問題一覧
1
J.A.コメニウスは、『大教授学』において、人間の自然的本性を善とし、それが既成の社会制度によって悪へと変質させられることを防ぐための教育を行うことを提唱した。彼は、その教育の原理を「消極的教育」と呼んだ。
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2
J.H.ペスタロッチは、貧児や孤児の教育を行い、その成果をまとめた『ゲルトルートはいかにその子を教えるか』で、「数・形・語」を基礎とする教授法(「メトーデ」)を提唱した。また、彼は、『白鳥の歌』において「生活が陶冶する」という教育の原則を示した。
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3
R.オーエンは、紡績工場の支配人となり、労働者の子供のための教育施設である「子供の家」を設立した。彼は、「子供の家」の教育において、独自の教具による感覚の訓練、子供の自発的活動、日常生活の訓練を重視した。
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4
O.ドクロリーは、障害児教育の経験に基づいて教育方法を考案した。その特徴は、子供の興味の中心となる題材を選択し、それを中心に統合的なカリキュラムを組むことにあった。彼は、シカゴ大学附属の実験学校を開設し、そこでの教育実践の報告を『学校と社会』にまとめた。
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5
E.ケイは、『児童の世紀』において、「21世紀は児童の世紀である」と宣言し、児童中心主義の教育を提唱した。彼女は、独自の「人智学」に基づいて、「フォルメン」や「オイリュトミー」などの教育方法を実践した。
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6
ソクラテスは著作を残していないが、その思想は、弟子のプラトンによる著作などに残されている。彼は、ポリスの市民と対話を行い、相手と共同で問いと答えを繰り返しながら、相手に無知を自覚させて、それを出発点に真の知恵を発見させようとした。こうした問答法は、助産術(産婆術)と呼ばれる。
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7
アリストテレスは、学園リュケイオンで学んだ後、自らは学園アカデメイアを創設し、『国家』を著した。『国家』において彼は、唯一最高のイデアを善のイデアと呼び、善のイデアを実現する理想国家の教育を唱えるとともに、国家の支配者を養育し、教育する方法を提示した。こうした理想から、彼は「万学の祖」と呼ばれる。
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8
I.カントは、世界で最初の絵入りの教科書である『世界図絵』を著した。『世界図絵』において彼は、すべての認識の基礎は直観であるとし、直観を、「数」・「形」・「語」と捉え、これらを「直観のABC」と名付けた。こうした感覚的直観を重視した教授法は、直観教授(実物教授)と呼ばれる。
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9
J.ロックは、政治の分野では『政府二論』を著したほか、教育の分野では『教育論』を著した。『教育論』において彼は、子どもを小さな大人としてではなく、子ども本来の姿として捉えることを主張し、子どもの発達法則に即した消極教育を提唱した。これはJ.J.ルソーの提唱した白紙説(タブララサ)による積極敎育と対置される。
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10
J.デューイは、田園教育者における実践報告『学校と社会』の中で、「なすことによって学ぶ」という労作教育を提唱し、労作を通じて職業的訓練や職業的陶冶を行うことを学校の課題とすべきであるとした。田園教育者における実践に基づく思想から、彼は進歩主義教育運動の先駆者であるとされる。
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11
P.アリエスは、中世ヨーロッパでは、子供は7歳くらいになると大人と仕事や遊びをともにする「小さな大人」であり、「子供期」という観念は存在していなかったが、17世紀以降、子供中心主義を特徴とする近代家族の出現と、生徒を規律化する近代公教育制度の整備によって、子供と大人との間に境界線が引かれるようになり、子供を大人によって教育される対象として捉える子供観が生じたと主張した。
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12
M.J.ランゲフェルトは、人間の出生の状態は、他の動物でいえば未成熟で、約1か年の生理的早産であるとして、子供は「教育され得る動物」であるだけでなく、「教育されなければならない動物」であると述べた。また、彼は、経験主義的認識論の立場から生得観念を否定し、10人の子供がいれば、そのうち9人までは、教育によってどのようにでも形成することができると主張した。
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13
O.F.ボルノーは、教育を大人の視点から捉え、大人が周到に準備した「教育的雰囲気」が、教育を成功させるための背景と基盤であると考えた。また、彼は、子供の成熟には、信頼できる大人の存在が必要であり、そうした大人が完全な存在であることを子供が経験することを通して、子供が持っていた信頼を一般的な世界に対する信頼へと導いていくことが重要であるとした。
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14
N.ポストマンは、テレビの普及に注目し、映像中心のメディアは、それらを理解するのに特別な能力が必要ないため、大人と同じ情報を子供も得ることができるようになり、子供と大人との区別は消滅しつつあると指摘した。また、彼は、テレビから流れるのは、「大人化」された子供と「子供化」された大人であり、子供の価値観と暮らし方が、大人のそれと一体化してきていると述べた。
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15
