憲法第14条第1項は、すべて国民は、法の下で平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない旨規定しているが、同項後段に列挙された事項は例示的なものであるとするのが判例である。また、同項後段にいう「信条」とは、宗教上の信仰にとどまらず、広く思想上や政治上の主義を含むと一般に解されている。
○
租税法の分野における所得の性質の違い等を理由とする取り扱いの区別は、その立法目的が正当なものであり、かつ、当該立法において具体的に採用された区別の態様が当該目的との関連で著しく不合理であることが明らかでない限り、憲法第14条第1項に違反するものではないが、給与所得の金額の計算につき必要経費の実額控除を認めない所得税法の規定(当時)は、事業所得者に比べて給与所得者に著しく不公平な税負担を課すものであり、その区別の態様が著しく不合理であるから、同項に違反するとするのが判例である。
×
憲法第14条の規定は専ら国又は公共団体と個人との関係を規律するものであり、私人相互の関係を直接規律することを予定するものではなく、私人間の関係においては、各人の有する自由と平等の権利が対立する場合の調整は、原則として私的自治に委ねられるのであって、企業者が特定の思想、信条を有する者をそのことを理由に雇入れを拒んでも、それを当然に違法とすることはできないとするのが判例である。
○
参議院議員の選挙において、公職選挙法上、都道府県を単位として各選挙区の議員定数が配分されているために、人口変動の結果、選挙区間における投票価値の不均衡が生じていることについて、国会が具体的な選挙制度の仕組みを決定するにあたり、都道府県の意義や実態を要素として踏まえた選挙制度を構築することは、国会の合理的な裁量を超えるものであり、同法の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は憲法第14条第1項に違反するとするのが判例である。
×
裁判員としての職務に従事し又は裁判員候補者として裁判所に出頭することは、それが司法権の行使に対する国民の参加という点で参政権と同様の権限を国民に付与するものであることや、裁判員法等が裁判員の辞退に関し柔軟な制度を設け、加えて、旅費や日当等の支給により負担を軽減するための経済的措置が講じられていること等を考慮すれば、憲法第18条後段が禁ずる「苦役」に当たらない。
○
強制加入団体である税理士会が政党など政治資金規正法上の政治団体に金員を寄付することは、それが税理士に係る法令の制定改廃に関する政治的要求を実現するためのものである限り、税理士法で定められた税理士会の目的の範囲内の行為であって、当該政治団体に金員の寄付をするために会員から特別会費を徴収する旨の税理士会の総会決議は、会員の思想、信条の自由を侵害するものではなく、有効である。
×
強制加入団体である司法書士会が震災により被災した他県の司法書士会に復興支援のための拠出金を寄付することは、たとえそれが倫理的、人道的見地から実施されるものであっても、司法書士法で定められた司法書士会の目的の範囲外の行為であって、被災した他県の司法書士会に拠出金を寄付するために特別に負担金を徴収する旨の司法書士会の総会決議は、会員の思想、信条の自由を侵害するものであり、無効である。
×
公立中学校の校長が、その作成する調査書に生徒の外部団体の集会への参加やビラ配布などの活動を記載し、当該調査書を入学者選抜の資料として高等学校に提出したことは、当該調査書の記載の内容から生徒の思想、信条を知ることができ、生徒の思想、信条自体を入学者選抜の資料に供したものと解されることから、憲法19条に違反する。
×
市立小学校の校長が音楽専科の教諭に対して入学式の国歌斉唱の際に「君が代」のピアノ伴奏を行うことを命じた職務命令は、直ちに当該教諭の歴史観ないし世界観それ自体を否定するものではなく、当該教諭に対し特定の思想を持つことを強制したり禁止したりするものでもなく、また当該職務命令は、小学校教育の目標などを定めた関係諸規定の趣旨にかなうものであるなど、その目的及び内容において不合理であるということはできず、憲法第19条に違反しない。
○
憲法第21条の保障する「集会」とは、特定又は不特定の多数人が一定の場所において事実上集まる一時的な集合体を指すところ、集会の自由が個人の人格の形成や民主主義社会の維持発展に不可欠な表現の自由の一環であることからすると、同条の集会は、公共的事項を討議し、意見を表明するための集会のみを指し、葬儀や結婚式のような冠婚葬祭のための集会を含まないと解されるから、何者かに殺害された労働組合幹部を追悼するための合同祭はこれに当たらない。
×
集会の自由は、公共の安全や他者の権利保護の点からの制約を免れないところ、主権者が集会を平穏に行おうとしているのに、その集会の目的や主催者の思想等に反対する者らが、集会を実力で阻止しようとして紛争を起こすおそれがあることを、市の福祉会館管理条例が定める「会館の管理上支障があると認められるとき」に当たるとして市長が当該会館の利用を拒むことができるのは、警察の警備等によっても混乱を防止することができないような事情がある場合に限られず、警察の警備等が行われることによりその他の当該会館の利用客に多少の不安が生ずる場合をも含むと解すべきである。
×
道路における危険を防止し、交通の安全等を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資するという道路交通法所定の目的の下に、道路使用の許可に関する明確かつ合理的な基準を掲げて不許可とされる場合を厳格に制限した上、道路を使用して集団更新をしようとする者に対しあらかじめ警察署長の許可を受けさせることとした同法及び県道路交通法施行細則の規定は、表現の自由に対する公共の福祉による必要かつ合理的な制限として憲法上是認される。
○
行列行進又は公衆の集団示威運動について、県の公安条例をもって、地方的情況その他諸般の事情を十分考慮に入れ、不測の事態に備え、法と秩序を維持するのに必要かつ最小限度のの規制措置を事前に講ずることはやむを得ないから、公安委員会に広範な裁量を与え、不許可の場合を厳格に制限しない一般的な許可制を定めて集団行動の実施を事前に抑制することは、憲法に違反しない。
×
公共用財産である皇居外苑の利用の許否は、その利用が公共用財産の公共の用に供せられる目的に沿うものであったとしても皇居外苑の管理権者である厚生大臣(当時)の自由裁量に委ねられることから、メーデーのための皇居外苑の使用許可申請に対して、同大臣が行った不許可処分は、管理権の適正な運用を誤ったものとはいえず、憲法第21条に違反するものではない。
×
憲法第76条第1項は、すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する旨規定する。その例外として、裁判官の弾劾裁判を国会の設ける裁判官弾劾裁判所で行うことや、国会議員の資格争訟についての裁判を各議院で行うことが憲法上認められているが、これらの裁判に対して不服のある者は、さらに司法裁判所へ出訴することができる。
×
最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。また、最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。
○
国公立大学における授業科目の単位授与(認定)行為は、学生が授業科目を履修し試験に合格したことを確認する教育上の措置であり、内部的な問題であることが明らかであるため、およそ司法審査の対象となることはないが、他方、国公立大学における専修科修了認定行為は、大学が専修科修了の認定をしないことは実質的に学生が一般市民として有する公の施設を利用する権利を侵害するものであるため、司法審査の対象となる。
×
政党が党員に対してした処分が一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、裁判所の審判権は及ばないが、他方、当該処分が一般市民としての権利利益を侵害する場合であっても、当該処分の当否は、当該政党の自律的に定めた規範が公序良俗に反するなどの特段の事情のない限り当該規範に照らし、当該規範を有しないときは条理に基づき、適正な手続きに則ってされたか否かによって決すべきである。
