に住居の捜索や所持品の押収を行うことは許されない。
×
最高裁判所の判例では、憲法の迅速な裁判の保障条項は、迅速な裁判を保障するために必要な措置をとるべきことを要請するにとどまらず、審理の著しい遅延の結果、迅速な裁判を受ける被告人の権利が害されたと認める異常な事態が生じた場合、これに対処すべき具体的規定がある場合に限りその審理を打ち切る非常救済手段がとられるべきことを認める趣旨の規定であるとした。
×
最高裁判所の判例では、憲法の定める法廷手続の保障が、行政手続に及ぶと解すべき場合であっても、一般に行政手続は刑事手続とその性質においておのずから差異があり、また、行政目的に応じて多種多様であるから、行政処分の相手方に事前の告知、弁解、防御の機会を常に必ず与えることを必要とするものではないとした。
○
憲法第37条第1項は、単に迅速な裁判を一般的に保障するために必要な立法上及び司法行政上の措置をとるべきことを要請しているだけでなく、個々の具体的な刑事事件について、当該保障に明らかに反し、審理の著しい保障の結果、迅速な裁判を受ける被告人の権利が害されたと認められる異常な事態が生じた場合には、審理を打ち切ることも認めている趣旨であると解される。
○
憲法第31上の定める法廷手続の保障は、直接には刑事手続に関するものであるが、行政手続についても人権保障の観点からそのすべてについて同条による保障が及ぶため、行政処分を行う際は、必ず事前の告知、弁解、防御の機会を与えなければならない。
×
いわゆる緊急逮捕に関して、刑事訴訟法第210条に規定される厳格な制約の下に、罪状の重い一定の犯罪のみについて、緊急やむを得ない場合に限り、逮捕後直ちに裁判官の審査を受けて逮捕状の発行を求めることを条件として、被疑者の逮捕を認めることは、憲法第33条の趣旨に反するものではない。
○
旧道路交通取締法に基づく自動車運転者に係る交通事故の報告義務について、報告を要求される事故の内容には刑事上の責任を問われるおそれのある事故の原因その他の事項は含まれていないとしても、結果的に自己の犯罪発覚につながる情報提供を義務付けることになるから、当該報告義務を課すことは憲法第38条第1項に違反する。
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公判廷における被告人の自白は、裁判所の自由心証によって真実に合致するのと認められる場合には、さらにほかの補強証拠を必要としないで犯罪事実の認定をすることができ、憲法38条第3項の「本人の自白」には含まれない。
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