ロック(Locke.J.)は、教育の分野においては生得説の立場をとり、産業革命下の機械制工場での労働者の育成に力を入れた。彼は、インドの男子孤児院での実践を通じて、子どもを能力別にグループに分け、各グループに年長児の助教を配する助教法を考案した。
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16
カント(Kant,I.)は、啓蒙は人間が自己の未成年状態から脱却して自律的に自分の理性を行使できる状態であると考え、その達成を助ける営みを敎育ととらえた。彼は、教育学の目的を実践哲学に、方法を心理学に求め、実践的な科学的教育学の樹立をめざした。
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17
マカレンコ(Makarenko, A.S.)は、すべての人間には肯定的、積極的側面があるとの出発点に立ち、集団を教育することによって個人はおのずから教育されるとした。彼は、非行少年の寄宿制再教育施設において集団主義教育の実践を積み、『教育詩』および『塔の上の旗』に著した。
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18
デュルケーム(Durkheim,É.)は、あらゆる人にあらゆる事柄を教授することを目的とし、『大教授学』において世界で最初の系統的な教育学を提示した。彼は、科学的な認識を目指す教育科学よりも実践に寄与する教育学を重視し、その発展の必要性を主張した。
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19
ピアジェ(Piaget,J.)は、発達の視点から道徳性について研究し、道徳性の発達は自律の道徳から他律の道徳へ進むと考えた。彼は、人間は生理的欲求、安全欲求、帰属と愛への欲求、承認欲求、自己実現の欲求と、より高次な欲求を求める傾向があるとした。
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20
J.W.ゲーテの影響を受け、独自の精神科学ならびに人智学を確立し、『精神科学の立場からみた子どもの教育』を著した。また、自由な自律的人間の育成を目指した「ヴァルドルフ学校」を創設し、その学校はヨーロッパを中心に世界的な拡がりをみせた。わが国においても、昭和期に、この教育理念が幼稚園の教育実践に取り入れられた。
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21
J.J.ルソーの影響を受け、生涯を貧民、孤児の救済、民衆教育に尽くし、『ゲルトルート児童教育法』を著した。また、労作教育や直感教授を実践するため「ブルクドルフ学園」を創設し、人間の知・徳・体の諸能力の調和的発展の基本は、小学校での基礎陶冶にあると主張した。わが国においては、その教授法である「メトーデ」が大正期に紹介された。
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22
J.J.ルソーの影響を受け、「教育の最大の秘訣は、教育しないことにある」と徹底した児童中心主義を唱えた。また、著書『児童の世紀』において、婦人と子どもの解放のための社会改革を訴え、児童の自然な発展のために、階級と性別を超えたすべての人に共通の公共小学校の実現を主張した。わが国では、その著書は、大正期新教育の基礎文献として読まれた。
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23
J.H.ペスタロッチの影響を受け、幼児のための教育遊具の「恩物」を考案し、「一般ドイツ幼稚園」を創設した。また、著書『人間の教育』においては子どもの能力の潜在性等を主張し、遊戯や作業を通じて子どもの内面的な本質を満足させることや自らを創造的な人間へと成長させることを教育の目的として考えた。わが国では明治期に、その考え方に基づき最初の幼稚園が創設された。
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24
S.フロイトの影響を受け、著書『問題の子ども』において、一切の権威や強制を否定して、子どもの心理的欲求の解放を主張し、生きた活動を促す教育実践の場として「サマーヒル学園」を創設した。わが国では、この思想と方法に基づいた教育を実践する施設として「きのくに子どもの村学園」が設立された。
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25
明治5(1872)年に公布された「教育令」では、全国を53,760の小学区に分けて、一つの小学区に一つの小学校を置くことが定められた。その序文では、すべての人々が身分に応じて異なる教育を受けなければならないという考えが示された。
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26
明治19(1886)年に公布された小学校令(第一次小学校令)では、学齢期の児童には普通教育を受ける義務があると規定され、学齢期の児童の就学率は、明治23(1890)年までに、男女共に9割を超えた。
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27
明治33(1900)年に改正された小学校令(第三次小学校令)では、原則として授業料が廃止され、義務教育の無償性が確立された。また、教科書採択をめぐる不正事件を受けて、明治36(1903)年に、小学校では国定教科書を用いることが定められた。
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28
昭和16(1941)年には教育勅語が発布され、尋常小学校が国民学校へと改称されるとともに、「皇国の道」にのっとって、初等普通教育を施し、国民の「基礎的錬成」を行うことが国民学校の目的として規定された。その際、義務教育の修業年限が6年から3年に短縮された。
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29
昭和22年(1947)年に教育基本法が制定され、同法第1条では、個々人の基礎学力の形成という教育の目的が示された。また、同法第3条では、国は全ての国民に対して、能力の有無にかかわらず、同じ教育を受ける機会を与えなければならないと規定された。