○
憲法第84条は、新たに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律または法律の定める条件によることを必要とする旨規定しているが、法律上課税できる品目であるにもかかわらず、実際上は非課税として取り扱われてきた品目を、通達によって新たに課税物品として取り扱うことは、通達の内容が法の正しい解釈に合致するものであっても、法的安定性や国民の予測可能性を欠くので、同条に違反する。
×
国が国費を支出するには、国会の議決を経る必要があるが、国が財政上の需要を充足するために債務を負担するには、債務を負担する時点では国費の支出は伴っていないため、国会の議決は要しない。
×
内閣は、予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決を経ることなく予備費を設け、内閣の責任においてこれを支出することができる。ただし、予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならず、また、予備費の支出の決算については、会計検査院がこれを検査することとされている。
×
憲法第89条が禁止している公金その他の公の財産を宗教上の組織又は団体の使用、便益又は維持のために支出すること又はその利用に供することというのは、憲法が定める政教分離原則の意義に照らして、公金支出行為等における国家と宗教とのかかわり合いが相当とされる限度を超えるものをいうと解すべきであり、これに該当するかどうかを検討するに当たっては、憲法第20条第3項にいう宗教的活動に該当するかどうかを検討するに当たっての基準と同様の基準によって判断しなければならない。
○
国又は地方公共団体が、課税権に基づき、その経費に充てるための資金を調達する目的をもって、特別の給付に対する反対給付としてではなく、一定の要件に該当する全ての者に対して課する金銭給付は、その形式のいかんにかかわらず、憲法第84条に規定する租税にあたる。
○
行政行為に瑕疵があり、行政庁がこれを職権により取り消す場合、この場合における取消行為も行政行為であるため、当該職権取消しを認める法律上の明文の規定が必要である。
×
附款は、行政行為の効果を制限するために付加される意思表示であるから、附款が違法である場合は、本体の行政行為と分離可能であっても、附款を含めた行政行為全体の取消しを求める必要があり、附款のみをを対象とする取消訴訟を提起することはできない。
×
違法行為の転換とは、行政行為が法令の要件を満たしておらず本来は違法ないし無効であるが、これを別の行政行為としてみると、瑕疵がなく、かつ、目的や内容においても要件を満たしていると認められる場合に、その別の行政行為と見立てて有効なものとして扱うことをいい、行政効率の観点から認められる場合がある。しかし、訴訟において違法行為の転換を認めると、行政行為の違法性を争う私人にとって不意打ちとなるため、行政庁が訴訟において違法行為の転換を主張することは明文で禁止されている。
×
行政庁が行う行政行為が基本的には裁量の余地のない確認的行為の性格を有するものであっても、具体的事案に応じ行政庁の比較衡量的判断を含む合理的な行政裁量を行使することが全く許容されないものと解するのは相当でなく、行政庁が、当該行政行為の名宛人と、同人と対立する住民との間で実力による衝突が起こる危険を回避するために、一定の期間、当該行政行為を留保することは、当該行政裁量の行使として許容される範囲内にとどまり、国家賠償法第1条第1項の定める違法性はない。
○
行政財産である土地について建物所有を目的とし期間の定めなくされた使用許可が、当該行政財産本来の用途又は目的上の必要に基づき将来に向かって取り消されたときは、使用権者は、特別の事情のない限り、当該取消しによる土地使用権喪失についての補償を求めることができる。
×
行政代執行法に基づき代執行をなし得るのは、他人が代わってなすことのできる代替的作為義務は履行されない場合のほか、営業停止や製造禁止といった不作為義務が履行されない場合も含まれる。
○
法人税法が定めていた追徴税(当時)は、単に過少申告・不申告による納税義務違反の事実があれば、同法所定のやむを得ない事由のない限り、当該納税義務違反の法人に対し課せられるものであり、これによって、過少申告・不申告による納税義務違反の発生を阻止し、もって納税の実を挙げようとする趣旨に出た行政上の措置と解すべきであるから、同法の定める追徴税と罰金とを併科することは、憲法第39条に違反しないとするのが判例である。
○
即時強制とは、相手方の義務の存在を前提とせずに、行政機関が人又はものに対して実力を行使する事実行為をいう。即時強制は、緊急の危険から私人を保護することや、公共の秩序や民衆に危険が及ぶことを防止することを目的としており、その実施の判断は行政機関の裁量に委ねられる必要があるため、原則として即時強制を実施するための根拠規定は不要である。
×
国税徴収法は、国税債権の徴収に関わる手続きを定めているが、同法に定められている厳格な手続きは、国税債権以外の行政上の金銭債権の徴収にも広く適用されるべき一般的手続である。このため、国税債権以外の行政上の金銭債権の徴収に当たり、国税徴収法の定める徴収手続を適用する場合には、個別の法律において国税徴収法の定める徴収手続を適用するための明文の規定は不要である。
×
行政庁は、審査請求等の不服申立てをすることができる処分をする場合には、処分の相手方に対し、当該処分につき不服申立てをすることができる旨並びに不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間につき教示を求められたときは、当該教示を必ず書面でしなければならない。
×
審査請求等の不服申立てをすることができる処分につき、行政庁が誤って不服申立てをすることができる処分ではないと判断して、処分の相手方に対し、行政不服審査法所定の教示をしなかった場合、当該処分について不服がある者は、当該処分庁に不服申立書を提出することができる。
○
審査請求等の不服申立てにつき裁決等をする権限を有する行政庁は、当該行政庁に不服申立てをした者の求めに応じ、当該行政庁がした裁決等の内容その他行政庁における不服申立ての処理状況について公表しなければならない。
×
行政事件訴訟法で定められた訴訟要件を満たされていない訴えについては、請求が棄却されることとなる。
×
取消訴訟は、正当な理由があるときを除き、処分又は裁決があったことを知った日から6ヶ月を経過したときは、提起することができない。処分又は採決の日から1年を経過したときも同様である。
○
取消訴訟の対象となる行政庁の処分とは、その行為によって、直接もしくは間接に国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているものをいう。
×
取消訴訟は、処分または採決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り提起することができ、当該者には、処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなった後においてもなお処分又は裁決の取り消しによって回復すべき法律上の利益を有する者も含まれる。
○
行政庁の処分に対して法令の規定により審査請求をすることができる場合には、原則として、審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消訴訟を提起することができない。
×
国家賠償法第1条が適用されるのは、公務員が主観的に権限行使の意思をもって行った職務執行につき違法に他人に損害を加えた場合に限られるものであり、客観的に職務執行の外形を備える行為であっても、公務員が自己の利を図る意図をもって行った場合は、国または公共団体は損害賠償の責任を負わないとするのが判例である。
×
公権力の行使にあたる公務員の職務行為に基づく損害については、国または公共団体が賠償の責任を負い、職務の執行に当たった公務員は、故意または重過失のあるときに限り、個人として、被害者に対し直接その責任を負うとするのが判例である。
×
保健所に対する国の嘱託に基づき、県の職員である保健所勤務の医師が国家公務員の定期健康診断の一環としての検診を行った場合、当該医師の行った検診及びその結果の報告は、原則として国の公権力の行使に当たる公務員の職務上の行為と解すべきであり、当該医師の行った検診に過誤があったため受診者が損害を受けたときは、国は国家賠償法1条1項の規定による損害賠償責任を負うとするのが判例である。
×
国家賠償法第2条第1項にいう営造物の設置または管理の瑕疵とは、営造物が有すべき安全性を欠いている状態をいうが、そこにいう安全性の欠如とは、当該営造物を構成する物的施設自体に損する物理的、外形的な欠陥ないし不備によって一般的に危害を生ぜしめる危険性がある場合のみならず、当該営造物が供用目的に沿って利用されることとの関連において危害を生ぜしめる危険性がある場合をも含み、また、その危害は、当該営造物の利用者に対してのみならず、利用者以外の第三者に対するそれをも含むとするのが判例である。
○
外国人が被害者である場合には、国家賠償法1条については、相互の保証があるときに限り、国又は公共団体が損害の賠償責任を負うが、同法第2条については、相互の保証がないときであっても、国または公共団体が損害の賠償責任を負う。
×
代理人が、本人のためにすることを示さないで相手方に意思表示をした場合において、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、本人に対して直接に効力を生ずる。
○
代理人が相手方に対してした意思表示の効力が、ある事情を知っていたこと又は知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、原則として代理人を基準として決する。
○
制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為は、行為能力の制限を理由にして取り消すことができない。
×
委任による代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができるが、法定代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。
×
復代理人は、その権限内の行為について代理人を代表し、また、本人および第三者に対して、その権限の範囲内において、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。
×
無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない。ただし、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、遡及的に有効である。
×
無効な無償行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、給付を受けた当時その行為が無効であることを知らなかったときは、その行為によって現に利益を受けている限度において、変換の義務を負う。
○
無効は、取消しとは異なり、意思表示を要せず、最初から当然に無効であり、当事者に限らず誰でも向こうの主張ができるものであるから、無効な行為は、強行規定違反又は公序良俗違反の行為に限られる。
×
取り消すことができる行為の追認は、原則として、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権を有することを知った後にしなければ、その効力を生じない。
○
追認をすることができる時以降に、取り消すことができる行為について取消権者から履行の請求があった場合は、取消権者が異議をとどめたときを除き、追認をしたものとみなされる。
○
(A、B及びCが甲建物を同一の持分で共有している場合)
甲建物について、無権利者Dが単独名義の登記を有する場合、Aは、Dに対して、単独で登記の全部抹消登記手続を求めることができる。
○
(A、B及びCが甲建物を同一の持分で共有している場合)
甲建物について、CがA及びBに無断で単独名義の登記を有する場合であっても、A及びBは、Cに対して、自己の持分を超えて更生の登記手続を請求することはできない。
○
(A、B及びCが甲建物を同一の持分で共有している場合)
Aは、B及びCに対して、いつでも甲建物の分割を請求することができ、A、B及びCの三者間の契約によっても、これを制限することはできない。
○
(A、B及びCが甲建物を同一の持分で共有している場合)
甲建物について、A、B及びCの各持分の登記がされている場合において、CがEに対しその持分を譲渡し、登記を移転したが、当該譲渡が無効であったときは、Aは、自己の持分を侵害されているわけではないため、Eに対して、単独で持分移転登記の抹消登記手続を求めることができない。
×
(A、B及びCが甲建物を同一の持分で共有している場合)
Cが単独で甲建物に居住してこれを占有している場合であっても、A及びBは、甲建物の明け渡しを求める理由を主張・立証しない限り、Cに対して、甲建物の明け渡しを請求することはできない。
○
Aは、自己の所有する甲土地をBに売却したが、これを引き渡していなかったところ、 Bは、弁済期が到来したにもかかわらず、Aに代金を支払わないまま甲土地をCに売却した。この場合において、CがAに対し甲土地の引き渡しを請求したときは、Aは、AがBに対して有する代金債権のために、Cに対して、甲土地につき留置権を行使することができる。
○
Aは、自己の所有する甲土地をBに売却し引き渡したが、所有権移転登記を経由していなかったところ、甲土地をCにも売却して、所有権移転登記を経由した。この場合において、CがBに対し甲土地の引き渡しを請求したときは、Bは、Aに対して有する債務不履行に基づく損害賠償請求権のために、Cに対して、甲土地につき留置権を行使することができる。
×
Aが、Bに対して有する代金債権のためにB所有の乙土地につき留置権を有する場合において、Bがその代金の一部を支払ったときは、Aは、その金額に応じて、乙土地の一部を引き渡さなければならない。
×
Aが、Bに対して有する代金債権のためにB所有の乙土地につき留置権を有する場合、Aは、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、乙土地を占有しなければならない。
×
Aが、Bに対して有する代金債権のためにB所有の乙土地につき留置権を有する場合、Aは、原則として、乙土地をBの承認なく自由に使用することができる。
×
抵当権者による賃料への物上代位は、抵当権の実行までは抵当権設定者に不動産の使用・収益を認めるという抵当権の趣旨に反するため、被担保債権の不履行がある場合であっても認められない。
×
物上代位は、先取特権、質権及び抵当権については認められるが、留置権には認められない。
○
請負人が注文者に対して有する請負代金債権の一部が、請負人が請負工事に用いるため購入した動産の転売によって取得する代金債権と同視できる場合であっても、請負代金には労務の対価が含まれているため、その動産の売主は、動産売買の先取特権に基づき、当該請負代金債権の一部に対して物上代位権を行使することができない。
×
債権について一般債権者の差押えと抵当権者の物上代位権に基づく差押えが競合した場合、抵当権設定登記よりも一般債権者の申立てによる差押命令の第三債務者への送達が先であれば、一般債権者の差押えが優先する。
○
動産売買の先取特権は、抵当権とは異なり公示方法が存在しないため、動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後でも、目的債権を差押えて物上代位権を行使することができる。
×
売買契約における債務の不履行に対する損害賠償の請求は、その損害が特別の事情によって生じた場合には、当事者が契約締結時にその事情を予見していたときに限りすることができる。
×
将来において取得すべき利益についての損害賠償の額を定める場合において、その利益を取得すべき時までの利息相当額を控除するときは、その損害賠償の請求権が生じた時点における法定利率により行う。
○
金銭の給付を目的とする債務の不履行に基づく損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。
○