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30
貝原益軒は、江戸時代前期に、儒学の学習書、漢方医学に必須の薬草などに関する本草書や啓蒙的教訓書を多数出版した。人それぞれの身分や職業に応じた道を実践するよう教育すべきとした『都鄙問答』もその一つである。
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31
石門心学は、江戸時代中期に人々に広く共有されていた神・仏・儒・老荘思想に基づく生活意識を体系化したものである。その創始者である新井白石の教えは、著書『弁道』により全国の心学講舎や寺子屋を通して、子どもから大人まで広がった。
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32
江戸時代中期以降は、洋書の輸入や頒布が解禁となり、オランダ医学を中心としたいわゆる蘭学が登場した。緒方洪庵は『解体新書』を訳述し、彼がオランダ医学の普及に努めるために開いた「適塾」では、身分の上下の区別がない能力主義のもとで医学教育を行った。
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33
「明六社」は、吉田松陰が著書『講孟余話』で主張した平等思想をもとに、新島襄らにより明治期に結成された。このうち大隈重信や新渡戸稲造らは、この思想に基づいた学校を創設し、そこで政治・経済・教育・自然科学や風俗などについての知識や学問を紹介した。
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34
沢柳政太郎は、新教育運動の理論的・実践的指導者と言われ、大正期に成城小学校を創設し「個性尊重」を目標に自らの教育理想を実現した。彼の著書『実際的教育学』においては、教育の科学的研究の必要性や方法が示された。
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35
教育では、職業に役立つ知識や技術を教えているのではなく、経済的地位に応じたパーソナリティ特性を教え、それに基づく選抜を行っているとした。学校は、裕福な家庭の子供には精神的な価値を伝え、貧困家庭の子供には物質的な価値を伝えるとした。
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36
個人に対してなされた教育・訓練などの投資を個人に蓄積された資本とみなす、人的資本概念を提唱した。大学進学は個人の経済合理的な行動である一方、教育に投資することで、経済成長だけでなく、低所得層への教育投資により経済格差の是正が図られるとし、この是正の仕組みを「メリット・システム」と呼んだ。
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37
機会の不平等概念について、進学行動には階層による違いが存在することと、平等化を促すはずの教育を受けても社会的な平等が促進されないことの二つに分けた。この不平等が生じるメカニズムは、英国のハマータウンの子供のドキュメント分析から導き出したものである。
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38
太和様式の民衆教育の実践を提起した。具体的には、この実戦は単に文字を学習するのではなく、抑圧され搾取された人々が、自らの抑圧された状況を識字教育を通して理解し、自覚的、主体的にその状況を変革していく過程をつくり出すことであった。そして、その過程を「ゼロ・トレランス」と呼んだ。
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39
話し言葉により、学校における知識の伝達・獲得をいかに社会階級が規定するか、学校における知識の伝達・獲得が社会階級の再生産をいかに規定するかなどについて、独自のコード理論を展開した。そして、コミュニケーションにおける意味生成・解読原理であるコードの習得が、教育の成否を決めるとした。
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40
アップル(Apple,M.W.)は、近代社会においては血統や家柄ではなく試験や学歴が重視され、能力のある人々による統治・支配が確立するとしてメリトクラシー(meritocracy)の概念を提唱した。そして、自著の中で、能力のある者とない者とが次第に対立するようになるディスユートピアを描いた。
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41
ブードン(Boudon, R.C.)は、雇用組織が、職務に必要な知識・技能を習得していることの指標ではなく、社会で支配的な身分集団の成員であることまたはその秩序を尊重するように社会化されていることの指標として学歴を用いると主張した。そして、そうした資格社会(credential society)では、公的信用組織が、その雇用において学歴を文化貨幣として重視するとした。
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42
ジェンクス(Jencks, C.S.)は、今日の学校教育は高度に制度化されており、役に立つ知識・技能を付与しているかどうかといった実質的な機能の側面においてではなく、それが制度として形を整えているという形式的な側面において人々に信用され、学歴のあるものが高い地位に就くことが正当化されていると指摘し、学校教育を神話や宗教装置として解すべきであるとした。
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43
サロー(Thurow, L.C.)は、職務に必要な知識・技能は学校で身につける者ではなく、主に雇用された後に職場訓練(OJT)で習得されるとした。また、雇用者は、「仕事を求める待ち行列」の相対的位置をめぐって競争している労働者の中から訓練可能性(trainability)の高いものを採用しようとし、学歴は、その判別のための1つの指標となりうるとした。
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44