売買契約の当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定した場合であっても、解除権を行使することができる。
○
債務の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の1人に対し、又は同時にもしくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。
○
連帯債務者の1人について、法律行為の無効又は取消しの原因がある場合、他の連帯債務者の債務は、その効力を失う。
×
連帯債務者の1人が債権者に対して債権を有する場合において当該債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、、その連帯債務者の負担部分についてのみ、他の連帯債務者は相殺を援用することができる。
×
連帯債務者の1人に対する履行の請求は、債権者及び他の連帯債務者の1人が別段の意思を表示したときを除き、他の連帯債務者に対しても、その効力を生ずる。
×
連帯債務者の1人に対して債務の免除がされた場合には、免除の絶対的効力により、他の連帯債務者は、その1人の連帯債務者に対し、求償権を行使することはできない。
×
AがBに承諾の期間を定めて売買契約の締結の申し込みをした場合において、その期間内にAがBから承諾の通知を受けなかったときは、Aの申込みは承諾されたものとみなされる。
×
AがBに承諾の期間を定めずに売買契約の締結の申し込みをした場合において、Aがこれを撤回する権利を留保したときであっても、Aは、Bからの承諾の通知を受けるのに相当な期間を経過するまでは、その申し込みを撤回することはできない。
×
AとBが対話している間に、AがBに承諾の期間を定めずに売買契約の締結の申し込みをした場合には、Aの申込みは、AとBの対話が継続している間は、いつでも撤回することができる。
○
AがBに売買契約の締結の申し込みの通知を発した後に死亡した場合において、Bが承認の通知を発するまでにAの死亡の事実を知ったときは、Aの申込みは効力を有しない。
○
AがBに売買契約の締結の申し込みをしたところ、BがAの申込みに条件を付してこれを承諾した場合には、Bが承諾した時点で、その条件に従って変更された内容の契約が成立する。
×
売買契約において、買主が売主に手付を交付した場合、その交付にあたって当事者が手付の趣旨を明らかにしていなかったときは、交付された手付は、違約手付と推定される。
×
売買契約の目的物である土地の一部が他人の所有に属していた場合のように、権利の一部が他人に属する場合であっても、売買契約は有効である。そのため、他人の権利を売買の目的とした売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
○
売買契約において、引き渡された目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないものであり、その不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものでない場合、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引き渡しまたは不足分の引き渡しによる履行の追完を請求することができる。その際、売主は、買主が請求した方法によらないければ履行の追完をしたことにはならない。
×
売買契約において、引き渡された目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないものである場合に、買主の救済手段として、一定の要件の下に、追完請求権や代金減額請求権が認められる。これらは紛争の早期解決を目的とする民法上の特則であるため、買主は、追完請求権や代金減額請求権を行使することができるときは、民法第415条の規定による損害賠償の請求や同法第541条の規定による解除権の行使をすることはできない。
×
売買契約において、引き渡された目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないものであり、その不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものでない場合、買主は、売主に対し、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。その際、買主は、売主が代金全額を受け取る機会を与えるため、必ず相当の期間を定めた履行の追完の催告をしなければならない。
×
自筆証書遺言は、押印によって遺言者の同一性及びその意思の真意性が担保されているため、必ずしも手書きで作成する必要はなく、パソコンで作成した遺言書も押印があれば有効である。
×
一般に、封筒の封じ目の押印は、無断の開封を禁止するという遺言者の意思を外部に表示する意味を有するもので、遺言者の同一性及びその意思の真意性を担保する趣旨のものではないから、遺言書の本文に押印がなく、遺言書を入れる封筒の封じ目に押印のある自筆証書遺言は無効である。
×
自筆証書遺言の日付は、作成時の遺言能力の有無や内容の抵触する複数の遺言の先後を確定するために要求されることから、日付が「令和4年3月吉日」と記載された自筆証書遺言は、日付の記載を欠くものとして無効である。
○
カーボン紙を用いて複写の方法によって記載された自筆証言遺言は、民法が要求する自書の要件に欠けるところはなく、その他の要件を満たす限り、有効である。
○
M.E.ポーターは、業界の競争の程度に影響を及ぼす要因として、業者間の敵対関係、新規参入の脅威、顧客の交渉力などの5つをあげた。このうち、新規参入の脅威についてみると、行政により許認可権が行使されている場合などは参入障壁が高くなり、新規参入が行われにくくなることがある。
○
J.B.バーニーはVRIOフレームワークを提唱し、競争優位をもたらす要素の特徴として、価値、希少性、模倣困難性、機会の4つをあげた。このうち、価値についてみると、なんらかの価値ある有用な資源が他社にあり、その資源が自社にない場合、自社は他社と研究開発などで競争して、その資源を獲得する必要がある。
×
企業がコストリーダーシップ、差別化、集中化などの競争戦略を採る場合、いずれか一つの戦略のみに固執すると、当初は順調な成長が持続していたとしても、成長の途中で成長率が大きく鈍化する状況がみられる傾向にある。このような状況は、スタック・イン・ザ・ミドルと呼ばれる。
×
家庭用ゲーム機などでデファクト・スタンダードを獲得するためには、消費者の30%程度に先に普及させる必要があるとされており、その分岐点はクリティカル・マスと呼ばれている。クリティカル・マスは、新製品導入に関する時期別採用者数の推移を示す普及曲線における、前期多数採用者が製品のユーザーになる時期と重なっている。
×
差別化戦略の方向性には大別して水平的な差別化と垂直的な差別化がある。水平的な差別化は、統一的な価値尺度の下で、大多数の消費者が個々の製品のランク付けができる場合に実行可能なものである一方、垂直的な差別化は個人の好みによって評価が分かれる個人別の基準の下で行われるものである。
×
A.D.チャンドラーは、多数の製品を扱うようになった企業が、事業部制組織から機能別組織を経てマトリクス組織へと移行することにより業績を最大化できることを明らかにし、部門間でやりとりされる資源の重要性や各部門の資源利用への裁量権、特定部門への資源の集中度により定まる部門間の資源依存度に従って最適な組織構造が決まるという資源依存理論を提唱した。
×
取引コスト理論においては、取引相手が少数である場合には、企業は相手の事業機会を最優先にすることで自社の利益も高めようとする機会主義的な行動を取るようになるので、取引相手が多数である場合と比べて、裏切りのリスクが低下して契約交渉に要する手間を省くことができるため取引コストが低くなるとされる。
×
憲法第14条第1項は、すべて国民は、法の下で平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない旨規定しているが、同項後段に列挙された事項は例示的なものであるとするのが判例である。また、同項後段にいう「信条」とは、宗教上の信仰にとどまらず、広く思想上や政治上の主義を含むと一般に解されている。
○