ブラウ(Blau, P.M.)とダンカン(Duncan, O.D.)は、パス解析を用いて、産業化が進んだ1970年代の米国社会における階層移動について研究し、学歴よりも出身階層のほうが到達階層に与える影響が大きいことを明らかにした。彼らは、下級階層の出身でも知的能力のある者は高い地位に就くことが理論的には可能だが、実際には階層移動は起きにくいことを指摘した。
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45
H.スペンサーは、学校や教師が言明することなく、暗黙のうちに教え込んでいる規範・価値・態度を、潜在的カリキュラムと名付けた。彼は、潜在的カリキュラムの中には、他の生徒との関係を通じて学習される内容も含まれるとし、これらをいかに顕在的(公的)なカリキュラムに組み込むかが、18世紀後半の英国における教育課程編成上の重要な課題であるとした。
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46
T.シュルツは、教育をコストとして捉え、投資に値する者にのみ集中的にコストを配分するべきであるとの「人的資源論」を展開した。しかし、教育による人間の生産能力への投資が重要だとする彼の理論は、1970年以降の米国において、人間を社会又は組織の資源としかみなさないものであるとの批判を受け、衰退した。
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47
N.ルーマンは、英国の中産階級と労働者階級の家族における子どもの言語に差異がある点に着目し、労働者階級の子どもは精密コードを、中産階級の子どもは限定コードを形成しやすいコミュニケーション環境にあるとした。学校の教師は限定コードによる話し言葉を使うため、労働者階級の子どもは学校での適応において不利であり、その適応を可能とする教育が必要であるとした。
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48
P.ブルデューは、身分・地位の世襲や私有財産の相続に一定の法的規制が加えられている社会においても、様々な社会的特権が文化の領域を経由して継承され、社会的不平等が構造的に再生産されることを、「文化的再生産」と呼んだ。
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49
高田保馬は、現代の学校におけるいじめの構造を、「被害者」、「加害者」、「仲裁者」、「傍観者」の4層構造から成ると捉え、いじめの持続や拡大には、いじめを暗黙的に支持し、促進する役割を担っている「傍観者」の立場にいる児童生徒が大きく影響しているとした。
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50
P.ウィリスは『ハマータウンの野郎ども』において、労働者階級出身の子どもたちが反学校的な文化をもち、肉体労働者である父親たちの「男らしさ」を肯定的に評価することで、自ら進んで肉体労働を選択していく過程を描いた。
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51
B.バーンスティンは、一般的に男性が女性に比べて学校での成功に有利であるとして、その理由を、日常生活で身につける言語コードの違いから説明した。男性は「精密コード」と「限定コード」を使い分け、女性は「限定コード」のみを用いるため、「精密コード」を用いる学校教育では男性が有利になるとした。
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52
S.ボウルズとH.ギンタスは『アメリカ資本主義と学校教育』において、学校で形成される社会的関係と、職場で形成される社会的関係の構造的対応に着目し、この構造的対応によって、学校教育が労働者の再生産に寄与していることを正統的周辺参加論として示した。
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53
I.イリイチは『ジェンダー』において、学校におけるジェンダー再生産を教育投資の観点から論じた。女性は高度に専門的な技術職につける見通しを持ちにくいため、人文科学系の学問に関する教育を受けるための進学が、女性にとって最適な教育投資となっていることを示した。
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54
P.ブルデューは、学校教育における能力主義が、格差や不平等の是正に寄与していることを指摘した。知覚、評価、行動などへの態度性向を「役割」として概念化し、被支配的階級出身の子供も学校で価値を置かれている「役割」を身につけることによって、学業で成功していることを明らかにした。
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55
厚生労働省の「保育所等関連状況取りまとめ(平成30年4月1日)」によると、平成30年4月1日現在の待機児童数は、5年前の同日現在と比較するとほぼ倍増している。また、平成30年4月1日現在の待機児童数のうち、3歳以上の児童の占める割合は8割を超えている。
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56
内閣府の「平成29年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、インターネットの利用内容は、小学生では「コミュニケーション」、高校生では「ゲーム」がそれぞれ最も多くなっている。
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57
法務省の「平成30年版 犯罪白書」によると、20歳未満の少年による刑法犯の検挙人員および少年人口比は、平成16年以降、減少傾向にある。また、平成29年における少年による刑法犯の検挙人員を罪名別にみると、窃盗が最も多くなっている。
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58
2015年に実施された「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」によると、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーのいずれも、OECD加盟国中のわが国の順位は5位以内であるが、3年前の前回調査と比較すると、読解力以外の二つは得点、順位ともに低下している。
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59
文部科学省・厚生労働省の「平成29年度 大学等卒業者の就職状況調査(平成30年4月1日現在)」によると、平成30年3月短期大学卒業者の就職率は約7割であるが、同月大学卒業者の就職率は、平成9年の調査開始以降、初めて9割を超えた。
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60
いじめ防止対策推進法において、いじめとは、「児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が精神的な苦痛を感じているものをいう。」とされている。
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61
いじめ防止対策推進法において、「地方公共団体は、いじめの防止等に関係する機関及び団体の連携を図るため、条例の定めるところにより、学校、教育委員会、児童相談所、法務局または地方法務局、都道府県警察その他の関係者により構成されるいじめ問題対策連絡協議会を置くことができる。」とされている。
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62
文部科学省の調査によると、平成29年度におけるいじめの態様別構成比では、「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる」が認知件数全体の3割を超えており、「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことをいわれる」を上回っている。
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63
文部科学省の調査によると全国の国公私立の小・中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数は、平成25年〜29年度まで一貫して減少し続けている。また、平成28年度におけるいじめの認知件数を学校段階別にみると、中学校が最も多くなっている。
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64
森田洋司は、いじめを学級集団全体の問題であると捉え、加害者と被害者だけでなく、その周りにいて、いじめを見てみぬふりをしている傍観者を含めた三者から成り立っているという「いじめの3層構造論」を唱えた。
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65
PISA(生徒の学習到達度調査)は、子どもたちが将来生活していくうえで必要とされる知識や技能をどの程度習得しているかを測定することを目的とした、OECD(経済協力開発機構)による標本調査である。小学6年生を対象として、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの分野について、2007年以来、毎年実施されており、わが国も参加している。
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66
TIMSS(国際数学・理科教育動向調査)は、各国における児童生徒の教育到達度を国際的な尺度によって測定することを目的とした、IEA(国際教育到達度評価学会)による標本調査である。1964年第1回国際数学教育調査および1970年第1回国際理科教育調査として手掛けられ、2003(平成15)年以降、4年ごとのサイクルで、小学4年生と中学2年生を対象として、算数・数学と理科について実施されており、わが国も参加している。
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67
教育課程実施状況調査は、学習指導要領における各教科の内容に照らした学習の実現状況を把握し、今後の教育課程や指導方法の改善に資することを目的とした、国立教育政策研究所による標本調査である。小学5・6年生、中学1年生から3年生まで、および高校3年生を対象として、2001(平成13)年から2005(平成17)年にかけて各科目で実施された。例えば中学1年生から3年生まででは2001(平成13)年と2003(平成15)年に国語、社会、数学、理科、英語の教科について実施された。
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68
全国学力・学習状況調査は、義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握、分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善と図ることを目的とした、文部科学省による悉皆調査である。小学1年生から6年生を対象として、国語と算数・数学の分野における「知識」と「活用」に焦点をあてながら、2000(平成12)年以来、毎年実施されている。
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69
質問紙調査の実施方法には留置調査、郵送調査、電話調査などがある。このうち、郵送調査法は、調査対象者に調査票を郵送し一定期間の後に返送してもらう方法であり、調査対象者本人の回答が確実に得られることや、他の調査法に比べ比較的高い回収率が期待できる利点がある。
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70
調査対象の母集団の一部を抽出して行う調査を標本調査(サンプリング調査)という。標本抽出方法のうち、層化抽出法とは、何段階かの異なる調査単位の抽出を繰り返し、最後に目的の調査単位を抽出する方法であり、推定精度よりも抽出操作の簡便化を追求した手法である。
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71