租税法の分野における所得の性質の違い等を理由とする取り扱いの区別は、その立法目的が正当なものであり、かつ、当該立法において具体的に採用された区別の態様が当該目的との関連で著しく不合理であることが明らかでない限り、憲法第14条第1項に違反するものではないが、給与所得の金額の計算につき必要経費の実額控除を認めない所得税法の規定(当時)は、事業所得者に比べて給与所得者に著しく不公平な税負担を課すものであり、その区別の態様が著しく不合理であるから、同項に違反するとするのが判例である。
×
憲法第14条の規定は専ら国又は公共団体と個人との関係を規律するものであり、私人相互の関係を直接規律することを予定するものではなく、私人間の関係においては、各人の有する自由と平等の権利が対立する場合の調整は、原則として私的自治に委ねられるのであって、企業者が特定の思想、信条を有する者をそのことを理由に雇入れを拒んでも、それを当然に違法とすることはできないとするのが判例である。
○
参議院議員の選挙において、公職選挙法上、都道府県を単位として各選挙区の議員定数が配分されているために、人口変動の結果、選挙区間における投票価値の不均衡が生じていることについて、国会が具体的な選挙制度の仕組みを決定するにあたり、都道府県の意義や実態を要素として踏まえた選挙制度を構築することは、国会の合理的な裁量を超えるものであり、同法の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は憲法第14条第1項に違反するとするのが判例である。
×
裁判員としての職務に従事し又は裁判員候補者として裁判所に出頭することは、それが司法権の行使に対する国民の参加という点で参政権と同様の権限を国民に付与するものであることや、裁判員法等が裁判員の辞退に関し柔軟な制度を設け、加えて、旅費や日当等の支給により負担を軽減するための経済的措置が講じられていること等を考慮すれば、憲法第18条後段が禁ずる「苦役」に当たらない。
○
強制加入団体である税理士会が政党など政治資金規正法上の政治団体に金員を寄付することは、それが税理士に係る法令の制定改廃に関する政治的要求を実現するためのものである限り、税理士法で定められた税理士会の目的の範囲内の行為であって、当該政治団体に金員の寄付をするために会員から特別会費を徴収する旨の税理士会の総会決議は、会員の思想、信条の自由を侵害するものではなく、有効である。
×
強制加入団体である司法書士会が震災により被災した他県の司法書士会に復興支援のための拠出金を寄付することは、たとえそれが倫理的、人道的見地から実施されるものであっても、司法書士法で定められた司法書士会の目的の範囲外の行為であって、被災した他県の司法書士会に拠出金を寄付するために特別に負担金を徴収する旨の司法書士会の総会決議は、会員の思想、信条の自由を侵害するものであり、無効である。
×
公立中学校の校長が、その作成する調査書に生徒の外部団体の集会への参加やビラ配布などの活動を記載し、当該調査書を入学者選抜の資料として高等学校に提出したことは、当該調査書の記載の内容から生徒の思想、信条を知ることができ、生徒の思想、信条自体を入学者選抜の資料に供したものと解されることから、憲法19条に違反する。
×
市立小学校の校長が音楽専科の教諭に対して入学式の国歌斉唱の際に「君が代」のピアノ伴奏を行うことを命じた職務命令は、直ちに当該教諭の歴史観ないし世界観それ自体を否定するものではなく、当該教諭に対し特定の思想を持つことを強制したり禁止したりするものでもなく、また当該職務命令は、小学校教育の目標などを定めた関係諸規定の趣旨にかなうものであるなど、その目的及び内容において不合理であるということはできず、憲法第19条に違反しない。
○
憲法第21条の保障する「集会」とは、特定又は不特定の多数人が一定の場所において事実上集まる一時的な集合体を指すところ、集会の自由が個人の人格の形成や民主主義社会の維持発展に不可欠な表現の自由の一環であることからすると、同条の集会は、公共的事項を討議し、意見を表明するための集会のみを指し、葬儀や結婚式のような冠婚葬祭のための集会を含まないと解されるから、何者かに殺害された労働組合幹部を追悼するための合同祭はこれに当たらない。
×
集会の自由は、公共の安全や他者の権利保護の点からの制約を免れないところ、主権者が集会を平穏に行おうとしているのに、その集会の目的や主催者の思想等に反対する者らが、集会を実力で阻止しようとして紛争を起こすおそれがあることを、市の福祉会館管理条例が定める「会館の管理上支障があると認められるとき」に当たるとして市長が当該会館の利用を拒むことができるのは、警察の警備等によっても混乱を防止することができないような事情がある場合に限られず、警察の警備等が行われることによりその他の当該会館の利用客に多少の不安が生ずる場合をも含むと解すべきである。
×
道路における危険を防止し、交通の安全等を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資するという道路交通法所定の目的の下に、道路使用の許可に関する明確かつ合理的な基準を掲げて不許可とされる場合を厳格に制限した上、道路を使用して集団更新をしようとする者に対しあらかじめ警察署長の許可を受けさせることとした同法及び県道路交通法施行細則の規定は、表現の自由に対する公共の福祉による必要かつ合理的な制限として憲法上是認される。
○
行列行進又は公衆の集団示威運動について、県の公安条例をもって、地方的情況その他諸般の事情を十分考慮に入れ、不測の事態に備え、法と秩序を維持するのに必要かつ最小限度のの規制措置を事前に講ずることはやむを得ないから、公安委員会に広範な裁量を与え、不許可の場合を厳格に制限しない一般的な許可制を定めて集団行動の実施を事前に抑制することは、憲法に違反しない。
×
公共用財産である皇居外苑の利用の許否は、その利用が公共用財産の公共の用に供せられる目的に沿うものであったとしても皇居外苑の管理権者である厚生大臣(当時)の自由裁量に委ねられることから、メーデーのための皇居外苑の使用許可申請に対して、同大臣が行った不許可処分は、管理権の適正な運用を誤ったものとはいえず、憲法第21条に違反するものではない。
×
憲法第76条第1項は、すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する旨規定する。その例外として、裁判官の弾劾裁判を国会の設ける裁判官弾劾裁判所で行うことや、国会議員の資格争訟についての裁判を各議院で行うことが憲法上認められているが、これらの裁判に対して不服のある者は、さらに司法裁判所へ出訴することができる。
×
最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。また、最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。
○
国公立大学における授業科目の単位授与(認定)行為は、学生が授業科目を履修し試験に合格したことを確認する教育上の措置であり、内部的な問題であることが明らかであるため、およそ司法審査の対象となることはないが、他方、国公立大学における専修科修了認定行為は、大学が専修科修了の認定をしないことは実質的に学生が一般市民として有する公の施設を利用する権利を侵害するものであるため、司法審査の対象となる。
×
政党が党員に対してした処分が一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、裁判所の審判権は及ばないが、他方、当該処分が一般市民としての権利利益を侵害する場合であっても、当該処分の当否は、当該政党の自律的に定めた規範が公序良俗に反するなどの特段の事情のない限り当該規範に照らし、当該規範を有しないときは条理に基づき、適正な手続きに則ってされたか否かによって決すべきである。
○
憲法第84条は、新たに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律または法律の定める条件によることを必要とする旨規定しているが、法律上課税できる品目であるにもかかわらず、実際上は非課税として取り扱われてきた品目を、通達によって新たに課税物品として取り扱うことは、通達の内容が法の正しい解釈に合致するものであっても、法的安定性や国民の予測可能性を欠くので、同条に違反する。
×
国が国費を支出するには、国会の議決を経る必要があるが、国が財政上の需要を充足するために債務を負担するには、債務を負担する時点では国費の支出は伴っていないため、国会の議決は要しない。
×
内閣は、予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決を経ることなく予備費を設け、内閣の責任においてこれを支出することができる。ただし、予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならず、また、予備費の支出の決算については、会計検査院がこれを検査することとされている。
×
憲法第89条が禁止している公金その他の公の財産を宗教上の組織又は団体の使用、便益又は維持のために支出すること又はその利用に供することというのは、憲法が定める政教分離原則の意義に照らして、公金支出行為等における国家と宗教とのかかわり合いが相当とされる限度を超えるものをいうと解すべきであり、これに該当するかどうかを検討するに当たっては、憲法第20条第3項にいう宗教的活動に該当するかどうかを検討するに当たっての基準と同様の基準によって判断しなければならない。
○
国又は地方公共団体が、課税権に基づき、その経費に充てるための資金を調達する目的をもって、特別の給付に対する反対給付としてではなく、一定の要件に該当する全ての者に対して課する金銭給付は、その形式のいかんにかかわらず、憲法第84条に規定する租税にあたる。
○
行政行為に瑕疵があり、行政庁がこれを職権により取り消す場合、この場合における取消行為も行政行為であるため、当該職権取消しを認める法律上の明文の規定が必要である。
×
附款は、行政行為の効果を制限するために付加される意思表示であるから、附款が違法である場合は、本体の行政行為と分離可能であっても、附款を含めた行政行為全体の取消しを求める必要があり、附款のみをを対象とする取消訴訟を提起することはできない。
×
違法行為の転換とは、行政行為が法令の要件を満たしておらず本来は違法ないし無効であるが、これを別の行政行為としてみると、瑕疵がなく、かつ、目的や内容においても要件を満たしていると認められる場合に、その別の行政行為と見立てて有効なものとして扱うことをいい、行政効率の観点から認められる場合がある。しかし、訴訟において違法行為の転換を認めると、行政行為の違法性を争う私人にとって不意打ちとなるため、行政庁が訴訟において違法行為の転換を主張することは明文で禁止されている。
×
行政庁が行う行政行為が基本的には裁量の余地のない確認的行為の性格を有するものであっても、具体的事案に応じ行政庁の比較衡量的判断を含む合理的な行政裁量を行使することが全く許容されないものと解するのは相当でなく、行政庁が、当該行政行為の名宛人と、同人と対立する住民との間で実力による衝突が起こる危険を回避するために、一定の期間、当該行政行為を留保することは、当該行政裁量の行使として許容される範囲内にとどまり、国家賠償法第1条第1項の定める違法性はない。
○
行政財産である土地について建物所有を目的とし期間の定めなくされた使用許可が、当該行政財産本来の用途又は目的上の必要に基づき将来に向かって取り消されたときは、使用権者は、特別の事情のない限り、当該取消しによる土地使用権喪失についての補償を求めることができる。
×
行政代執行法に基づき代執行をなし得るのは、他人が代わってなすことのできる代替的作為義務は履行されない場合のほか、営業停止や製造禁止といった不作為義務が履行されない場合も含まれる。
○
法人税法が定めていた追徴税(当時)は、単に過少申告・不申告による納税義務違反の事実があれば、同法所定のやむを得ない事由のない限り、当該納税義務違反の法人に対し課せられるものであり、これによって、過少申告・不申告による納税義務違反の発生を阻止し、もって納税の実を挙げようとする趣旨に出た行政上の措置と解すべきであるから、同法の定める追徴税と罰金とを併科することは、憲法第39条に違反しないとするのが判例である。
○
即時強制とは、相手方の義務の存在を前提とせずに、行政機関が人又はものに対して実力を行使する事実行為をいう。即時強制は、緊急の危険から私人を保護することや、公共の秩序や民衆に危険が及ぶことを防止することを目的としており、その実施の判断は行政機関の裁量に委ねられる必要があるため、原則として即時強制を実施するための根拠規定は不要である。
×
国税徴収法は、国税債権の徴収に関わる手続きを定めているが、同法に定められている厳格な手続きは、国税債権以外の行政上の金銭債権の徴収にも広く適用されるべき一般的手続である。このため、国税債権以外の行政上の金銭債権の徴収に当たり、国税徴収法の定める徴収手続を適用する場合には、個別の法律において国税徴収法の定める徴収手続を適用するための明文の規定は不要である。
×
行政庁は、審査請求等の不服申立てをすることができる処分をする場合には、処分の相手方に対し、当該処分につき不服申立てをすることができる旨並びに不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間につき教示を求められたときは、当該教示を必ず書面でしなければならない。
×
審査請求等の不服申立てをすることができる処分につき、行政庁が誤って不服申立てをすることができる処分ではないと判断して、処分の相手方に対し、行政不服審査法所定の教示をしなかった場合、当該処分について不服がある者は、当該処分庁に不服申立書を提出することができる。
○
審査請求等の不服申立てにつき裁決等をする権限を有する行政庁は、当該行政庁に不服申立てをした者の求めに応じ、当該行政庁がした裁決等の内容その他行政庁における不服申立ての処理状況について公表しなければならない。
×
行政事件訴訟法で定められた訴訟要件を満たされていない訴えについては、請求が棄却されることとなる。
×
取消訴訟は、正当な理由があるときを除き、処分又は裁決があったことを知った日から6ヶ月を経過したときは、提起することができない。処分又は採決の日から1年を経過したときも同様である。
○
取消訴訟の対象となる行政庁の処分とは、その行為によって、直接もしくは間接に国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているものをいう。
×
取消訴訟は、処分または採決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り提起することができ、当該者には、処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなった後においてもなお処分又は裁決の取り消しによって回復すべき法律上の利益を有する者も含まれる。
○
行政庁の処分に対して法令の規定により審査請求をすることができる場合には、原則として、審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消訴訟を提起することができない。
×
国家賠償法第1条が適用されるのは、公務員が主観的に権限行使の意思をもって行った職務執行につき違法に他人に損害を加えた場合に限られるものであり、客観的に職務執行の外形を備える行為であっても、公務員が自己の利を図る意図をもって行った場合は、国または公共団体は損害賠償の責任を負わないとするのが判例である。
×
公権力の行使にあたる公務員の職務行為に基づく損害については、国または公共団体が賠償の責任を負い、職務の執行に当たった公務員は、故意または重過失のあるときに限り、個人として、被害者に対し直接その責任を負うとするのが判例である。
×
保健所に対する国の嘱託に基づき、県の職員である保健所勤務の医師が国家公務員の定期健康診断の一環としての検診を行った場合、当該医師の行った検診及びその結果の報告は、原則として国の公権力の行使に当たる公務員の職務上の行為と解すべきであり、当該医師の行った検診に過誤があったため受診者が損害を受けたときは、国は国家賠償法1条1項の規定による損害賠償責任を負うとするのが判例である。
×