調査票の質問文のワーディングにおいて注意すべき事項のうち、アナウンスメント効果とは、前の質問が、後の質問に対する回答に影響を与えることを指し、例えば、外国人犯罪に関する質問の後、外国人労働者の受け入れに関する質問をするといった例が挙げられる。
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72
データ全体の特徴を1つの数値で表したものを代表値という。代表値として用いられるもののうち、メディアンはデータを大きさの順序に並べたときに中央にある値のことであり、モードは度数の最も大きいデータの値のことである。
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73
統計的検定における有意水準とは、標本調査によって観測されたデータに生じる特有の誤差である標本誤差の発生する確率を示すもので、その値は調査の精度を表す指標として用いることができる。
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74
日本国憲法においては、学校の公平性及び中立性を守る観点から、公立学校における一切の政治教育及び宗教教育を禁止しているが、私立学校においてはこの限りではなく、一定の範囲内での政治教育及び宗教教育が認められている。
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75
教育基本法は、全ての国民が、その個性及び社会的地位に応じ、その保護する子女に教育を受けさせる義務を負うこと及び義務教育の無償を規定している。義務教育の無償に関しては、国又は地方公共団体の設置する小・中学校では、授業料、教科書代及び給食費は徴収されない。
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76
教育基本法においては、法律に定める学校は、公の性質を有するものであることから、国及び地方公共団体のみがこれを設置することができるとされており、その他のいかなる団体も設置主体となることはできないと規定されている。
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77
学校教育法においては、子どもの教育については学校が第一義的責任を有するものであり、学校教員が、生活のため必要な習慣を身につけさせ、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとされている。それに対して、父母その他の保護者は、家庭教育においてその補助的役割を行うとされる。
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78
学校教育法においては、病弱、発育不完全その他やむを得ない事由のため、就学困難と認められる児童生徒の保護者に対しては、市町村の教育委員会は、文部科学大臣の定めるところにより、その子に義務教育を受けさせる義務を猶予又は免除することができるとされている。
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79
文部科学省の学習指導提要によると、生徒指導とは、一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら社会的資質や行動力を高めることを目指して行われる教育活動のことであり、学校生活がすべての児童生徒にとって有意義で興味深く、充実したものになることをめざしている。
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80
学校教育法は、戦後日本の教育の基本理念や原則を定めた法律で、平成20年に全面的に改正された。前文と4章から構成され、各章はそれぞれ「教育の目的及び理念」、「教育の実施に関する基本」、「教育行政」、「法令の制定」となっている。
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81
小・中学校における児童生徒への懲戒として、退学、停学、訓告、原級留置、出席停止等の措置があり、校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童生徒にこれらの懲戒を加えることができる。
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82
小・中学校の学習指導要領は、戦後の創設時には「告示」であったが、昭和30年代に教育現場の自主性と創意工夫を促すため、法的拘束力をもたない「試案」へと変更され、それ以降は授業を工夫するための手引や教育研究のための参考資料として各学校で活用されるべきものとされた。
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83
高等学校学習指導要領に規定されている、特別活動の主な目標として、横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育成すること、問題の解決や探究活動に主体的、創造的、協同的に取り組む態度を育てることなどが挙げられる。
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84
学校保健安全法は、学校における児童生徒等の健康の保持増進を図ることを目的として定められたものであり、職員の健康についてはその対象としていない。職員の健康については、教育公務員特例法において、校長が毎学年定期に、学校の職員の健康職員を行わなければならないとされている。
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85
同法では、養護教諭は、健康相談又は児童生徒等の健康状態の日常的な観察により、児童生徒等の心身の状況を把握し、健康上の問題があると認めるときは、必ず、当該児童生徒等の保護者に対して必要な指導を行わなければならないとされている。これは、児童生徒等の養護をつかさどる養護教諭のみに認められた権限である。
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86
同法では、児童生徒等の心身の発達に照らし、幼稚園、小学校、中学校及び高等学校に養護教諭を置かなければならんないとされている。また、同法では、小学校の養護教諭の役割について、翌学年の初めから小学校に就学させるべき者で、当該小学校の通学区域内に住所を有するものの就学に当たって、その健康診断を行わなければならないとされている。