国家賠償法第2条第1項にいう営造物の設置または管理の瑕疵とは、営造物が有すべき安全性を欠いている状態をいうが、そこにいう安全性の欠如とは、当該営造物を構成する物的施設自体に損する物理的、外形的な欠陥ないし不備によって一般的に危害を生ぜしめる危険性がある場合のみならず、当該営造物が供用目的に沿って利用されることとの関連において危害を生ぜしめる危険性がある場合をも含み、また、その危害は、当該営造物の利用者に対してのみならず、利用者以外の第三者に対するそれをも含むとするのが判例である。
○
外国人が被害者である場合には、国家賠償法1条については、相互の保証があるときに限り、国又は公共団体が損害の賠償責任を負うが、同法第2条については、相互の保証がないときであっても、国または公共団体が損害の賠償責任を負う。
×
代理人が、本人のためにすることを示さないで相手方に意思表示をした場合において、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、本人に対して直接に効力を生ずる。
○
代理人が相手方に対してした意思表示の効力が、ある事情を知っていたこと又は知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、原則として代理人を基準として決する。
○
制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為は、行為能力の制限を理由にして取り消すことができない。
×
委任による代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができるが、法定代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。
×
復代理人は、その権限内の行為について代理人を代表し、また、本人および第三者に対して、その権限の範囲内において、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。
×
無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない。ただし、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、遡及的に有効である。
×
無効な無償行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、給付を受けた当時その行為が無効であることを知らなかったときは、その行為によって現に利益を受けている限度において、変換の義務を負う。
○
無効は、取消しとは異なり、意思表示を要せず、最初から当然に無効であり、当事者に限らず誰でも向こうの主張ができるものであるから、無効な行為は、強行規定違反又は公序良俗違反の行為に限られる。
×
取り消すことができる行為の追認は、原則として、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権を有することを知った後にしなければ、その効力を生じない。
○
追認をすることができる時以降に、取り消すことができる行為について取消権者から履行の請求があった場合は、取消権者が異議をとどめたときを除き、追認をしたものとみなされる。
○
(A、B及びCが甲建物を同一の持分で共有している場合)
甲建物について、無権利者Dが単独名義の登記を有する場合、Aは、Dに対して、単独で登記の全部抹消登記手続を求めることができる。
○
(A、B及びCが甲建物を同一の持分で共有している場合)
甲建物について、CがA及びBに無断で単独名義の登記を有する場合であっても、A及びBは、Cに対して、自己の持分を超えて更生の登記手続を請求することはできない。
○
(A、B及びCが甲建物を同一の持分で共有している場合)
Aは、B及びCに対して、いつでも甲建物の分割を請求することができ、A、B及びCの三者間の契約によっても、これを制限することはできない。
○
(A、B及びCが甲建物を同一の持分で共有している場合)
甲建物について、A、B及びCの各持分の登記がされている場合において、CがEに対しその持分を譲渡し、登記を移転したが、当該譲渡が無効であったときは、Aは、自己の持分を侵害されているわけではないため、Eに対して、単独で持分移転登記の抹消登記手続を求めることができない。
×
(A、B及びCが甲建物を同一の持分で共有している場合)
Cが単独で甲建物に居住してこれを占有している場合であっても、A及びBは、甲建物の明け渡しを求める理由を主張・立証しない限り、Cに対して、甲建物の明け渡しを請求することはできない。
○
Aは、自己の所有する甲土地をBに売却したが、これを引き渡していなかったところ、 Bは、弁済期が到来したにもかかわらず、Aに代金を支払わないまま甲土地をCに売却した。この場合において、CがAに対し甲土地の引き渡しを請求したときは、Aは、AがBに対して有する代金債権のために、Cに対して、甲土地につき留置権を行使することができる。
○
Aは、自己の所有する甲土地をBに売却し引き渡したが、所有権移転登記を経由していなかったところ、甲土地をCにも売却して、所有権移転登記を経由した。この場合において、CがBに対し甲土地の引き渡しを請求したときは、Bは、Aに対して有する債務不履行に基づく損害賠償請求権のために、Cに対して、甲土地につき留置権を行使することができる。
×
Aが、Bに対して有する代金債権のためにB所有の乙土地につき留置権を有する場合において、Bがその代金の一部を支払ったときは、Aは、その金額に応じて、乙土地の一部を引き渡さなければならない。
×
Aが、Bに対して有する代金債権のためにB所有の乙土地につき留置権を有する場合、Aは、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、乙土地を占有しなければならない。
×
Aが、Bに対して有する代金債権のためにB所有の乙土地につき留置権を有する場合、Aは、原則として、乙土地をBの承認なく自由に使用することができる。
×
抵当権者による賃料への物上代位は、抵当権の実行までは抵当権設定者に不動産の使用・収益を認めるという抵当権の趣旨に反するため、被担保債権の不履行がある場合であっても認められない。
×
物上代位は、先取特権、質権及び抵当権については認められるが、留置権には認められない。
○
請負人が注文者に対して有する請負代金債権の一部が、請負人が請負工事に用いるため購入した動産の転売によって取得する代金債権と同視できる場合であっても、請負代金には労務の対価が含まれているため、その動産の売主は、動産売買の先取特権に基づき、当該請負代金債権の一部に対して物上代位権を行使することができない。
×
債権について一般債権者の差押えと抵当権者の物上代位権に基づく差押えが競合した場合、抵当権設定登記よりも一般債権者の申立てによる差押命令の第三債務者への送達が先であれば、一般債権者の差押えが優先する。
○
動産売買の先取特権は、抵当権とは異なり公示方法が存在しないため、動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後でも、目的債権を差押えて物上代位権を行使することができる。
×
売買契約における債務の不履行に対する損害賠償の請求は、その損害が特別の事情によって生じた場合には、当事者が契約締結時にその事情を予見していたときに限りすることができる。
×
将来において取得すべき利益についての損害賠償の額を定める場合において、その利益を取得すべき時までの利息相当額を控除するときは、その損害賠償の請求権が生じた時点における法定利率により行う。
○
金銭の給付を目的とする債務の不履行に基づく損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。
○
売買契約の当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定した場合であっても、解除権を行使することができる。
○
債務の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の1人に対し、又は同時にもしくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。
○
連帯債務者の1人について、法律行為の無効又は取消しの原因がある場合、他の連帯債務者の債務は、その効力を失う。
×
連帯債務者の1人が債権者に対して債権を有する場合において当該債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、、その連帯債務者の負担部分についてのみ、他の連帯債務者は相殺を援用することができる。
×
連帯債務者の1人に対する履行の請求は、債権者及び他の連帯債務者の1人が別段の意思を表示したときを除き、他の連帯債務者に対しても、その効力を生ずる。
×
連帯債務者の1人に対して債務の免除がされた場合には、免除の絶対的効力により、他の連帯債務者は、その1人の連帯債務者に対し、求償権を行使することはできない。
×
AがBに承諾の期間を定めて売買契約の締結の申し込みをした場合において、その期間内にAがBから承諾の通知を受けなかったときは、Aの申込みは承諾されたものとみなされる。
×
AがBに承諾の期間を定めずに売買契約の締結の申し込みをした場合において、Aがこれを撤回する権利を留保したときであっても、Aは、Bからの承諾の通知を受けるのに相当な期間を経過するまでは、その申し込みを撤回することはできない。
×
AとBが対話している間に、AがBに承諾の期間を定めずに売買契約の締結の申し込みをした場合には、Aの申込みは、AとBの対話が継続している間は、いつでも撤回することができる。
○
AがBに売買契約の締結の申し込みの通知を発した後に死亡した場合において、Bが承認の通知を発するまでにAの死亡の事実を知ったときは、Aの申込みは効力を有しない。
○
AがBに売買契約の締結の申し込みをしたところ、BがAの申込みに条件を付してこれを承諾した場合には、Bが承諾した時点で、その条件に従って変更された内容の契約が成立する。
×
売買契約において、買主が売主に手付を交付した場合、その交付にあたって当事者が手付の趣旨を明らかにしていなかったときは、交付された手付は、違約手付と推定される。
×
売買契約の目的物である土地の一部が他人の所有に属していた場合のように、権利の一部が他人に属する場合であっても、売買契約は有効である。そのため、他人の権利を売買の目的とした売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
○
売買契約において、引き渡された目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないものであり、その不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものでない場合、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引き渡しまたは不足分の引き渡しによる履行の追完を請求することができる。その際、売主は、買主が請求した方法によらないければ履行の追完をしたことにはならない。
×
売買契約において、引き渡された目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないものである場合に、買主の救済手段として、一定の要件の下に、追完請求権や代金減額請求権が認められる。これらは紛争の早期解決を目的とする民法上の特則であるため、買主は、追完請求権や代金減額請求権を行使することができるときは、民法第415条の規定による損害賠償の請求や同法第541条の規定による解除権の行使をすることはできない。
×
売買契約において、引き渡された目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないものであり、その不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものでない場合、買主は、売主に対し、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。その際、買主は、売主が代金全額を受け取る機会を与えるため、必ず相当の期間を定めた履行の追完の催告をしなければならない。
×
自筆証書遺言は、押印によって遺言者の同一性及びその意思の真意性が担保されているため、必ずしも手書きで作成する必要はなく、パソコンで作成した遺言書も押印があれば有効である。
×
一般に、封筒の封じ目の押印は、無断の開封を禁止するという遺言者の意思を外部に表示する意味を有するもので、遺言者の同一性及びその意思の真意性を担保する趣旨のものではないから、遺言書の本文に押印がなく、遺言書を入れる封筒の封じ目に押印のある自筆証書遺言は無効である。
×
自筆証書遺言の日付は、作成時の遺言能力の有無や内容の抵触する複数の遺言の先後を確定するために要求されることから、日付が「令和4年3月吉日」と記載された自筆証書遺言は、日付の記載を欠くものとして無効である。
○
カーボン紙を用いて複写の方法によって記載された自筆証言遺言は、民法が要求する自書の要件に欠けるところはなく、その他の要件を満たす限り、有効である。
○
M.E.ポーターは、業界の競争の程度に影響を及ぼす要因として、業者間の敵対関係、新規参入の脅威、顧客の交渉力などの5つをあげた。このうち、新規参入の脅威についてみると、行政により許認可権が行使されている場合などは参入障壁が高くなり、新規参入が行われにくくなることがある。
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J.B.バーニーはVRIOフレームワークを提唱し、競争優位をもたらす要素の特徴として、価値、希少性、模倣困難性、機会の4つをあげた。このうち、価値についてみると、なんらかの価値ある有用な資源が他社にあり、その資源が自社にない場合、自社は他社と研究開発などで競争して、その資源を獲得する必要がある。
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企業がコストリーダーシップ、差別化、集中化などの競争戦略を採る場合、いずれか一つの戦略のみに固執すると、当初は順調な成長が持続していたとしても、成長の途中で成長率が大きく鈍化する状況がみられる傾向にある。このような状況は、スタック・イン・ザ・ミドルと呼ばれる。
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家庭用ゲーム機などでデファクト・スタンダードを獲得するためには、消費者の30%程度に先に普及させる必要があるとされており、その分岐点はクリティカル・マスと呼ばれている。クリティカル・マスは、新製品導入に関する時期別採用者数の推移を示す普及曲線における、前期多数採用者が製品のユーザーになる時期と重なっている。
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差別化戦略の方向性には大別して水平的な差別化と垂直的な差別化がある。水平的な差別化は、統一的な価値尺度の下で、大多数の消費者が個々の製品のランク付けができる場合に実行可能なものである一方、垂直的な差別化は個人の好みによって評価が分かれる個人別の基準の下で行われるものである。
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A.D.チャンドラーは、多数の製品を扱うようになった企業が、事業部制組織から機能別組織を経てマトリクス組織へと移行することにより業績を最大化できることを明らかにし、部門間でやりとりされる資源の重要性や各部門の資源利用への裁量権、特定部門への資源の集中度により定まる部門間の資源依存度に従って最適な組織構造が決まるという資源依存理論を提唱した。
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取引コスト理論においては、取引相手が少数である場合には、企業は相手の事業機会を最優先にすることで自社の利益も高めようとする機会主義的な行動を取るようになるので、取引相手が多数である場合と比べて、裏切りのリスクが低下して契約交渉に要する手間を省くことができるため取引コストが低くなるとされる。
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