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87
同法では、児童生徒等が感染症にかかっていたり、かかっている疑いがあったり又はかかるおそれがあったりするときは、学校の設置者が当該児童生徒等の出席を停止させることができるとされている。この場合の出席停止の期間の基準については、法令による定めはなく、学校の設置者の裁量に委ねられている。
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88
同法では、学校においては、事故等により児童生徒に危害が生じた場合、心理的外傷その他の心身の健康に対する影響を受けた児童生徒等の心身の健康を回復させるため、必要な支援を行うものとされている。この場合、学校は、必要に応じ、地域の医療機関等との連携を図るよう努めるものとされている。
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89
学校評議員制度は、平成10年に中央教育審議会の答申において提言されたのを受けて設けられた制度であり、「開かれた学校づくり」の推進を狙いとしている。これは、わが国で初めて地域住民の学校運営への参画の仕組みを制度的に位置付けたものであるが、その後、これを発展させることを目指して学校運営協議会の制度が設けられた。
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90
学校評議会の任務については、地方教育行政の組織及び運営に関する法律によって規定されている。同法では、学校評議員として任命された保護者や地域住民等が、あらかじめ各市町村が策定した評定表に基づき、学校運営について適切に評価を行い、校長に対して必要な意見を述べることができると定められている。
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91
学校運営協議会は、学校教育法施行規則において、「学校には、設置者の定めるところにより学校運営協議会を置くことができる」と規定されるとともに、学校運営協議会を設置するに当たっては、原則として児童や生徒数の多い学校から設置することとされている。また、学校運営協議会の設置数については、学校の再編・統廃合が行われたことから、平成25年以降減少傾向にある。
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学校運営協議会の委員は、保護者や地域住民、青少年団体の代表者、学識経験者などにより構成され、校長の推薦により教育委員会が任命することとされている。委員は地方公務員法の特別職(非常勤)の身分となり、その具体的な構成や人数、任期については学校の規模に応じて校長が定めることとされている。
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学校運営協議会は、校長の学校運営に関する基本的な方針の承認を行い、教職員の採用その他の任用に関する事項を除き、環境整備や学習支援、キャリア教育に関することなどについて校長へ意見の申出を行うことができる。学校運営協議会の運営に関わる具体的な事項については、各学校の実情に応じて学校運営協議会の委員長が定めることとされている。
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特別支援学校は、盲学校、聾学校、養護学校を制度転換して設置され、視聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者または病弱者を教育の対象とし、対象となる児童生徒の障害の程度は政令で定めるとされている。また、複数の障害種別を受け入れることが可能である。
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障害のある子どもへの義務教育を充実させるため、特別支援学校においては、小学部および中学部を設置することが義務づけられている。そして、その上で、幼稚部および高等部を設置することが可能であるため、幼稚部または高等部のみを置くことはできない。
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特別支援学校は、周辺地域の特別支援教育を担うセンター的機能を持つこととされた。これにより、小学校、中学校、高等学校および中等教育学校における特殊学級は廃止され、近隣の特別支援学校に統合されることになった。
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特別支援学校の1学級の児童または生徒の数は、一人一人の障害の状態や教育的なニーズに応じたきめ細かい指導を行うため、15人以下を標準とすることとされた。また、1学級を同学年の児童生徒で編成し、複数学年の児童生徒で編成することはできないとされている。
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特別支援教育の対象となる児童生徒数の合計は、少子化の影響を受け、2001(平成13)年以降、減少傾向にある。また、障害の重度・重複化や多様化が顕著となり、対象となる児童生徒の進路も多様化したため、同年以降、高等部への進学率も減少している。
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学校評価の目的は、学校の裁量が拡大し、自主性・自律性が高まる一方で、学校は自らの教育を見直す契機を得にくいなど学校内の職員によるチェックを通した教育の適正化機能が弱いことから、学校運営の透明性を確保し、社会に開かれた学校を目指すことであると規定されている。
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学校評価のうち自己評価は、校長のリーダーシップの下で、当該学校の全教職員が参加し、設定した目標や具体的計画等に照らして、その達成状況や達成に向けた取り組みの適切さ等について評価を行うものである、
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